テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 輝くソラリゼーション ~

2022-04-30 23:47:09 | ミュゼ

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 いつもォありがとうゥ~なのでスゥ!」

「がるる!ぐるるるがっるるる!」(←訳:虎です!お世話になってます!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日4月30日は図書館法公布(1950年)を記念する

 《図書館記念日》!

 た~くさんの書籍に、スタッフさんたちに

 心から感謝しながら、

 さあ、GWの本日は読書……をサボって、

 こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  

 

 

     ―― マン・レイと女性たち ――

 

 

 長野県長野市の長野県立美術館にて、

 会期は2022年4月21日~6月19日

 (水曜日休館、ただし5/4は開館し翌々日の5/6は休館)、

 『MAN RAY AND THE WOMEN』と英語題名が付されています。

 

「ふァいィッ! だいすきィ~でス!」

「ぐるるるーるぅる!」(←訳:ソラリゼーション!)

 

 ちょっと画像が小さいんですけれど、

 お分かりになるでしょうか、

 ↓『リー・ミラー(ソラリゼーション)』(下段)。

 

 マン・レイさんの作品の中でも

 最も有名な物の一つ、ですね。

 ああ、リー・ミラーさんの横顔が美しい……!

  

 絵画、彫刻、オブジェ、映画、文学などなど

 数多の分野で活躍し、

 20世紀を代表するアーティストのひとりとされる

 マン・レイさん(1890~1976)。

 

 この展覧会では、

 写真を中心に、

 絵画やオブジェなど約250点が展示されます。

 

「はなのォみやこッ、ぱりィ!」

「がるるぐるるっる!」(←訳:NYにハリウッド!)

  

 都市から都市へ、

 恋人から新たな恋人へ、

 彷徨い歩くマン・レイさんがフィルムに、

 瞼に焼き付けた図像とは。

 

 都心部の美術館ではこの時期、

 海外の著名な美術館が所蔵する名画名品を中心に

 企画展が開催されています。

 けれど、東京以外の都市でも、

 魅力的な展覧会が開催されていますよ。

 

 このマン・レイさんの展覧会が行われているのは、

 長野県の長野市、

 JR長野駅からも程近い長野県立美術館。

 

「れっしゃにィ、のッてッ!」

「ぐるるるるがる!」(←訳:高速道路を車で!)

 

 長野方面にお出掛け予定のアート好きさんに、

 マン・レイさんのファンの方々に、

 おすすめの特別展では、

 学芸員さんによる

 ギャラリートークも予定されています。

 

 ミュージアムグッズはもちろん、

 美味しいおみやげもたくさん見つかりそうな

 マン・レイさんの展覧会へ、

 皆さま、ぜひ~♫

 

 

 

   ではここで、美味しくて可笑しなオマケ画像も、じゃじゃん!

   

   『UHA味覚糖』さんの

   《ぷっちょ りんごソーダ味》は

   ぷちプイ!消しゴムのフィギュア付き!

   2つ買ってみましたので、

   大好きな『テディ』ちゃんが出ますように、

   出ますように……と祈ったせい、でしょうか。

   

   ……あっ?

   「あれれッ?」

   「がる~?」(←訳:あら~?)

   な、なんとっ?

   まさかの2匹かぶり??

   ふたつともテディちゃん??!!

   「うぷぷふッ♪」

   「ぐるるっ♫」

   ……美味しいモノ楽しいモノ大好きなモノと一緒に、

   どうか皆さま、穏やかな連休を。

 

 

 

   

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~ キラキラ、集めました ~

2022-04-29 23:47:44 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ぱふゥ! ごォ~るでんッ、なのにィ~」

「がるる!ぐる~??」(←訳:虎です!大雨~??)

 

 こんにちは、ネーさです。

 GW初日は予想外の寒さと雨に見舞われましたが、

 お出掛けは明日以降に順延することにして、

 今日のところはの~んびり読書タイムですよ。

 さあ、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  

 

 

   ―― 小説の惑星 オーシャンラズベリー篇 ――

 

 

 編者は伊坂幸太郎(いさか・こうたろう)さん、

 2021年12月に発行されました。

 『オーシャンラズベリー』と『ノーザンブルーベリー』、

 2冊からなるアンソロジー集の、

 こちらは『オーシャンラズベリー篇』です。

 

 収録されているのは、短編小説9作品――

 その選考基準は、

 御本の『まえがき』によれば

 編者・伊坂さんが、

 《子供のころから今まで読んできた小説の中で、

  本当に面白いと思ったものを集めてみました》

 とのことですよ。

 

「じゃんるゥ、いろいろッ!」

「ぐるるるるがるるる!」(←訳:作家さんもいろいろ!)

