「こんにちわッ、テディちゃでス!
ほほゥ! しぶくてェ~かッこいいィ!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!声も良いよね!)
こんにちは、ネーさです。
大河ドラマでは平安貴族を演じた俳優・玉置玲央さんが、一転、
今期のEテレ『100分de名著』ではスーツ姿も凛々しく
トーマス・マンさん著『魔の山』を朗読していますよ。
ドイツ文学好きな方々はEテレをチェックしてくださいね。
では、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 美術でよみとく京都の庭園 ――
著者は布施英利(ふせ・ひでと)さん、
2024年2月に発行されました。
京都――私たちを魅了してやまない、
いえ、世界中の旅行者さんたちが憧憬する
比類なき古都、ですね。
ただ、その愛すべき都は、
現在、とんでもないことになっちゃってる様子で。
「だいこんざつゥ!」
「ぐるるるるるるがる!」(←訳:どこもかしこも行列!)
もともと人気が高かったのに加えて、
コロナ禍後の旅行熱、
桜が咲くトップシーズンと円安が重なり、
京都はもちろん、
”小京都”と呼ばれる金沢や鎌倉まで、
人、人、人……のオーバーツーリズム。
ため息しつつも、考えてしまいます。
京都の何が、かくも人を惹きつけるのか。
どこに、魅力があるのか。
「こたえのォ、ひとつがァ~」
「がるっ!」(←訳:これっ!)
京都の庭園。
著者・布施さんは、本文を、
i 『京の庭園を”耳”で味わう』
ii 『モダンの庭』
iii 『思想の庭』
iv 『月に庭であり、宇宙の庭 桂離宮』
v 『悟りの感覚を空間で体現する 龍安寺』
vi 『京都の庭園から現代アートへ』
と6つのパートに分けて、
京都の庭園を探ってゆきます。
中でも、
ii 『モダンの庭』では
昭和の作庭家として名高い重森三玲(しげもり・みれい)さん、
iii 『思想の庭』では
鎌倉~室町時代の僧侶・夢窓礎石(むそう・そせき)さんが
大きく取り上げられています。
重森三玲さん(1896~1975)は、
京都のガイドブックの寺院紹介コーナーには必ず登場するような
超有名ガーデンデザイナーさんなんですけど、
三玲というお名前の由来が、
フランスの画家ジャン=フランソワ・ミレーさんの名にあった、
とは知りませんでした。
重森さん、
出生時の名は計夫(かずお)だったのを、
御自分で三玲(みれい)と改名したのだそうです。
画家を志望していた10代の頃から
実家のお庭に枯山水庭園を作ったり、
茶室の設計もしていた、といいますから、
40歳を過ぎて作庭家デビューするまでの長い間、
知識と技術を蓄積していたんでしょうね。
「そこからはァ~ほんりょうゥはっきィ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:作庭の大家に!)
夢窓疎石さんたちの“哲学”の庭から、
桂離宮の”月を観る庭”、
重森さんのモダンな庭、
イサム・ノグチさんたち現代アートの旗手が造る
”いま“の庭へ。
図版資料も豊富な一冊は、
京都の庭園を愛する方々におすすめですよ。
本屋さんで、図書館で、
ぜひ、探してみてくださいね~♪