テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

福招きの《なりきり》本!

2017-01-31 22:06:41 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おしょうがつよォ、さらばッ!」
「がるる1ぐるるがるぐる!」(←訳:虎です!明日はもう2月!)

 こんにちは、ネーさです。
 一年のいちばん初めの月、お正月。
 笑う門には福来る、の智慧に則り、
 去ってゆくお正月さんをニコニコと笑顔で見送るべく、
 さあ、本日の読書タイムは
 笑わずにはいられなくなるこちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



            ―― 本人遺産 ――



 著者(本人)は南伸坊(みなみ・しんぼう)さん、写真は南文子さん、
 2016年8月に発行されました。
 『The Heritage of Honnnin』と英語題名が付されています。

「ほんにんッいさんッ??」
「ぐるるるぅがる?」(←訳:何ですかぁそれ?)

 御本冒頭の『まえがき』にて、著者・南さんいわく――

   容貌とはその人物の日常の表情の集積であり、
   表情筋の記憶が《本人の顔》なのです。

 顔の語るもの=《本人》が、
 顕著な普遍的価値=《世界遺産的価値》を持つ日が、
 あるいはくるかもしれない――

「ふァ~??」
「が~るぅ?」(←訳:え~とぉ?)

 いえいえ、いいんです、 
 細かいことは気にしなくっても。

 大切なのは、
 著者・南さんの“なりきり”っぷりに
 うふふっ♪と笑えるかどうか、なんですよ。

 そして、私ネーさ、自信を持って断言いたしましょう。

 この御本、笑えます!
 南さんの“なりきり”の度合い、超弩級です!!

「みなみさんのォ、おかおがァ~」
「ぐるるるがる!」(←訳:マルチに変身!)

 “誰かになりきる”のをライフワークにしている芸術家さんて、
 欧米にも結構いるらしいんですけど、
 日本の“なりきり”アーティストさんといえば、
 森村泰昌さんが知られていますね。

 ゴッホさんやマネさんの作品の登場人物になりきっての
 セルフポートレートは、
 “なりきり”の域を逸脱しかかっているほど精密です。

「ごうかァ、でスよゥ!」
「がるる!」(←訳:華やか!)

 この衣装、生地も縫製も特注かしら?
 背景の調度もオーダー品?
 隅々まで凝ってる!
 と感嘆させられる森村さんの作品の出来映えは、
 さながらオペラのよう……。

 対して、
 南さんの作品は、
 オペラではなくて……

 ヴォードヴィル!

「ぼーどびるゥ?」
「ぐるるがる?」(←訳:演芸のこと?)

 ヴォードヴィル(またはボードビル=vaudeville)とは、
 舞台で上演される踊り・歌・手品・漫才などの
 演し物(だしもの)のことです。

 え~?漫才ぃ~?とか言っちゃいけませんよ。
 チャップリンさんも、
 フレッド・アステアさんも、
 出身はヴォードヴィルでした。

 もし、ナマの舞台でアステアさんのタップダンスを
 観ることが出来たなら……?

「すてきィ~!」
「がるっ!」(←訳:最高っ!)

 南さんの“なりきり”は、
 ヴォードヴィル風の即興、
 でたとこ勝負的なデタラメも含め、
 私たち読み手の理性を押し流す勢いを持っています。

 南さんの、ピカソさん(画家)。
 南さんの、寺山修司さん(詩人・戯曲家・作家)。
 南さんの、江戸川乱歩さん(小説家)。

 原節子さん(俳優)も、
 石黒浩さん(ロボット博士)も、
 ふなっしーさん(梨の妖精)も、
 小泉進次郎さん(政治家)も、
 スティーブ・ジョブズさん(アップル創業者)さんも……

 ぷふふふふっ!

「にてないィ~ようなッ?」
「ぐるるがるる!」(←訳:似てるような!)

 私ネーさが最も笑っちゃったのは、

 南さんの、エルサさん。

 そうです、『アナと雪の女王』の、あのエルサさんに
 南さんは堂々“なりきり”ます。
 しかも、その手法たるや、
 実にヴォードヴィルな
 百円均一ショップの知恵と工夫!

「ひゃッきんッ??」
「がるるぐる?」(←訳:百円の知恵?)

 本文66~67ページ、
 エルザさんに大化けし遂げた南さんの艶姿を、
 どうか皆さま、御自身の眼で!

