テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ぐ~んと、遠くへ! ~

2021-06-30 23:25:18 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふわわわッ! はんぶんッ、すぎちゃッたでス!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!明日から7月!)

 こんにちは、ネーさです。
 2021年前半の6ヶ月も、今日で終わり……
 7月となる明日からは、
 より良い後半の6ヶ月となることを願いつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの《旅行ガイド》本を、どうぞ~♪

  


 
      ―― るるぶ 宇宙 ――



 JTBのMOOK本は、2021年3月に発行されました。
 『THE SPACE』と英語題名が、
 『探査の最前線から未来の旅行プランまで』
 と副題が付されています。

「るるぶゥ?」
「ぐるぅ~?」(←訳:宇宙ぅ~?)

 JTBの『るるぶ』といえば、
 旅行ガイド本の老舗ブランドさん、ですね。

 海外の国々や都市、
 日本国内でも
 さまざまな土地・地域を主題に
 多くのガイドブックが編まれてきました。

 パリ、ロンドン、ニューヨーク……
 東京、大阪、京都……
 UFJや、ディズニー……

 しかし。
 実は、『るるぶ』編集スタッフの方々も
 まだ訪問していない
 《秘境》が、あった……

 それが、
 《宇宙》!

「むふゥ! たしかにィ、さいきんはァ~…」
「がるぐるる~がるるる!」(←訳:人気だよね、宇宙の旅!)

 そうよね、
 ビックリすることに、近年は、
 宇宙への旅が現実のモノになって来ました。

 札束をドンと積んで、
 健康状態も良好であるのなら、
 そりゃNASAだって
 ウェルカム!
 喜んで月へ連れてってあげましょう!
 ってなっちゃうわ。

 ただまあ、A・C・クラークさんや
 A・アシモフさんたちSF作家さんや、
 前回記事でご紹介した『トキワ荘』から
 名作SF漫画を世に送り出した
 手塚治虫さんや石ノ森章太郎さんは、
 苦笑いしたかもしれませんけど。

「ぷふふッ♪」
「ぐるるっ♫」

 この御本では、先ず巻頭で、
 いつか私たちも
 旅する機会があるかもしれない場所――
 『国際宇宙ステーション』こと
 『ISS』を特集しています。

 近いうちに運用されなくなる……と、
 噂されていましたが、
 どうやら、
 民間による商用利用が始まるようですね。

 そうなったら、
 旅行の目的地として、
 映画の撮影場所として、
 科学実験室として、
 これからも大人気?

「よかッたでスゥ!」
「がっるぐるるる!」(←訳:ホッとしました!)

 宇宙事業に乗り出しているのは、
 スペースX社さんや、
 ヴァージン・ギャラクティック社さんの他にも
 ブルー・オリジン社さん、
 PDエアロスペース社さん……

 彼らが目指すのは、
 『ISS』を超え、
 月面での都市計画や、
 火星への有人着陸……
 そして、その先の、
 外宇宙への探査も、
 いつの日か手が届くことになる、のか……?

「ほんとうゥのォ、うちゅうゥりょこうゥ!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:期待と不安と期待!)

 御本の後半部分では、
 太陽系の惑星の特集、
 地上にいても宇宙を実感できる
 《宇宙スポット》なども
 取り上げられています。

 宇宙食の歴史や、
 日本各地の宇宙施設MAPも
 楽しく読める
 『るるぶ宇宙』は、
 大人な活字マニアさんにも
 宇宙好きな少年少女さんにも
 おすすめですよ。
 旅マニアな方々も、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 

 
 
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~ 始まりの木造アパート ~

2021-06-29 23:30:39 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わおゥ! じゃいやんとォ~きりんッ!」
「がるる!ぐぅるるるるがるる?」(←訳:虎です!ジャイアンときりん?)

 こんにちは、ネーさです。
 EURO2020決勝Tでジャイアントキリング!
 優勝候補フランスを、スイスが下す!
 今後も波乱は起きるのかしらとドキドキしながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― トキワ荘マンガミュージアム ――



 編者はコロナ・ブックス編集部の皆さん、
 2021年4月に発行されました。
 『――物語の始まり』と副題が付されています。

「てづかァせんせェ~いッ!」
「ぐるるがる~!」(←訳:石ノ森先生~!)

