テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ お城の扉を、開けた先には ~

2021-08-31 21:31:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪ゆうがたァ~♪ごじのォちゃいむゥがァ~♪」
「がるる!ぐるるがるるる~♪」(←訳:虎です!なぜかぼんやり~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 今年もフジファブリックさんの
 『若者のすべて』を口遊みながら、
 さあ、8月を締めくくる読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  



      ―― 大奥づとめ ――



 著者は永井紗耶子(ながい・さやこ)さん、
 単行本は2018年に、
 文庫版は2021年4月に発行されました。
 『よろずおつとめ申し候』と副題が付されています。

 《大奥》――
 大河ドラマ『青天を衝け』では
 時代的な背景もあってか、
 ほんの少ししか描かれませんでしたが、
 こちらは、
 『青天を衝け』の頃より
 ちょっと前の頃の《大奥》を
 舞台にした小説作品です。

「ぜェ~んぶゥ、じょせいィ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:全職種を女性で!)

 《大奥》というところは、
 皆さまも御存知の通り、
 男性は出入り禁止。

 男性出禁、とは即ち、
 《大奥》内のすべてのお仕事を、
 女性が担うことになります。

 祐筆……現代でいう、秘書さん。
 御次(おつぎ)……芸能のエキスパートさん。
 呉服……スタイリストさん。
 御末(おすえ)……力仕事あれこれ。
 
 というような具合ですね。

「しんいりさんはァ、びィ~ッくりィ!」
「がるぐるるるるる!」(←訳:目を丸くしてます!)

 《大奥》入りする娘さんたちは、
 お城に上がって後、
 驚いたり、ショックを受けたりします。

 上さまに見染められ、
 側室になって、
 栄華を極めて……
 なんていうのは、レアケース?

 《大奥》での“出世“とは、
 秘書さんやらスタイリストさんやら
 舞&謡の達人さんやら、
 食事のデリバリーやら、
 さまざまな分野で頭角を現し、
 認められてゆくこと?

「なァ~るほどッ!」
「ぐるるるるがるるるぐる!」(←訳:出世すればお給金も上昇!)

 江戸時代後期、
 11代将軍・家斉(いえなり)公の御世。

 16歳の少女、
 結衣(ゆい)さんは
 《大奥》へ上がりました。

 或る事情から
 やむなく《大奥》づとめを
 選ばざるを得なかった彼女が選ぶのは。

 側室になるのではなく、
 自身の技量による
 “出世“の道。

 とはいえ、
 琴はまあまあイケるけれど、
 舞や、お花は
 人並み程度でしかなくて。

 では、
 結衣さんを“出世“に導く
 足がかりとなるものは……?

「えッとォ、たぶんッ?」
「がるるぐるるる!」(←訳:何かがあるはず!)

 大奥の“出世“システムを活写する
 『ひのえうまの女』
 を幕開けに、
 短編7作品から成る連作は、
 時代小説好きな方々にも、
 お仕事小説好きな方々にも、
 おすすめですよ。

 私ネーさが推す作品は、
 『くれなゐの女』。
 どんな女性が主人公で、
 どんな視点から《大奥》が描かれるのか、
 皆さまも、ワクワクしながら、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 切り札は、あの名作! ~

2021-08-30 22:17:55 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぷはゥ! おそろしィ=てんかいィ、でしたでスゥ!」
「がるる!ぐるるがっるる!」(←訳:虎です!朝からびっくり!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日8月30日の朝ドラ『おかえりモネ』は、
 劇的すぎる展開に
 ひゃあ!うわわぁ!と悲鳴をあげてしまいました……
 明日はどうなる?と心配しながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― 短編ミステリの二百年 5 ――



 編者は小森収(こもり・おさむ)さん、
 2021年6月に発行されました。
 ミステリ好きな活字マニア諸氏に好評の
 《短編ミステリの二百年》シリーズ第5作目は、
 1940~60年代に発表された作品が
 中心になっています。

 著者は、スティーヴン・パーさん、
 グレアム・グリーンさんや
 ジョイス・ポーターさん他、
 とっても豪華なんですけど……

「おすすめェさくひんッ、ありまスゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:イチ推し!)

 ええ、そうなんです。

 これは外しちゃいけない!

 と言いたくなる1編が、
 この第5巻には収録されているんですよ。

 本文231ページ、
 ハリイ・ケメルマンさん作
 『九マイルは遠すぎる』、
 英語原題は
 『The Nine Mile Walk』、
 1947年発表のこの作品は
 著者・ケメルマンさんのデビュー作でもあります。

「めいさくゥでスよゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:切れ味抜群!)

