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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

2017!新春特別企画♪《連名の依頼人》その2!

2016-12-31 22:12:28 | 2017!新春特別企...
 さてさて、前回よりの続きでございます。

 一年の終わりが刻々と迫るこのとき、
 ベーカーストリートを襲った事件とは――

「うひゃっ! これ、ほんものかいっ??」

 名探偵テディちゃムズから
 ユキノジョン・H・ワトソン博士が受け取ったのは、
 一枚の便箋でした。

 窓際に立ち、
 ガス燈の明かりにかざしてみれば、
 便箋の上部に浮びあがったのは……なんと!

 クマとユニコーンが王冠の下で向かい合う紋章ではありませんか。

  

「バッキンクマきゅうでんの、あのおかたが!」

「それだけじゃァないんだよッ」

 言われて目をやれば、
 部屋中に散乱しているのは
 電報やら、官庁の用箋やら。

 そして差出人はというと。

  

「わわっ! これも、ほんものかいっ?」

 バッキンクマ宮殿のあの御方だけではありません。

 総理大臣、
 内閣官房長官、
 外務大臣、
 貴族院院長、
 下院議員代表、
 ロンドン市長局に、
 ハロッズのハチミツ仕入係さん?

 そして、差出人さんたちがこぞって問い合わせているのは――

  

 《マイクマフト氏は、いずこなりや?》

「これは、どういうことだいっ、テディちゃムズ?」

 ユキノジョン・H・ワトソン博士、
 友人の名探偵に訊ねます。
 
 バッキンクマ宮殿のあの御方を筆頭に、
 ホワイトホールのお偉いさんたち大勢と
 英国の蜂蜜市場に多大な影響力を持つハロッズのハチミツ係さんが、
 探し求めているのは、まさか。

「おにぃちゃんッ、なんだよゥ!」

「はぁ?」
 
  

「あのねェ、おにぃちゃんてばァ、
 ゆくえふめいィ、らしいんだよねェ~…」

 名探偵テディちゃムズの兄・マイクマフト氏が行方不明?

 そうか、それでか、とユキノジョン・H・ワトソン博士は頷きました。
 聞くところによれば、
 国内外の政情に通じ、
 情報分析の大家にして
 国家随一の博識を誇るマイクマフト氏は、
 “政府そのもの”だとか。

 そんな人物、いえ、クマ物が消えてしまったなら、
 そりゃ関係各所は
 パニックすることでしょう。

「だからねッ、さあァ、ゆこうゥ!」

 行くって、どちらへ?

「おにぃちゃんをォ、さがしにィ、ゆくのさッ!」

 いざ、赴かん、大晦日の街角へ!


   ~その3!に続く~
 
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2017!新春特別企画♪《連名の依頼人》その1!

2016-12-30 22:04:51 | 2017!新春特別企...
 ゴォ~ン、ゴォ~ン……
 鐘が鳴ります、鐘が鳴る、
 もうすぐ2016年も暮れてゆくよ、と
 ビッグベンがロンドンの街に告げております。

 今年もやってまいりました、新春特別企画!
 例年のごとく、
 霧けぶるベーカーストリートに響くのは、
 おや?
 ヴァイオリンの調べではありませんね?
 これは、はずむように軽い足音?

  

「るんっ♪るんるるるんっ♪
 やった、やったぁ、だいしゅうかく~♪」

 スキップしながら家路を辿るのは、
 名探偵テディちゃムズの盟友、
 シロクマのユキノジョン・H・ワトソン博士ではありませんか。

 ははぁ、なるほど。
 大収穫と申しますのは。

 英国の都市ではクリスマスの翌日から、
 《ボクシングデー》のSALEが始まっております。

 老舗百貨店さんやブランドショップさん他、
 さまざまなお店でバーゲンセールが行われ、
 50%off!70%off!の特売価格ですから、
 行列をものともしないクマたちで
 あちこちのお店は大混雑!

「げんていひんの、こうちゃ!
 ハチミツクッキーに、
 ハチミツケーキ!
 はんがくで、てにいれたんだもんねっ♪」

 ほっこりほくほく♪
 恵比寿顔で、いえ、恵比寿テディくま顔で、
 下宿の階段をトコトコ登ってゆく
 ユキノジョン・H・ワトソン博士でしたが――

「ただいま~!……うんっ??」

  

 ドアを開けて、
 あら、びっくり。
 室内の空気は緊迫感に満ちております。

「どっ、どうしたんだい、テディちゃムズ? 虎くんっ?」

「おおゥ!
 ユキノジョン・H・ワトソンくんッ!」

  

 振り向いたのは、
 名探偵テディちゃムズ。

「じけんがァ、きたぞッ!」

 はあ? 事件が来た、ですって?
 依頼人が来た、のでしょうか?