 

 純文学あり、ミステリあり、と

 ジャンルにこだわらない9作品の中で、

 《その作品がなければ、

  僕は今、小説を書く仕事はしていなかった》

 と伊坂さんが言うのは、

 島田荘司(しまだ・そうじ)さんのミステリ作品です。

 

「めいたんていィ、とうじょうゥでス!」

「がるるぐるる!」(←訳:切れ味抜群の!)

 

 島田さんが著した数々の短編から

 これがいい!と伊坂さんが決めたのは、

 『大根奇譚』。

 

 ミステリ好きな方々にはお馴染みの、

 御手洗潔(みたらい・きょし)さんと

 石岡和己(いしおか・かずみ)さんが活躍!

 するんです、けど……。

 

「むむゥ? ぶたいィはァ~…」

「ぐるがる??」(←訳:江戸時代??)

 

 知人さんの紹介で

 ひとりの大学教授さんと知り合った石岡さん、

 或る《謎》の解決を依頼されました。

 

 遠い遠い昔のこと――

 実に、160年も前の不思議な出来事の

 《謎》を解いてほしいというのです。

 

「あわわッ? ほんきィでスかッ?」

「がるぐるるる!」(←訳:本気みたいだ!)

 

 明治維新に於ける重要人物のひとり、

 酒匂帯刀(さこう・たてわき)さん。

 

 その《謎》は

 帯刀さんが少年であった頃のものです。

 

 生家の貧しさゆえ、

 お寺の養子となった帯刀さんは

 養父・寂光(じゃっこう)法師に連れられ、

 托鉢放浪の旅に出ておりました。

 

 帯刀さんは、まだ7歳……幼名を矢七(やしち)と謂い、

 必死に大人の足について歩く旅でしたが、

 時節が、いえ、

 時候が良くなかったと言うべきでしょうか。

 

「げほッごほッ、こッ、これはァ~…」

「ぐるるるるぅ!」(←訳:火山灰だぁ!)

 

 天保九年、桜島は大噴火し、

 薩摩の地は火山灰に覆われました。

 帯刀(矢七)さんと寂光法師は、

 間の悪いことに、

 噴火によって

 深刻な飢饉状態にある薩摩に来てしまったのです。

 

 空腹と疲労、病苦に耐えられず、

 ついに動けなくなった二人は、

 危ういところを村のお年寄りに助けられました。

 が、お年よりのお家にも、

 食べるものがない……何ひとつ、ない……。

 

「もうゥ、だめかもォ~…」

「がるるぐるる……」(←訳:意識が遠のく……)

 

 忍び寄る死の恐怖に

 少年は震えます。

 起き上がることすら、もう出来ない……。

 

 しかし。

 結果から言ってしまうと、

 帯刀さんは助かりました。

 寂光法師も、村のお年寄りも、助かりました。

 

 なぜ。

 どうやって。

 

 それを知りたい、その《謎》を解いてほしいと、

 教授は石岡さんに、

 そして御手洗さんに、

 縋る思いで望みを託したのです。

 

「そのォこたえはッ?」

「ぐるるがるる!」(←訳:意外な場所に!)

 

 御手洗さんの思考回路に死角なし。

 摩訶不思議な物語への鮮やか過ぎる答案に、

 私たち読み手は膝を打って叫びます。

 

 そう来たかぁ!

 

「おおおゥ!」

「がるぐるぅ!」(←訳:拍手拍手ぅ!)

 

 永井龍男さん、絲山秋子さん、

 阿部和重さん、中島敦さん、

 島村洋子さん、横光利一さん、

 筒井康隆さん、島田荘司さん、

 そして大江健三郎さん、と

 伊坂さんが9つの作品に寄せる想いは、

 巻末の『編者あとがき』に詳述されています。

 

 アンソロジー好きな活字マニアさんに、

 伊坂さんのファンの方々にも

 おすすめの一冊を、

 GWの読書タイムに、ぜひ♪

 

 

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~ マイナスから、プラスに? ~

2022-04-28 23:52:22 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 しらいしィィィ~ッ!!」

「がるる!ぐる~っ!!」(←訳:虎です!白石~っ!!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 おそらく多くの方々が最終頁で、

 白石~!と叫んだに違いない

 『脱獄王・白石と愉快な仲間たち』……じゃなくて

 『ゴールデンカムイ』最終話、堪能させていただきました♪

 作者・野田サトルさんに今日も拍手を送りつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~♫

  

 

 

     ―― 正しい恨みの晴らし方 ――

 

 

 著者は中野信子(なかの・のぶこ)さん、

 沢田匡人(さわだ・まさと)さん、2015年2月に発行されました。

 『科学で読み解くネガティブ感情』と副題が付されています。

 

 題名には『恨み』とありますが、

 この御本で取り上げられているのは、

 『恨み』だけではなく、

 『嫉妬』『羨望』『妬み』などの

 ネガティブな感情……と言うべきでしょうか。

 

「うらやましいィ!」

「ぐるる!」(←訳:悔しい!)

