テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

智謀、炸裂!

2017-02-28 22:14:41 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 にしむくゥ~さむらいィ!」
「がるる!ぐるっるがるる!」(←訳:虎です!2月って短いね!)

 こんにちは、ネーさです。
 明日から3月!スプリングコートの出番だわ!
 春色のニットも準備しなくちゃ!と期待しながら、
 さあ、2月ラストの読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



     ―― アンデッドガール・マーダーファルス 2 ――



 著者は青崎有吾(あおさき・ゆうご)さん、2016年10月に発行されました。
 『体育館の殺人』『水族館の殺人』他の作品で
 ミステリ好きな方々から大喝采を受けた著者・青崎さんの、
 こちらはスチームパンク系のちょっとダークなファンタジー作品です。

「こわいィんでスけどォ~」
「ぐるるる!」(←訳:怖くない!)

 シリーズ第一作『アンデッドガール・マーダーファルス 1 』は、
 驚き呆れつつも、
 いかにも青崎さんらしいなぁと思える設定に唸らされました。

 本格ミステリの骨格を維持したまま、
 探偵役をアンデッド、
 つまり“不死なる存在”に背負わせる。

 不死であるとは、
 長く生きていること=経験値が高いということ。

 人生経験がそんなにも長いのなら、
 不思議な事件のひとつやふたつ、
 いや、みっつやよっつも見知っているに違いない。

 奇妙な謎に出会っても、焦らず、惑わされず、
 真相を見抜くことも難しくないだろう――

「でスねッ!」
「がるるぐるがる!」(←訳:長老の知恵です!)

 ただ、“その知恵ある長老”的な不死者さんが。

 そのルックスが。

「またまたァ、びッくりィ!」
「ぐるるるぅ!」(←訳:異端だねぇ!)

 『1』巻を読んでいない御方のために、
 怪物専門の探偵・輪堂鴉夜(りんどう・あや)さんが
 いったいどんな姿形をしているのか、
 敢えてここには記しませんが、
 そうね、
 一度目にしたら決して忘れられない“探偵”さんです。

 その彼女――鴉夜さん、
 或る事件の解決を依頼され、
 ロンドンにやって来ました。

 時は、1899年。

「おおッ! それはッ!」
「がーるるるるるぐるる!」(←訳:ホームズさんの時代だ!)

 ええ、まさに、
 名探偵シャーロック・ホームズさんの時代、なのですが。

 街頭で賑々しく売られている新聞の見出しには、
 怪盗アルセーヌ・ルパンの文字がデカデカと!

「るるッ? るぱんッ??」
「ぐるるる!」(←訳:ホントだ!)

 有名な富豪さんのもとに届けられた
 怪盗ルパンからの犯行予告。

 富豪さんは警備のため、
 探偵を雇います。

 ひとりは、世界中にその名を知られる名探偵ホームズ氏。

 もうひとりは、怪物専門の探偵として
 世界……というより斯界に悪名高い輪堂鴉夜さん。

 そこに、ホームズさんの助手・ワトスンさん、
 ルパンと手を組む“オペラ座の怪人”ことファントムさん、
 マイクロフト・ホームズ氏に、
 ロンドン警視庁のレストレード警部さん、
 パリ市警のガニマール警部さん、と
 ミステリ界のセレブと呼びたくなるキャラクターさんが
 大挙登場するもんですから、
 いやーもう……。

「こんらんッしまスゥ~!」
「がるるっるぅるる??」(←訳:どうなっちゃうの??)

 悪フザケを装いつつ、繰りひろげられる物語は。

 怪盗と探偵たちの、
 命懸けの闘い!

「かつかッまけるかッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:智謀の限りを!)

 エンタスピリット溢れる怪作にして快作、
 シャレとユーモアを解する
 活字マニアさんにおすすめの《本格!》ミステリを、
 皆さま、ぜひ、一読あれ♪
 
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たての糸、よこの糸。

2017-02-27 22:09:53 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 じゅしょうしゃのォみなさまァ、おめでとうゥ!」
「がるる!ぐるがるるー!」(←訳:虎です!晴れ舞台だー!)