 ハチミツケーキの包みをテーブルに置き、
 ユキノジョン・H・ワトソン博士、
 そっと溜め息いたします。

 ああ今年こそは、
 事件のない、平和な年越しが出来ようかと
 期待しておりましたのに、
 ちょこっとSALEへお出掛けした隙に
 来ちゃったんですねえ、事件が。

 しかし、名探偵の友である以上、
 お盆もお正月もヘッタクレもないことは、
 とうの昔に覚悟しております。

 来るなら来い、事件め!
 ちゃきちゃきっと解決してくれるわ!
 てな心意気ですよ。
 
「これをォ、よんでみたまえッ!」

 テディちゃムズが差し出した紙片を、
 一瞥したユキノジョン・H・ワトソン博士、

「え? えええええ~っ??」

 思わず目を丸くいたしました。

 はて、ユキノジョン・H・ワトソン博士を
 かくも驚かせたのは?
 名探偵テディちゃムズが差し出した紙片には、
 何が書かれていたのでしょうか?


   ~その2!に続く~

 

 
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2016年の《BEST BOOK》を探せ・その4!

2016-12-29 22:16:29 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 おおづめェ、きちゃいましたでスよッ!」
「がるる!ぐーるるがーる!」(←訳:虎です!ど-んとゴール!)

 こんにちは、ネーさです。
 2016年の《BESST BOOK》を探す旅も、
 はい、今日がトリ!
 第四回となる本日は、
 日本の作家さんによるフィクション&ノンフィクションの作品を、
 さあ、どうぞ御覧あれ~♪
 
  


         ―― ツバキ文具店 ――


 小川糸さん著、鎌倉を舞台にしたこの小説が、
 2016年、ひときわ忘れ難い一冊となりました。
 “書く”ことの美しさ、
 人を支え、つなぐ、“文字”という存在の強さ儚さを綴る物語は
 多くの活字マニアさんの骨身に沁みたことでしょう。

「かまくらァ、すてきィなのでス!」
「ぐるがるるぐる~!」(←訳:雨と潮の匂いがする~!)

 そうね、
 海辺の町の湿度がページから感じられるような長編作品でしたけど、
 冬の乾いた風がキリキリっと吹きつけてくるのは
 ↓こちらの短編集、でしょうかしら?
 
  


       ―― クリスマス・ストーリーズ ――


 『一年でいちばん奇跡が起きる日』と副題がふされた
 朝井リョウさん、あさのあつこさん、伊坂幸太郎さん、
 恩田陸さん、白河三兎さん、三浦しをんさんによる
 クリスマス・アンソロジー作品は
 ……泣けます!
 
「たおるゥ、じゅんびしてェ~」
「がるるぅる!」(←訳:読みましょう!)

 クリスマスのシーズンが過ぎても、
 伊坂さんの『一人では無理がある』に泣き、
 恩田さんの『柊と太陽』に励まされ、
 三浦さんの『荒野の果てに』では胸が熱くなります。
 そして、アツイといえば、↓こちらの。

  

         
          ―― 静かな炎天 ――


 若竹七海さんの連作ミステリも見事でした♪
 ミステリ好きさんも、
 ミステリ小説コレクターさんも
 満足必至の極上《探偵物語》だったわね。

「しゅじんこうゥさんッ、いつもォけがだらけェ!」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:来年は健康第一で!)

 では、ここからはノンフィクションのジャンルから、
 ↓こちらの作品を!
 
  

 
       ―― 最も危険なアメリカ映画 ――


 町田智浩さんによる映画評論作品は、
 うっかりすると
 映画に対する観方を根底から変えられてしまいそうな、
 題名の通りに《危険》な御本でした。
 
「するどくてェ~!」
「がるる~!」(←訳:重たい~!)

 そして、↓こちらも、
 モノの観方がグルグル変わっちゃう怪作!

  


        ―― 謎のアジア納豆 ――


 読んで楽しい&食べて楽しい?
 納豆のルーツを追って冒険家・高野さんがアジアを走る!