 伝説のアパート《トキワ荘》。

 あらためて説明のする必要もないほどの、
 現代日本文化にとっての
 ひとつの”聖地”が、
 1952年竣工の木造モルタルアパート
 《トキワ荘》でした。

 いえ、
 ”でした“じゃありませんね。
 “です“と現在形で言わなくては!

「ときわそうゥ、ふッかつゥ~!」
「がるぐるるる!」(←訳:新生しました!)

 1982年、
 惜しまれつつも
 取り壊されてしまった《トキワ荘》は、
 2020年7月7日、
 東京都豊島区南長崎に再現されたんです。

 この御本では、
 再現成った《トキワ荘》の見どころや、
 かつて《トキワ荘》に居住したマンガ家さん――

 手塚治虫さん、
 石ノ森章太郎さん、
 藤子・F・不二雄さん、
 藤子不二雄Ⓐさん、
 赤塚不二夫さん、
 水野英子さん、
 鈴木伸一さん、
 寺田ヒロオさん、
 森安なおやさん、
 よこたとくおさん、
 山内ジョージさん、

 そして《トキワ荘》ゆかりの
 マンガ家さんたち、
 昭和20~30年代の
 漫画雑誌文化なども紹介してゆきます。

「これはァ……すごいィでスゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:徹底再現!)

 マンガミュージアムの建物の、
 1階はマンガラウンジ、
 2階は
 マンガ家さんたちが暮らした部屋を
 再現した常設展示室になっている、
 とのことですが、
 いやあ、この“汚しっぷり”が凄まじい!

 共同炊事場の、
 ガスコンロの傷、
 お鍋のへこみ、
 テーブルの上の『カルピス』の壜……

 石ノ森さんの仕事部屋の、
 本棚に並ぶSF小説、
 映画のフィルムを収めた缶、
 机の上の文具たち……。

「りあるゥ!」
「がるるる~!」(←訳:カワイイ~!)

 マンガの原稿料を手にしても、
 すぐに映画や書籍代金に
 消えてしまうため、
 食事にかけられるお金は
 ギリギリ最低限。

 当時のお金で
 一杯¥40のラーメンは
 ちょっとした贅沢だったという
 《トキワ荘》の日々。

 そんな場所から始まり、
 高まっていった創造の熱波が、
 やがて世界を変えてゆく――

「あとむくんッ!」
「ぐるる~!」(←訳:009~!)

 マンガ好きな方々に、
 近代史や昭和史好きな活字マニアさんに
 おすすめの一冊です。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 
 
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~ 森と川の、天幕生活 ~

2021-06-28 23:42:39 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むゥ! いまァ、だいりゅうこうゥ~でス!」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!特に夏!)

 こんにちは、ネーさです。
 いま流行りの、
 そして夏向きで、
 関連製品の売上げは右肩上がり……といえば、
 キャンプ!
 ということで、本日の読書タイムは、
 ↓こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  



       ―― キャンプ日和 ――



 著者は、20世紀の登山家さんや文学者さんから
 現在活躍中のクリエイターさんまで総勢30名!
 2021年4月に発行されました。
 『アウトドアと文藝』とシリーズ題名が付されています。

「てんとォにィ、らんたんッ!」
「ぐっるるーるる!」(←訳:ダッジオーブン!)
「てんたいィかんそくゥ!」

 そうね、
 アウトドアで出来ることは
 た~くさん有りますが、
 この御本に収録されている作品の多くは、
 キャンプをテーマとしています。

 え? グランピング?

 いえいえ、
 豪華かつ手軽なキャンプなんて、
 とんでもありません。

「にもつゥ、せおいィまス!」
「がるるぐるがる!」(←訳:食糧と水は必須!)