 なお、全編笑いを誘う福々しい一冊は、
 そうです、アレです、
 《通勤通学の電車バス内では読んじゃいけない》御本です。
 なので、ぜひ、ご自宅でお読みくださいね~♪

「ぷふふッ♪」
「ぐるがるっ♪」
 

  
 
コメント

~ 脇役を超えた脇役たち ~

2017-01-30 22:11:50 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 げきとゥでしたでスッ!」
「がるる!ぐるるるるがぅるるーるる!」(←訳:虎です!おめでとうフェデラーさん!)

 こんにちは、ネーさです。
 怪我から立ち直ったフェデラーさんが全豪を制し、
 ユヴェントスもしっかり勝って、
 ああ運動神経が欲しい~と痛感した月曜日の読書タイムは、
 さあ、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  



         ―― 幕末ハードボイルド ――



 著者は伊藤春奈(いとう・はるな)さん、2016年12月に発行されました。
 『明治維新を支えた志士たちとアウトロー』と副題が付されています。

「れきしィのォ、わかれみちィ!」
「ぐるるがるるるぐる!」(←訳:近代の大転換点だね!)

 そうねえ、江戸の日本から、
 一挙に近代国家=明治の日本へと衣替えした転機、
 明治維新。

 それは世界史上でも稀に見る
 “平和的な政権交代”だったと
 評されることもありますが、
 著者・伊藤さんは、

   本当にそうなのか?

 と問いかけます。

 維新とは、
 勝海舟さんと西郷隆盛さんが中心になっての
 江戸無血開城に象徴されるように、
 内戦も内乱もない
 《禅譲》であったのか、というと。

「そうでもォないィ??」
「がるぐる!」(←訳:騒乱多し!)

 多摩っ子の私たちは、
 新選組には親近感を抱いていますし、
 小説や映画・ドラマで有名になった浪士組、
 彼らと対峙した薩長側の剣客さんに
 共鳴する活字マニアさんもおられることでしょう。

 けれど、
 佐幕・倒幕両陣営の人々以外にも、
 維新に係わった人々はいたのです。

 歴史の輝かしい表舞台には出てこない、
 いえ、出てこられない人たちが。

「わけありィ、でスねッ!」
「ぐるっるる?」(←訳:ワケって何?)

 表舞台に出てこれない、その理由とは、
 次の一言に尽きます。

 アウトロー。

 アウトサイダーではありません。
 反社会的勢力、という、
 現代的な呼び方をすることも可能でしょうか。

 当時の最も有名なアウトローとして挙げられるのは、
 清水次郎長さん。

 幕末の侠客、
 自ら博徒と名乗った次郎長さんですけれど、
 他にもいたのです。

 新選組のゆくところ、
 倒幕を唱える志士たちのゆくところに、
 秘かに力を貸し、
 宿を提供し、
 資金・人材を融通するアウトローたちが。

「おおしごとォでス!」
「がるるぐるる!」(←訳:危険と隣合せ!)

 どの場所で、
 どんなタイミングで、
 アウトローたちが維新の流れに加わったか。

 著者・伊藤さんは丁寧に、
 アウトローたちの仕事ぶりをリサーチしてゆきます。

「むむッ! あッちにもォこッちにもォ?」
「ぐるるがっるる!」(←訳:痕跡がいっぱい!)

 はたして、彼らなくして
 維新は成功しただろうか――

 個人的には私ネーさ、
 官軍の接近に混乱する江戸市中で
 治安維持に奮闘したという
 火消の頭・辰五郎さんという人物に感じ入りました。
 明治の到来とともに消えていった“江戸の華”火消し……
 博徒とはまた別種の、アウトロー……。

「かげのォしゅやくゥ?」
「がるるぐるるがる!」(←訳:脇役を超えた脇役!)

 歴史好きな活字マニアさん、
 特に江戸~明治が好きだ!という御方に
 おすすめの労作です。
 ぜひ、一読を♪


 
コメント

あのお店へ、ふたたび!

2017-01-29 22:06:28 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 どちらがァ~ゆうしょうゥ??」
「がるる!ぐるるるるるぅ!」(←訳:虎です!分かんないよぉ!)

 こんにちは、ネーさです。
 いま現在、この記事を書いている時点では、
 ナダルさん対フェデラーさんの全豪テニス決勝戦、
 まだ決着がついていません。
 ハラハラドキドキしながらも、
 我らも負けずに読書タイム開始です。
 本日は、こちらの小説作品を、どうぞ~♪
 
  



        ―― 女王さまの夜食カフェ ――



 著者は古内一絵(ふるうち・かずえ)さん、2016年11月に発行されました。
 『マカン・マランふたたび』と副題が付されています。

「うみゅッ? まかんッまらんッ?」
「ぐるるるがるー!」(←訳:聞き憶えありー!)

 ええ、そうよね、
 《マカン・マラン》って、聞いた憶えがあるような……?