 《十語から二十語の文章をあげてみたまえ》

 と言い出したのは、
 ニコラス・ウェルト教授。

   その二十語内の文章から、
   君の頭にそれが浮かんだときには
   夢にも思わなかった
   合理的推論を立ててやろう――

 この挑戦に乗ったのは、
 ウェルト教授の友人である
 語り手の“わたし”です。

 そして、
 “わたし”がさっそく教授に
 突き付けたのが、

  《九マイルを歩くのは
   ただごとじゃない。
   まして雨の中では》

 という文章でした。

「むむゥ! そこからァ、すいりィ??」
「ぐるるる!」(←訳:難しいよ!)

 なんということもなさそうな、
 短い文章。

 僅かな上にも僅かな言葉の連なりを
 手掛かりに、
 ウェルト教授は思考を巡らせます。

 これは、どのような状況を指す文章か。
 言ったのは、誰か。
 場所は。
 時刻は。

「けつろんにィ、もうゥ!」
「がるるぐるぅる!」(←訳:啞然としちゃう!)

 アクロバティックな教授の推論が
 ゴール地点に達した時、
 いったい何が起こるのか――

 短編ミステリ史上屈指の名作とされる
 『九マイルは遠すぎる』、
 とにもかくにも必読の一篇です。

 他に、
 ジェームズ・ヤッフェさん作
 『ママは願いごとをする』、
 ジョイス・ポーターさん作
 『ここ掘れド―ヴァ―』
 それにもちろん、
 編者・小森さんによる評論もおすすめですので、
 ミステリマニアさんも
 初心者さんも、
 ぜひぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 《広告》で、引っくり返せ ~

2021-08-29 23:12:54 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おおっ? すずむしィ~??」
「がるる!ぐるがるる~!」(←訳:虎です!秋の音色だ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 夕暮れ刻、窓の外から聴こえるのは、
 待望の《秋》……虫さんたちの涼しげな合唱です♪
 熱中症体質の私ネーさ、
 これを待ってたのよね、とニンマリしながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
    ―― 心ゆさぶる広告コピー ――



 選者・解説文は岩崎亜矢(いわさき・あや)さん、
 2021年6月に発行されました。
 『その言葉は、あなたの人生とつながっている』
 と、副題が付されています。

 広告――

 ネットで、TVで、新聞や雑誌、ラジオで、
 私たちが日々接する数多の広告は、
 その殆どが、
 つつつ~っと……

「とおりィぬけちゃうゥ!」
「ぐるるる!」(←訳:右から左!)

 ショボいダジャレや、
 無理矢理の連呼、
 押しつけがましい広告には、
 好感など抱きませんし、
 すぐ忘れてしまうもの、です。

 けれど、
 たまには、ある、んですよね。

 忘れ難い、
 いつまでも脳裏に残る、
 くちずさんでしまう一節、フレーズが。

 この御本には、
 そんな《名作》《名台詞》たちが、
 選者・岩崎さんの手で
 集められています。

「しょうわァ、へいせいィ、れいわッ!」
「がるるるぐるるがる!」(←訳:名広告に名文句あり!)

 企業さん&クリエイターさんが、
 これだ!
 という気合で世に送り出す
 大型広告。

 ネット限定の、
 オシャレな広告。

 敢えて“昔ながら“の手法を使う、
 新聞や雑誌の広告。

 この御本でも
 古風なものから
 新しいものまで、
 たくさんの名作が紹介されています。

 あ、これ見たことある!
 そうそう、これも憶えてる!
 とページを捲ってゆく手が
 ふと止まるのは。

「むむッ! これはッ!」
「ぐるが~る!」(←訳:鉄拳さ~ん!)

 本文80ページに載っているのは、
 見間違えようもありません、
 鉄拳(てっけん)さんの
 モノクロイラストレーション。

 マツ六株式会社さんという、
 手すりを製作する会社さんの広告で、
 そこにある広告コピーは。

  《ぼくをずっと
   守ってくれた人を、

   ぼくはずっと守ってあげられない》

「ううむゥ! すごいィ……!」
「がるぐるるる!」(←訳:映画みたいだ!)

 短編、いえ、長編映画を彷彿させる
 鉄拳さんの表現力の素晴らしさ!

 これはもう、
 下手な説明をするより、
 百聞は一見に如かず。
 ぜひとも、
 80~81ページをご覧になってくださいな。

「もひとつゥ、おすすめェなのはァ~」
「ぐるがぅる!」(←訳:ドラちゃん!)