 こんにちは、ネーさです。
 映画の祭典アカデミー賞の授賞式が行われて、
 史上初のハプニングがニュースになったりしていますが、
 本日の読書タイムも、
 さあ、映画ジャンルの御本を、どうぞ~♪
 
  



        ―― 映画と本の意外な関係! ――



 著者は町山智浩(まちやま・ともひろ)さん、2017年1月に発行されました。
 季刊『kotoba』2010年秋号~2016年春号に連載されたコラム『映画の台詞』と
 『kotoba』2016年春号の特集に掲載された原稿をもとに編まれたこの御本は、
 ふぅ、すごいわねえ!

「ものしりィ!」
「ぐる!」(←訳:博識!)

 以前に、著者・町山さんの『最も危険なアメリカ映画』を御紹介して、
 その時もアメリカの文化、映画への深い理解・博識ぶりに
 圧倒されたものですが、
 この御本でも、町山さん、飛ばしています。

「えいがのォ、おもてもォうらもォ!」
「がるるるぐる!」(←訳:くるくる解析!)

 多くの、いえ、殆どの映画には
 原作となる小説作品が存在しています。

 或るいは原案として、
 または映画のストーリーに何らかの影響を与える書籍、
 映画の場面背景に
 さりげなく写っている本棚、
 そして物語の重要な《鍵》として
 書物が登場することもあります。

「えいがとォ、しょもつッてェ~」
「ぐるがるる!」(←訳:兄弟みたい!)

 クリストファー・ノーランさんが監督した
 『インセプション』。
 その世界観のそこここに窺われるのは、
 旧約聖書の『創世記』と、
 E・A・ポーさんの作品を原案とする
 オムニバス映画『世にも奇妙な物語』。

 チリの国民的詩人パブロ・ネルーダさんの詩に
 心を揺り動かされる
 サラ・ポーリーさん監督作品『物語る私たち』。

 スティーブン・フリアーズさんが監督した
 『あなたを抱きしめる日まで』の原作となった
 マーティン・シックススミスさん著のノンフィクション作品
 『フィロミナ・リーの失われた子ども(原題)』。

 とりわけ、
 『あなたを抱きしめる日まで』についての文章は、
 遠藤周作さん著『沈黙』を
 連想せざるを得ない気魄が宿っており、
 私ネーさ、読み終えた後に
 しばし呆然としてしまいました……。 

「こんなふうゥにィ、かいてもらえたらァ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:監督さんも嬉しいね!)

 『まえがきにかえて』から、
 第1章『信じて跳べ』に始まり
 第22章『アメリカ映画の詩(うた)が聴こえる』まで、
 著者・町山さんが語るのは、
 映画にとどまらず、
 原作小説、
 原作を書いた作家さん、
 映画の中で流れる音楽など、
 作品と作品をつなぐ“意外な”糸の数々。

「からまるゥいとッ!」
「ぐるるるる!」(←訳:結びつく糸!)

 糸を、縒るひと。
 糸に光を当てるひと。

 糸が織り成すロマン。

 映画好きさんも
 活字マニアさんも
 ぜひ、一読してみてくださいね♪

 
 
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花々のお菓子たち。

2017-02-26 22:00:09 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 ふううゥ~、このォしゅうまつゥはァ~」
「がるる!ぐるるぅ?」(←訳:虎です!大忙しぃ?)

 こんにちは、ネーさです。
 プレミアムフライデーが初めて実施された週末は、
 飲食店関係のお仕事をしている方々は
 何かと大変だったそうですね。
 溜まった疲れを癒すべく、
 さあ、本日の読書タイムは、
 ココロもホッと和むこちらの御本を、どうぞ~♪

  



         ―― ときめく和菓子図鑑 ――



 文は高橋マキさん、写真は内藤貞保(ないとう・さだほ)さん、
 2016年12月に発行されました。
 『図鑑』と題されてはいますが、
 掲載されているのは写真・図版資料だけではありません。

 和菓子の歴史、
 和菓子を愛した人々、
 暮らしに寄り添ってきた和菓子たち、といった
 和菓子に関する読み物もとっても充実!

「とうざいィ~おかしィくらべッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:毎月の御菓子!)

 先日は、もうすぐ桜餅のシーズン♪なんてお喋りしましたが、
 《季節の和菓子12ヶ月》のページを眺めると、
 ああ、これも春の御菓子だったんだわ、と
 あらためて思い至ります。

 うぐいす餅って、そうそう、
 2月の御菓子ですよねえ。

「うめにィ~うぐいすゥ~♪」
「がるるぐる!」(←訳:鶯色のお餅!)