 それもそのはず、
 以前に御紹介しました
 『マカン・マラン――二十三時の夜食カフェ』(2015年刊)の続編が、
 こちらの『女王さまの夜食カフェ』なんです♪

「おおッ! かえッてきたのでスゥ!」
「がるぐる!」(←訳:あのお店が!)

 《マカン・マラン》とは、
 インドネシアの言葉で
 『マカン』は食事、
 『マラン』は夜を意味しているので、
 《マカン・マラン》=《夜食》。

 昼間は服飾店、
 そして夜は服飾店で働く御針子さんたちのために
 オーナーさんが賄い料理を作ってふるまう
 夜食カフェ――

「そうそうゥ、そうなのでス!
 おにいさんおねえさんのォ、おみせッ!」
「ぐるぅるがるーる!」(←訳:ドラァグクイーン!)

 自称“品格あるドラァグクイーン”の
 シャールさんが仕切る服飾店兼カフェに、
 そうとも知らず迷い込んでしまったのは、
 西村真奈(にしむら・まな)さん。

 毎日、丸の内で――
 きれいな街路と皇居の緑、
 噴水のある広々とした公園、
 日本を代表する大企業が集中する街で
 働いている真奈さんは、
 ちょうどその時、疲れていたんでしょうか。

 《アリス》の物語に出てくる赤の女王さまのような、
 妖し~い人物に怒鳴りつけられ、
 すってんころりんと
 大転倒する事態に。

「あちゃァ~…」
「がるぐる!」(←訳:膝に血が!)

 赤の女王、
 じゃなくて、
 赤いウィッグをつけた女王さま風の人物は
 真奈さんを助け起こし、
 傷の手当をしてくれました。

 《ダンスファッション店シャール》。

 お店の看板、
 ハデハデな赤いウィッグのドラァグクイーンさん、
 すてきなドレスや服飾小物……
 
 その光景が、
 ドラァグクイーンのジャダさんとの会話が、
 お店を辞去した後も
 真奈さんは気になって仕方ありません。

 近所に、あんな不思議なお店があったなんて。

「またァ、ゆこうゥ!」
「ぐっるぅるる!」(←訳:行っちゃおう!)

 第一話『蒸しケーキのトライフル』、
 第二話『梅雨の合間の竜田揚げ』
 第三話『秋の夜長のトルコライス』
 第四話『冬至の七種(ななくさ)うどん』
 の4篇から構成される連作小説は、
 読んでいる最中、
 読み終えた直後、
 そして読後しばらく経ってから、と
 それぞれ万華鏡のように変わる感情を
 読み手にもたらします。

 苦くて、
 甘くて、
 塩辛くて、
 忘れ難くて。

「じっくりィ、あじわいたいィ!」
「がるるるるる!」(←訳:思い返したい!)

 不思議なお店で、
 お客は、読み手は、
 何を見つけるのか――

 前作『マカン・マラン』と併せて、
 激おすすめの作品です。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 

 
コメント

いつも視線は《美人画》に?

2017-01-28 22:12:38 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 くきゃきゃッ? もうゥおわッちゃいまスかァ?」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!速すぎ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 来週は2月?もう1月が終わてしまうなんて!と
 つい焦りがちになる風松ですが、
 はい、今日は読書をサボって
 の~んびり♪と展覧会情報を、どうぞ~!
 
  



          ―― 女性像の魅力 ――



 群馬県桐生市の大川美術館にて、
 会期は2017年1月4日~3月26日
 (月曜休館、月洋が祝日の場合は開館し翌火曜日休館)、
 『上村松園、長谷川利行、藤田嗣治らを中心に』と副題が付されています。

「ふァ~! おきれいィでスゥ~!」
「ぐるるがるる!」(←訳:これは正しく!)

 ええ、そうねえ、
 ↑上の画像の、チラシ(フライヤー)表面に印刷されているのは、
 上村松園さんの『初雪』。
 1940年頃の作品です。

  

「こッちのもォ、いいなッ♪」
「がるるぐるるる~!」(←訳:部屋に飾りたい~!)

 《女性美を描く》ことは、
 洋の東西を問わず、
 画家さんたちにとって永遠のテーマと申せましょうか。

 この展覧会では、
 近代の日本画壇で活躍した
 上村松園さん、伊東深水さん、橋本明治さんたちの《美人画》、
 洋画家・宮本三郎さんと京都の名工さんによって制作された
 舞妓さんを描いた木版画シリーズ、
 三岸好太郎さんのデッサンなど、
 《女性美》を顕わす作品が展示されます。
 
  

 大川美術館の最寄駅は
 上毛電鉄の西桐生駅、
 西桐生駅からは徒歩で約10分の道のりです。
 途中には急な坂や階段があるそうなので、
 お出掛けの際には御注意くださいね。

「きりゅうのさとへェ、はるのたびィ~♪」
「ぐっるがっるぅるるる!」(←訳:いってらっしゃいませ!)