 104~107ページにかけては、
 映画『のび太の月面探査記』の
 広告が掲載されています。

  《道は違っても、
   同じ光を
   見上げている》

  《子供の頃、
   世界を救いたかった。
   今夜は、
   あいつを救いたい》

  《帰り道が
   わかっているから、
   どんなに暗くても
   怖くはない》

 といったコピーを引き立てる
 イラストレーションが
 詩情にあふれていますねえ♪

「のびたくんッ、かッこいいィよゥ!」
「がるるる……!」(←訳:シブいぜ……!)

 たった数行で、
 世界を、
 宇宙も創り出す
 言葉たち。

 巻末の、
 《巻末特集 名作コピー》では
 “時代を映す不朽の名コピー“が
 取り上げられています。
 言葉の宇宙を楽しく泳ぐ気分で、
 皆さま、ぜひ♪
 

 
  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 湯へ、森へ、浄化の旅へ ~

2021-08-28 21:30:35 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうもォ~たびィじたくゥ~!」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!出発です!)

 こんにちは、ネーさです。
 8月最後の週末の読書タイムは、
 前回記事に続いて、
 《旅》がテーマですよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  


 
    ―― お一人さま 逃亡温泉 ――



 著者は加藤亜由子(かとう・あゆこ)さん、
 2021年7月に発行されました。
 『身も心も浄化する旅!』
 と副題が付されています。

 前回記事で御紹介しました
 標野凪さん著『占い日本茶カフェ《迷い猫》』は
 フィクション作品でしたが、
 こちらはノンフィクショナルな
 温泉巡りのガイドブックですよ♫

 しかも――

「おひとりィさまッ?」
「ぐるがるるる!」(←訳:温泉ひとり旅!)

  あのぉ、
  同伴者はいません、
  ええ、ひとり、なんです。

 と、温泉旅館さんへ宿泊の申込みをしても、
 体よく断られてしまうことは、
 まあ珍しくはありませんよね。

 ただ、全部が全部、じゃありません。

 ひとり旅ウェルカム!
 と受け入れてくださる旅館さんもあります。

「うんうんッ♪」
「がるるる~る!」(←訳:ありがた~い!)

 加藤さんが掲げる
 《お一人さま逃亡温泉の旅》心得は、5箇条。

 心得一『がんばらない。
     誰にも気を遣わない』

 心得二『したいようにする。
     行きたくないときは、無理して行かない』

 心得三『気取らない。
     お財布にも無理はさせない』
 
 心得四『観光地は避ける。
     これ以上、人に疲れてどうする』

 心得五『温泉選びは湯質を重視。
     名湯こそ、心身を浄化してくれる』

「むむむッ! わきゃるゥ~!」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:ホントその通り!)

 5つの心得をひしと抱きしめ、
 訪ね歩くは、
 絶景温泉、
 ほっこり宿温泉、
 美容温泉、
 激熱温泉、
 地元共同湯……

 あ、活字マニアとして
 ハッとさせられるのは
 読書温泉、ですね。

 群馬県の霧積(きりづみ)温泉――
 この地を一躍有名にしたのは、
 西條八十(さいじょう・やそ)さんの『帽子』です。

  『母さん、僕のあの帽子、
   どうしたでせうね?』

 という、
 魔法のような名詩……。

 それにね、
 霧積温泉の金湯(きんとう)館さんには、
 明治憲法を草案した部屋もあるんですって。

「こっちもォ、よさそうゥ!」
「がるるるぐる!」(←訳:神奈川の温泉!)

 神奈川県厚木市の、
 七沢(ななさわ)温泉。

 創業160年の老舗旅館・福元館さんは、
 かつて、或る作家さんの
 “隠れ家“でした。

 特高警察に追われ、
 29歳の若さで世を去ったそのひとは、
 小林多喜二さん。

 福元館の3代目館主さんと女将さんは、
 小林多喜二さんを長く匿い、 
 執筆活動の力添えもした
 有志家さんだったのです。

「そんなことがッ……!」
「ぐるるるっる!」(←訳:知らなかった!)

 深い山の中。
 静かな川べり。

 シュワシュワと泡立つ炭酸泉で、
 お肌と心をツルスベに。
 美味しい温泉粥で、
 お腹もホカホカに。

 ひとり旅好きな方々にも、
 温泉好きな方々にも、
 おすすめの一冊です。
 いつかお出掛けする日を夢見つつ、
 ぜひ、手に取ってみてくださいな♫
 
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 旅と、ニャンコと、《売茶翁》 ~

2021-08-27 22:00:13 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 とォ~けェ~ちゃうゥ~!」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!超残暑!)