 河東碧梧桐さんは白馬山めざして登り。

 串田孫一さんは、
 キャンプ……いえ、野宿の経験を語り。

 沢野ひとしさんは
 キノコ狩りにいそしみ。

 椎名誠さんは
 中学生時代へと
 思いを馳せます。

 仲間3~4人で
 自分の町の海岸や
 川の岸辺でキャンプをしたこと。
 テントや飯盒は、
 当時ぼくの家に居候をしていた叔父さんのものを
 借りていったこと。

「えェ~とォ、おこめのォたきかたがァ~…」
「ぐるるるるる~!」(←訳:分からないよ~!)

 私たち多摩っ子が
 親近感を抱いてしまうのは、

 高畑棟材(たかはた・むねたか)さん
 (東京都出身。書家、詩人、登山家。1897~1958)の
 『多摩川沿岸のキャムプサイト』
 でしょうか。

 そう、キャンプではなく
 キャムプであるところに
 先ず感心させられます。

 そして、
 作品中で高畑さんが、
 ここなら楽しいキャムピングが出来る、と
 挙げている場所は、
 数十年の時を隔てた今、
 ちょうどキャンプ場が
 開設されている地区だったりして、
 ますます感心!

「きゃむぷのォ、たつじんッ!」
「がるるぐる!」(←訳:プロの眼力!)

 のどかでレトロな、
 ほのぼのとしたキャンプの記憶。

 山と渓谷、
 森の小道、
 川べりや草地に張られた
 色とりどりのテント。 

 最先端のツールや
 流行のキャンプご飯が
 出てくる訳ではないけれど、
 キャンプ好きな方々、
 アウトドア派さんに
 おすすめのアンソロジー作品です。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 
 
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~ PLAY!MUSEUM《みみをすますように 酒井駒子》展へ ~

2021-06-27 23:39:44 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はやくもォ、ぱぷにんぐゥ~でス!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!心配だよう!)

 こんにちは、ネーさです。
 《ツール・ド・フランス》第1ステージでは大落車が!
 英国ではラグビー日本代表が奮闘!
 MLBでは大谷選手が!と
 スポーツニュースてんこ盛りだった日曜の締め括りは、
 アート&読書タイムですよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪
 
  


 
  ―― みみをすますように 酒井駒子 展 ――



 東京・立川のPLAY!MUSEUMにて、
 会期は2021年4月10日~7月4日(会期中無休)、
 『As if Listening Komako Sakai』と
 英語題名が付されています。

 前回記事では、
 同じくPLAY!MUSEUMで開催中の
 『ぐりとぐら しあわせの本』展について
 ご紹介しました。

 今回は、初の本格的な個展!だという
 『みみをすますように 酒井駒子』展へGO!ですよ。

「ほわわァ? これはァ~…」
「ぐるっるるぅ!」(←訳:変わってるぅ!)

 展覧会場は、
 会場自体がアート作品であるような、
 独特の空間になっています。

 木材を多用した展示台やオブジェ、
 照明がやや暗めなのは
 作品を保護するためでしょうか……。

「あッ、あッたでス!」
『がるるるる!」(←訳:人魚さんだ!)

 おお、私ネーさの大々好きな
 『赤い蝋燭と人魚』の原画がありますよ。
 『金曜日の砂糖ちゃん』
 『よるくま』
 『ビロードのうさぎ』も!

 あらっ?
 この作品はみたことないわ?
 『梨の子ペリーナ』?

「いたりあのォ~おはなしィ!」 
「ぐるる~!」(←訳:楽しい~!)

  

 ↑こちらが、展覧会の公式図録、なのですが、
 図録というよりも、
 ほとんど書籍のような造りになっていて、
 全体のデザインも、
 印刷の精度も、
 何もかも素晴らしい!

 一般の書店さんでも
 取り扱われているこの図録は、
 現在、ネット書店さんなどでは
 品切れになっている場合もあるようです。

 ミュージアムショップには
 たくさん用意されていたので、
 展覧会へお出掛けした方々は
 ショップで手に取ってみてくださいね♪
 
 また、
 会期は7月4日まで、となっていますが、
 展覧会はこの後、
 以下の会場へ巡回する予定です。

 7月10~9月5日 横須賀美術館(神奈川)、
 9月18日~11月14日 PLAY!MUSEUM(再展示)、
 12月11日~2022年1月30日長嶋美術館(鹿児島)

 250点の原画と、
 宝石のような図録本、
 かわいいグッズも見逃せない特別な企画展へ、
 機会がありましたら――

「みなさまァ、ぜひぜひィ!」
「がるるるる!」(←訳:お出掛けを!)
 