    さてさて、今回のオマケ画像もまた……
   
    「むきゃァ~!」
    「がっるるぅ!」(←訳:リッチだぁ!)
   
    『ゴディバ』さんのアイスクリームを
    どーんといただいてしまいました……
    なんか贅沢だわ……
    贅沢すぎてバチが当たりそう……
    「こわいでスよゥ!」
    「ぐるるるる!」(←訳:どうしよう!)
    おセレブなアイスクリーム、
    ふっふっふ、じっくり味わう所存でございます♪

    寒かったり、そうでもなかったり、
    体調をキープするのに一苦労する季節ですが、
    受験生さんとご家族の皆さま、
    活字マニアの皆さまも、
    どうか、穏やかな休日を。
    
    
コメント

今日も3時の鐘が鳴る♪

2017-01-27 22:11:10 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぐるぐるゥ~きゅゥ~♪」
「がるる!ぐるがるるっ?」(←訳:虎です!今の何の音っ?)
「おなかがァ、なッてるゥおとッ!」

 こんにちは、ネーさです。
 はい、本日の読書タイムは思わずお腹が鳴ってしまいそうな、
 心も食欲も刺激する一冊を御紹介いたしますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



         ―― 作家のお菓子 ――



 編者はコロナ・ブックス編集部の皆さん、2016年11月に発行されました。
 以前に御紹介しました『作家の犬』『作家の酒』、
 そして『作家のおやつ』等と同じ《作家》シリーズからの新作は、
 その名も……

「おかしィ~♪」
「ぐるるるる!」(←訳:作家さんのね!)

 御本の表紙になっている写真は、
 或る作家さんが好んだお菓子です。
 真上から撮られているので、
 ちょっと分かりにくいかもしれませんが、
 モンブラン(味はサバラン)、
 モカロール、
 苺のショートケーキ、
 フルーツとナポレオンソースのババロア、
 といった洋菓子を三時のおやつにいただいていたのは。

 谷崎潤一郎さん。

「ほわわァ~!」
「がるぐる!」(←訳:意外かも!)

 意外といえば、
 こちらの文豪さんの好みも意外でした。

 江戸川乱歩さん、
 お酒よりも甘いもの!派だったそうです。

 とりわけて好物なのは、
 氷あずき。

 扇風機を傍らに、甚平姿の乱歩さんが
 自家製の氷あずきを
 サクリ、パクリ。

 微笑ましくも温かな、
 怪人二十面相の作者さんの素顔ですねえ。

「こッ、こッちにもォ~」
「ぐるるるがるる!」(←訳:お菓子がずらり!)

 漫画家・水木しげるさんが
 プロダクションのスタッフさんたちとの3時のおやつで
 《あっとう間に平らげ》たというのは、
 イトウ製菓さんのビスケット菓子『カルケット』や、
 梅園さんの『豆かん』など。

 こしあんのお菓子は好きだけど、
 羊羹は嫌い。

「またしてもォ、いがいィ??」
「がるるるぅ~…」(←訳:豆かんかぁ~…)

 掲載されている《作家》さんは、
 小説家さんだけではなく、
 俳優の池部良さん、森繁久彌さん、
 消しゴム版画で知られるナンシー関さん、
 陶芸家の濱田庄司さん、
 絵本(童画)作家の武井武雄さん、
 音楽家の三木鶏郎さん、
 やなせたかしさん、と
 多彩な顔触れです。

 なお、取り上げられているお菓子は
 ルックスの点からは
 《昭和のおやつ》っぽく見えますけれども。

「げんえきィでスよゥ!」
「ぐるがるる!」(←訳:今も大人気!)