 3月の御菓子は、ヨモギを使った草餅、
 桃の花・残雪・芽吹きを表現する3色から成る菱餅、
 京都の特別な上生菓子『ひちぎり』、
 そしてお彼岸(春分の日)の頃には、桜餅……。

「ひなあられェ!」
「ぐるがる!」(←訳:花見団子!)

 食いしん坊さんはもとより、
 歴史好きな活字マニアさんの関心を惹くのは、
 本文94~95ページの
 《東西でこんなに違う、和菓子の不思議》。

 関西育ちの御方は、
 関東の『くず餅』を目にしたら、きっと、

「これはッ??」
「がるっ?」(←訳:何だっ?)

 って、びっくりするでしょうね。

 一方で関東育ちの私たち、
 関西の『月見だんご』のイラスト図を見て、

「ええッ? これがァおだんごッ??」
「ぐるがるぐーる!」(←訳:形が全然違ーう!)
「おどろきィ!」

 その他の例では、

 私ネーさの大好物『すあま』は、
 関西では『しんこ』。

 そして『どら焼き』を、
 関西では『三笠』と呼ぶ……?

「それはァ、たぶんッ!」
「がるるぐるるがるる!」(←訳:由来は奈良の三笠山!)

 ハレの日の御菓子、
 ふだん着のお菓子。

 巻末には和菓子の素材や道具も紹介されていて、
 料理・調理道具コレクターさんはにっこり♪

 千鳥の文様が捺せる
 おまんじゅう用の焼き印がね、
 ちょっと可愛いんですよ。
 これ、欲しいかもしれない……。

「こッちもォ、きゃわゆいィ!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:椿の形の木型!)

 コンパクトな御本ですが、
 和菓子の知識を得たい御方、
 色とりどりの御菓子の写真にトキメキたい御菓子好きさんに、
 おすすめの和菓子ガイド、
 本屋さんでは、えーと、
 お料理の本のコーナーか、
 それとも、ライフスタイルかアート本のコーナーに
 置かれているのかしら?

「さがしてェみてねッ!」
「がるるぐっるがる!」(←訳:お花見する前に!)

 ぜひ、一読を♪
 
 
 
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― モノクロームの肖像写真 ―

2017-02-25 22:06:45 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪るる~♪なのはなァばたけにィ~♪」
「がるる!ぐるるがる~♪」(←訳:虎です!いりび薄れ~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 伊豆や房総半島ではもう黄色の菜の花が
 パァッと咲いている♪ところもあるそうですね。
 ああ明るい色の菜の花畑を目にしたいわと羨望しながら、
 (八王子はけっこう寒いんですよ……)
 さあ、週末の今日は読書をサボり、
 展覧会情報を、どうぞ~!
 
  



         ―― 田沼武能肖像写真展 ――



 東京都練馬区の練馬区立美術館にて、
 会期は2017年2月23日~4月9日(月曜休館、ただし3/20は開館して3/21は休館)、
 『時代(とき)と刻んだ貌(かお)』と副題が付されています。

「しょうぞうゥしゃしんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:古風な響き!)

  

 写真家の田沼武能(たぬま・たけよし)さんは、
 1929年、浅草に生まれました。
 東京写真工業専門学校を卒業後、
 木村伊兵衛さんに師事します。

 世界中の子どもたちの姿を撮影した
 『すばらしい子供たち』(1975)、
 『遊べ子供たち』(1978)で
 モービル児童文化賞、菊池寛賞などを受賞されている御方です。

「ふむふむゥ! ひしゃたいィはァ~」
「がる!」(←訳:人間!)

 この展覧会では、
 田沼さんが撮影した肖像写真約80点が展示されますが、
 では、田沼さんの被写体になった方々は、というと――

  

「あッ! てづかァせんせいィ!」

  

「ぐるるるがるる!」(←訳:棟方志功さんも!)

 漫画家の手塚治虫さん、
 版画家の棟方志功さんの他にも
 作家の三島由紀夫さん、
 俳優の森光子さん、
 指揮者の小澤征爾さん、
 画家の朝倉文夫さんといった文化人さん・著名人さんたち!

「ごうかァでス~!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:あざやかモノクロ!)

 イマドキはね、
 デジタルな写真ばっかりになっちゃって、
 フィルムで撮ったお写真は物凄く少数派ですけれど、
 こういった展覧会では、
 フィルムから現像された作品を拝見することが出来ます。

 写真好きな御方は
 ぜひ、美術館でゆっくり、じっくり、
 味わってきてくださいな♪

 
 
 
    はーい、では、ここでオマケ画像も、ぱっくん! 
   
    『セブンイレブン』さんのオリジナル製品
    《やわらか食感の生チョコもち》……!
    「だァ~いすきィ!」
    「ぐるぐるがる!」(←訳:ぷにぷにだよ!)
    私ネーさがハマっているのが、この
    やわらかい餅菓子です。
    お値段もリーズナブルなので、
    ついつい……
    「たべすぎィ!」
    「がるぐる!」(←訳:注意です!)
    えへん、美味しいお菓子を楽しみつつ、
    皆さま、穏やかな休日を♪


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快速の頭脳戦!

2017-02-24 22:11:33 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 うむむゥ? ぷれみあむゥ~??」
「がるる!ぐるがるるるる?」(←訳:虎です!どこがプレミアム?)

 こんにちは、ネーさです。
 プレミアム・フライデーとやらと2月ラストの週末がやって来ましたね。
 読書タイムもよりいっそうプレミアムにすべく、
 さあ、本日は、こちらのエンタな小説作品を、どうぞ~♪

  



            ―― 去就 ――



 著者は今野敏(こんの・びん)さん、2016年7月に発行されました。
 『隠蔽捜査6』と副題が付されたこの御本は、
 《隠蔽捜査》シリーズの8作目となります。

「えッ? ろくさつめェじゃないィのォ?」
「ぐるる~?」(←訳:8作目~?)

 《隠蔽捜査》シリーズは、
 この『去就』を含む長編作品が6作、
 短編集が2作刊行されているので、
 この御本で8作品目、となるんです。

 息の長~い、
 つまりはそれだけ読者さんに愛されているこのシリーズの主人公さんは、
 大森署の署長さんである、
 竜崎伸也(りゅうざき・しんや)さん。

 もとは警察機構内のエリート街道を走っていた竜崎署長、
 大森署で幾つもの難事件を解決し、
 手柄を立てたのですから、
 本庁に胸を張って帰還!
 となっても良さそうなものですけど……

「きょうもォ、はんこォおしてまス!」
「がるるぐるがるるる!」(←訳:署長室には書類の山!)

 どうやら竜崎さん、
 手柄を振りかざしてキャリア職に戻ろうなどとは
 夢にも考えていないようです。

 いま、竜崎さんが考えているのは――

「あたらしいィ、ぶきょくゥ!」
「ぐるがるるるー?」(←訳:新設するんだー?)

 頻発するストーカー犯罪に対抗すべく、
 新たに作られることになった
 ストーカー対策チーム。

 大森署でも、もちろん、
 ストーカー犯罪は大問題になっていますから、
 生活安全課を中心にチームを組む予定でいましたが。

 ネックとなるのが、人手不足。

「ふァ~…やぱりィ~…」
「がるる~…」(←訳:だよね~…)

 それでも、犯罪には全力で立ち向かわねば、と
 チームの編成に取り組む
 竜崎署長と大森署の署員さんたちは。

 なんと、自分の足元に、
 ストーカー犯罪の芽を見出す事態に 
 愕然となります。

「ええッ?」
「ぐるっ?」

 若い女性が、連れ去られた?
 続いて、重大な事件もが発生?

 大森署には捜査本部が設置され、
 竜崎さんが家に帰れない日々が始まるようです。
 現場で捜査をする刑事さんたちにとっても、
 試練と苦悩の毎日が。

「こんなときこそォ、ほうれんそうゥ!」
「がるぐるがる!」(←訳:報告連絡相談!)

 本部で刑事さんたちからの報告を待ちながら、
 竜崎さんの頭脳は回転します。

 解決方法は、どこにある?

「いそいでェ、いそいでェ!」
「ぐるるる!」(←訳:着地点へ!)

 スピーディな展開の警察小説は
 エンタ度満点、
 一気読みしたくなる快作です。

 週末の、休日の読書リストに、
 ぜひ、加えてみてくださいね~!

 
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~ その名、忘れるなかれ ~

2017-02-23 22:07:23 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むぷふッ♪ かッたどォ~!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!敵地で勝利!)