「びッくりのォれんぞくゥ、なのでス!」
「ぐるがるぐるる!」(←訳:納豆摩訶不思議!)

 と、予想外のエンディングになりましたが
 (まさか納豆〆とは!)、
 皆さまの2016読書タイムはいかがでしたでしょうか。
 
「らいねんもォ、あえまスようにィ~!」
「がるるるぐるる!」(←訳:すてきな御本と!)

 年末年始の読書タイムの充実を祈りつつ……
 さあ!次回からは、またも!
 新年特別企画が始まる~???

「えええッ?」
「ぐるるっ??」

 ともあれ、お楽しみに~♪


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2016年の《BEST BOOK》を探せ・その3!

2016-12-28 22:11:19 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うみゅみゅゥ? もうゥあとォなんじかんッ??」
「がるる!ぐるるるるがる~!」(←訳:虎です!72時間と少し~!)

 こんにちは、ネーさです。
 《スターウォーズ》ファン諸氏には悲しい年の瀬となりましたね……
 私ネーさも、凛々しいレーア姫と
 『ブルース・ブラザーズ』での怪演が大々好きでした。
 キャリー・フィッシャーさんの冥福を祈りつつ、
 本日も《BEST BOOK》を探しましょう。
 今回は、海外の作家さんの作品から、
 まずは、↓こちらを!
 
  


          ―― ジョイランド ――


 スティーブン・キングさんのこの御本をいちばんに挙げたなら、
 怒られるかもしれないわ……。
 なんてこと言うんだ!
 キングさんの作品では、
 週刊誌等のベスト10でも上位に入った↓こちらの、

  
  

 
      ―― ミスター・メルセデス (上・下)――


 の方がスゴイだろっ!と。
 それに、まだ御紹介していないんですけど、
 ジェフリー・ディーヴァーさんの『煽動者』もスゴかったのに!って。

 でもね……
 でもですね……

「ネーさッ、こだわりィまスゥ!」
「ぐるるるるる!」(←訳:譲らないのだ!)

 そうなんです。
 たくさんの賞を受けて、
 売れ行きも良好で、
 筋書きも派手で、
 いかにも映画化されそうな『ミスター・メルセデス』よりも、
 私ネーさは『ジョイランド』を推します。
 
 ホラー、SF、ミステリ、と様々な顔を持つ著者・キングさんですが、
 この『ジョイランド』のキングさんは、
 映画『ショーシャンクの空に』の原作『刑務所のリタ・ヘイワース』や
 『スタンド・バイ・ミー』のキングさんに近いのです。

 読後、何ヶ月も経ってふと思い出す
 物語のワンシーン、
 登場人物たちの感情、
 古びた遊園地の音、風、湿度……

 ええ、そうです、
 やっぱりイチオシは『ジョイランド』!

「ネーさッ、れいせいィにィ~!」
「がるぐるるるー!」(←訳:暴走しないでー!)

 おっとと、失礼いたしました。
 では次は、海外のノンフィクション分野の御本を!
  
  


      ―― プリズン・ブック・クラブ ――


 アン・ウォームズリーさんによる、
 《コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年》の記録は、
 活字を、書物を愛する方々にとっては
 じわじわと“胸にくる”作品だったことでしょう。
 そして、↓こちらの、
 
  


      ―― ダルトン・トランボ ――


 ジェニファー・ワーナーさん著、
 副題《ハリウッドのブラックリストに挙げられた男》は、
 映画好きさんの“胸を打つ”作品と言えましょうか。

「けッしてェ、めげないィ!」
「ぐるるるるがるるるぐる!」(←訳:屈しない男トランボさん!)
「ほんとうのォ、れじぇんどォ!」

 次回は、さあ、いよいよ!
 国内の作家さんたちの《2016 EST!》な御本探しに取り掛かります。
 お楽しみに♪

 
 
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2016年の《BEST BOOK》を探せ・その2!

2016-12-27 22:10:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 きょうもォ、だいそうさくゥ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!今年の傑作!)

 こんにちは、ネーさです。
 はーい、今日もやっちゃいましょう、
 2016年読書タイム大総括のBEST BOOK探しを♪
 前回はアート系の御本を特集いたしましたが、
 今回は“ヴィジュアル”分野の御本たちを、
 さあ、どうぞ~!
 