 20世紀はもちろん、
 21世紀も愛されるお菓子の写真と、
 作家さんとお菓子のエピソードを語る文章の部分が
 心地よいバランスを織りなしています。

 食いしん坊さんも、
 活字マニアさんも、
 作家さんたちのプライベートなおやつタイムを、
 ぜひ、覗いてみてくださいね♪

 
 
 
 
コメント

― 時間のレンズ ―

2017-01-26 22:14:41 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うむッ! じゅんけッしょうゥ~しんしゅつゥ!」
「がるる!ぐるがるるぅ!」(←訳:虎です!次も行くぞぉ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ユヴェントスが勝利した朝は寒さもなんのその!
 そんなシャキっとした気持ちでお送りする
 本日の読書タイムは……
 いま注目のノンフィクション作品ですよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



       ―― 『南京事件』を調査せよ ――



 著者は清水潔(しみず・きよし)さん、2016年8月に発行されました。
 『mission 70th』と英語題名が付されたこの御本は、
 昨今ニュースになっているあの《事件》の真相を探る
 報道と報告の記録です。

 著者・清水さんといえば、
 『桶川ストーカー殺人事件――遺言』
 『殺人犯はそこにいる――隠蔽された北関東連続幼女誘拐事件』など、
 事件報道にとことんこだわる
 名うてのジャーナリストさんです。

「ぷろふぇッしょなるのォ、きしゃさんッ!」
「ぐるるるがるるるる!」(←訳:徹底的に追いかける!)

 その清水さんが新たに係わったのは、
 戦後70周年の節目に制作された
 NNNドキュメント『南京事件 兵士たちの遺言』でした。

 TVで放送されるや、
 番組は大反響を呼び、
 『平和・協同ジャーナリスト基金賞《奨励賞》』、
 『ギャラクシー賞 テレビ部門優秀賞』
 『メディア・アンビシャス賞』
 『放送人グランプリ(2016準グランプリ)』と、
 多くの賞を受賞します。

「わおおゥ、すごいィ!」
「がるるる!」(←訳:高評価だ!)

 ええ、それらの評価は、
 清水さんをはじめとするスタッフさんたちが
 誠心誠意をもって取材をし、
 幾度となく検証を重ねて、
 公平な見地から作り上げた内容への
 正当な結果です――けれど。

 2015年10月4日、
 放送が番組が放送された後に
 清水さんは思うのです。

  55分という限られた時間の中では、
  伝えきれなかった情報が
  あまりにも沢山ある。
  それに、別の疑問も残っている。
  
  なぜ、この事件は否定されるのか。
  メディアの殆どが目を逸らすのか。

 もっと調べなければ。

「どくじにィ、しゅざいィかいしッ?」
「ぐるるがる!」(←訳:大決断だよ!)

 70年以上も昔の出来事。

 事件現場を自分の足で訪ねて、
 直接の証言を聞き、
 一歩一歩真実に近づいてゆくのが
 清水さんのスタイルですが、
 今回ばかりは、時間の壁に阻まれ、
 真実を探り当てるのは容易ではありません。

「でもォ、ねばりますゥ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:喰らいつきます!)

 日誌の数節。
 一枚の写真、スケッチ。

 そんな“些細な”カケラをつなげて、
 レンズを過去に向けてみれば……?

「またァ、みえてくるゥ!」
「ぐるるがる?」(←訳:新たな事実?)

 誰かを糾弾するのではなく、
 侮辱するのでもなく、
 謙虚に誠実に。

 戦争の中で、何が起きたのか。
 その戦争とは、何であったのか。

  知ろうとしないことは、罪である――

「おもたいィでスゥ……!」
「がるぐる……!」(←訳:苦いです……!)

 著者・清水さんが辿った道を、
 活字マニアの皆さまも、どうか、ぜひ。
 必読の労作です!
 
 
 
コメント

超絶技巧を、アールデコの館で。

2017-01-25 22:07:57 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 よしッ! げんきだまァ、おくるぞォ~!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!行けトリノへ!)
「とうゥッ!!」

 こんにちは、ネーさです。
 今度こそミランを粉砕するのだユーヴェの戦士たち!
 と、お腹の底からの願いをこめて
 元気玉をユヴェントススタジアムに遠投した後は、
 はい、読書……を本日はサボることにして、
 展覧会情報を、どうぞ~♪

  



          ―― 七宝 並河靖之 ――



 東京都港区白金台の東京都庭園美術館にて、
 会期は2017年1月14日~4月9日
 (第二・第四水曜日=1/25、2/8、2/22、3/8、3/22は休館)、
 『明治七宝の誘惑――透明な黒の感性』と日本語副題が付されいます。

 ↑上の画像のチラシ(フライヤー)には、
 ちょっと仕掛けがありまして、
 用紙の右側の部分を……

  

 開くと、↑こうなります♪

「わほほゥ~♪」
「ぐるがる!」(←訳:壺が登場!)

 藤の花が描かれた美しい壺……
 と言いたいところですが、
 この藤のお花、筆で描いたものではありません。

 漆黒の地色の壺――
 明治後期に制作された『藤草花文花瓶』は、
 七宝(しっぽう)。

 着色した硝子の粉を
 丁寧に丁寧に、
 気が遠くなってしまうような細かい作業を重ねて
 壺の地にそっと置き乗せてゆき、
 高温の窯で熱して創り上げる工芸品、
 いえ、美術品です。

「こッ、こまかいィ~!」
「がるぐるがる!」(←訳:超絶技巧だよ!) 

