「こんにちわッ、テディちゃでス!
よいしょッ、よいしょッ!」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!拭きふき! )
こんにちは、ネーさです。
GWは暑くなる!とのことですので、
エアコンのお掃除を敢行いたしました。
ようやく終わってホッとしたところで、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 日本の図像 刺青 ――
編者は青人社の皆さん、2023年12月に発行されました。
『TATOO : The Iconography of Japan』と英語題名が付されています。
《刺青(しせい)》――
21世紀の日本に於いては
とてもネガティヴなイメージで捉えられていますけれども、
時代を遡れば、決してネガティヴ一色ではありませんでした。
御本冒頭の『はじめに』によれば。
江戸時代、
『入れ墨(いれずみ)』という言葉は、
墨刑(ぼくけい)のことで、
前科者の意味もありました。
対して、
風俗としての《刺青》は
『彫物(ほりもの)』と呼ばれて
区別されていた、んですね。
「ふむふむゥ、ちがうものォ、なのでスかッ」
「ぐるるるる~1」(←訳:なるほどね~!)
また、《刺青》の歴史は江戸時代の、
京阪の遊里街で始まったといわれています。
手指の一部にごく小さな、
黒子(ほくろ)サイズの彫(ほり)を入れ、
恋人同士の誓いのあかしとした『起請彫(きしょうぼり)』が、
江戸でも流行したことが
発展の契機に結びつきました。
小さな点から、
印や文字へ、
絵柄へ。
「しきさいィ、とりどりィ!」
「がるるぐるる!」(←訳:文様も大型化!)
《刺青》流行の後押しとなったのは、
歌川国芳さん作の
『本朝水滸伝豪傑百八人』(1830年頃より刊行)。
豪華な錦絵の登場人物たちは、
肌にさまざまな《刺青》を纏っていたのです。
御本の表紙になっているのも、国芳さんの
『通俗水滸伝豪傑百八人之一個 』の一場面で、
こういう刺青、真似したい!
同じ絵柄を彫ってほしい!
という現象が続出し、
《刺青》は風俗文化として定着してゆきます。
まあね、幕府からは禁止令が出されちゃったりしてますけど。
「それくらいィ~だいりゅうこうゥ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:大人気でした!)
この御本では、
第1章『刺青 勇肌の美』
第2章『刺青の文様』
と2つの章で
浮世絵作品に描かれた《刺青》を紹介してゆきます。
歌川国芳さん、歌川豊国さん、
月岡芳年さん、といった浮世絵画師さんたちの
力のこもった作品の数々は
壮観と言う他なく、
一見の価値がありますよ。
「うきよえとォ、しせいィ……!」
「がるるぐるる!」(←訳:新しい観方だ!)
江戸後期、
特に役者絵の浮世絵が好き!という方々に
激おすすめの一冊です。
解説の文章もすばらしいので、
歴史好きな活字マニアさんも、ぜひ~♪