 

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~ 立川・PLAY!MUSEUM《ぐり と ぐら》展へ ~

2021-06-26 23:26:17 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おおおおゥ! おでかけェでスよゥ!」
「がるる!ぐるるがるるる~!」(←訳:虎です!なんて久しぶり~!)

 こんにちは、ネーさです。
 はいっ!
 電車に乗って美術館へお出掛けなんて、
 ものすご~く久しぶりだわぁ!と感激しながら、
 行って参りましたよ、
 立川のPLAY!MUSEUMへ!
 
 そもそもは、↓こちらの――

  

 
  ―― みみをすますように 酒井駒子 展 ――


 が目的だったのですが、
 同時開催されている
 『ぐり と ぐら しあわせの本』展も
 とても楽しかったので、
 先ずはそちらから御紹介しちゃいましょう♪

  

 ↑上の画像が、
 JR立川駅の北口から徒歩約10分の場所にある
 PLAY!MUSEUMです。

 建物前の広場には
 キッチンカーが営業していたり、
 カフェやレストランもあったり、
 リラックスできる空間ですよ。

「ではァ、いざッ!」
「ぐるる!」(←訳:会場へ!)
 
  

 はい、↑こちらが、

 
  ―― ぐりとぐら しあわせの本 展 ――


 の会場です。

 この展覧会は、
 絵本の原画展示ではなく、

 ”来場者さんがぐりとぐらになって
 四季折々の絵本の世界を歩く“

 という趣向ですので、
 壁には↓こんな具合に、

  

 絵本の文章があったり。

 ↓ぐりちゃん&ぐらちゃんが描かれていたり。

  

「むッ! あれにィ、みゆるゥはァ~…!」
「がるぐるる!」(←訳:皆の大好物!)

  

 ぐりちゃん&ぐらちゃん、
 そして動物たちが仲良く一緒にいただいているのは、
 ふわふわの黄色いカステラ♪

「おいしそうゥ!」
「ぐるるがる~!」(←訳:お腹が鳴る~!)

 ふんわかカステラを
 ちょっと味見……したい御方は、
 ミュージアム内のカフェへどうぞ。
 展覧会オリジナルのメニューが
 用意されていますよ。
 
  

 また、ミュージアムショップには、
 
「かわいいィ~!」
「がるる~!」(←訳:欲しい~!)

 と叫びたくなるグッズが
 ずららら~っと並んでいます。
 ああ、マグカップ良いわあ♪
 お皿も美しい♫

「おとなもォ、こどももォ~」
「ぐっるる!」(←訳:うっとり!)

 『ぐりとぐら しあわせの本』展の会期は、
 2021年4月10日から
 2022年3月末までの
 予定となっています。
 絵本ファンの方々は、
 ぜひ、お出掛けくださいね。

 『みみをすますように 酒井駒子 展』については、
 明日あらためて御報告いたします。
 それまで皆さま、
 どうか穏やかな休日を♪
 

 
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~ 舞台と、人と ~

2021-06-25 23:50:28 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もうすぐゥ~はじまるゥ??」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!7月の新ドラマ!)

 こんにちは、ネーさです。
 7~9月期のTVドラマ期待値は、
 やっぱり『孤独のグルメ』がトップでしょうか。
 他にも大笑いできるコメディはないなかぁ?と探しながら、
 はい、読書タイムも忘れていませんよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



       ―― 俺の家の話 ――



 著者は宮藤官九郎(くどう・かんくろう)さん、
 2021年4月に発行されました。
 『THE STORY of MY FAMILY』と
 英語題名が付されています。

 2021年1月22日から3月26日まで放送された
 《金曜ドラマ『俺の家の話』》の
 シナリオ全10話と、
 巻末には著者・宮藤さんの『あとがき』他も
 収録されていますよ。

「とりゃあッ!」
「がるっ!」(←訳:ていっ!)