  

 この壺の作者は、
 並河靖之(なみかわ・やすゆき)さん(1845~1927)。

 明治時代、七宝は
 輸出用美術工芸として非常な人気を博しました。
 並河さんは当時を代表する七宝家さんだったのです。

「どのさくひんもォ~…」
「ぐるるがる!」(←訳:驚異の極地!)
 
  

 大正期に入って急激に生産が落ち、
 七宝家・並河さんの名が忘れられた時代もありましたけど、
 近年、明治工芸の素晴らしさが広く認知され、
 並河さんの人気は再び高まっています。

 そして、没後90年となる2017年、
 初の回顧展開催となりました!

「ぱちぱちぱちィ~!」
「がるるる~!」(←訳:めでたや~!)

 この展覧会には、
 国内外に現存する並河さんの七宝作品、
 下絵などの関連資料も併せて展示されます。

 また、『ドレスコード割引』もありますよ♪

「どれすこーどォ??」
「ぐるがぅる?」(←訳:それなぁに?)

 並河さんが制作した花瓶やお皿には
 《蝶》の図像がしばしば取り入れられています。

 そこで!
 《蝶》のモチーフを身に着けて来館した御方には
 入館料金を¥100割引きするんですって。

「ちょうちょでッ?」
「がるる!」(←訳:蝶々で!)

 お出掛けする際は、皆さま、
 蝶の形のアクセや、
 蝶がデザインされたスカーフで装って、
 チケット購入窓口でドレスコード割引を
 申し出てくださいな~♪

「ちょうちょでェ~」
「ぐっるー!」(←訳:ラッキー!)
 
 


    さあ、ここで今回のオマケ画像は……まあっ!豪華!
   
    「おォ~!」
   
    「がるー!」
    頂きものなんですけど、
    『ゴディバ』さんのアイスクリーム……
    豪華過ぎて、私ネーさ、動揺しております。
    開封&実食しましたら、
    また改めて御報告いたしますね♪


コメント

対談風雲録!

2017-01-24 22:12:11 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふわわァ、ごうせつゥ?」
「がるる!ぐっるる……!」(←訳:虎です!真っ白だ……!)

 こんにちは、ネーさです。
 記録的な降雪でトラブル多発というニュース映像に
 ゾゾッとさせられましたが、
 他人事ではありません。
 ここ東京・多摩地域でも低温注意報が出されています。
 皆さま、寒波が去るまでしっかり厚着してくださいね!
 では、春よ早く来ておくれと祈りつつ、
 本日も、しばしの読書タイムを、どうぞ~♪ 

  


 
          ―― ぐるぐる問答 ――



 著者は森見登美彦(もりみ・とみひこ)さん、2016年10月に発行されました。
 『森見登美彦氏対談集』と副題が付されています。
 表紙のラブリーな装画は、
 JRスイカのペンギンちゃんのイラストでお馴染みの
 坂崎千春さんによるものです。

「きゃわゆいィ~♪」
「ぐるるるがる!」(←訳:ステキなお姿!)

 四畳半のスペースの中央、いえ、主座で、
 原稿用紙に向かっているのは、
 著者・森見さん。

 つい先日、『夜行』が直木賞候補にノミネートされ、
 私たちファンは最後の最後までハラハラしたものです。

 そしてまた
 《森見登美彦氏、直木賞に敗北す》なる一文を
 御自身のブログに投稿しては、
 ああこの御方に受賞させてあげたかったと
 読み手をシミジミさせたり、
 とにかく“目が離せない”作家さんではありますが……

 この対談集の中の森見さんは
 とーっても楽しそうです♪

「りらァ~ッくすゥ!」
「がるるる!」(←訳:ほんわか!)

 御本の冒頭、
 『ぐるぐる問答 はじめに』に於いて、
 森見さんはこう断言しています。

   世の中には《座談の名手》と言われる人もあるが、
   私がそういう種類の人間でないことだけは
   自信をもって言える。

「ぷふッ♪」
「ぐるっ♪」

   対談は苦手である――

 と名言しながらも、
 実際は森見さん、意外にたくさんの対談をしてきました。

 だって、憧れの人に会いたかったから。

 編集者さんに唆され、おっと失礼、勧められて、
 頑張ってみよう!と対談したこともある。

   つねに緊張していたのは確かだが、
   しぶしぶ臨んだことは一度もない――

「つまりはァ、けッきょくゥ~」
「がるるぐる!」(←訳:対談が好き!)