 こんにちは、ネーさです。
 はいっ、アウェーゴールを挙げて勝利したユヴェントス、
 8強の座に一歩近付きましたよ♪
 よぉしホームでも勝つぞ!と気勢を上げながら、
 さあ、張り切って読書タイムにゆきましょう。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



            ―― ショコラ ――



 著者はジェラール・ノワリエルさん、
 原著は2016年に、日本語版は2017年1月に発行されました。
 仏語原題は『CHOCOLAT』、
 『歴史から消し去られたある黒人芸人の数奇な生涯』と
 日本語副題が付されています。

 サッカーネタを引っ張ってしまうようですが、
 皆さま、一度はTVのニュース等で目にしたことがあるでしょう。

 試合開始前、ピッチに選手さんたちが並んで記念写真を撮る時に、
 誰かが持っているフラッグには――

「のーれいしずむゥ!」
「ぐるがるー!」(←訳:差別反対ー!)

 そう、フラッグ(というかペナント?)に記されている言葉は、
 《ノー・レイシズム》。

 人種や性別や肌の色や年齢や国籍なんかで
 差別するんじゃないぞ!

 と選手さんたちは訴えているわけですが……

 この御本は、
 《ノー・レイシズム》と訴えることすら出来なかった時代に生きた
 或るエンターテイナーの伝記作品です。

「そこはァ、ふらんすゥ!」
「がぅるるるる?」(←訳:じゃないかも?)

 ショコラ、と呼ばれた彼の名は、ラファエルさん。

 19世紀のフランス、
 パリを中心とする演芸劇場で活躍したラファエルさんの生涯は
 1865年から1868年の間に生まれたらしい?
 生地はハバナであったらしい?
 そして、身分は奴隷であったらしい?と、
 判然としないことだらけです。

 しかし、著者・ノワリエルさんは諦めません。

 身元登録が存在しない、
 ほとんど幽霊のようなラファエルさんの記録を
 自分の足で追いかけます。

「どこからァ、きたのッ?」
「ぐるがるるるる?」(←訳:何を上演したの?)

 ハバナからビルバオへ、ビルバオからフランスへ。

 ここまででももう、
 波乱が連続する展開ですが、
 フランスに入国した彼が得たのは、
 名門サーカス団の……下っ端芸人という職?

「さーかすのォ、もうじゅうゥつかいィ?」
「がるるるるるる?」(←訳:パントマイム師?)

 思いもよらず、ショー・ビジネス界に飛び込むこととなった
 ラファエル青年。

 ただ……ショー・ビジネスとは
 自分の外見が人目に晒される職業でもあるのです。

 強烈な差別感情をぶつけられながら、
 道化師ショコラが歩む道の険しさは、
 想像を絶するものがあります。

 ラファエルさんの名前は、公式書類に残っていません。

 ラファエルさんは、名字を持てませんでした。

 ダンサーとしての素晴らしい才能がありながら、
 認められることはなかった……

「でもォ、きおくにはァ、のこッてまス!」
「ぐるるがるー!」(←訳:これを見てー!)

 画家ロートレックさんのリトグラフ作品
 『バーで踊るショコラ』の輝き――

 御本の原題
 『CHOCOLAT  La veritable histoire d'un homme sans nom』は
 『名もなき一人の男の真実の物語』といった意味合いです。

 書類から名前さえ消されてしまった、
 でも、ひそやかに現代に、
 うっすらと、しかし強く、
 足跡を残すラファエルさんの“記録”を、
 著者・ノワリエルさんに拍手を贈りつつ、
 皆さま、ぜひ、一読を!
 
 

 
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コレクション競演す。

2017-02-22 21:53:58 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでスー!
 おくりまスゥ! とくだいのォ、げんきだまァ!」
「がるる!ぐーるっ!」(←訳:虎です!せーのっ!)
「とりゃりゃりゃ~ッ!!!」

 こんにちは、ネーさです。
 とうとうやって来ました、チャンピオンズリーグ16強戦!
 我らがユヴェントスはポルトガルリーグの王者・FCポルトと
 まずは敵地で闘いますよ~!
 明日は良い結果が出ますようにとひたすら祈りつつ、
 さあ、本日は読書……をサボって展覧会情報を、どうぞ~♪
 
  



      ―― すみだ北斎美術館を支えるコレクター ――



 東京都墨田区のすみだ北斎美術館にて、
 会期は2017年2月4日~4月2日(月曜休館、ただし3/20は開館し3/21は休館)、
 『ピーター・モースと楢崎宗重 二大コレクション』と副題が付されています。
 
「ふァ~♪ ほくさいィびじゅつかんッ♪」
「ぐるるがるるぐるる!」(←訳:新しい美術館だよね!)

 はい、そうですね、
 《すみだ北斎美術館》は2016年11月22日にオープンし、
 この展覧会が会館記念展Ⅱとなります。
 
  

 この企画展でクローズアップされるのは、
 世界有数の北斎作品コレクターであった
 ピーター・モースさん(1935~1993)と、
 美術史家であり浮世絵研究の第一人者であった
 楢崎宗重(ならざき・むねしげ)(1904~2001)さん。

 すみだ北斎美術館が収蔵する作品のうち、
 かつて個人のコレクターが収集してきた作品群があります。

 その一つがモースさんのコレクションであり、
 もう一つは楢崎さんのコレクション。

 今回の展覧会ではモースさんと楢崎さんが集めたコレクションから
 約130点が展示されるんですよ。

「いろあいィ、びゅーてぃふるゥ!」
「がるるるぐる~!」(←訳:保存状態良好~!)

  

 なお、展覧会は、
 前期が2月4日~3月5日、
 後期が3月7日~4月2日の二期に分けられ、
 一部展示替えが予定されています。

「ふむふむゥ、すみだくのォ~びじゅつかんッ!」
「ぐるがるる!」(←訳:それならば!)

  展覧会を楽しんで、
  上野のお山や隅田川沿いに咲くお花を見にゆこう!

  いや、展覧会のついでにお花見しよう!

 と予定を立てるのも嬉しくなっちゃうすみだ北斎美術館は、
 都営地下鉄大江戸線の両国駅から徒歩5分、
 JR総武線の両国駅から徒歩9分の立地です。

 下町散歩を楽しみたいアート好きさんは、
 ぜひ、お出掛けを♪

 


    で、今日のオマケ画像なんですけれども。
   
    「みゃほほいッ♪ みぃ~つけちゃッたァ!」
   
    「こんびにィでェ、であッたのでス!」
    「がる~?ぐるるぅ?」(←訳:ええ~?これはぁ?)
   
    はい、こちらは『チロル』さんの
    《チロル プレミアム生チョコ仕立て》と
    《モーツァルト チロル》。
    ああ、コンビニの御菓子コーナーで
    モーツァルトさんにお会いする日が来ようとは……
    「おいしければァ~♪」
    「ぐるるる!」(←訳:いいのだ!)



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《こころ》のMAP、探検中。

2017-02-21 22:08:29 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぱふゥ!じゅずゥつなぎィ~!」
「がるる!ぐるるるぅ!」(←訳:虎です!混んでるぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 年度末間際の道路工事ラッシュで、
 我が家から程近い幹線道路は大渋滞しております。
 その混雑をくぐり抜けてお家に辿り着いたら、
 さあ、ここでリフレッシュの読書タ~イム!
 本日は、こちらの理系ノンフィクション作品を、どうぞ~♪
 
  



         ―― つながる脳科学 ――



 編者は理化学研究所 脳科学総合研究センターの皆さん、
 2016年11月に発行されました。
 『《心のしくみ》に迫る脳研究の最前線』と副題が付されています。

「ふァ~…むずかしィそうゥ~…」
「ぐるるるぅ~…」(←訳:脳科学かぁ~…)

 ええ、私ネーさも思いましたよ。
 最先端の脳科学……難解なんだろうなぁ、と。
 でもね、手に取ってみましたら、
 意外にも、とっつきやすく、
 サクサク読めてしまったので
 驚いているところです。

 《脳》について、
 いま分かっていること、
 判明しつつあること、
 さらなる解明が期待されていること。

 この御本では、
 脳科学の最前線を
 九つの研究を軸に紹介してゆきます。

「ここのつのォ、けんきゅうゥ?」
「がるるるぐるるーる!」(←訳:多面的なアプローチ!)

 九つの研究は九つの章題に表されていて、
 
  第一章『記憶をつなげる脳』
  第二章『脳と時空間のつながり』
  第三章『ニューロンをつなぐ情報伝達』
  第四章『外界とつながる脳』
  第五章『数理モデルでつなげる脳の仕組み』
  第六章『脳と感情をつなげる神経回路』
  第七章『脳研究をつなげる最新技術』
  第八章『脳の病の治療につなげる』
  第九章『親子のつながりを作る脳』

 と、これらが全て解明されれば、
 心のしくみも分かっちゃうかも?

「そうゥ~かんたんにはァ~」
「ぐるるるる!」(←訳:行きません!)