 響くゴング、
 激突する肉体と、
 客席からの声援――
 プロレス。

 かたや、
 背負うは700年の歴史、
 怒りも悲しみも儚さも
 わずかの所作の中に凝縮させる――
 能。

 一見、水と油にも似て、
 共通点など無さそうな
 プロレスと能を、
 ひとつの物語に仕立て上げる。

 こんなムチャが出来るのは、
 脚本=宮藤官九郎さん、
 主演=長瀬智也さん、
 という黄金のタッグだけでしょう。

「ながせェさァ~んッ!」
「ぐるるっる~!」(←訳:カムバック~!)

 この作品への出演を最後に、
 表舞台からは退き、
 裏方のお仕事に就く、
 と発表されていたせいでしょうか、
 ドラマの中での長瀬さんの輝き、
 存在感は格別です。

 人間国宝である父が
 倒れてしまった……。

 父子とはいっても、
 20年以上音信不通、
 縁を絶っていた間柄ですから、
 帰郷に際し、
 息子・寿一さんの胸の内は
 さぞかし揺れたことでしょう。

 帰らない、
 という選択肢はあるのか。

 どうしても
 帰らなくちゃダメ、なのか。

 ってね、
 誰でもちょっぴり思いそうなものだけれど。

 長瀬くんは、あら失礼、
 寿一くんは
 思わない、んです。

 思わないからこそ、
 帰って来た。

 帰ってきて、
 再び、能舞台に立つことを選んだ……。

 果たして、
 能の舞台に、
 寿一くんが探し求めるものは
 あるのか――

「まいにちィ、どたばたッ!」
「がるるぐるるがるるる!」(←訳:理想を探してジタバタ!)

 ドラマを観た方々にとっては、
 もう一度、物語の世界を楽しめる
 シナリオ10話。

 ドラマ好きな方々、
 『俺の家』ファンの方々、
 宮藤さんのファンの方々にも
 おすすめの一冊です。

 心に残ったあのシーン、
 このシーンを想い浮かべながら、
 皆さま、ぜひ♫
 

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 ~ 月夜の、まぼろし ~

2021-06-24 23:42:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うわわわわァ~んッ!」
「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!ひどいよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 え? オリンピック&パラリンピック期間中は、
 大河ドラマ『青天を衝く』が放送休止ですって?!?
 …………ガッカリし過ぎて目の前が暗くなりましたが、
 こんな時こそ読書で傷心を癒やしましょう。
 本日は、こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  


 
       ―― 月夜とめがね ――



 著者は小川未明(おがわ・みめい)さん、
 絵は げみ さん、
 2019年10月に発行されました。

 文豪さんの名作と
 現代の人気イラストレーターさんの組み合わせで
 古典に新風を吹き込む
 《乙女の本棚》シリーズ、
 今回は小川未明さんの
 あの作品が登場ですよ。

「それはァ、つきよのォ~」
「ぐるるるがるる!」(←訳:不思議な出来事!)

 《日本のアンデルセン》とも称された
 小川未明さん(1882~1961、本名は小川健作さん)は、
 新潟県の高田(現在は上越市)に生まれました。

 物語は、
 生まれ故郷の風景が投影されているのでしょうか、
 こんな描写から始まります。

   町も、野も、
   いたるところ、
   緑の葉に
   つつまれているところでありました。

「しずかァなのでスゥ~…」
「がるぐるる!」(←訳:特に夜はね!)

 穏やかな、月のいい晩。
 おばあさんが住んでいるのは、
 町のはずれにある家。

 ひとり、
 窓の下にすわって、
 針仕事をするのが日課のようですが……。

「めがァ、かすむゥ~!」
「ぐるがるぐるるる~」(←訳:針に糸が通らない~)

 と、そこへ。

 外の戸をコトコト叩く音が。

「かぜェ、かなァ?」
「がるぐるるる?」(←訳:気のせいかも?)

 すると、今度は。

 窓の下に、小さな足音が。

「ふァ? おきゃくゥさんッ??」
「ぐるるるるがる?」(←訳:知らない人だよ?)

