テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 主人公は、誰だ? ~

2024-05-14 22:04:47 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 せかいじゅうゥからァ~はぴィばァ~すでいィ!」

「がるる!ぐるがるるるるぐる!」(←訳:虎です!いや宇宙中からだよ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日5月14日は、ジョージ・ルーカスさんのお誕生日!

 おめでとうございますの拍手を送りながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの新書作品を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― ローマ帝国の誕生 ――

 

 

 著者は宮嵜麻子(みやざき・あさこ)さん、

 2024年2月に発行されました。

 

 ええ、パルパティーン皇帝が統べる銀河帝国……ではありませんが、

 STAR WARS 世界に於ける『帝国』のモデルになったに違いない、

 もしくは、

 制作時にルーカスさんたちが参考にしたこと間違いなしの、

 本物の『帝国』の歴史700年を

 一冊にギュウ~っと圧縮した快作です。

 

「きょだいなァ、ていこくゥ!」

「ぐるるるがるるっるるる!」(←訳:始まりは小さかったのに!)

 

 地中海に、長靴型に伸びるイタリア半島。

 その半島の、ちょうど中程あたり、

 川がながれ、なだらかに丘がつらなる土地に、

 小さな国家が誕生したのは、

 紀元前753年のことでした。

 

 それは実際にとても小さな国で、

 パラティヌスの丘を囲った壁の一辺は

 およそ400メートル前後であったといいますから、

 国立スタジアム1個分くらい?

 

「ふわわァ~…!」

「がるるるぐるる!」(←訳:ホントに小さい!)

 

 コロッセオならぬスタジアム1個分のミニ国家は、

 当初、王が治める王政であったのが、

 前509年、王は追放され、

 国家は新たなフェーズ――

 共和制へと突入します。

 

 元老院をトップとする政治体制は、

 意外にも高い機能を発揮し、

 小さな国家《ローマ》は

 版図を外へ外へと拡大してゆきました。

 地中海の東西南北を領し、

 新興国を滅ぼし、呑み込んで、

 国は、もはや超巨大サイズ。

 

「おッ、おもいィ~ッ!」

「ぐるるる~!」(←訳:息苦しい~!)

 

 著者・宮嵜さんは、

 小さな国家《ローマ》が、

 地中海世界を支配するに到るまでを

 テンポよく描写してゆきます。

 

 しかし、

 第1章から第9章までの、9つの章から成る本文中で、

 《皇帝》が登場するのは

 最終章たる第9章『ローマ皇帝の出現』でのみ。

 

 つまり、この御本に”主人公”がいるとしたら、

 それは冠を戴いた皇帝ではなく、

 《ローマ》と呼ばれた国に生まれた

 政治家や官僚、将軍や兵士たち、でしょうか。

 

「ひとりィひとりィがァ~」

「がるるるるぐるがる!」(←訳:巨大国家の構成要素!)

 

 長い序奏を経て、

 ついに、皇帝の器たるカエサルさんが

 政治の頂点に立った!と思う間もなく、訪れた悲劇。

 そして、

 カエサルさんの秘蔵っ子アウグストゥスさんに

 帝冠は輝くも。

 

 ようやく誕生した《ローマ帝国》は、

 ”群”ではなく”個”が支配する国は、

 どこへ、どう向かおうというのか……?

 

「だれもォ、しらないィ~?」

「ぐるがるぐるるるる?」(←訳:皇帝にも分からない?)

 

 カエサルさんが早世しなかったら、

 《ローマ》はどんな形に完成したのだろう?

 彼は、《ローマ》という国の未来に

 どんなプランを用意していたのか――

 

 歴史好きな活字マニアさんの

 好奇心と想像力を掻き立てる新書作品です。

 ノンフィクション好きな方々、

 もちろんSTAR WARS マニア諸氏も、

 ぜひ、一読を~♪

 

コメント
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