 人生初の対談のお相手は、
 劇団ひとりさん。

 2006年に行われたこの対談から、
 森見さんとは仲良し?の万城目学さん、
 京都大学の大先輩格であるという綾辻行人さん
 といった小説家さんたち、
 漫画家の羽海野チカさん、
 萩尾望都さん、
 アニメーション監督の神山健治さん、
 はてには2015年の
 森見登美彦(昔)さんと
 森見登美彦(今)さんが対話する
 『小説 今昔対談』まで、
 思わずクスッと笑ってしまう
 16の対談+小説1篇が
 この御本には収録されています。

「ぐるぐるゥ~まわるゥ~」
「ぐるるるがる!」(←訳:お喋りの世界!)

 私ネーさ、個人的には
 『小説 今昔対談』の扉イラストに
 涙腺がゆるんでしまいました……

 森見さんの作品『聖なる怠け者の冒険』の挿絵を描いた
 フジモトマサルさんによる
 《今昔》森見さんが相対しているイラストが
 素晴らしすぎて、涙、涙……

 ああ、森見さんの文×フジモトさんの挿絵から成る御本を、
 もっと、もっと、見たかった、読みたかった……!

「だいすきなァ、ぽんぽこッ!」
「がるぐるる!」(←訳:いまいちど!)

 森見さんの対談はもちろん、
 『聖なる怠け者』ファンさん&フジモトさんのファンさんは、
 どうか、この扉絵だけでも、
 いえ、一冊まるごと、
 ぜひ一読を!
  
 
 
コメント

寂寥の森に。

2017-01-23 22:20:43 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 くるくるゥ~まいてェまスゥ!」
「がるる!ぐるるーがるる!」(←訳:虎です!マフラー重装備!)

 こんにちは、ネーさです。
 インフルエンザによる学級閉鎖続出、
 大人のインフル患者さんには出社停止令、
 とラジオでDJさんが言っていました……
 皆さま、とにかく身体を冷やさずに、
 免疫力を高めてくださいね。
 氷点下になりそうな夜はショウガ入りココアなど飲みながら、
 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



        ―― ベルリン廃墟大全 ――



 著者はキアラン・ファーヘイさん、
 原著は2015年に、日本語版は2016年12月に発行されました。
 『ナチス、東西分割、冷戦…光と影の街を歩く』と
 副題が付されています。

 前回記事で御紹介した『芸術家の愛した家』は、
 アーティストさんの“美のセンス”が結晶したような、
 アートブックの見本といえる御本でしたが……

 こちらは、同じヴィジュアル本であっても、
 “マイナスの美”が蒐集された写真集、
 といったらいいのでしょうかしら。

「なんだかァ、こわいィでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:寒気がするよ!)

 近年、SNSや、書籍の形でも
 けっこう人気を呼んでいる《廃墟》の写真――

「たくさんッ、しゅッぱんされてまスゥ!」
「がるるぐるるる?」(←訳:需要があるんだ?)

 怖いもの見たさ、を超えて、
 より広汎な、真剣な、
 注目を浴びている類の《廃墟》があるとすれば、
 この御本こそ、まさにそれでしょうか。

 ベルリン。
 
 第二次世界大戦後、
 連合刻の米国英国を中心とする側と
 ソ連が制圧した側、
 西と東に二分された都市の物語は、
 冷戦が終了し、
 ドイツがひとつの国家となって再出発したことで
 ハッピーエンディングを迎えたのだと
 多くの人が考えました。

 けれど、分断って、
 ちょっとの対処療法で完治してしまうほど
 軽傷ではなかった、んですね。

「ふかァ~いィ、きずあとォ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:根治困難だよ!)

 ソ連軍が占領した地域のベルリンには
 ナチスドイツが、
 ナチス以前のドイツ政府が造成した施設がありました。

 結核の療養所、
 社交場や、ブルワリー(ビールの醸成工場)、
 放送局、タバコ製作所、
 軍服制作事務局、大使館、
 オリンピック選手村、ガソリンスタンド――

「いまはァ、みるかげもォないけどォ」
「がるるぐっるぅっる……」(←訳:骨格が残っちゃった……)

 頑健な造りゆえ、
 皮肉にも建物たちは《崩壊》ではなく
 《廃墟》となって今もベルリンのそこここに存在しています。

 再開発の波にも
 容易には押し流されない、
 深々と地に根を下ろす異空間は、
 敢えて日本で似た物を探すなら
 軍艦島に似ている、かな?