 見知らぬ男性は、
 私はめがね売りだと名乗ります。
 今夜は月がいいから、
 売って歩くのだと。

 おばあさんは喜びました。
 めがねがあれば
 針仕事にはちょうどいいし、
 男性が選んでくれためがねを
 かけてみれば――

 目ざまし時計の数字も、
 カレンダーの字も、
 はっきり、よく見える!

「よかッたでスゥ!」
「がるるる~!」(←訳:めでたし~!)

 おばあさんを嬉しがらせた
 不思議なめがね。

 おばあさんのもとへ
 めがねを売りに来た
 不思議な男性。

 そして、
 月の光の中、
 不思議なめがねが
 おばあさんに見せたものとは……?

「ふしぎィだらけッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:不思議の町だね!)

 小川未明さんの代表作であるこの作品、
 こうして読み直してみれば、
 なかなかに不思議尽くしです。

 おばあさんも、
 めがね売りの男性も、
 どこか人間ではないような。

 なんだか、
 童話というより、
 遠野物語を読んでいるような。

「げんそうゥてきィなのでス!」
「がるぐぅーる!」(←訳:かつシュール!)

 すべては
 花の香りに包まれた
 月夜の庭の幻なのか。

 それにしても、
 『檸檬』『蜜柑』
 この『月夜とめがね』、と
 どの作品でも素晴らしい絵を描いてくださった
 イラストレーターの げみ さん.。
 私ネーさ、すっかりファンになってしまいました。

 皆さまも、
 げみ さんによる
 新たな《月夜のものがたり》を、ぜひ♪

 
 
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~ スカラベたちを追いかけて ~

2021-06-23 23:41:15 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わおゥ! とどきィましたでスゥ!」
「がるる!ぐーるるる!」(←訳:虎です!クーポンだ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ついに私ネーさの手許にも
 ワクチンクーポンが配達されてきました。
 一日も早く”コロナ前の世界”――
 皆が笑ってお喋りできる社会が戻ってくるよう祈りつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
   ―― 昆虫記 すばらしきフンコロガシ ――



 著者はジャン=アンリ・ファーブルさん、
 絵はヨシタケシンスケさん、
 2021年5月に発行されました。

 《世界ショートセレクション》シリーズの
 第18巻となるこの御本には、
 ジャン=アンリ・ファーブルさん(1823~1915)の著作から、

 『すばらしきフンコロガシ』
 『本能のかしこさ』
 『本能のおろかさ』
 『未来の観察者』
 『わたしの学校』

 の5篇が収録されています。

「ふんころがしィ~!」
「ぐるがるる!」(←訳:もう代名詞!)

 こと日本に於いては、
 フンコロガシ、と聞けば、
 ああ、ファーブルさんね、
 と大勢の人が頷くのではないでしょうか。

 ファーブルさんが『昆虫記』の中で観察したのは
 スカラベ・サクレ、
 和名がフンコロガシ……

 と思っていたら、
 いろいろ誤解があったようで、
 正確な和名は、
 ヒジリタマオシコガネ、
 というらしいわ。

 この御本では、
 スカラベ、と表記されていて、
 ええ、スカラベと呼ぶ方が分かりやすいですね。

「ふらんすではァ、むしたちィもォ~」
「がるるるるぐるるがるるる!」(←訳:バカンスのために働きます!)

 ファーブルさんたちの熱い視線を
 ものともせず、
 スカラベたちが一心に肉体労働をして
 糞団子作りに励むのは、
 バカンスのため?

 そう、苦労をして作り上げた
 丸~い形の糞団子は、
 スカラベたちの朝食で昼食で夕食。

 糞団子を抱えて地中の棲家におさまったら、
 ひと月かふた月の間は、
 のんびり地下で暮らすのです。

 団子を全部食べ終えちゃったら、
 しようがないなぁ~
 また団子作らないと~
 とばかり、
 地上に戻ってくるのでした。

「つぎのォ、ばかんすのォためにィ~!」
「ぐるるぅがるるぅ!」(←訳:よいしょこらしょ!)