 こんにちは、ネーさです。
 8月終盤にしてはキツ過ぎる残暑……
 アイスクリームで元気を補給しながら、
 さあ、の~んびり読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
   ―― 占い日本茶カフェ《迷い猫》 ――



 著者は標野凪(しめの・なぎ)さん、
 2021年3月に発行されました。
 『Fortune-telling japanese tea cafe』
 と英語題名が付されています。

 カフェ――
 というと、小粋な外観とメニューの、
 『ドゥマゴ』『アンジェリーナ』『ラデュレ』等の
 名前が思い浮かびますが、
 そんなお店とはちょっと違って。
 
  “旅するカフェ“ 

 だって有るんです。

「ももッ、もしかしてェ~?」
「ぐるるがる?」(←訳:お店が動く?)

 如月(きさらぎ)たんぽぽ さんは、
 日本茶カフェのオーナーさん……でした。

 以前は、東京都内の
 昔ながらの石畳の残る街で、
 古い民家を借りて、
 カフェを営んでいたのです。

 その建物が老巧化のため
 取り壊されることになり、
 新しい場所を、と探してみたものの、
 頃合いの物件が見つかりません。

 そこで、たんぽぽさん、考えました。

「ばしょがァ、ないィのならァ~…」
「がるるるるぐる?」(←訳:出向くのはどう?)

 《出張カフェ承ります。
  どこへでも
  お道具箱ひとつで参上します》

 自分のお店のSNSに
 こう書いてみたところ、
 依頼がちらほら舞い込んできたではありませんか♫

「むふふゥ! やってみるものォでス!」
「ぐるるぅがる!」(←訳:旅カフェ開始!)

 出張日本茶カフェを
 旗上げしてから3年、
 たんぽぽさんのカフェは
 少しずつ知られるようになってゆき。

 今日はなんと、
 福岡市にあるギャラリーへの出張です。

「おみずゥ、よしっ!」
「がるうるぐるるるがる!」(←訳:お茶とお菓子もよし!)

 ただお茶を供するだけではなく、
 招かれた市や町で作られる
 銘茶・銘菓と、
 その土地のお水で
 お茶を淹れる。

 そして、
 お茶を淹れながらお喋りをして、
 望まれれば
 占いもする。

 福岡へ、
 仙台へ、
 島根へ、
 奈良へ、
 静岡や東京で。

 出張しては
 お茶を振る舞うたんぽぽさんの、
 頼もしい相棒は
 ハチワレ猫の、つづみ くんです。

「ふァ? にゃんこがァ、あいぼうゥ?」
「ぐるがるるる?」(←訳:猫も旅するの?)

 お家に籠もるより、
 たんぽぽさんと一緒に旅をするのが
 大好きだという、つづみくん。

 実は、たんぽぽさんの旅には、
 もうひとつ、目的があります。

 或るモノを探して。

 旅をして、ゆく先々で訊ねてみれば、
 それを見つけることが出来るかもしれない。
 在り処を知っているに会えるかもしれない。

「みつかるとォ、いいなァ~…」
「がるるぐるる~…」(←訳:探訪の旅かあ~…)

 江戸時代、
 茶の世界にその人ありと謳われた
 売茶翁(ばいさおう)へのオマージュと、
 現代のお茶の知識を織り込まれた
 たんぽぽさんの旅暮らし。

 読んでいると
 無性にお茶が恋しくなる物語は、
 お茶好きな御方に、
 占い好きな方々にも、
 おすすめですよ。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ パリの空の下 ~

2021-08-26 22:06:52 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぱりィ~♪」
「がるる!ぐる!」(←訳:虎です!パリ!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、パリ!
 本日の読書タイムは、
 前回記事でもちょこっと言及しました
 『パリ万博』からのつながりで、
 パリをテーマにした一冊を御紹介いたしますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♫

  



 ―― パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間 ――



 著者は とのまりこ さん、2021年5月に発行されました。
 『誰にでもすぐに真似できる
  シンプルシックで心地よい暮らし』
 と副題が付されています。

 19世紀の美術史・文化史上で
 エポックメーキングとなったパリ万博から、
 時代は21世紀へ――

 さて、現在のパリは、
 そしてパリに住む人々は、
 どんな暮らしをしているかというと?

「おたかいィ~のでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:お家賃高騰中!)

 花の都パリの不動産事情は、
 東京を上回るタイヘンぶり、のようです。

 借りるのも買うのも、お高い。
 建物は古くて、
 エレベーターがないところも多く、
 備品はしょっちゅう壊れちゃったり。
 しかも、
 修理を頼んでも
 業者さんはなかなか来てくれない?

