テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ひとの恵み、お店の恵み ~

2024-05-27 22:03:31 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あううゥ、なかされェ~ましたでス!」

「がるる!ぐるるが~る!」(←訳:虎です!少納言さ~ん!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大河ドラマ『光る君へ』(第21回・旅立ち)で描かれた

 『枕草子』執筆の情景にノックアウトされ、

 清少納言さんのファンになってしまいました。

 古文を勉強し直さねば!と覚悟を決めつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― わたしの名店 ――

 

 

 著者は、三浦しをんさん、西加奈子さん他、

 2023年12月に発行されました。

 『おいしい一皿に会いに行く』と副題が付されています。

 

 ”自身にとっての『名店』と特別な一品”

 をテーマに、

 28人の作家さんによる《食》のエッセイが収録されていますよ。

 

「おみせもォ、しょうかいィ~されてまスゥ!」

「がるるぐるる~!」(←訳:食べにゆこう~!)

 

 1章『日常を彩る おいしいごはん』

 2章『ほっと一息 お酒とつまみとごはん』

 3章『心が弾む スイーツとカフェ』

 4章『心に残る と配ツナごはん』

 

 と、4つの章から成る本文の、

 トップバッターは、

 三浦しをんさん著『ご近所に灯る幸せの光』。

 

 細い道の途中に、

 三浦さん愛用の、そのお店はあります。

 店内の壁には、

 巨大なピンクの牛さんを描いた布が掛けられ、

 内装も料理も洒落ているけど、

 肩肘張らずに食事の時間を楽しめるこのお店の

 《牛ホホ肉のベルギービール煮込み》は、

 三浦さんのお母上の大好物♫だそうですよ。

 

「ほほにくゥ?」

「ぐるるーるがーる?」(←訳:ベルギーのビール?)

 

 一方、瀬尾まいこさんは、

 隠れ家的な店や

 常連さんが集まる店は大の苦手なのだと嘆息します。

 すてきなお店は緊張してしまうし、カウンター席もダメ。

 ただ、毎年春だけ足繁く通うお店があって、

 そこでいただくのは、

 よもぎ餅。

 

「ひゃあッ!」

「がるるるぐるるるる!」(←訳:出来立てヨモギもち!)

 

 久住昌之さん――

 みんな大好き《孤独のグルメ》を谷口ジローさんと共著した

 美食家・久住さんが愛する名店は、

 佐賀県の、とある餃子屋さんです。

 

 小ぶりな餃子を、パクッと頬張れば。

 

「おかわりィ!」

「ぐるがるるぐる~!」(←訳:もう一人前追加~!)

 

 嬉しい出逢いがあれば、

 悲しい別れもある……

 

 『途方に暮れている。

  私の名店が次々と消えてしまった』

 という文章から始まる

 最相葉月さんの『そして、みんな思い出になった』は、

 いてもたってもいられなくなるような一篇です。

 

 場所は南青山、

 美男美女の店主夫妻が営む鉄板焼きのお店

 『富久美』は、いまはもう、なくなってしまった。

 店主夫妻の行方は……

 元気でやっているだろうか……。

 

「ああァ、わきゃりまスゥ……」

「がるるるぐるるがるる……」(←訳:飲食業の切なさだよね……)

 

 美味しい喜びも、

 別離の寂しさも、

 すべてひっくるめて浄化してくれるのは、

 ラストを飾る

 森見登美彦さんの

 『夏の夜を味わう

  山上のレストラン』。

 

 森見さんがケーブルカーに乗って向かうのは、

 生駒山上の遊園地……の中の、レストランですよ。

 

「やまのォうえェ!」

「ぐるぅ!」(←訳:風だぁ!)

 

 テラス席から眺める、大阪湾、淡路島。

 晴れ渡った日には、神戸も見える。

 絶景を味わい、クリームソーダをひとくち。

 

「ふわァ~…いいなァ~」

「がるるる~」(←訳:いいよね~)

 

 お店と、美味しいものと、美味しいものの作り手さんたち。

 そして、おいしいものに引き寄せられる、私たち。

 

 季節それぞれ、土地それぞれの

 ”特別な何か“を想いつつ、

 皆さま、ぜひ、一読を♪

 

コメント
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