  


         ―― すきになったら ――

 
 先日ご紹介したばかりの、
 ヒグチユウコさんによる作品を、まずは本日のトップに!

「ふしぎなァ、えほんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:文章も超絶!)

 丁寧に、細心に、描き込まれた絵。
 そして、鏡のように、白刃のように、
 研ぎ磨き上げられた言葉が響き合う、
 圧巻の一冊。

 ヒグチさんを知らない御方は、
 まずはとにかく、読んで、見てくださいな。
 ファンの方々は『MOE』2017年2月号に注目です。
 ヒグチさんのカレンダーが付録になってるそうよ!

「えッ♪ かれんだァ??」
「がる~る!」(←訳:欲し~い!)

 そして、↓こちらの御本も……ジャンル的にたぶん絵本!

  


          ―― まよいが ――


 近藤薫美子(こんどう・くみこ)さんの画を得て
 京極夏彦さんが新たに書き起こした《絵本版・遠野物語》は、
 静かに、ゆるやかに、
 柳田國男さん~折口信夫さんという
 日本民俗学の基礎を築き上げた巨人たちの思想を辿る
 幽玄な作品です。

「こわいィけどォ、こわくゥないィ?」
「ぐるるるるる!」(←訳:なつかしの闇!)

 さらにこちらも、押さえておきたい奇作怪作!

  

     ―― エドワード・ゴーリーの優雅な秘密 ――

「あめりかのォ、ようかいィたちィ??」
「がるるぐるるがる!」(←訳:怪談と童謡の融合!)

  

         ―― 新・怖い絵 ――

 中野京子さんの《怖い絵》シリーズが再開されて、
 これがやっぱり、横綱級に……

「さりげなくゥ、こわいィ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:怖くて面白い!)

 で、コミックのジャンルでは。

  

        ―― ダンジョン飯 3 ――

 万人におすすめした九井諒子さんの意欲作は、
 はたして次巻・次々巻ではどのような展開を見せるのか?
 
「これもォ、こわいィぞゥ!」
「がるるぐるるがる?」(←訳:迷宮の奥底に何が?)

 はからずも、
 《怖い》がテーマとなってしまったようです、
 本日のBEST BOOK探し……!
 次回は海外作品のBEST BOOKを探す予定ですけれど、
 う~むむ、どうなることやら?
 お楽しみに♪
 

 
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2016年の《BEST BOOK》を探せ!

2016-12-26 22:13:35 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでッスゥ!
 きょうはァ、こうれいィのォ~…」
「がるる!ぐるるるがるぐる!」(←訳:虎です!ベスト本特集です!)

 こんにちは、ネーさです。
 2016年もいよいよラスト週となりました……
 なので!
 今年もやります、恒例の
 《BEST BOOKを探せ!》企画!
 本日はまず、アートジャンルの2016 BEST BOOKを、
 さあ、どうぞ~♪
 
  


         ―― 若冲原寸美術館 ――


 監修は辻惟雄(つじ・のぶお)さん、
 2016年4月に発行されたこの御本の特長は、
 題名にありますように、原寸大での印刷でした。

「そッくりィ、そのまんまァなのでス!」
「ぐるるがるぐるる!」(←訳:本物と同じ大きさ!)

 アート分野に於いては、
 とにかく2016年は伊藤若冲さんの年!という感じだったわ。
 若冲さんの生誕300年である今年、
 4月~5月に東京都美術館で開催された若冲さんの展覧会は、
 入館の行列待ちが3時間を超え、
 関連本の刊行は引きも切らず……

 でも、原寸大での印刷が見られるのは、
 この御本ただ一作でした。

「たのしかッたでスねッ、げんすんだいィ!」
「がるるぐっるる!」(←訳:発見がいっぱい!)

 出来るなら、
 応挙さんや北斎さん、上村松園さんの作品も
 100%の原寸大で拝見したいわね。

 また、同じく若冲さんを特集した御本として、

  

      ―― 若冲ワンダフルワールド ――

  

   ―― PEN BOOKS 若冲 その尽きせぬ魅力。 ――

 上記の2作品もおすすめです。

「もうゥひとつゥ~!」
「ぐるるるがる!」(←訳:推したいのは!)

  

          ―― 金魚ノ歌 ――

 金魚造形作家の深堀隆介さんによる
 二次元と三次元が交錯する金魚アートを集成した御本は、

「いきてるゥみたいィ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:今にも動きそう!)

 ふうわりと、夏の宵の夢を見ているかのような一冊です。
 ああ、暖房の要らない季節が恋しくなる……

「おまつりィ!」
「ぐる!」(←訳:花火!)

 おっと、いけない、夏の夜の夢の後は、
 こちらの御本も!

  

      ―― オリエンタル・ファンタジー ――

 海野弘(うんの・ひろし)さん監修による
 “アラビアン・ナイト”と“東洋の美”の
 挿絵・イラスト・絵画などをギュギュッと詰め込んだ御本は、
 はい、すみません、
 私ネーさの個人的な偏愛からチョイスいたしました。
 年末年始、ネーさはこの御本を眺めて一年の疲れを癒します!

「むふふゥ! どのごほんもォ~」
「ぐるるるるがるぐる!」(←訳:一見以上の価値あり!)

 次回は、ヴィジュアルブックのBEST BOOKを探しますよ。
 お楽しみに~♪ 


 
 
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もうひとつの“ねこ”。

2016-12-25 22:12:15 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 はッぴィーほりでィ!」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!メリクリ!)

 こんにちは、ネーさです。
 前回記事では聖夜のスペシャル企画?として
 クリス・レアさんの歌う『ドライビング・ホーム・フォー・クリスマス』を
 ネーさの意訳版でお送りいたしました。
 そして今日12月25日の読書タイムは、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
 
  



          ―― すきになったら ――



 著者はヒグチユウコさん、2016年9月に発行されました。
 アート&絵本好きな活字マニアさんは既によく御存知でしょう、
 今年2016年、最も大ブレイクしたイラストレーター・絵本作家さんは……
 ヒグチユウコさん!

 やはり9月に刊行された
 『ギュスターヴくん』の、なんと素晴らしかったこと!
 ポストカードBOX『100POSTCARD』のキュートなこと!

「きゃわゆいィ~にゃんこッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:可愛いワニ!)

 『午後の紅茶』『ラデュレ』のデザインも手掛けていて、
 絵本専門誌『MOE』の11月号でも
 大特集されたヒグチさんのお仕事(作品)には。

 どこかに《毒》が仕込まれています。

「えッ? どくゥ??」
「がるぐるっ?」(←訳:危険なのっ?)

 危険、というよりも、
 パンクの気配、というべきでしょうか。

 『ギュスターヴくん』に登場する
 ネコ……に似ていなくもない
 不思議な生命体ギュスターヴくんは
 相当な悪戯者でした。

 もうね、読み手の私たちが、
 どうなっちゃうんだこれから?
 と心配になっちゃうくらい、
 ハチャメチャをしていたのですが。

 この御本『好きになったら』には
 ハチャメチャはありません。

 まっすぐです。

「まッすぐでェ~」
「ぐるるる!」(←訳:シンプル!)

 余計なものを削ぎ落とし、
 ただただ真っ直ぐに問うているのは、

   《好きになったら》。

 誰かを好きになったら、
 あなたはどうするか。

 何を望むのか。

 心はどう揺れ動き、
 どんな想いを重ねてゆくのか。

 好きになるとは、どういうことなのか――

「むずかしィ~しつもんッでスゥ!」
「がるる……ぐるる?」(←訳:答えは……どこに?)

 研ぎ澄まされた言葉と描線が描く、
 《好き》という感情の振り幅。

 私ネーさ、読後に思いました。
 
 これは、もうひとつの『100万回生きたねこ』。

 100万回の転生を経て
 ねこが辿り着いた場所と1メートルと離れていない、
 著者・ヒグチさんは
 そんなところを覗きこんでいるのではなかろうか。

 好きになったら、
 ひとは、
 どんな旅路へ歩み出すのか――

「ひとォ、それぞれのォ~」
「ぐるるるる!」(←訳:こころの旅!)

 書店さんによっては、
 絵本のコーナーだったり、
 アート本のコーナーだったり、
 詩画集のコーナーに置かれているかもしれませんが、
 活字マニアの皆さま、
 探して、手に取ってみてくださいね。
 そして、ぜひ、一読を♪

 

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~ Happy Holidays ~

2016-12-24 21:50:04 | ミュゼ
   ♪ ~ ♪ ~ ♪

  

  ♪~I'm Driving home for Christmas~♪

   (クリスマスを迎えるために家へ車を走らせているんだ)

  

  ♪~Driving in my car
   Driving home for Christmas~♪

   (クリスマスを迎えるために
    車で家路についているところさ)

  

  ♪~It's gonnna take sometime
   But I'll get there~♪

   (時間はかかるかもしれないけど
    いつかはそこに帰り着くんだ)

  

  ♪~Driving home Christmas
   With a thousand memories~♪
   
   (クリスマスを迎えるために車を走らせているよ
    たくさんの思い出を連れて)
    
  

  ♪~ So I sing for you~♪

   (だから、君のために歌おう)

  

  ♪~Driving home Christmas~♪

   (クリスマスに車で家へ)



    (Chris Rea - "Driving home for Christmas")  

  

     Happy Holidays!



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― 影の郷から ―

2016-12-23 22:06:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうもォとばしまスゥ、げんきだまァ!」
「がるる!ぐーるるがるるる~!」(←訳:虎です!ドーハへ飛んでけ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい! 我がユヴェントスは中東のドーハで闘います。
 勝ち取れスーペルコッパ!(←日本でいう天皇杯みたいなものです)
 2016年を勝ち星で締めくくれますように、と願いながら、
 さあ、本日も読書タイムですよ~♪

  


   
            ―― 帰郷 ――



 著者は浅田次郎(あさだ・じろう)さん、2016年6月に発行されました。
 第43回大佛(おさらぎ)次郎賞を受賞したこの御本には
 6篇の短編小説が収録されています。

「むッ? あれれッ?」
「ぐるがる~?」(←訳:字が違う~?)

 そうですね、
 御本の目次を目にしたら、
 皆さまも思うことでしょう。

 表紙の題の、漢字は『帰郷』なんですけれど、
 御本のいちばん始めに収められている作品には
 『歸鄕』とあります。

 わざわざ、古い字体を用いての、『歸鄕』。

 著者・浅田さんは、
 今はもう、殆ど使われない『歸鄕』の字に
 どんな想いを込めたのでしょうか――

「むかしィむかしィ、なんだけどォ~…」
「がるるるぐるぅるるる?」(←訳:そんなに昔じゃない昔?)

 そう、昔とは言えない昔。

 物語の舞台は、第二次世界大戦が終わってすぐの、
 東京・新宿の街角です。

 現在の整備された新宿など想像もできない、
 そこは闇市あり、
 不法な取り引きあり、
 バラック建ての呑み屋が並び、
 ヤクザ者と米兵たちが闊歩する
 昏い世界で――

 時刻は、もうじき終電。

 綾子(あやこ)さんは、
 ひとりの復員兵と出会いました。

「ねんれいィ、ふしょう?」
「ぐるるがる?」(←訳:髭面に軍服?)

 綾子さんの境遇は、
 映画『哀愁』でヴィヴィアン・リーさんが演じた女性そのもの、
 と言ったら分かっていただけるでしょうか。

 食べるため、生きるために
 《夜の女》となって、お金を稼ぐ。

 しかし、路地の奥で身を屈める綾子さんに、
 復員兵は邪気のない声で訊ねるのです。

  《どこか具合でも悪いか》

 そしてなお、綾子さんの職業を知っても、
 蔑むでもなく、
 罵るでもなく、
 こう言うのでした。

  《どこかで、俺の話を聞いてくれないか》

「むッ? おはなしィ?」
「がるる!」(←訳:怪しい!)

 綾子さんも、怪しみました。
 この男、話などと言っておいて、
 実は無理心中を強いようと考えているのでは?

 だって、数日前に、
 そんな事件が話題になったばかりでしたから。

「ぶるるるッ!」
「ぐるぐるがるるる!」(←訳:ますます怪しいよ!)

 けれども、相手は本気だったのです。

 俺の話を聞いて欲しい。

 耳が腐っちまうような、この話を――

「みみがァ、くさるゥ??」
「がるるぐる?」(←訳:そんな話を?)

 語られるのは、
 彼の、故郷のものがたり。
 過ごしてきた日々の思い出。

 『歸鄕』を切望する、
 その、こころもようとは。

「おもたいィ~…!」
「ぐるがるる!」(←訳:肩にズシリ!)

 『歸鄕』を含む6作品それぞれに
 暗くのしかかる戦争の影。

 その影をはねのけるべく、
 さあ、読みましょう!
 激おすすめの傑作を、皆さま、ぜひ!
 

 
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《芸》の密室。

2016-12-22 22:07:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むゥ~んッ? どうしようゥかなァ~?」
「がるる!ぐっるぅるるるる~?」(←訳:虎です!買っちゃおうかな~?)
「ねんまつゥじゃんぼォたからくじィ~!」

 こんにちは、ネーさです。
 そうねえ、このところ買ってませんね、宝くじ。
 一等賞金10億円に当選したら書斎を作ろう!と
 野望を抱く活字マニアの皆さま、
 ジャンボくじの発売は明日23日まで、だそうですよ。
 私ネーさは……気が向いたら買うことにして、
 さあ、先ずは読書タイム!
 本日は、こちらのミステリ作品を、どうぞ~♪
 
  



          ―― 『茶の湯』の密室 ――



 著者は愛川晶(あいかわ・あきら)さん、2016年11月に発行されました。
 《神田紅梅亭寄席物帳》とシリーズ題名が付されたこの御本は、
 落語家・山桜亭馬伝(さんおうてい・ばでん)さんと、
 その奥さまである平田亮子(ひらた・りょうこ)さんが
 二人三脚で謎を解く人気シリーズの最新刊です。

「らくごかさんがァ、しゅやくゥなのでッ!」
「ぐーるるがるる!」(←訳:テーマも落語で!)

 プロの落語家さんである馬伝さん、
 都内に六軒ある寄席を巡り、
 寄席以外の場所でも興行に浸かっています。
 
 今日も今日とて、
 後輩さんを連れ、
 水戸と、
 その後は、
 いわき市内で行われる落語の上演会へ。

「いわきしィ?」
「がるぐるる?」(←訳:東北ですね?)

 ええ、そうなんです。
 水戸でのお仕事を早目に終えて、
 いわき市の、
 震災で被災した方々が暮らす仮設住宅で
 慰問の落語会をしよう、と予定していたんです。

「やるねェ、おししょゥさんッ!」
「ぐるがる~!」(←訳:千両噺家~!)

 そして、いわき市での落語会当日。

 前座噺『道灌(どうかん)』で
 お客さま方の笑いを取ったのは
 万年亭亀吉さん。

 ならば自分も!と馬伝さんも張り切って、
 小気味よく演ってみせたのが
 『茶の湯』でした。

「むふふゥ! わらえまスゥ!」
「がるるるるるぐる!」(←訳:御隠居さんの暴走!)

 茶道を知らない御隠居さんが
 ハチャメチャな我流のお茶を振る舞って
 周囲を混乱に陥れるその噺に、
 お客さまはアハハ♪と大笑い。
 
 馬伝さん、プロの手腕を発揮して、
 気分良く家路につく……はずが。

 予想外のカウンターパンチを喰らいました!

「えッ? えええッ?」
「ぐるるるぅ??」(←訳:どゆことぉ??)

 落語を聞いていたお客さまの一人に
 こう言われちゃったんです。

   今日の落語、全然意味がわからなかったんです。

   御隠居さんが茶の湯を全く知らなかったなんて、
   有り得ない。

   噺の舞台になっている御隠居さんの住居の描写も
   あちこち辻褄が合ってません。

   その他にも、
   明らかな矛盾が山ほどありました――

「うぐぐぐッ?」
「がーるがーるぅ?」(←訳:えーとえーとぉ??)

 歴史の知識を武器に攻め立てられ、
 眼を白黒させる馬伝さん。

 隣で聞いていた亮子さんも啞然とします。

 言われてみると、確かにその通り?
 『茶の湯』の御隠居さんの行動はブレまくってる?

 夫婦そろってショックを受けながらも、
 馬伝さんの頭脳は忙しく回転いたします。

 『茶の湯』の語り方を、
 解釈や演じ方をどこかで間違った?
 
 どこで、どう、間違えてしまったんだろう……?

「ふゥ~むゥ、なぞォでスゥ!」
「ぐるるがるる?」(←訳:本質と本筋は?)

 噺としての『茶の湯』の謎と、
 現実の世界で起こる『茶の湯』絡みの謎。

 表題作品『《茶の湯》の密室』と、
 お正月を背景にした『横浜の雪』の
 中編2作品から成る落語尽くしの一冊、
 芸能好きな活字マニアさんにおすすめです。
 冬休みの読書リストに、
 ぜひ、加えてみてくださいな♪


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