「ずる~いっ!」

 

 ↑こういったいわゆる“負の感情“は、

 人にどんな影響を与えるか、

 どう変えるか。

 

 御本の本文では、

 心理学者の澤田さんが、

 第1章『恨まずにはいられない』

 第2章『妬みと羨みの心理学』

 第4章『正しさにこだわる人たち』

 第6章『愛が憎しみに変わるとき』

 を担当し、

 

 脳科学者の中野さんは、

 第3章『妬みを感じるとき、脳では何が起こっているのか』

 第5章『正義と言う名の麻薬』

 第7章『嫉妬の脳科学』

 第8章『ネガティブ感情の意味』

 を担当しています。

 

 澤田さん中野さんの御二方ともそれぞれに、

 “負の感情“の種類や特徴などを

 論じているのですが、

 共通しているのは……

 

 《正しさ》《正義》の怖さ。

 

「どれほどォ、ただしくてもォ~…」

「がるぐるぅがる!」(←訳:暴走しちゃダメ!)

 

 社会正義を振りかざすあまり、

 高く振りかざしたその手に

 斧を――凶器を握ってはいないか。

 

 正しさは愛情から憎悪へ変容していないか。

 

 う~む、なんだか耳が痛いわ……

 SNS等を覗いていると、

 目にしますからね、

 ネット世界の光と闇を……。

 

「こわくゥなッてきましたでス!」

「ぐるっるがるるる!」(←訳:人間って恐ろしい!)

 

 第9章『私たちのネガティブ感情との付き合い方』は、

 中野さんと澤田さんの対談です。

 

 他人の不幸を喜ぶ機能が、

 脳にはある?

 

 妬みの研究をしてゆくことで、

 妬むことを回避できる?

 

「ふむふむッ! ちしきはァ、ぼうぎょッ?」

「がるぐるる?」(←訳:知は力なり?)

 

 P・シェーファーさんの『アマデウス』。

 歌舞伎の『娘道成寺』。

 S・キングさんの『ミザリー』。

 

 芸術作品を例に引いて

 ネガティブ感情を分析する第7章と第8章からは、

 とても解り易く“負の感情“の形が見えてきます。

 

 妬みや怒りは、

 実はとても自然な心の動きなのか。

 そんな“負の感情“を、

 何か別のモノに昇華できるのか――

 

「やぱりィ、くるしいィよりもォ~」

「ぐるるがるぐるるる!」(←訳:楽しい方がいいよね!)

 

 心理学好きな方々だけでなく、

 全活字マニアさんにもおすすめの

 ノンフィクション作品ですよ。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

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~ 読んで、喋って、SF三昧! ~

2022-04-27 23:33:27 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あうううゥ! ついにィ~なのでスゥ!」

「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!カムイの幕が!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 人気漫画『ゴールデンカムイ』は明日4月28日発売の

 週刊ヤングジャンプ誌上にて最終回を迎えます。

 また同日より、東京ドームシティにて

 『ゴールデンカムイ展』が始まりますよ。

 そこで本日の読書タイムは、

 作者・野田サトルさんへ感謝の拍手を送りつつ、

 こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  

 

 

       ―― SF読書会 ――

 

 

 著者は山田正紀(やまだ・まさき)さん、

 恩田陸(おんだ・りく)さん、

 2021年9月に発行されました。

 2010年に刊行された『読書会』を改題し、復刊したものです。

 

 先日は恩田陸さん著『愚かな薔薇』を御紹介しましたが、

 この御本では、

 恩田さんと山田正紀さん、

 ふたりの人気作家さんが

 《名作SF》を語り、

 そこへゲストが加わって

 お喋りはいっそう盛り上がって……と、

 まあなんて華やかなんでしょう♪

 

「げすとがァ、すごォ~いッ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:対談もすごいよ!)