 心は、どう動くのか。

 何が、心の動きを決定するのか。

 ひとつの判断がくだされるとき、
 脳の内部ではどのような情報伝達が行われているのか。

「きおくゥとかァ?」
「がるるぐるる?」(←訳:経験が決め手?)
「そしてェ、こころがァうごくゥ!」

 記憶と経験、学習や予測をもとにした
 心の動き。

 それとは対照的なのが……

 子どもの脳の活動です。

 私ネーさ、読んでいてビックリさせられたのは、
 
   子どもが泣いたり泣き止んだり、
   親を後追いしたりといった
   親に対する愛着を示すために必要な脳部位については、
   最新の脳科学でも殆ど分かっていない

 という一文でした。
 ええ~?そうなの?
 チビっ子の脳って、そんなに《謎》なのかしら?

「ちびッこはァ~もうゥ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:宇宙人ですから!)

 ぐずる赤ちゃんを抱っこして歩くと泣き止む――

 この現象は人間だけではなく、
 マウス、ネコ、イヌ、ライオンなどにも
 共通している?

 《輸送反応》と呼ばれるその現象の理由は、
 “協力”?

「ちびッこのォ、こころにもッ?」
「がるるぐるる?」(←訳:そんな認識が?)

 脳の深部を覗いたとき、
 そこに何が見えてくるのか。
 見えてきたとき、何が起こるのか。

 心の働きを解明したら、
 病が無くなり、
 社会の病理もなくなるのか?

「きたいとォ、ふあんとォ~」
「ぐるるがるるる!」(←訳:謙虚な気持ちと!)

 脳のしくみに託される、ヒトの未来。

 わかりやすく著述された、
 けれど深遠で雄大な《こころ》の設計図を探る一冊を、
 皆さま、ぜひ♪
 
 
 
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めぐる&楽しむ《甘味食堂》案内。

2017-02-20 21:58:15 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もうゥ~なべもののォ、きせつはァ~…?」
「がるる!ぐるるがるぅ?」(←訳:虎です!終わりかなぁ?)

 こんにちは、ネーさです。
 梅が咲き、河津桜も咲き始めた関東は、
 鍋料理のトップシーズンはそろそろ終わり、でしょうか。
 では、これからの季節は何が美味しくなるかというと、
 はいっ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



           ―― 東京甘味食堂 ――



 著者は若葉晃子(わかな・あきこ)さん、2016年11月に発行されました。
 ええ、2月も半ばを過ぎた今頃の《甘味》っていったら♪

「ふァいッ! あのォ、おかしィでスゥ!」
「ぐるるがる~!」(←訳:サクラモチ~!)

 そうね、和菓子屋さんの店頭には
 それぞれのお店オリジナルの桜餅が並んで、
 お客さんに買ってもらうのを待っています。

 この御本は、そういった季節の甘味、
 一年を通じて楽しめる御菓子や甘いもの、
 甘いものを扱うお店・食堂・茶寮などを紹介するグルメガイドであり、
 “東京の外食”ガイド本でもあります。

「うゥ~むッ? あまいィものにがてなァひとはァ~…」
「がるるるる??」(←訳:どうしよう??)

 御安心くださいな、
 食堂を名乗る昔ながらのお店には、
 けっこうあるんです、
 メニューに書かれているのは甘味ばかりではないんですよ。

 例えば、
 稲荷寿司、巻寿司(海苔巻)、
 焼きうどんがあれば焼きそばもあり、
 ラーメンや、お蕎麦、
 ギョウザのセット定食も。

「あはァ! しょくどうォのォ、らーめんッ!」
「ぐぅるるるる!」(←訳:しょうゆ味の!)

 本来は一人でお店に入って食事をするのが大の苦手、
 けれど、そんな私でも気軽に入れるお店がある――

 と述べる著者・若菜さんが案内してくれるのは、
 上野の『あんみつ みつはし』さん、
 柴又の『とらや』さん、
 神楽坂の『紀の善』さん、
 赤坂の『虎屋茶寮 赤坂店』といった
 有名なお店や、

「ちいさなァ、おみせもッ♪」
「がっるるぐぅるー!」(←訳:しっかりフォロー!)