「さんぎょうゥいさんッ?」
「ぐるがる?」(←訳:工業遺産?)

 取り上げられている《廃墟》それぞれが
 単なる産業遺産でないことは
 著者・ファーヘイさんが解説文章で明確にしています。

 戦争という行為が遺した、
 錆びたクサビ――
 取り除き難い、暗い影。
 脱け殻の群像。

「おもたいィ~…!」
「がるる~…!」(←訳:哀しい~…!)

 恐怖よりも、
 ただただ寂寥感をさそうこの御本、
 真摯な気持ちで、
 どうか皆さま、一読を。
 

  
コメント

― ゆっくりと、その地へ ―

2017-01-22 21:58:33 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッスゥ!
 ふゥ! てのひらァがァ~」
「がるる!ぐるっるぅる!」(←訳:虎です!汗ぐっしょり!)

 こんにちは、ネーさです。
 全豪オープンのフェデラーさん×錦織くん戦を
 もう掌に汗握りながら見守りました……
 結果は(ああ~…)残念でしたけど、心よりの拍手を!

「けいィおにいさァ~んッ!」
「ぐるるるるっるがる!」(←訳:素晴らしかったです!)

 激闘の余韻に浸りつつ、
 さあ、ここからは読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアートな御本を、どうぞ~♪
 
  



        ―― 芸術家の愛した家 ――



 著者は池上英洋(いけがみ・ひでひろ)さん、2016年12月に発行されました。
 『House loved by artist』と英語題名が、
 『巨匠のルーツから読み解く 美術入門』と日本語副題が付されています。

「むゥ? たまごッ??」
「がるる?」(←訳:卵だね?)

 御本の表紙になっている写真の、
 中央に写っているのは。

 タマゴですとも、ええ。

 コラージュや加工ではありません、
 建物の屋根の上に、
 本当にタマゴが、
 正確に言うと
 “タマゴ型のオブジェ”が載っちゃっているのです。

「こんなことォ、するのはァ~…」
「ぐるるる!」(←訳:あの人だ!)

 スペインとフランスの国境近くのリゾート地、
 カダケスの海岸に建っているのは、
 サルバドール・ダリさんの別荘、というよりも、
 《作品》です。

 漁師さんの家4棟を買い取り、
 延々と改築を続けながら、
 愛妻ガラさんと暮らし、
 創作の場でもあった《卵の家》。

 内部の調度品もちょっとヒネクレていて
 ダリさんのセンスが窺えますね。

「おにわがァ、きれいィでス!」
「がるるっるる!」(←訳:地中海っぽい!)

 この御本には、ダリさんの家を先頭に、

 藤田嗣治さんの家、
 セザンヌさんの家、
 ルノワールさんの家、
 ロートレックさんの家、
 ギュスターヴ・モローさんの家、
 ミレーさんの家、
 ミケランジェロさんの家、
 ルーベンスさんの家、
 ラファエロさんの家、
 エル・グレコさんの家、
 ドラクロワさんの家、
 ウィリアム・モリスさんの家、
 クロード・モネさんの家、
 ゴッホさんの宿、
 レンブラントさんの家、
 ルネ・マグリットさんの家

 を撮影した写真が収録されています。

 生まれた家や、長く住んだ家が300年400年と保存され、
 現在は美術館として公開されている、なんて、
 “紙と木の家”文化の日本では……

「ほぼォ、ありえないィ~!」
「ぐるるー!」(←訳:羨ましー!)

 ただ、一ヶ所、
 上記のリストでハッとさせられるのは。

 ゴッホさんの宿、でしょうか。

「おうちィ、なかッたのでスねェ~…」
「がるる^…」(←訳:寂しい~…)

 ルノワールさん、モネさん、藤田さんたちが
 終の棲家というべき場所を見出し、
 アトリエを構えたのに対し、
 ゴッホさんに家は無かった――

 まあね、ゴーギャンさんやカラヴァッジョさんも
 家を持たなかったと言えば言えますけど、
 セザンヌさんの立派なアトリエの写真を
 目にしてしまった後ではね、
 溜め息つきたくなっちゃいますねぇ……。

「ふうゥ~…」
「ぐる~…」

 嘆息と羨望と旅心を誘う写真は美しく、
 著者・池上さんによるコラム&解説の文章には
 心遣いと優しさ、
 画家さんたちへの敬愛の想いが溢れています。

 ここが出発点。
 ここが通過点。
 ここが、ついに行き着いた場所。
 それぞれの《家》。

 アート好きな御方、写真好きな活字マニアさんに
 おすすめの一冊ですよ。
 書店さんのアート本コーナーで、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね♪

 
コメント