 

 本文315~343ページに収録されているのは、

 『特別対談:萩尾望都&恩田陸 《原点》との邂逅』。

 

 御本冒頭の『まえがき』で

 恩田さんは、

 萩尾望都さんにお会いできた時は感無量であったと

 述べています。

 

 萩尾さんの作品『トーマの心臓』を、

 そして『精霊狩り』を初めて読んだときの、

 感動と、印象の強さ。

 

 さらに恩田さんは、

 『精霊狩り』のなかの一篇

 『ドアの中のわたしのむすこ』に出会って、

 私の人生は変わってしまった、

 とまで断言しちゃうんですから、

 しかもそのとき恩田さんは7歳だったというのですから、

 対談相手の萩尾さんはびっくり、

 読んでいる私たちもびっくり。

 

「ななさいにィしてェ~」

「がるぐる?」(←訳:針路決定?)

 

 一方、山田正紀さんは

 SF界の大御所さんの名作といえど、

 遠慮会釈なく斬り込みます。

 

 アイザック・アシモフさんの名作

 『はだかの太陽』は完全にバカミス、ですって?

 S・キングさんの『呪われた町』は

 ヒッチコックさんの『サイコ』の設定?

 

「ぷふふッ♪」

「ぐるるっ♫」

 

 しかし、山田さんもまた、

 対談の最中に或るマンガ作品との係わりを思い出し、

 ↓こんな風に言いだします。

 

   ぼくの時間SFの原点は

   手塚治虫の『キャプテンKen』だな。

 

「やぱりィ、まんがッ!」

「がるるぐるるる!」(←訳:マンガ畏るべし!)

 

 半村良さん、アシモフさん、

 アーシュラ・K・グィンさん、

 沼正三さん、小松左京さん、

 スティーヴン・キングさん他、

 SFをメインにしながらも

 広く文学全体までを網羅して語る

 山田さん×恩田さんの熱い対談は、

 SF好きさんに、

 日本文学好きな方々にもおすすめです。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

 

 

 そうして、明日――

 名作と謳われるSF作品がそうであるように、

 はたして『ゴールデンカムイ』は

 私たちにどのような

 “まだ見ぬ夢“

 を見せてくれるのか。

 期待とともに、

 あらためて彼らにエールを!

 

「すぎもとォさァ~んッ!」

「ぐるがるぐるるる!」(←訳:最後まで不死身で!)

 

 

 

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~ 変転の《美人画》史 ~

2022-04-26 22:33:39 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ♪るるゥ~♪なつもォちかづくゥ~♪」

「がるる!ぐるるる~♫」(←訳:虎です!八十八夜~♫)

 

 こんにちは、ネーさです。

 立春から数えて88日……

 今年2022年は5月2日が《八十八夜》になるんですって。

 そろそろ新茶のシーズンなのね~と

 茶摘み歌など口遊みつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらのアート本を、どうぞ~!

  

 

 

      ―― 近代美人版画集 ――

 

 

 編者は阿部出版の皆さん、

 2022年3月に発行されました。

 『Prints of Japanese beauties in the 20th century』

 と英語題名が付されています。

 

 《美人画》……というと、

 喜多川歌麿さんに代表される

 江戸時代の浮世絵を思い浮かべますが、

 この御本で取り上げられている《美人画》は、

 英語題名からも分かりますように、

 20世紀の《美人画》です。

 

「ずいぶんッちがうゥ~?」

「ぐるるがるぐるる!」(←訳:浮世絵とは違うね!)

 

 江戸期に確立した木版画の技術を受け継ぎながらも、

 大正~昭和初期に制作された『新版画』には、

 “写実“という要素が

 より強く意識されるようになりました。

 

 この御本でも、

 表紙を飾っている橋口五葉さんの『髪梳ける女』をはじめ、

 伊藤深水さんの作品、

 鏑木清方さんの『築地明石町』など、

 多くの作品が江戸期の“平面的表現“や

 “様式的表現“とは異なる方向へと

 踏み出そうとしています。 

 

 それとはまた別に、

 竹久夢二さん、小村雪岱さんたちの作品には、

 江戸由来の“平面的表現“と“西洋的な新しさ“、

 両方ともが窺えますね。

 

「でもねッ、びッくりィしたのはァ~…」

「がるるー!」(←訳:これだー!)

 

 ほとんど巻末に近い場所に

 掲載されているのは、

 中原淳一さん(1913~1983)の作品。

 

 雑誌『それいゆ』『ひまわり』の編集・デザイン、

 イラストレーター、洋画家としても知られる

 中原さんですが、

 ここでは

 『娘十二ヶ月』という連作が紹介されています。

 

 これが……最強に可愛い!!

 

 『それいゆ』とは真逆の和風路線、

 日本髪に着物、

 人物像を囲むように描き込まれた小物類も

 ほぼ和もの尽くしでありながら、

 江戸の浮世絵から一歩も二歩も先を行く

 新時代の美人、いえ、

 美少女像が完成しています!

