「こんにちわッ、テディちゃでス!
むむむゥ! みてみたいィ~ッ!」
「がるる!ぐるがるぐる~!」(←訳:虎です!北の空の極光~!)
こんにちは、ネーさです。
8日以降に発生した太陽フレアの影響で、
日本の空にも低緯度オーロラが……!
ここ関東圏でも観測できぬものかと夜空を見上げながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 中野のお父さんと五つの謎 ――
著者は北村薫(きたむら・かおる)さん、
2024年2月に発行されました。
《中野のお父さん》シリーズ第4作です。
「おとうさァ~んッ!」
「ぐるるるるるがるる!」(←訳:お久しぶりの怪講釈!)
田川美希(たがわ・みき)さんは、
大学時代、バスケットボールに青春を捧げたのち、
文宝(ぶんぽう)出版に就職、
現在は雑誌『小説文宝』編集部に勤務する
体育系編集者さんです。
毎月の締め切りに合わせ、
会社と作家さんのもとを忙しく往復して、
編集作業をして……という日々は、
新型肺炎の流行によって
変更を余儀なくされました。
打ち合わせは、リモート。
必要が無ければ、出社せずとも可。
作家の先生たちと直接会うこともなくなり、
ソフトボールも自粛中。
「ええッ! そふとぼォーるもッ?」
「がるるぅ!」(←訳:そんなぁ!)
ええ、作家先生と出版社員さんたちが、
カキーン(打った)!
ビュオン(投げた)!
と懇親を深めるソフトボール大会は、
残念ながら、無期限休戦になっています。
そのせいでしょうか、
同僚の結婚式に招かれて、
作家の先生や他社の編集者さんと久々に会ったりすると、
もう話がはずんではずんで。
「やぱりィ、たいせつゥなのでス!」
「ぐるがるるるぐる!」(←訳:顔を合わせて対話!)
メールやリモートの、
堅苦しく、ぎこちないやりとりで
どこか疎遠になりかけていても、
会って言葉を交わせば、戻ってきます。
以前の活気が。
笑いや、話す喜びも。
そして、おめでたい結婚式の直後であったためか、
話題にのぼって盛り上がったのが、
《 I LOVE YOU 》
この文章を、どう日本語に訳すか。
「ふゥ~むゥ……」
「がるぐるる……」(←訳:難問だねえ……)
夏目漱石さんは《 I LOVE YOU 》を
『月が綺麗ですね』
と訳した、というのは
出版界ではよく知られる伝説です。
直訳すれば味も素っ気もなくなってしまう《 I LOVE YOU 》を、
なるほど、漱石さんはそう訳するのかと、
感心したくなりますが。
この『 I LOVE YOU =月が綺麗ですね』伝説に
きちんとした根拠はあるのか?
ホントにタダの伝説で、
根拠ゼロのフィクションなのか?
漱石さんの訳文ではないとしたら、
言い出したのは、いったい誰?
美希さんの疑問に答えを出してくれるのは、
いつものように。
「おとうさァんッ!」
「ぐるがるぅ!」(←訳:出番ですぅ!)
中野に住む美希さんのおとうさんは、
もとは高校の国語教師さんであった
文学マニア氏。
お父さんが提出する
《 I LOVE YOU 》の想いとは、
『月が綺麗ですね』に籠められた心とは……?
「しぶいィでスゥ、おとうさんッ!」
「がるるるるぐっるるる!」(←訳:美希さんもカッコイイ!)
文芸の海に浮かぶ
5つの謎の島を
ひょいひょいっと遊び渡ってゆくような、
連作短編5篇から成るシリーズ最新作は、
文学ミステリ好きな活字マニアさんに
激おすすめですよ。
ぜひ、一読してみてくださいね~♪