「……でもォ~…」
「がるるるるるぐる!」(←訳:住んでみたいよね!)

 ヘアメイク&フォトエッセイストである
 著者・とのまりこさんは、
 2003年に渡仏、
 今は御夫君と小さなお子さん、
 犬のバブーくんもも加わった
 3人+1匹家族で、
 パリのアパルトマンで暮らしています。

 そこは、
 パリの絶景が窓外に広がる
 建物の最上階。

 バルコニーに出れば、
 街の喧騒が聞こえ、
 ピカソさんや藤田嗣治さんも目にした
 芸術の都の情景が目に飛び込んできます。

「きらめくゥ~ともしびィ!」
「ぐるるる!」(←訳:夕焼け空!)

 うわあ♫なんてステキ♪
 と羨望の溜め息をしてしまうこのアパルトマン、
 広さは35m²――

 日本風に言うなら、
 1Kでバス・トイレ付き、
 とのさん御自身も
 『とても小さな空間です』
 と記していますが、
 いえ、それより。

 なんと気持ちの良いお部屋でしょうか。

 《基本は白&ナチュラルベース》
 《ごちゃごちゃ感をプラスしてパリっぽく》
 《古い物×新しい物のミックスがオシャレ》
 《鏡使いで明るく広く》

 などを心掛けつつ、
 自分たちの手で、
 住居を造り上げてゆく……。

「てづくりィ、だいすきィ!」
「がるるるーるぅ!」(←訳:ブリコラージュ!)

 ブリコラージュとは
 フランス語でDIYを意味する言葉で、
 チビッ子たちも大人たちも、
 身の周りの小物を作ったり、
 家具を修繕したり、
 大々的な部屋のリフォームまでも
 自力でやってのけるほど
 広く浸透しています。

 そんな“自力パワー“と、
 蚤の市などで見つけた
 ちょっぴり古くても可愛いモノたちとの
 融合と調和。

 カッコいいなあ!
 学ばなくては!
 という思いがふつふつと
 湧いてきますね。

「おしゃしんッもォ、おしゃれェでス!」
「ぐるがるるぅ~!」(←訳:絵になるなぁ~!)

 《パリの暮らし》の見本帖は、
 インテリア好きな方々に、
 フランス好きな方々にも
 おすすめですよ。
 
 そして、
 もっとパリの生活を知りたくなったなら、
 とのさん御夫妻が経営する
 フランス雑貨のお店『ぼわっと』の
 HPやSNSもおすすめですので、
 ぜひ、覗いてみてくださいな~♪
 
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 還流する《日本の美》 ~

2021-08-25 22:16:16 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わッつゥさァ~んッ!」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!寂しいよう~!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日、朝いちばんに飛び込んできたのは、
 ローリングストーンズのドラマー、
 チャーリー・ワッツさんの訃報……
 英国紳士ワッツさんへの敬愛と哀惜の念を込め、
 本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
    ―― イギリスの美、日本の美 ――



 著者は河村錠一郎(かわむら・じょういちろう)さん、
 2021年4月に発行されました。
 『ラファエル前派と漱石、ビアズリーと北斎』
 と副題が付されています。

 19世紀後半、
 日本の美術はヨーロッパのアートシーンに
 衝撃をもたらしました。
 大河ドラマ『青天を衝け』でも、
 そういった場面がちょっとだけ有りましたね。

「ふァいッ! ぱりィ!」
「ぐるがる~!」(←訳:パリ万博~!)

 パリ万博で、
 はるか極東の島国の、浮世絵、陶芸品、工芸品等が
 大きな話題となったように、
 フランスのお隣りの
 英国に於いても、
 日本美術はアーティストさんたちの
 胸をザワつかせたのでした。

   えっ?
   こんな描き方、アリなの?
   こういう描法、していいんだ!

 という具合に。

「せいいようのォ、かいがはァ~…」
「がるぐる!」(←訳:制約多し!)

 制約や決まり事に縛られない、
 異国の美術。

 それを目の当たりにした驚愕が
 どのようなものであったか、
 一例を挙げますと。

 本文102ページには、
 当時の英国で最も人気のある装飾美術家にして、
 パリ万博の出品審査員でもあった
 ドレッサーさんによる
 日本のドローイングを論じた文章が
 引用されています。

  《イギリスのアカデミックな機関では
   全く許されたことない特色が
   ここにはある――
   すなわち、
   線による輪郭描写と
   黒一色の塗りつぶしとの混合である》

「ゆるされェないィ??」
「ぐるるるるる?」(←訳:塗りつぶしが?)