 

「いまもなおォ、あたらしいィ!」

「ぐるるるるる!」(←訳:古びてないよ!)

 

 あでやかな美女たちの肖像に加えて、

 巻頭には、

 濱中真治さんによる

 『近代日本にみる《美人画》と美人表現』、

 エイミー・R・ニューランドさんによる

 『《新版画》の欧米での評価――両大戦間(1915-40)』

 という読み応えある評論2編も収録されています。

 

 中原淳一さんの他に、

 上村松園さんの異色作(本文95ページ)、

 岡田三郎助さんの作品(本文93ページ)にも

 注目していただきたい美人版画集は、

 アート好きな方々に、

 近代史好きな活字マニアさんにも

 おすすめですよ。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいな~♪

 

 

 

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~ 《紙》のプロ、出撃す! ~

2022-04-25 23:46:32 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 にゃほほッ♫ まにあのォ~せかいィ!」

「がるる!ぐっるるる~!」(←訳:虎です!凝ってるね~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 私たち活字マニアの大好物――

 それは、《紙》!

 ええ、本日の読書タイムは、

 紙モノ大好きゴコロが騒ぐ

 こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

 ―― 紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪 ――

 

 

 著者は歌田年(うただ・とし)さん、

 2022年3月に発行されました。

 『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』に続く

 シリーズ第2作には、

 『Paper expert case file Judgement on the false blade』

 と英語題名が付されています。

 

「かみのォ、ぷろふぇッしょなるゥ~…!」

「ぐるがるる!」(←訳:尊敬します!)

 

 紙を触れば、いえ、一目見ただけだって、

 どの製紙会社のどんな紙なのか、

 ピタリと当ててしまう紙のプロフェッショナル――

 それが《紙鑑定士》を名乗る

 渡部(わたべ)さんの肩書です。

 

 以前は製紙業界でも大手の会社に勤めていましたが、

 現在は独立して、

 紙に関するコンサルタント業を営む渡部さん、

 オフィスが新宿近くで、

 渡部と渡辺という

 似た名前を混同する人もいるのでしょうか、

 たま~に――

 

「たんていィ、おねがいィしまスゥ!」

「がるぐるるがるるるるるる!」(←訳:この事件を調べてください!)

 

 なぁんて飛び込んでくるお客さんがいて。

 しかも、

 渡部さんたら、

 その申し出を受けちゃったりするものですから。

 

「ほとんどォ、たんていィ?」

「ぐるる!」(←訳:だよね!)

 

 この御本は、

 『FILE:01 猫と子供の円舞曲』

 『FILE:02 誰が為の英雄』

 『FILE:03 偽りの刃の断罪』

 という短編3作品から構成されています。

 

 どの作品も、

 鍵を握るのは、《紙》!

 

 ことに『FILE:02 誰が為の英雄』は、

 紙の書籍大切にする方々の愛書精神を

 熱くさせる快作と申せましょう♫

 

「うゥ~むッ? わからないでスゥ!」

「がるるぐるる?」(←訳:どこに問題が?)

 

 いくつもの偶然が巡り巡って、

 渡部さんが係わりを持つことになったのは、

 或る母子家庭を見舞ったトラブルでした。

 

 2年前に、お父さんが急な事故で亡くなり、

 最近はひきこもり状態になってしまった息子さんのため、

 お母さんはちょっとレアなアメコミ本を探し、

 お家に持ち帰った、のですが。

 

 そのアメコミ本のどこかが、

 息子さんは気に入らないらしい?

 いったいどこが?

 

 本の内容が気に入らないのではない、と

 渡部さんは考えました。

 ならば、問題は本そのもの?

 

 本のどこかに

 誤字や脱字といった校正漏れ、

 落丁などの製本ミスがある、のだろうか?

 

「ええッ? そうなのォでスかッ??」

「ぐるるるるるがる?」(←訳:見当たらないけど?)

 

 さあ、《紙の探偵》さんに

 本領発揮していただきましょう。

 

 どこに問題がある?

 あるとしたら、解決の方法は?

 

「すみからァ、すみまでッ!」

「がるぐるるるる!」(←訳:調べ尽くします!)

 

 《紙》の知識はもちろんのこと、

 フィギュア、造形士さん、

 アメコミ、コスプレにコミコン。

 

 といった具合に、

 コレクション好き&書籍好きな方々には

 興味をそそられるネタが織り込まれた

 《紙探偵》さんの活躍ぶりを、

 読み逃すなんて、もったいない!

 活字マニアの皆さま、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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~ 光の国へ、ふたたび ~

2022-04-24 23:26:16 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 さいほうそうゥ、きぼうゥ~なのでスゥ!」

「がるる!ぐるがるぐるるる!」(←訳:虎です!もう一度セブンを!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 特撮ファンの方々にも、

 あまり特撮ものに詳しくない方々にも広く知られる

 名作といえば、《ウルトラセブン》!