 お店に入って何を頼むか。
 周りの様子、雰囲気はどうだったか。
 
 食事や甘味を味わいながら、
 若菜さんは観察し、堪能します。
 
 そこへ、
 関西には『伊勢屋』を名乗るお店がない、
 東京に引っ越してきたときは『伊勢屋』の多さが新鮮であった、
 あんみつの中身はお店によってどう異なるか、
 お団子の食べ比べ、いや、違いを比べる
 《みたらしだんご十選》など、
 少女時代の思い出、
 コラムも加えられて、
 御本全体の印象は、さながら
 《甘味と食のエッセイ本》。

「つきたてのォ、おもちィ!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:お赤飯のおにぎり!)

 東京にお住まいの方々、
 東京を訪れたことがある御方は、
 きっと一度や二度は見かける、
 入ったこともある“お食事処”の数々。

 私ネーさのおすすめは、
 新宿の『追分だんご』さんなのですが、
 著者・若菜さんは同じ『追分だんご』でも
 本店じゃなくて、
 或る支店がお気に入り?

「わほほゥ~?」
「がるぐる?」(←訳:それどこ?)

 その支店さんがどこにあるかは、
 さあ、御本を読んで確かめてくださいね。

 春の東京のプチ旅を、
 《甘味食堂》めぐりで、
 皆さまも、ぜひ~♪
 
 
 
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ドラゴン、倒します!?

2017-02-19 21:41:31 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 またもォ、はッけんなのでスゥ!」
「がるる!ぐるるぅ!」(↓訳:虎です!珍鳥だぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 たびたび珍鳥くんに出会うここ東京・八王子……
 昨秋は美しい鷹くん(その後の調査でハヤブサくんと判明)に出会い、
 そして今日は!
 国道を歩くウズラくんと出会いました。

「うずらッ??」
「ぐるがるる!」(←訳:野良ウズラ!)

 市街地に、なぜウズラが?
 頭を悩ませながらの本日の読書タイムは、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



         ―― ダンジョン飯 4 ――



 著者は九井諒子(くい・りょうこ)さん、2017年2月に発行されました。
 コミック作品を御紹介するのは久しぶりですが、
 来たわねー、4巻!
 《ダンジョンでタダ飯を喰らおう》シリーズの4冊目が!

「ただじゃァ、ないィのでスよッ!」
「がるるぐる!」(←訳:命懸けです!)

 まあそうね。
 タダほど高いものはない、と格言にもある通り、
 食糧も持たずに地下迷宮へと踏み入り、
 炎竜に食べられてしまった妹さんを助け出そうというのですから、
 剣士・ライオスさん率いる冒険者の一団は 
 朝から晩まで、
 気の休まる暇がありません。

 襲い来る危機を乗り越え、
 迷宮の怪物・怪草たちを栄養源に、
 どうにかこうにか、
 地下5階まで下りてきたんですけど……

「ぴんちィでス!」
「ぐるる!」(←訳:最大の!)
「よそうゥがいのォ!」

 いました、いました、いましたよ。

 ライオスさんが探している炎竜、
 胃の中に妹さんを封じ込めているはずの、
 炎竜が、地下5階に。

 ほら、御本の表紙にも描かれているでしょ、
 真っ赤なウロコの、凶暴そうなドラゴン!

「よッ、よッしゃあァ!」
「がるるるる!」(←訳:捕まえよう!)

 いつもは地下深層に潜む炎竜が
 何故こんな上階層にいるのか。

 たまにしか活動せず、
 ほとんど寝てばかり、な習性を持つ竜が
 身を隠しもせず、
 そこらへんをウロウロしているのは、
 どうしてなのか――

 ライオスさんと仲間たちの脳裏に疑念が湧きますけれど、
 ……もう、時間がない!

「どらごんとォ、たいけつゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:決戦です!)

 いわゆる《剣と魔法》ジャンルの、
 ファンタジー作品の王道である
 “竜との対決”。

 1~3巻までは、
 美味しそうなダンジョン飯レシピと
 笑い溢れるストーリーの陰になっていたそのテーマが、
 4巻に至ってズシリと重みを増してきました。

 そして同時に、物語世界の政治バランス、
 ダンジョンの新たな謎もクローズアップ?

「あううゥ! それよりもォまずッ!」
「がるぐるるるるー!」(←訳:竜を倒さないとー!)

 剣士と竜の、闘いの勝者は?

 そして、闘いの勝者が得るものとは……?


 さて、ここでオビがついている状態でのお写真も、
 ちょこっと御紹介!
 
  

 《ライオスVS.最強生物・炎竜、
  ステーキになるのはどっちだ!?》

 の一文に、ぷふふっと笑いつつ、
 皆さま、ぜひ、一読を~♪

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