 ええ、私ネーさも
 この一文にはびっくりしまして、
 手持ちの画集などを調べてみましたら、
 なるほど、
 中世の木版画の類では、
 黒一色の塗りつぶし、って
 まず見かけない……と言えましょうか。

 それが一転、
 “黒の効果“を求めて、
 版画や挿絵の画面に
 黒色が増えてくるのは、
 19世紀の後半から。

 日本美術から着想を得た
 《ラファエル前派》の画家さんたちや
 オーブリー・ビアズリーさんの
 挿絵作品では、
 特にその傾向が顕著ですね。

「きりりッとしてェ、かッこいいィ!」
「がるぐぅーる!」(←訳:線がシャープ!)

 日本から英国へ。
 そののちの、
 英国から日本への、還流。

 日本が異国へもたらした美、
 開国によって
 異国から日本へ到来した美が
 日本の芸術や文学に
 どれほどの影響を及ぼしたか、
 著者・河村さんは
 多角的に組み立て、
 解析してゆきます。

 近代史好きな活字マニアさんに、
 《ラファエル前派》ファンの方々、
 ビアズリーさんのファンの方々に、
 おすすめですよ。
 ぜひ、探してみてくださいね♪
 
 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 理詰めの、眼力! ~

2021-08-24 22:34:34 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ひゃあッ!こすもすゥ!」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!木犀も!)

 こんにちは、ネーさです。
 キツい残暑が続く中、
 コスモスや木犀の花が早くも咲き始めました。
 一応まだ8月なのに~とビックリしながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
      ―― 沈黙のパレード ――



 著者は東野圭吾(ひがしの・けいご)さん、
 画像の単行本は2018年10月に発行されました。
 現在は文庫化もされているこの作品は、
 2022年に映画が公開される予定です。

「あはァ! がりれおォせんせいィ~!」
「ぐるるるる~!」(←訳:お久しぶり~!)

 《ガリレオ先生》こと
 帝都大学の
 湯川学(ゆかわ・まなぶ)博士が
 日本に戻ってきました♫

 と言っても、
 湯川博士は世界漫遊旅行をしていた訳ではなく、
 米国での研究生活を終えての帰国、なんです。

 日本での新たな拠点は、
 東京都下の、
 菊野(きくの)市。

 そして、
 菊野市に造られた研究施設の、
 磁気物理学研究部門の主幹となった
 湯川博士の肩書は……
 教授!

「おおおッ!」
「がるるるっる!」(←訳:教授さんって!)

 責任ある地位に就いて
 大忙しになった湯川博士、
 もう警察のお手伝いなど
 する暇もなく……

 なんてことは全くなく、
 今回も知恵を貸すことになりました。

「むふふゥ! やぱりィ~」
「ぐるるるがる~!」(←訳:そうなるよね~!)

 旧知の間柄の草薙(くさなだ)刑事も、
 湯川博士と同じく昇進して、
 いまや警視庁捜査一課の
 警部さんです。

 その草薙警部が
 満ち込んできた《謎》というのが、
 どうにもこうにも
 厄介千万で。

「ないィのでス!」
「がるるぐるるる!」(←訳:物証が無いんだ!)

 23年前に起こった、
 或る事件。

 それは、
 当時まだ駆け出しの新人刑事だった草薙さんが
 怒りに震えた異常な事件でした。

 こんなことがあるだろうか――

 努力と執念の捜査の末、
 ようやく犯人を割り出し、
 逮捕して、
 裁判に臨んだのに、
 判決は……無罪だなんて!

 すべての状況証拠は、
 被告人が”黒“であることを
 示しているのに……無罪放免?
 そんな!

「なッとくゥ~できないィ~…!」
「ぐるるる~!」(←訳:許せない~!)

 事件から、ほぼ四半世紀。

 あの頃の怒りを、
 被害者さんの無念を、
 片時も忘れずにいた草薙さんは、
 あらためて知りました。

 無罪となり、
 世に放たれた被告人は、
 別の犯罪にも係わっていた……?

「ますますゥ~いかりィしんとうゥ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:ますます許せん!)

 すぐにも逮捕し、
 監獄送りにしてやりたい!
 と思う草薙さんですが、
 ここは慎重に進めねばなりません。

 下手をすれば、
 また逃げられる。
 司法の網をすり抜けられてしまう。

「そこでェ、せんせいィ~!」
「ぐるがる!」(←訳:出番です!)

 湯川博士と草薙警部は
 秘かに打開策を練りましたが、
 事態は彼らの予想を超える方向へ?