 本日の読書タイムは、

 《セブン》をめぐる楽しい一冊を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

   ―― ダンとアンヌとウルトラセブン ――

 

 

 著者は森次晃嗣(もりつぐ・こうじ)さん、

 ひし美ゆり子さん、

 2021年2月に発行されました。

 『~森次晃嗣・ひし美ゆり子 2人が語る見どころガイド』

 と副題が付されています。

 

 2020年9月からBS4Kで、

 2021年4月から2022年3月にはNHKBSプレミアムで放送された

 4Kリマスター版《ウルトラセブン》。

 

 私たちはBSプレミアムでの放送を

 毎週手に汗握って拝見しました……

 本当にもう、日曜日の朝8時が待ち遠しかったわね!

 

「たのしかッたでス!」

「ぐるるっるぅ!」(←訳:面白かったぁ!)

 

 この御本では、

 モロボシダンを演じた森次晃嗣さんと

 アンヌ隊員を演じたひし美ゆり子さんによる

 『ダンとアンヌによるウルトラセブン各話解説』

 を中心に、

 『特別座談会 鬼軍曹を迎えて』や

 撮影時の裏話などが収録されています。

 

 特に、森次さんとひし美さんが回想しながら語る

 『各話解説』は、写真も豊富で、

 読んでいてワクワクしてしまいます♫

 

 ダンもアンヌ隊員も初登場シーンは

 ウルトラ警備隊のユニフォームではなかった……

 

 子供番組だという気持ちはなかった、

 ただ『いいドラマを作ろう』と頑張っていた……

 

 一番刺激的な監督は実相寺昭雄さんだった……

 

 ロケがうれしくて

 おしゃれして行かなきゃ、とひし美さんが意気込んだのは

 『ウルトラ警備隊西へ』……

 

 そして、

 『名前が出てない人も含めて、

  誰かひとり抜けてもダメだったと思う』のは、

 最終回『史上最大の侵略』……

 

「どれもォ、すばらしかッたでス!」

「がるるっるるるるぐる~!」(←訳:全スタッフさんに拍手~!)

 

 怪獣との闘いに留まらず、

 宇宙人との攻防、

 異次元からの侵略、

 『トワイライトゾーン』や

 『ミクロの決死圏』を想わせるSF,

 脚本家・金城哲夫さんが突きつける

 “地球人とは?“という永遠の問い――

 

 これはもっと、

 大人だの子どもだのの年齢に関係なく、

 あらゆる人に見てもらえるよう、

 地上波で放送していただきたいですね。

 

「たのしィ~いちねんかんをォ~」

「ぐるがる!」(←訳:もう一度!)

 

 私ネーさ、第42話の

 『ノンマルトの使者』が好きでした……

 ちょっぴりドジっ子?な

 カプセル怪獣のアギラくんも……

 アンヌ隊員の可愛い60’sファッションも……

 

 円谷プロ作品ファンの方々も、

 特撮もの大好きな御方も、

 森次晃嗣さん&ひし美ゆり子さんのガイドに耳を傾け、

 《光の戦士》たちの物語世界へ、ぜひ♪

 

 

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~ 《ふつう》で《奇想》で? ~

2022-04-23 23:33:11 | ミュゼ

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 もうゥッ! はんそでェ~!」

「がるる1ぐるがるる!」(←訳:虎です!夏の準備だ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 はい、買っちゃいましたよ、Tシャツ2枚!

 GWに着る機会はあるかなぁ?などと想像&期待しつつ、

 さあ、本日は読書……をサボって、

 こちらの展覧会情報を、どうぞ~♫   

  

 

 

       ―― ふつうの系譜 ――

 

 

 東京・府中市の府中市美術館にて、

 会期は2022年3月12日~5月8日(月曜休館)、

 『春の江戸絵画まつり 

 《奇想》があるなら《ふつう》もあります

  京の絵画と敦賀コレクション』

 と副題が付されています。

 

「くすくすッ♪」

「ぐるるっ♫」

 

 ふふふ、私ネーさも笑っちゃいましたよ。

 《奇想》があるなら《ふつう》もある……

 そうよね、あってもいいわよね♪とニヤリ。

 では、何がどう《ふつう》なのかというと……

  

 土佐派、狩野派、円山四条派――

 美術界のメインストリームといえる

 《血筋》《家》《流派》が創り出す美。

 

 貴族の雅びな世界を描いた作品や、

 武家好みの豪快な構図の作品、

 写実を重んじる作品などなど、ですね。

  

 そして、

 日本絵画の特徴である、

 変色・褪色しにくい

 岩絵の具を用いて描き出す美。

 

 百年二百年と時間が過ぎても

 昔のままの《色》が残ってるって、

 実はたいへんなことなんです……!

  

 でも、やっぱり……

 《奇想》があると《ふつう》も輝く?

 《ふつう》と《奇想》を併せ持つ画家さんもいる?

 

 という訳で、

 《ふつう》っぽいのに《奇想》かも?な作品も

 しっかりチェック。

 

 ついでに番外編として

 『かわいい動物はいつ《ふつう》になったのか?』も

 リサーチしてみましょう。

 

「おおッ! ころころォわんこッ♪」

「がるるるるぐるるぅ!」(←訳:応挙さんの子犬だぁ!)

 

 敦賀市立博物館の

 江戸絵画コレクションに見る

 《ふつう》のようで《ふつう》でない

 江戸絵画の企画展は、

 2020年に開催されたものの

 感染症拡大のため途中閉幕した

 『ふつうの系譜 展』の再開催展です。

 

 2020年は行きそびれちゃったわ!という御方も、

 江戸絵画好きなのよ~!という方々も、

 都立府中の森公園の新緑に囲まれた

 府中市美術館へ、

 お散歩気分で、ぜひ♪

 

「おでかけェするときィはァ~」

「ぐるるるるがる!」(←訳:歩きやすい靴で!)

 

 

   では、ここで春のオマケ画像も、じゃじゃん!

   

   おお、咲いてます♪

   “緑色のサクラ“として知られる

   御衣黄桜(ぎょいこうざくら)ちゃんが

   今年もきれいに咲きました♫

   

  「あまりにもォ、みどりいろォなのでェ~」

  「がるるるるるるるぐる!」(←訳:気付かれないのが悩み!)

   御衣黄桜は個体差が大きいのでしょうか、

   画像を検索してみても、

   緑色の強弱、葉の色合いが

   樹ごとにけっこう違うようですね。

   春風に揺れるお花をうっとり見上げながら、

   皆さま、どうか穏やかな休日を♪

   

    

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~ 貼りまわろう、今日も! ~

2022-04-22 22:37:11 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むむッ! そのてがァ~あッたのでスかッ?」

「がるる1ぐるがるるぅ!」(←訳:虎です!盲点でしたぁ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日4月22日の朝ドラ『ちむどんどん』は衝撃でした♪

 貧しい我が家を救わんと

 東京へ旅立つヒロイン暢子(のぶこ)ちゃん。

 しかし……土壇場で、止めた!と乗ったバスを降りちゃった!

 そういう展開もアリか~!とお腹を抱えて笑いながら、

 さあ、読書タイムも笑いを目指しましょう♫

 ↓本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~!

  

 

 

     ―― 貼りまわれ!こいぬ ③ ――

 

 

 著者は うかうか さん、2022年4月に発行されました。

 《貼りまわれ!こいぬ》シリーズの第3作は、

 なんていうか、もうね、

 シュール当たり前!ステッカー上等!な世界が到来しています。

 

「あちらにィ、ぺたりッ!」

「ぐるるるがるる!」(←訳:こちらにペタリ!)

 

 壁に、柱に、樹木に、テーブルに。

 ペタリ、ペタペタと貼られているのは、

 柴犬、コーギー、プードルやチワワなど、

 さまざまな犬のステッカー。

 

 色も表面の質感も可愛いけれど、

 いったいこの

 ステッカーを貼りまくっているのは犯人は、

 いえ、犯犬は……

 

 こいぬくんです。

 

「おしごとォ~なのでスゥ!」

「がるぐぅるるる!」(←訳:犯罪じゃないよ!)

 

 そう、それは不思議なお仕事。

 

 失業し、意気消沈していたこいぬくんのもとへ、

 ヒラヒラと飛んできたのは

 一枚のチラシ。

 

 《スタッフ急募!

  これといったとりえのない犬 大かんげい》

 

 という文面に心惹かれ、

 面接会場に出向いてみれば。

 

「さいようゥ、けッていィ~!」

「ぐるるるがるるる!」(←訳:ようこそ我が社へ!)

 

 犬のステッカーを

 街中いたるところに貼る。

 

 一見あやしげな、

 というか、どう見てもあやしげなお仕事ではありますが、

 意外にも、本当の本当にそれだけで。

 あっちにもこっちにもステッカーを貼って、

 お給料がいただけちゃうなんて。

 

「らッきィ~!」

「がぅるぅるるぐぅるる!」(←訳:チョチョイのチョイさ!)

