「こんにちわッ、テディちゃでス!
あううゥ、なかされェ~ましたでス!」
「がるる!ぐるるが~る!」(←訳:虎です!少納言さ~ん!)
こんにちは、ネーさです。
大河ドラマ『光る君へ』(第21回・旅立ち)で描かれた
『枕草子』執筆の情景にノックアウトされ、
清少納言さんのファンになってしまいました。
古文を勉強し直さねば!と覚悟を決めつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― わたしの名店 ――
著者は、三浦しをんさん、西加奈子さん他、
2023年12月に発行されました。
『おいしい一皿に会いに行く』と副題が付されています。
”自身にとっての『名店』と特別な一品”
をテーマに、
28人の作家さんによる《食》のエッセイが収録されていますよ。
「おみせもォ、しょうかいィ~されてまスゥ!」
「がるるぐるる~!」(←訳:食べにゆこう~!)
1章『日常を彩る おいしいごはん』
2章『ほっと一息 お酒とつまみとごはん』
3章『心が弾む スイーツとカフェ』
4章『心に残る と配ツナごはん』
と、4つの章から成る本文の、
トップバッターは、
三浦しをんさん著『ご近所に灯る幸せの光』。
細い道の途中に、
三浦さん愛用の、そのお店はあります。
店内の壁には、
巨大なピンクの牛さんを描いた布が掛けられ、
内装も料理も洒落ているけど、
肩肘張らずに食事の時間を楽しめるこのお店の
《牛ホホ肉のベルギービール煮込み》は、
三浦さんのお母上の大好物♫だそうですよ。
「ほほにくゥ?」
「ぐるるーるがーる?」(←訳:ベルギーのビール?)
一方、瀬尾まいこさんは、
隠れ家的な店や
常連さんが集まる店は大の苦手なのだと嘆息します。
すてきなお店は緊張してしまうし、カウンター席もダメ。
ただ、毎年春だけ足繁く通うお店があって、
そこでいただくのは、
よもぎ餅。
「ひゃあッ!」
「がるるるぐるるるる!」(←訳:出来立てヨモギもち!)
久住昌之さん――
みんな大好き《孤独のグルメ》を谷口ジローさんと共著した
美食家・久住さんが愛する名店は、
佐賀県の、とある餃子屋さんです。
小ぶりな餃子を、パクッと頬張れば。
「おかわりィ!」
「ぐるがるるぐる~!」(←訳:もう一人前追加~!)
嬉しい出逢いがあれば、
悲しい別れもある……
『途方に暮れている。
私の名店が次々と消えてしまった』
という文章から始まる
最相葉月さんの『そして、みんな思い出になった』は、
いてもたってもいられなくなるような一篇です。
場所は南青山、
美男美女の店主夫妻が営む鉄板焼きのお店
『富久美』は、いまはもう、なくなってしまった。
店主夫妻の行方は……
元気でやっているだろうか……。
「ああァ、わきゃりまスゥ……」
「がるるるぐるるがるる……」(←訳:飲食業の切なさだよね……)
美味しい喜びも、
別離の寂しさも、
すべてひっくるめて浄化してくれるのは、
ラストを飾る
森見登美彦さんの
『夏の夜を味わう
山上のレストラン』。
森見さんがケーブルカーに乗って向かうのは、
生駒山上の遊園地……の中の、レストランですよ。
「やまのォうえェ!」
「ぐるぅ!」(←訳:風だぁ!)
テラス席から眺める、大阪湾、淡路島。
晴れ渡った日には、神戸も見える。
絶景を味わい、クリームソーダをひとくち。
「ふわァ~…いいなァ~」
「がるるる~」(←訳:いいよね~)
お店と、美味しいものと、美味しいものの作り手さんたち。
そして、おいしいものに引き寄せられる、私たち。
季節それぞれ、土地それぞれの
”特別な何か“を想いつつ、
皆さま、ぜひ、一読を♪