元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」

2016-08-22 06:32:28 | 映画の感想(あ行)
 (原題:INDEPENDENCE DAY:RESURGENCE )もとより、本作に質の高さなどは少しも期待していない。要はどれだけ無茶をやらかして笑わせてくれるか、興味の対象はそれだけだ。で、観終わると、そのことに対する“満足感”は見事に達成されたと言える。筋書きや演出、映像、キャストに対する演技指導など、すべてにおいてデタラメの極地であり、全編これ失笑の嵐だ。さすがはローランド・エメリッヒ御大、その“伝統芸”には感服するしかない(爆)。

 96年に製作・公開され、世界中で大ヒットを記録したSFお笑い巨編「インデペンデンス・デイ」の続編。映画の中でも20年ばかりの時間が流れ、かつて地球侵略を狙ったエイリアンを撃退した人類は、宇宙からの脅威を前に一つにまとまっていた。回収した異星人の技術を利用して防衛システムを構築し、月面にも前線基地を置いて新たな危機に備えていた・・・・はずだった。



 ところが前回のエイリアンの生き残りがSOSを発信。今度は想像を絶する巨大な母船を伴って地球に迫ってくる。そんな中、月面で発見された小さな球体が昔エイリアンに侵略されて滅ぼされた他の異星人が送ったものであることが判明。実はエイリアンはこの球体の奪還も狙っていた? ・・・・という、釈然としない設定から始まってあとはエメリッヒ大先生が得意とする内容空疎な与太話が延々と続く。

 各プロットはもうどこから突っ込んで良いのか分からないほどの世迷いごとがてんこ盛りで、まさに御都合主義と支離滅裂さが大爆発している。クライマックスなんか、意味も無く“怪獣映画”のルーティンを披露する始末。出てくるキャラクターは全員脳天気で、まともな思考形態を有している者は一人もいない。



 ならば映像処理ぐらいは凄いのかといえば、これも手抜き以外の何物でもなく、ハデな画面が炸裂しているわりには段取りや仕上がりが雑だ。少なくとも前作にはディザスター映画として観客を驚かせるアイデアがその映像にはあったのだが、今回は皆無である。

 一応、戦闘機パイロットの主人公をリアム・ヘムズワースが演じ、他にビル・プルマン、ジェフ・ゴールドブラムら前作から続投したキャストも参加しているのだが、“ご苦労さんでした”としか言いようがない(ウィル・スミスの不在理由があっさりと説明されたのには苦笑したが ^^;)。

 それにしても、世界的な危機を扱っているにも関わらず、地球上にはアメリカと中国以外の国は存在しないようになっているが、どういうことだろうか(大笑)。チャイナマネーのハリウッド侵攻はこれほどまでに凄いという話かもしれない。エイリアンの地球侵略よりも、そっちの方が心配だ(呆)。
コメント
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