 

 いえいえ、ステッカー貼りも楽ではありません。

 すぐ剥がされちゃったり、

 怒られたり叱られたり、

 上司さんからダメ出しを喰らったり。

 

 それでも、

 第2巻では研修会に派遣されて、

 同期のステッカー貼りワンコたちと仲良くなったり

 したんですけれど……?

 

「なぞのォしゅうだんッ、とうじょうゥ!」

「ぐるる!」(←訳:リスだ!)

 

 犬ステッカーは、

 リスたちのハートも鷲掴みにしてしまった?

 また何故?

 

 その理由が解き明かされる書き下ろし作品

 『子りすと将来の夢』は

 シリーズファンの方々必読の一篇です。

 

「よまなくちゃッ!」

「がるぐるるる~!」(←訳:絶対読んでね~!)

 

 《貼りまわれ!こいぬ》は

 Web上で無料公開されていますので、

 未読の方々は、

 まずはそちらから《こいぬ》ワールドを

 覗いてみてくださいね。

 

 笑いあり、涙あり、ほっこりあり、

 ワンコ好きさんにもリス好きな方々にも

 激おすすめの一冊を、皆さま、ぜひ♪

 

 

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~ 見るチカラ、視えるチカラ ~

2022-04-21 23:34:17 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 がんばれェ、ふじみのォおにいさんッ!」

「がるる!ぐるがるぐるるがるーる!」(←訳:虎です!最後まで不死身パワーを!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ついに来週は『ゴールデンカムイ』最終回……!

 全話無料公開は4月28日23:59までですから、

 皆さま、チェックを怠りなく!

 踏ん張って杉元さん!とエールを送りながら、

 さあ、読書タイムも進めてまいりますよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― ただし、無音に限り ――

 

 

 著者は織守(おりがみ)きょうや さん、

 2021年12月に発行されました。

 『SILENT FILMS ONLY』と英語題名が付されています。

 

 御本のカバーや帯に記されている文章によれば、

 ええと、そのぅ、

 《霊感ミステリ》ということで――

 

「わひゃッ? れれれッ??」

「ぐるるるっ!!」(←訳:れいかんっ!!)

 

 オカルト系は嫌いよ!という方々は

 ドン引きしちゃうかもしれませんけれど、

 大丈夫、心配は要りません。

 

 何故なら、

 《天野春近探偵事務所》の

 所長にして唯一人の従業員である

 天野春近(あまの・はるちか)さんの

 “霊能力“は……強くないんです、あんまり。

 

「そッ、それはァ~…」

「がっるぐるるがるるぅ!」(←訳:却って心配になるよぅ!)

 

 天野さんに出来ること。

 それは、“見る“ことだけ。

 

 霊とお話しするとか、

 意思疎通するとか、

 天野さん自身が何らかの霊的現象を起こすとか、

 そういうことは出来ない、のです。

 

 つまり、ごく弱~い霊能力者なのですけれども、

 かといって、

 まるっきり何も出来ない訳ではなく。

 

「むむゥ~…びみょうゥ、だどォ~」

「ぐるがるぐる!」(←訳:ゼロよりまし!)

 

 他の人にはないチカラを持っている――

 それはやはり、立派な利点です。

 そして今回も、

 天野さんに“そういうチカラ“があると知っている弁護士さんが

 相談事を持ち込んで来ました。

 

   或るお金持ちの老人が亡くなった。

   病死である、と医師は言う。

   しかし……

   遺言書が発表されて以降、

   遺族の間に不協和音が……?

 

「ふゥむゥ! あるあるゥ~でスねッ!」

「がるるるぐるるる?」(←訳:相続争いあるある?)

 

 依頼と言えば浮気調査ばかりで

 ウンザリしていた天野さん、

 これぞ探偵の仕事だ!と、

 喜んで調査に取り掛かります。

 

 その御老人の、病状。

 普段の生活や、家族関係。

 本当に病死であったのか、

 やや変わった内容の遺言書にこめられた意図は。

 

 御遺体はとうに荼毘にふされてしまい、

 ろくな物証もない状況で、

 天野さんの“見るチカラ“は、

 はたしてどのような結末を引き寄せるのか。

 

「てがかりィ、みえまスかッ?」

「ぐるるがるるぐる!」(←訳:たぶん視えるはず!)

 

 チカラは弱くとも、

 楽観的で、誠実で、

 こころ優しい《霊感》探偵さん。

 

 『執行人の手』

 『失踪人の貌』

 の中編2作品から成る連作ミステリは、

 ミステリ好きな活字マニアさんに、

 エンタ好きな方々にもおすすめですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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