 スカラベたちの社会風習に続いて、
 ファーブルさんの餌食、
 じゃなくて観察対象となるのは、
 ラングドッグアナバチたち。

 そして、
 昆虫たちのお話だけじゃありません、
 『未来の観察者』では
 祖父や両親の思い出を語り、
 『わたしの学校』では
 自身の少年時代を振り返ります。
 学校で習う科目は数々あれど……

   博物学なんかやっても
   出世の役には立ちそうもなかった。

   私は自分でいましめていた。

   博物学の本は
   トランクの底にしまって、
   忘れよう、
   忘れようとしていた。

「でもォ~…?」
「がるるぐるるるる?」(←訳:本当に好きなのは?)

 《私は生物好きに生まれてきた。
  なぜ、どうして?
  それに答えはない》

 フランスの森や野原を
 好奇心全開にして走り、這いずり、
 スカラベたちを追跡する
 ファーブルさんの後ろ姿が
 見えてくるような気持ちになるこの御本は、
 児童書……ではありますけれども、
 大人な活字マニアさんたちにも
 おすすめの一冊ですよ。

 本屋さんで、図書館で、
 見つけたらぜひ!手に取ってみてくださいね~♪
 
  
 
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~ その歌は、いまも ~

2021-06-22 22:39:55 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 じつぶつゥ、みてみたいィ~でス!」
「がるる!ぐるるるるがるる?」(←訳:虎です!触り心地はどんな?)

 こんにちは、ネーさです。
 ライカ初となるスマートフォン、
 その名も『Leitz Phone(ライツフォン)1』!
 お値段18万円ってスゴいわあ♪
 でもライカのレンズを搭載すると重いのかしら?
 なぁんて想像しつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  


 
     ―― 表紙はうたう 完全版 ――



 著者は和田誠(わだ・まこと)さん、
 2020年10月に発行されました。
 『《週刊文春》のカヴァー・イラストレーション』
 と副題が付されています。

「どどどォ~んッ!とォ」
「ぐるるる!」(←訳:40年分!)

 活字マニアの皆さまなら、
 和田誠さん(1936~2019)の業績を
 よく御存知ですよね。

 イラストレーターさんであり、
 グラフィックデザイナーさんであり、
 エッセイストさんであり、
 映画監督さんで。
 
 絵本作家さんだったし、
 書籍の装幀家や映画評論も……と、
 さまざまなジャンルで大活躍した和田さんの、
 最も”目につきやすい“お仕事は、というと。

「やぱりィ、これッ!」
「がるぐる~!」(←訳:あの雑誌~!)

 文藝春秋社さんから発行されている
 『週刊文春』。

 和田さんは、その表紙画を、
 40年間も描き続けたのでした。

 この御本は、
 2008年に『週刊文春』の
 創刊50周年を記念して刊行された
 『表紙はうたう』に、
 2008年以降の表紙画も収録した《完全版》として、
 600点もの作品が収録されています。

「どうぶつゥ、ちずゥ~♫」
「ぐるるるがる!」(←訳:食べ物に楽器!)
「しょくぶつゥ!」

 映画、スポーツ、星座……と、
 本文は和田さんが御自身で
 カテゴリに分けた表紙画たちの中で、
 いちばん印象的なのは……

 記念すべき表紙画第1回目の
 エアメールをくわえた小鳥の画
 『エアメール・スペシャル』と、
 第600回目の
 エアメールをくわえて飛んでいる小鳥の画、
 でしょうか。

 2017年7月20日号の表紙を飾った
 600回目の小鳥くんは、
 題名こそ『無題』となっていますが、
 星たちが瞬き、
 細い月の光に照らされた夜の世界を、
 小鳥くんは今も
 悠々と飛んでいるのか――

「まだまだァ、もッとォ!」
「がるるぅるる!」(←訳:飛んじゃおう!)

 画に添えられた
 和田さんの解説文は、
 やさしく、あたたかく、
 読む者のこころに
 水のようにするすると
 染み込んでゆきます。

 今週はどんな絵かな?
 来週は?