 菊野市の観光名物となっている
 パレードが開催されたその日、
 またしても事件が……?

「たたたッ、たすけてェ~せんせいィ!」
「がるぐるる~!」(←訳:本気出して~!)

 事件と事件をつなぐ糸は。
 その糸を、
 湯川博士はどうやって見抜き、
 断ち切るのか。

 ミステリ作品ですので、
 これ以上のお喋りは出来ませんけれど、
 この物語がどう映像化されるのか、
 今から楽しみで仕方ありません。

 湯川博士はあの御方で決まりだけれど、
 この役はあの役者さんかな?
 ここはあの人に!
 などと想像しながら、
 皆さま、ぜひ一読してみてくださいね~♫

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 小さきもののために、夜道を ~

2021-08-23 23:31:25 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わきゃきゃッ♪ かわゆいィ~!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!ころころだねえ!)

 こんにちは、ネーさです。
 上野の双子パンダちゃんたちが生後2カ月となり、
 公開された画像のまあ可愛いこと♪
 パンちゃんたちよ元気に大きくなれ!
 というエールも込めて、
 本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♫

  



      ―― 夜の獣医さん ――



 著者は高橋うらら さん、2021年6月に発行されました。
 『往診専門の動物病院』と副題が付されています。

「ふむむゥ? おうしんッというゥことはァ~…」
「ぐるるるるるる!」(←訳:来てくれるんだ!)

 梅原英輝(うめはら・ひでき)さんは、
 『梅原動物病院』の獣医師さんです。

 『梅原動物病院』の診療時間は
 一般的な動物病院とは少し違っていて、
 夜間だけ。
 しかも、往診を専門としています。

「それッ、いいかもィしれないィでス!」
「がるるるるぐるがる!」(←訳:いろいろな点で安心!)

 ワンコたちニャンコたちにとって、
 動物病院は鬼門のようなもの。

 診察台、怖い!
 注射、怖い!
 触られるのも、怖い!
 とにかく怖い!

 と、怖さが倍増しして、ガクブル。
 血圧だって上がってしまいます。

 けれど、自分のお家でなら、
 ガクブルパニックはそうそう起きません。

 大嫌いな病院へ
 無理矢理引きずってゆかれるよりは、
 身体にかかるストレスも少なくて済みます。

 という次第で、
 お家にやって来てくれる梅原先生は、
 動物たちにとっても
 飼い主さんにとっても、
 ありがた~い存在なんですね。

「ひッぱりィ~だこッ!」
「ぐるる!」(←訳:大人気!)

 第一章の
 『こんばんは。梅原動物病院です。』では、
 梅原先生が動物病院を開くまでの
 半生記を。

 そして、
 第二章の
 『梅原先生の患者さんたち』では、
 梅原先生が往診したベスさん(ネコ)、
 ペコさん(イヌ)、
 ブンさん(ウサギ)、
 ステラさん(ハリネズミ)他、
 患者さん&ご家族さんと
 梅原先生の出会いが描かれています。

「わんこもォ、にゃんこもォ~」
「がるるぐるるるがる~」(←訳:病気はつらいよねえ~)

 往診していただいて、
 快復したり、
 寿命が延びたり。

 動物たちの症状はそれぞれに切実で、
 早く良くなっておくれ!
 きっと元気に!
 と願わずにはいられません。

 そして、
 紹介されているエピソードの中で、
 最も考えさせられたのは、
 ウサギさんについての
 或るお話です。
 それは――

 《ウサギは、誕生日に具合が悪くなる》。

「ふァ??」
「ぐるるるがる?」(←訳:どういうこと?)

 誕生日は、特別な日。

 特別な日のお祝いにと、
 美味しい果物やおやつ、
 御馳走をたくさん振る舞われて。
 それをムシャムシャと食欲のまま
 食べていったら……?

「うむむゥ! なァるほどッ!」
「がるぐるるるる!」(←訳:お腹こわすよう!)

 ウサギに対してばかりじゃないわよね、
 そう考えちゃうのは。

 ワンコだってニャンコだって、
 お誕生日くらい大盤振る舞いしたり、
 スペシャルな好物を山盛りにして
 食べさせてあげたい……けれど。

 ううむ、
 それは人間のエゴであったのか……。

「はらァはちぶんめッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:暴飲暴食NG!)

