「こんにちわッ、テディちゃでス!
こんやはァ~まんげつゥ!」
「がるる!ぐるがるるるる!」(←訳:虎です!春のまんまる月!)
こんにちは、ネーさです。
『フラワームーン』と呼ばれる5月の満月は
別名『Planting Moon(プランティングムーン)』、
種蒔きどきの満月、というような意味だそうですよ。
秋の豊作を祈りながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 正解のない絵画図鑑 ――
著者は鮫島圭代(さめじま・たまよ)さん、
監修は京谷哲徳(きょうたに・よしのり)さん、
2024年3月に発行されました。
『日本・世界の名画31点』 と副題が付されています。
「せいかいもォふせいかいもォ、ないィ~のでス!」
「ぐるがるるぐるるる!」(←訳:ただ豊かなこころで!)
世界的に知られる作家(画家)さんたちの、31作品。
超“有名”なそれらの作品を、どう見るか。
どう感じるか。
この御本では、冒頭に
或る”3つの約束”が掲げられています。
★絵をじっくり見ること
★自分が絵を見て何を感じたか、話すことを恥ずかしがらないこと
★他の人が感じたことに『それはちがう』と言わないこと
そう、これが、
”絵を見る冒険”に出かけるときの、3つの約束。
絵の楽しみかたに決まりはない。
思うままに、自由に見ればいい。
「うんうんうんッ!」
「がるぐるる~!」(←訳:それいいね~!)
画家さんの国籍や時代、性別、年齢、背景、
あらゆるデータを、ひとまずは後回しにして、
空っぽなアタマで鑑賞する絵画は、
ああ、美しい。
31作品の中には、
ファン・エイクさんの《アルノルフィーニ夫妻の肖像》、
ボッティッチェッリさんの《春》、
レオナルド・ダ・ヴィンチさんの《モナ・リザ》、
レンブラントさんの《夜警》など、
説明する必要もない名画がありますが。
そうですねえ、
既成の解釈や解説に頼り過ぎると、
なんというか、
感性が鈍してゆくというか、
目が毒されてゆくというか。
ボッティチェリさんの《春》なんてもう、
圧倒的な美ですもの。
作者が誰かなんて、どうでもいいわ。
政治的なバックグラウンドもどうでもいい、
分かるのは、これは人類の宝だっていうことよ。
「あわわッ、おちついてッ!」
「ぐーるがるる!」(←訳:ネーさ暴走中!)
おっと失礼しました。
つい極論に走ってしまいましたけれど、
この御本の対象読者年齢は、
小学4年生頃から、となっています。
美術に初めて触れるこどもたちや
まだ美術に触れる機会が少ない
少年少女たちのために著された図鑑のページに、
私たち大人な読者は
何を見ることになるのか――
虚心坦懐に、フラットな眼で観直してみれば、
《モナ・リザ》、
フェルメールさんの《地理学者》、
ミレイさんの《オフィーリア》、
北斎さんの《富岳三十六景 神奈川沖浪裏》も、
理屈など二の次で、
いい! カッコいい!
「わすれたくなァ~いィ!」
「がるるるるぐっるるがる!」(←訳:脳細胞内にしっかり保存!)
31作品の掉尾を飾るのは、
草間彌生さんの《かぼちゃ》。
ううむ、なんたる迫力。
巻末には、
『世界一わかりやすい画家紹介』のページがあり、
31人の画家さんの略伝が掲載されています。
これがまた、1人あたり3行という、ごく短い文章なのに、
どうしようもなく泣けてしまうのはなぜでしょうか……。
「ごッほさんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:ムンクさん!)
絵を、どう見るか。
いや、そもそも、絵って?
そんな“初心”を思い出させてくれる、
厳しくも、あたたかな絵画図鑑です。
アート好きな皆さま、
ぜひ、手に取ってみてくださいね♪