 と、本屋さんの雑誌コーナーを覗くのが
 毎週の楽しみになってしまう
 《表紙画》大博覧会を、
 和田さんのファンの方々も
 『文春』好きな方々も、
 ぜひ、堪能してくださいね。
 全活字マニア諸氏に
 おすすめの一冊ですよ~♪
 
 
 
 
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~ 花の《タカラジェンヌ》青春記 ~

2021-06-21 23:44:54 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いッちねんでェ、いッちばァ~んッ!」
「がるる!ぐ~るがる!」(←訳:虎です!長~い昼間!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日6月21日は、夏至ですね。
 ゆるゆると暮れてゆく空を仰ぎながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
   ―― こう見えても元タカラジェンヌです ――


 
 著者は天真(てんま)みちる さん、
 2021年3月に発行されました。
 現在、ネット書店さんでは
 “宝塚関連ジャンル本”ベストセラーランク堂々1位!
 抱腹絶倒!
 腹筋崩壊!なノンフィクション作品を御紹介できるとは、
 ああ、なんという幸せ♪

「こここッ、このォ、ひょうしィはァ???」
「ぐるがる??」(←訳:本気なの??)

 御本の表紙には、
 ねじり鉢巻き姿の男性……いえ女性?
 チカラの入ったメイクは、
 まるで舞台人のよう……?

 ええ、実はそうなんです。
 
 キリっとした目線の《男装の麗人》さんは、
 著者・天真みちるさん。

 ヅカファンの方々には
 『たそ』の愛称で知られる
 元タカラジェンヌさんですよ。

「ぱちぱちぱちィ~!」
「がるぐる!」(←訳:全力拍手!)

 宝塚音楽学校。

 そこへ入学するためには
 どれほど狭き門をくぐらねばならないのか、
 私たちは知っています。

 毎年3月に行われる入学試験の倍率は、
 約27倍。
 その難関を突破して、
 晴れて学校生となれるのは、
 40名前後。

「むむむゥ、むずかしィすぎまスゥ!」
「ぐるがるるる~…」(←訳:気が遠くなる~…)

 天真さんの《宝塚への道》は、
 ちょっと変わっていました。

  ―― あんたはタカラヅカに入りな ――

 そう告げたのは、
 天真さんのお祖母ちゃま。
 
 そして、
 小さな頃に授かった”予言”を信じ、
 中学三年生となった天真さんは、
 宝塚音楽学校の受験に挑みましたが……

「……うわあッ!」
「がるる!」(←訳:これは!)

 受験会場で目にしたのは、
 我こそは!と瞳を燃え立たせる美少女の集団。
 この日のため、
 受験スクールでスキルを磨いた猛者たちです。
 衝撃を受けた天真さんは、
 なすすべもなく。

「ううううゥ~!」
「ぐるるがる……!」(←訳:1次で敗退……!)

 家族に、友人に、
 合わせる顔がない……と、
 落ち込んで、
 寝込んでしまったほどでしたが。

 25時間後、
 復活!

「らいねんがァ、あるゥ!」
「がるるるる!」(←訳:リベンジだ!)

 バレエに、声楽に、と
 レッスンを重ねて、1年後。
 天真さんは再び狭き門に挑みます。
 その結果は……
 合格!

「ひゃほほほいィ!」
「ぐるるるるがるるるる!」(←訳:おめでとうございます!)

 見事に決めたゴール!

 って、いえいえ、
 スタート地点に到達した!んですね。

 学校での2年間の勉強を経て、
 タカラジェンヌの天辺を目指す毎日は、
 もちろん真摯かつ真剣なチャレンジ、なのですが、
 かけがえのない青春の日々、でもあります。

 読んでいて大笑いしちゃったり、
 そうそう!と頷いたり、
 貰い涙しそうになったりする、
 にぎやかで晴れやかな、
 魔法の月日。

「うたッてェ、おどろうゥ!」
「がるぐるるがるる!」(←訳:花のように美しく!)

 愉快で痛快な
 タカラジェンヌ青春記は、
 宝塚にあまり興味がない方々も
 きっと魅了されること間違いなし。

 全活字マニアの皆さまに
 激おすすめの一冊です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 

  
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