 ウサギのみならず、
 すべての生きものに当てはまりそうな
 腹八分目の格言。

 治療をする側、
 治療を受ける側、
 両サイドから語られる
 医療のかたち。

 講談社青い鳥文庫から
 刊行されているこの御本は、
 少年少女向けではありますが、
 大人な活字マニアさんにも
 おすすめのノンフィクション作品です。

 今夜も小さな患者さんのために
 車を走らせる梅原先生を思い浮かべつつ、
 皆さま、ぜひ、一読を♪
 
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 涙、涙の完結編 ~

2021-08-22 22:10:10 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こここッ、これはッ!」
「がるる!ぐるるぅ!「(←訳:虎です!英語だぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 9月30日に開館予定の
 米国アカデミー美術館で開催される
 『宮崎駿 展』の図録が日本でも入手可能となりました。
 amazonでは予約受付中で(9/7発売、¥6.058)……
 どうしようかなあ~買っちゃおうかな~と迷いながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

  


 
     ―― 神様の御用人 9 & 10 ――



 著者は浅葉なつさん、第9巻は2020年12月に、
 第10巻は2021年3月に発行されました。
 この9&10巻をもって、
 大人気の《神様の御用人》シリーズも完結……!

「うううゥ! しんきょうゥ、ふくざつゥでス!」
「ぐるるるるる~!」(←訳:終わらないで~!)

 そうよね、
 大好きなお話が終わってしまうのは
 悲しくて寂しくて、
 私ネーさも御本に手を伸ばす勇気が
 なかなか出なかったんですけれども。

 いや、やはりファンとしては、
 最後の最後の最後まで
 主人公さんたちを応援すべきだわ!
 と決心しまして。

「うむゥ! ならばッ!」
「がるるぐるるるぅる!」(←訳:気合い入れましょう!)

 えいやっ!
 と、ページを開けば。

 あららら?
 揺れてるけど、これって地震?
 ん? 地震だけじゃないわね?

「よしひこォさんッのォ~」
「ぐるがるるるる!」(←訳:心も揺れてます!)

 八百万の神さま方からの、
 さまざまな御用に応えるべく、
 今日は西へ、明日は東へ、と
 全国を駆け回っている
 ”神様の御用人”こと
 萩原良彦(はぎわら・よしひこ)さん。

 御用に必要な交通費を稼ぐためにも、
 清掃会社のアルバイトに
 毎日ガンバっている良彦さんに、
 或る日、お誘いがありました。

  ―― 正社員になりませんか? ――

「ほおおォ!」
「がぅる!」(←訳:わぁお!)

 バイトから、正社員になる。

 お給料や待遇、
 将来性、安定度などなど、
 メリットいっぱいのお誘い、ですよねえ。
 はい喜んで~!
 と答える前に。

 良彦さんの心は揺れます。
 正社員になったら、
 今まで通り、とは行かない……
 神様の御用を果たすため
 ちょいちょい休日を取得したり、
 シフトを変えてもらったり、
 なんてことは出来なくなるだろう……。

「あァ~そっかァ~…」
「ぐるるるるる~…」(←訳:そうだよねえ~…)

 揺れる心で傍らを見やれば、
 おや? こちらもヘンです。

 良彦さんの相棒兼知恵袋的存在、
 キツネのような風貌をした
 方位神の黄金(こがね)さんも、
 どことなく様子がおかしい?

 おかしいだけでなく、
 『気になることがある』と言って、
 ふっと姿を消してしまいました。

「おおいィ~! こがねェさァ~んッ!」
「がるぐっるる~?」(←訳:どこ行ったの~??)

 御用を務めるうちに知り合った神様方の援けを得、
 黄金さんの行方を
 探し始める良彦さんでしたが。

 頻発する地震と、
 黄金さんの行方不明には
 何かの関係があるらしい、
 と気付きます。

 すなわち、
 地震が起きる理由と問題点を突き止め、
 解決しないと……

 黄金さんとは、二度と会えない?

「そんなのォ、いやでスゥ~!」
「ぐっるがるるる~!」(←訳:帰ってきてよう~!)

 神とヒトは、何処へゆくのか。

 これが完結編、と知らされて、
 ギリギリまで迷っていても、
 読み始めたら
 一気呵成に
 読み手を物語世界へと引っ張ってゆく
 《御用人》マジックは、
 2013年刊行の第1巻から
 この9&10巻に到っても健在です。

 ファンの方々は
 10巻の巻末の『あとがき』まで、
 そして、その先までも、
 抜かりなく読み進んでくださいね。

 シリーズ未読の活字マニアさんは、
 この夏休みに、
 どうかぜひ、手に取ってみてくださいな。
 良彦さんと黄金さんの“相棒物語”、
 激おすすめですよ~♪

 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする