テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 一瞬の、パリの空 ~

2020-02-29 22:13:00 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こんかいィもォ、まよいィましたでスゥ!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!でもやるぞ!)

 こんにちは、ネーさです。
 テーマパークは軒並みクローズ、
 上野の動物園やジブリ美術館もお休みに……と、
 外出を控える傾向がより浸透して、
 私ネーさ、本日も大いに悩んだのですけれど……
 ええい!
 やっちゃいますよ、読書をサボっての展覧会情報を!
 たとえ今日はお出掛けできなくとも、
 知識を得ておいて損はないわ!
 という次第で、さあ、こちらを、どうぞ~♪
 
  


 
    ―― ロベール・ドアノー展 ――



 神奈川県横浜市の そごう美術館(そごう横浜店6階)にて、
 会期は2020年2月1日~3月15日(会期中無休)、
 『Kahitsukan Collection ROBERT DOISNEAU』と英語題名が、
 『何必館コレクション――ドアノーの愛したパリ』
 と日本語副題が付されています。

「あッ、これェ!」
「ぐっるるる~!」(←訳:知ってるよ~!)
「ぱりィでス!」

  

 ロベール・ドアノーさん(1912~1994)は、
 “激動の20世紀“を体現するような経歴を持つ
 写真家さんです。

 石版画の印刷工として働いた後、
 写真家になろう!と方向転換し、
 プロの写真家さんのアシスタントになって修行、
 独立して、ルノー社で記録写真を撮る職に就くも、
 凝り性のあまり解雇されちゃったり、
 フランス軍に入隊したものの結核を病んで除隊となり、
 けれど第二次世界大戦中は
 レジスタンスに参加!

 そして戦後、1949年からは、
 ヴォーグ・フランス誌と契約して
 ファッション写真の分野で、
 また、報道写真や肖像写真の撮影でも
 名を高めてゆきました。 

  

 この展覧会では、ドアノーさんの作品を

 第一章『恋人』
 第二章『街路』
 第三章『子供達』
 第四章『酒場』
 第五章『芸術家』

 と、5つのセレクションに分け、
 オリジナル・プリント75点を展示します。

  

「わあァ! このォおかたはァ!」
「がるるるるぐる!」(←訳:ピカソさんだね!)

  

 ↑ドアノーさんの代名詞にもなっている
 『市役所前のキス』(1950年)も、
 ちゃあんと出展されますよ。
 
 3月7日に予定されていた映画上映は
 中止となってしまいましたし、
 現在の状況では、
 お出掛けしてくださいと
 安易におすすめすることは
 できかねますが、
 ドアノーさんの作品は写真集にもなっています。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいな♪




    では、オマケ画像も、ここで~!
   
    『メリーチョコレートカムパニー』さんの
    《サロン ド セツコ ショコラの調べ(早春)》は、
    おお!美味しい~!
    「りんごッ!」
    「ぐる!」(←訳:梅も!)
   
    「ぱくりィ!」
    「がるぅぐるぅ!」(←訳:むしゃむしゃ!)
    免疫力を高めるためには、
    栄養を摂らなくちゃ!
    しっかり食べて眠って、
    身体をいたわりながら、
    どうか皆さま、穏やかな休日を♫
    

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ほっぺた、ほくほく♪

2020-02-28 22:34:22 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ここがァ、ふんばりィ~どころッ?」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!たぶんそうだよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 日本全国から新型肺炎流行に係わる
 様々な出来事が伝えられてきて、
 しょんぼり、どんよりしてしまう今日ですが……
 こんな時こそ!
 ぷふふ♪と笑って免疫力を向上させるべく、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
      ―― 音楽家の食卓 ――



 著者は野田浩資(のだ・ひろし)さん、
 2020年1月に発行されました。
 『バッハ、ベートーヴェン、ブラームス…
 11人のクラシック作曲家ゆかりのレシピとエピソード』
 と副題が付されています。

「ふゥ~むゥ! げいじゅつかァたるものォ~…」
「ぐるるがるるる~♫」(←訳:美食家だよねえ~♫)

 音楽の歴史に名を刻む
 偉大なマエストロさんたち。
 
 この御本で取り上げられているのは、
 収録順に、

  ヨハン・セバスティアン・バッハさん(1685~1750)

  フランツ・ヨーゼフ・ハイドンさん(1732~1809)

  ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトさん(1756~1791)

  ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンさん(1770~1827)

  フランツ・ペーター・シューベルトさん(1797~1828)

  フェリクス・メンデルスゾーン・バルトルディさん(1809~1847)

  フレデリック・フランソワ・ショパンさん(1810~1849)

  ロベルト・シューマンさん(1810~1856)

  フランツ・リストさん(1811~1886)

  リヒャルト・ワーグナーさん(1813~1883)

  ヨハネス・ブラームスさん(1833~1897)

 と、18~19世紀にかけて活躍した11人の作曲家さんです。

 どの御方も、宮廷に出入りし、
 王立劇場で指揮棒を振り、
 富豪のパトロンがいたり、
 貴族の庇護を受けたり、
 ふところ具合はたいそう良いに違いないと
 思ってしまう巨匠さんたちですのに……?

「おなかァ、すいていましたでス!」
「がるぐるるるる!」(←訳:特に少年時代は!)

 裕福なお家に生まれ、
 朝夕の食事にまったく不自由しなかったのは、
 メンデルスゾーンさんくらい?

 若き日のハイドンさんは、
 副楽長の職を得た侯爵家の晩餐会で、
 見たこともない料理の数々に驚かされた、と
 著者・野田さんは描写しています。

 晩餐会の余り物のお料理をいただけるかしら?と
 演奏中にこっそり期待しちゃったり♫

「でもォ、それにはァ~」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:ワケがあるんです!)

 当時は音楽家の社会的地位が低かった……
 貴族のお屋敷で演奏しても、
 たくさんのお給金が貰えるとは限らない…… 
 
 けれど、新しい食文化が欧州に広がり、
 食卓は変わり始めて……?

「おいしィ~おりょうりィ!」
「がるるるるぐるる!」(←訳:我が家にも来たよ!)

 材料は質素&素朴でも、
 お母さんの作った特製スープや、
 生まれ故郷の伝統の味は、
 異国で頑張る巨匠さんたちの日々を彩り、
 心の支えにもなりました。

 バッハさんを救ったニシン。

 ベートーヴェンさんが貧しい時代に食べたジャガイモのタルト。

 ショパンさんの幼少時からの好物は、
 バルシチというビーツのスープ。

 モーツァルトさんが旅先のミラノで食べたのは、
 ミラノ風のカツレツ……。

「おもいでのォ、ひとさらァでスねェ~…」
「ぐるるるがるるるるる~!」(←訳:お相伴にあずかりたい~!)

 ただひとつ、
 “美食王”として名高いロッシーニさんについて
 言及されているページが少ししかないのが、
 ちょっと残念ではあります。
 音楽家さん同士のグルメ談義なんて、
 めちゃくちゃ面白そうじゃない?
 聞いてみたいわぁ♪

「わいんにィ、ぱんッ! でざーとォ!」
「がるるぐる!」(←訳:御馳走三昧!)

 気難しいアーティストさんさえ
 ほわ~んと頬をゆるめる、
 あの味、この味。

 豊富なカラー図版には
 お料理のレシピも添えられています。
 音楽好きな方々、
 お料理好きな方々も、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪


 
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~ 語れ、こころのはてを ~

2020-02-27 22:42:52 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぱふゥ! きょうはァ、おひさしぶりのォ~」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!怖さ炸裂!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、ここのことろ、
 アート本やノンフィクション作品、
 短編集の御紹介が続いておりましたけれども、
 本日の読書タイムは久々に、
 ずっしり厚い長編小説作品の登場ですよ♪
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  


 
      ―― 黒武御神火御殿 ――



 著者は宮部みゆきさん、2019年12月に発行されました。
 『黒武御神火御殿』と書いて
 『くろたけごじんかごてん』と読むこの御本は、
 《三島屋変調百物語》シリーズの最新巻となる
 《六之続》です。

「ちょッぴりィ、さみしィ~…」
「ぐるがるるるる……」(←訳:もういないんだ……)

 袋物のお店としては
 江戸の市中で評判も業績も群を抜く、
 神田三島町の三島屋(みしまや)さん。

 その三島屋さんの『黒白の間』で行われる
 百物語の舞台から、
 “聞き手”のおちかさんが
 めでたくも退場したのは、
 前巻『あやかし草紙』でのことでした。

「ことぶきィ~だッたのでスゥ!」
「がっるーぐぅるぅるる!」(←訳:ハッピーウェディング!)

 おちかさんは
 貸本屋さんの若主人さんと祝言を上げ、
 『白黒の間』は空っぽに……なるところを、
 後を継いで百物語の聞き手になったのは、
 三島屋さんの次男坊、
 富次郎(とみじろう)さん。

 前巻までは、
 従姉妹のおちかさんと一緒に
 聞き手をつとめていましたが……。

「ひとりッてェ~…」
「ぐるるるがるぐるるる~…」(←訳:怖くないとは言えない~…)

 見も知らぬ客人さんから、
 想像したこともないような
 恐ろしい話を聞く。

 語って語り捨て、
 聞いて聞き捨て、が
 三島屋さんの百物語の身上ではあるものの、
 考えてみれば、穏やかならぬ状況です。

 たったひとりで、聞く。
 
 いえ、控えの間には
 守り役のお勝さんが、
 富次郎さんを気遣い、
 聞き耳を立ててくれているのだとしてもね、
 富次郎さん自身もドキドキしています。

「そわそわッ!」
「がるるる!」(←訳:はらはら!)

 でも、幸か不幸か。

 『黒白の間』を訪うた人物とは。

「はッちゃんッ!」
「ぐるぅる!」(←訳:富ちゃん!)

 かつて、同じ手習所に通っていた
 豆腐屋さんの息子さん。
 《豆源(まめげん)》という、
 美味しいお豆腐屋さんの
 八太郎(はちたろう)さんが、
 富次郎さんの前に座っていたのでした。

 元気そうで何よりだ、久しぶりだねえ、と
 昔話に花が咲き、
 お茶菓子を頬張るふたり。

 が、お喋りを愉しみながらも、
 富次郎さん、気が付いてしまうのです。

 そう、はっちゃんは無駄話をするために
 ここに来たんじゃないんだ。

 はっちゃんは、
 抱えている。

 ゾッと鳥肌が立つような、
 恐ろしい物語を……。

「きッ、きかないィわけにはァ~…」
「がるるるぐる!」(←訳:行かないよね!)

 第一話『泣きぼくろ』
 第二話『姑の墓』
 第三話『同行二人』
 そして表題作品である
 第四話『黒武御神火御殿』
 
 と、身の毛もよだつ4つの怖い話の連打を浴びて、
 聞き手になって間もない富次郎さん、
 耐えられるんでしょうか。

「おちついてェ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:深呼吸しよう!)

 富次郎さんが
 まさに歩みを進めようとしているのは
 恐怖と痛苦の魔境なのか、
 ひとの世の
 哀しい涙の海なのか。

 お江戸百物語のミステリアスな世界へ、
 皆さまも、ぜひ♪

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~ ちっちゃくて、あたたかくて ~

2020-02-26 22:50:53 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あうゥ~…さみしィ~のでス~…」
「がるる!ぐるるがる~…」(←訳:虎です!つらいよね~…)

 こんにちは、ネーさです。
 新型肺炎感染拡大を防ぐため、
 コンサート、スポーツ、繁華街での催しなど、
 イベント中止の動きが顕著になってきました。
 このような次節に……と迷ったのですが、
 本日は敢えて!
 読書をサボり、こちらの展覧会情報を、
 さあ、どうぞ~!

  


 
     ―― 画家が見たこども展 ――



 東京・千代田区丸の内の三菱一号館美術館にて、
 会期は2020年2月15日~6月7日
 (月曜休館、ただし祝休日の場合、開館記念日の4/6、
 会期最終週の6/1と、トークフリーデーの3/30、4/27、5/25は開館)、
 『ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン』
 と副題が付されています。

「ひゃほゥ! ほッぺたァ、まるまるゥ~♪」
「ぐぅるるる~!」(←訳:きゃわゆい~!)

  

 19世紀末パリの前衛芸術家グループ
 《ナビ派》。

 この展覧会では、
 ナビ派&ナビ派に近しい画家さんたちが描いた
 《こども》をテーマとする絵画に焦点を当て、
 ボナールさん、ヴァロットンさん、
 ドニさん、ヴュイヤールさんたちの作品を中心に、
 約100点の、油彩、版画、
 素描、挿絵本、写真などが紹介されます。

  

「きねんのォ~てんらんかいィでス!」
「がるるぐるる!」(←訳:祝開館10周年!)

 丸の内界隈でも一際印象的な、
 レトロな赤レンガ建築の
 三菱一号館美術館。

 開館10周年記念となる特別展へ、
 アート好きな方々はぜひ!

 ……と、おすすめしたいのは山々なれど、
 新型肺炎に感染しないためには、
 ここ数週間は外出はできるだけ控えるよう、
 各所でアナウンスされていますね。

 幸いにも、会期は6月の7日までと、
 長めに設定されていますから――

「あらしがァ、すぎさッたらァ~」
「ぐるるるがるるるるるる!」(←訳:美術館へお出掛けしてね!)



    では、ここでオマケ画像を、はいっ!
   
    『不二家』さんの
    《ソースを味わうLOOK 絶妙キャラメル》は、
    「きゃッほうゥ~♪」
    「がるる~る♫」(←訳:美味し~い♫)
    何気なくコンビニで買ったんですけど、
    期待を大きく上回る美味しさでした。
    キャラメル味のお菓子が好きな方々に
    激おすすめですよ~!


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― このために、ガンバっちゃう? ―

2020-02-25 22:02:13 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 くんッ? くんくんくんくんッ!」
「がるる!ぐるがるるぐるる~!」(←訳:虎です!いい香りがするよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 交通量の多い国道沿いの歩道で、
 ふんわりと流れてくる香りの源は……と探せば、
 おお! ロウバイ(蠟梅)がこんなところに!
 しばし花香る夢の世界にトリップしながら、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  



   ―― 伊藤まさこの 買いものバンザイ! ――



 著者は伊藤まさこさん、2019年8月に発行されました。
 ああ、お買いもの!
 これもまた、ひとつの夢の世界と申せましょう♫

「ふァいッ! はちみつゥ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:いいねハチミツ!)

 美味しいもの、
 オシャレですてきな衣服、
 かわいい食器や雑貨。
 そういったものに鼻が利き、目も利くのは、
 人気スタイリストの、伊藤まさこさん。

 この御本では、
 
 《こだわりなくして
  スタイリストはやってられない仕事でもある》

 と言う伊藤さんの、
 “買いもの論”と“買いもののコツ“が紹介され、
 “買いものにまつわるエッセイ”も収録されています。

「ひとはァ、なぜェ~…」
「がるるるるぐるるる?」(←訳:買いものをするのか?)

 買いものの仕方は、人それぞれ。
 本文16ページの、
 『買いものDNA?
  父、ワニを買う。』
 というエッセイは、
 著者・伊藤さんのお父様の思い出を綴った文章です。

 そう、『飼う』ではなく『買う』。
 
 伊藤さんのお父様の買いものっぷりは、
 強引で、豪快で。
 洗濯機やテレビがまだ珍しかった頃、
 ささっと買い入れて、
 プロポーズの言葉代わりにしちゃう。
 土地を買ったときも、
 あっけらかんと事後報告。

 あげくに、或る日、ワニを買ってきちゃった!
 それも、2匹も!

「わわッ! ちいさいィけどォ~!」
「ぐるるる~!」(←訳:生きてる~!)

 伊藤さんが生まれる前のお話、だそうですが、
 うふふふっ、見てみたいものですねえ。
 爬虫類マニアでもない一般家庭に、
 ひょっこりと現れる小ワニたち……。

 そうして、
 お父様の血をしっかりと受け継いでいる伊藤さん、
 ↓こんな信念を抱いてお買いものに臨みます。

 《旅の出会いは一期一会。
  重さなんかにゃ負けられない。》

 《市場で買う。》

 《30年ぶりに買う。》

 《失敗を恐れずに買う。》

 《通販でついポチリと買う。》

 《街を買い尽くす。》などなど。

「えェッ? まちィをォ??」
「ががるぐるぅ?」(←訳:ムリでしょ?)

 ご安心あれ、
 街を買うっていうのはね、
 《中華街&元町90分勝負!》
 《台湾、雑貨と食材満腹旅》という
 お買いものミッション企画なんです。

 これは分かるわぁ♪
 ちょうどいま(2020年2月25日現在)、
 『元町チャーミングセール』をやってるのよね。
 楽しいのよ、チャーミングセールって。
 元町エリアのお店が、
 一斉に大セール! お買い得品がいっぱい!

「ふァ~…」(←呆れています)
「ぐる~…」(←同じく呆れています)

 世にあふれる、
 たくさんの《モノ》たち。

 その中から、
 何を、
 どんな思いで、
 どうやって、
 我が家に連れて帰ってくるのかを、
 伊藤さんは語ります。

 中でも、
 活字マニアの皆さまにグッと来るのは、
 街を買い尽くすミッション③の、
 《神保町、古本屋巡りとおいしいもの》
 のページで間違いないでしょう。

 仕事の打ち合わせのために
 出版社を訪れた伊藤さんが、
 その後に必ず寄るのは
 神保町の古書店街。
 古書、新刊、ランチの名店に喫茶店……
 
「あるあるゥ!」
「がーるるるるーるる!」(←訳:ゴールデンルートだ!)

 ずっと欲しかったもの。
 やっと手に入れたもの。
 これから手に入れるために
 ガンバってお金をためていたり、
 探していたり。

 お買いものの楽しみ方とともに、
 自分にとって大事なモノ、
 自分なりの買いものの工夫や信念とは何だろうか、と
 考えさせてくれる一冊を、
 皆さま、ぜひ♪


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もしかしたら……実は?

2020-02-24 22:24:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 やぱりィ、つよいィ~のでス!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!首位はパナ!)

 こんにちは、ネーさです。
 トップリーグは第6節を終了して、
 首位はパナソニック ワイルドナイツ!
 続いて神戸製鋼、ヤマハ、サントリー……という順位です。
 次節にジャイアントキリングはあるかしら?
 なぁんて想像を巡らせながら、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらのミステリ作品を、どうぞ~♪

  


 
      ―― 文豪たちの怪しい宴 ――



 著者は鯨統一郎(くじら・とういちろう)さん、
 2019年12月に発行されました。
 『MYSTERIOUS FEAST OF GREAT WRITERS』
 と英語題名が付されています。

「みなさまァ、ようこそォ~!」
「ぐるーるるーる!」(←訳:スリーバレーへ!)

 港区は元赤坂、
 仙台坂を上ったあたりに
 ひっそりと店を構えているのは、
 イタリアン・レストラン《AVANTI》……
 
 おっと、いけません、間違えちゃいましたわ。
 《AVANTI(アヴァンティ)》は
 伝説のラジオ番組に登場するウェイティング・バーでした。

 対して、この御本の舞台となるのは、
 文京区の、とある地下鉄駅へ向かう道すがらの、
 雑居ビル地階の――

 《スリー・バレー》。

「ふふんッ! ばかにィしゃちゃだめェでスよゥ!」
「がるぐるるる!」(←訳:腕は確かです!)

 曽根原尚貴(そねはら・なおき)さんは、
 帝王大学文学部の教授にして、
 日本文学研究会の重鎮でもあります。

 ちょうど先ほど、
 夏目漱石さんの『こころ』に関するシンポジウムを終え、
 祝杯をあげたい気分で
 地下鉄駅へと歩いていた曽根原さん。

 その目に、ふと留まったのがバー
 《スリー・バレー》
 の看板でした。

「なにはァともあれェ~」
「ぐるる!」(←訳:ご注文を!)

 マルガリータを、と注文してから、
 曽根原さんはハッとします。

 女性のバーテンダーさんは美人だが……大丈夫だろうか。
 マルガリータは、
 高い技術と手際の良さも必要なカクテルだ。
 若いバーテンダーに作れるのかなぁ……?

 ところが、
 ミサキと名乗ったバーテンダーさんのマルガリータは
 意外な美味しさ♪

 であるだけでなく。

「ぶんがくゥろんッ!」
「がるるるるるる~!」(←訳:始まりましたよ~!)

 美味しいカクテルでリラックスした
 曽根原さん、
 気付けば、巻き込まれているのです。

  第一話『夏目漱石 ~こころもよう~』
  第二話『太宰治 ~なぜかメロス~』
  第三話『宮沢賢治 ~銀河鉄道の国から~』
  第四話『芥川龍之介 ~藪の中へ~』

 という、名作文学をめぐる論争に。

「どれもォ、ゆうめいィでスねッ!」
「ぐるるがるぐっるるる!」(←訳:教科書にも載ってるし!)

 4つの名作文学。
 その深みを――表層に惑わされず、
 物語の奥底を覗けば、
 《謎》が見えてくる。

 『こころ』『走れメロス』
 『銀河鉄道の夜』『藪の中』に、
 曽根原さんも驚愕する《真相》が?

「ふッふッふッ……てがかりィはァ~…」
「がるぐるがる!」(←訳:すぐそこに!)

 私ネーさのおすすめは、
 第四話の『芥川龍之介 ~藪の中へ~』。

 そもそも『藪の中』は
 ミステリであると言える作品です。
 原作小説、また黒澤明さん監督による映画の作中でも、
 “いったい誰が犯人なのか“
 が突き詰められてゆく訳ですが、
 曽根原さんとミサキさんたちは、
 藪の奥へ、さらに奥へと、
 論議を進めてゆき……

 そのはてに、
 見出した“犯人”とは。

「しィ~ッ!」
「ぐるがるる!」(←訳:秘密ヒミツ!)

 え? こういう解釈はどうなの?
 そんな観方もアリ?
 いや、もしかしたら……もしかしたら……?
 
 というような疑心暗鬼を楽しめるのは、
 名作文学をきちんと読みこなしている
 活字マニアさんの特権、でしょうか。
 機智も仕掛けも笑いも盛り込まれた力作を、
 古典好きな方々、
 ミステリマニアさんも、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
  
 
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~ 砂漠にの星に見る夢は ~

2020-02-23 22:44:09 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♫るるゥ~♪さいたァ~♫さいたァ~♪」
「がるる!ぐるるるがるるる!」(←訳:虎です!スミレが咲いたよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 サクラでもなくチューリップでもなく、
 ジャングルな我が家の庭に
 薄紫色のスミレが咲きました♪
 確かな春の足音を聴きながら、
 本日の読書タイムは、
 こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~!

  


 
       ―― 火星の旅人 ――



 著者は入江哲朗(いりえ・てつろう)さん、
 2020年1月に発行されました。
 『パーシヴァル・ローエルと世紀転換期アメリカ思想史』
 と副題が付されています。

 さあ、テディちゃ、虎くん、
 ここでちょっと、振りかぶってみてちょうだいな。

「ふァ?……ええとォ……こうゥ?」(←投球ポーズしてます)
「ぐるる~?」(←こちらも投球ポーズ中)

 はい、では思いっきり投げて!

「えいやッ!」
「がるっ!」(←訳:とうっ!)

 と、はるか彼方に投擲したものは、
 いったい何でしょう?
 単なる空気の塊り?
 手近にあったオモチャのボールやヌイグルミ?
 どちらにせよ、
 “大したもの”ではない、のは間違いありませんよね。

 しかし、
 1883年の春、
 パーシヴァル・ローエルさんが放り投げたのは、
 冗談ではなく、
 “大したもの”だったのでした。

 それは、
 《家督(かとく)》。

「ふあァ??」
「ぐるぅ?」(←訳:家督ぅ?)

 パーシヴァル・ローエル(Percival Lowel)lさん――
 1855年生まれ、1916年没。
 その生家は、米国でも指折りの名家であり、
 ボストンきっての資産家でありました。
 
 ローエル家の長男であるパーシヴァルさんは、
 ハーヴァード大学を優秀な成績で卒業した後、
 当時の上流階級の子弟には恒例の
 欧州旅行に出発、
 帰国してからは
 祖父と父の事業を立派に手伝い、
 周囲の者は皆パーシヴァルさんが
 家督を継ぐものと思っていたのですが。

 パーシヴァルさん、
 サンフランシスコを発つ船に乗り込んでしまいます。

 そして、1883年5月25日、
 パーシヴァルさんを乗せた英国船コプティック号は、
 日本の、横浜港に到着!

「えッ? にほんッ??」
「がるる!!」(←訳:横浜に!!)

 富豪の跡取り息子の座を捨て、
 ジャパノロジスト(日本研究家)に。

 『朝鮮(チョソン)』『極東の魂』
 『能登――人に知られぬ日本の辺境』
 『神秘の日本』と著作を発表し、
 岡倉天心さんや
 ラフカディオ・ハーンさんたちとも交流を持ち、
 押しも押されぬ極東文化研究の第一人者の地位を
 築きつつあったところで。

 またしても、
 振りかぶり?!?

「ひゃあッ!」
「ぐるるぅっる!」(←訳:投げちゃった!)

 頭上に広がるのは、
 満点の星々……
 そう、ここはボストンではなく、
 日本でもなく、
 米国西部の、アリゾナ州。

 街の灯りに悩まされることもない砂漠の真ん中、
 乾いた空気は、
 天体観測に最高の土地柄でしょ?

「こんどはァ、てんもんがくゥ??」
「がるるるぐる!」(←訳:なんたる飛躍!)

 ローウェル天文台の創設者 
 パーシヴァル・ローエルさん。

 御本冒頭の『はじめに』によれば、
 著者・入江さんはそもそも
 パーシヴァル・ローエルさんの伝記を書こうとは
 考えていなかったそうです。

 けれども、ローエル家について調べるうち、
 パーシヴァルさんの生涯の“おもしろさ”に魅せられ、
 ローエル一族の興隆を背景とした
 パーシヴァルさんの人生を追う評伝作品が
 完成に到ったのでした。

 天文学好きな方々はきっと御存知の
 パーシヴァルさんの人生は、
 実は、アリゾナの大地に立って以降が山場!
 と言えるワケで――

「これからがァ、たいへんッ!」
「ぐるる??」(←訳:天文台は??)
「どうなるのォ~?」

 巨額の資金を注ぐ天文台建設は、成功するのか?
 パーシヴァルさんの天体観測と研究が
 19世紀後半~20世紀の社会に与えた
 少なからぬ影響とは?
 
 近代日本史マニアさんに、
 米国史研究家さんに、
 それにもちろんSF好きな方々にも
 ぜひ手に取っていただきたい力作ノンフィクション、
 書店さんで、図書館で、
 探してみてくださいね~♪
 

 
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~ 時を超える、ガラスの魔術 ~

2020-02-22 22:38:56 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あわわッ! まッ、まつしげェさんがッ!」
「がるる!ぐるるるるがる!」(←訳:虎です!松重さんが猫に!)

 こんにちは、ネーさです。
 2月22日《ネコの日》に飛び込んできたのは、
 俳優・松重豊さんがミニドラマ『きょうの猫村さん』で
 猫村さんを演じるという驚愕のニュース!
 ……長身の松重さんが白い家政婦ニャンコさん、って……
 いやもう、4月からの放送をただ待ちわびながら、
 さあ、本日は読書をサボり、
 こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  



      ―― ルネ・ラリック ――



 東京・港区白金台の東京都庭園美術館にて、
 会期は2020年2月1日~4月7日
 (第2と第4水曜日の2/12、2/26、3/11、3/25は休館)、
 『RENÉ LALIQUE MODERNITY AND ELEGANCE』と英語題名が、
 『アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美』と
 日本語副題が付されています。

「うむッ! ぴッたりィ、なのでス!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:この場所がね!)

  

 東京都庭園美術館の中核をなすアール・デコ建築――
 旧朝香宮邸本館。

 その正面玄関で淡い光を湛えているのは、
 ルネ・ラリックさん(1860~1945)による
 ガラスレリーフ扉です。

「ほかにもォ、ありまスゥ!」
「がるっるるるるぐる!」(←訳:ラリックさんの作品!)

 この展覧会では、
 世界有数のガラス・コレクションを有する
 北澤美術館所蔵のルネ・ラリックさんの作品より
 アール・デコの時代を代表する名品約200点と、
 朝香宮家が旧蔵していたラリックさんの作品、
 昭和天皇が皇太子時代に
 外遊の記念にパリから持ち帰った花瓶なども
 展示されていますよ。
 
  

「ちいさなァさくひんもォ、おおきなァさくひんもォ~」
「ぐるるがるるぐるる~!」(←訳:みんなステキすぎる~!)

 日本に於けるラリックさんの“城”とも言える
 美しいアール・デコ建築の館へ、
 アート好きな皆さま、ぜひ♪


 なお、残念なことに
 新型肺炎流行を考慮して、
 各地の美術館では
 ギャラリーガイドや講演会などの
 イベントを中止することも多くなってきました。
 各施設の予定変更については
 お出掛け前に
 美術館・博物館のHPを参照してくださいね。
  


   ではここで、美味し~いオマケ画像も……じゃじゃん!
   
    これは、ベルギーのショコラティエ
   『デルレイ』さんの……
   
   「だいやもんどォ~!」
   「がぅる~♪」(←訳:ひゃあ~♪)
   画像向かって左側の
   《ピンク・ダイアモンド》は
   『デルレイ』さんの看板商品!
   美味なるスイーツをエネルギーの源に、
   どうか皆さま、
   穏やかな連休を過ごされますよう……



   
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― その視点と、その素顔を ―

2020-02-21 22:48:08 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あしたはァ、にゃにゃァ~んッ!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!ネコの日だよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 2がずらりと並ぶ明日2月22日は、
 いうまでもなく猫の日!
 日本中のニャンコたちが
 お刺身やら鰹節やら美味しいモノに恵まれますように……
 と祈りながらの読書タイムは、
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  


 
      ―― ものは言いよう ――



 著者はヨシタケシンスケさん、
 編者はMOE編集部の皆さん、2019年12月に発行されました。
 月刊『MOE』2017年3月号、4月号、6月号、7月号、9月号、
 2018年1月号、2月号、9月号、12月号、
 2019年2月号に掲載された記事をもとに
 新たに取材・構成して出来上がったこの御本は――

「どのォぺーじィにもォ!」
「ぐるるるるるるがるるるる!」(←訳:ヨシタケさんがころころん!)

 ヨシタケシンスケさんの絵本デビュー作品は
 2013年4月に刊行された
 『りんごかもしれない』。

 これがベストセラーとなって、
 一気にブレイク!

 続く、
 『ぼくのニセモノをつくるには』
 『りゆうがあります』『ふまんがあります』
 『もう ぬげない』
 『このあと どうしちゃおう』
 『なつみはなんにでもなれる』
 他の作品も大人気!

「ふァいッ! おもしろかッたでスゥ!」
「がるるぐるる~!」(←訳:どれも楽しい~!)

 いまや日本絵本界のトップランナーである
 ヨシタケシンスケさん。

 私ネーさとしては、
 ヨシタケさんの作品は絵本よりも
 アートブックに近いのではないかと
 考えているのですけれど、
 『MOE』編集部さんとタッグを組んで著したこの
 『ものは言いよう』は、
 “作り手”ヨシタケさんの創作の現場が語られる
 一種のドキュメンタリー作品でしょうか。

「よしたけさんにィ、しつもんッ!」
「ぐるるるがるるるるる!」(←訳:いろいろ訊いてみよう!)

 『まるごとヨシタケシンスケ』の章では、
 生年月日や出身地、
 一日のスケジュールは?などの質問に、
 ヨシタケさんが答えてゆきます。

 その中の、
 座右の銘や好きな言葉は?
 という問いへの答えが、

 《ものは言いよう》

 なんですね。

「くふふッ♫」
「がるるっ♪」

 そう聞いて、
 『りんごかもしれない』を読んだ方々は、
 なるほどなぁ~と頷いているかもしれません。
 
 ものは言いよう。
 観方次第で、物事は大きく変わる。
 視点をちょっと変えただけで、
 驚きに満ちた新世界が誕生する……!

 そんな新世界――絵本が生まれるきっかけとなるのは、
 ヨシタケさんが日々持ち歩いている手帳に描いた
 小さなスケッチたち。

「ちッちゃいィ~!」
「ぐるがるぐるる!」(←訳:でも雄弁なんだ!)

 ヨシタケさんへのインタビュー、
 主要な作品の紹介、
 ボローニャへの初海外旅行記や
 チビッ子時代のお写真、
 絵本作家になってよかったことなど、
 作家・ヨシタケシンスケさんの素の顔が
 明るみに出されちゃっている中で、
 私ネーさが最も印象深かったのは。

 《かこさとし
  C・V・オールズバーグ作品へのオマージュ》
 と題されたページです。

 かこさとしさん作『からすのパンやさん』の
 たくさんのパンの見開きを想い、
 ヨシタケさんが記した言葉は、
 
   《あのいろいろなパンを毎日頭の中で食べて、
    僕は大きくなったのです》。

「それはァ、きッとォ!」
「がるるるるぐる!」(←訳:いちばんの宝物!)

 一生の宝物となる
 “なにか”とは……?

 絵本好きな方々に、
 かつてチビッ子だったすべての活字マニアさんに
 おすすめしたい
 或る絵本作家さんの半生記&お仕事の記録です。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね♪
 
 
 
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~ アンコール!の拍手とともに ~

2020-02-20 23:12:13 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むむふゥ! まさかのォ、ちょうゥしんせいィ??」
「がるる!ぐるがるぅ~…」(←訳:虎です!心配だなぁ~…)

 こんにちは、ネーさです。
 最近、天文学のニュースで頻りと目にするのは、
 オリオン座のベテルギウスがどんどん暗くなっている、
 という世界各地からの報告……
 かつでのカニ座のように、
 ベテルギウスは超新星になってしまうんでしょうか?
 雲に覆われた夜空を見上げながら、
 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
     ―― 銀の匙 Silver Spoon 15 ――



 著者は荒川弘(あらかわ・ひろむ)さん、
 2020年2月に発行されました。
 北海道の大地に高校生たちの歓喜がハジケる
 《酪農青春グラフィティ》シリーズ完結の15巻です。

「はちけんくゥ~んッ!」
「ぐるるがる~!」(←訳:寂しいよう~!)

 思えば、
 長かったような、短かったような……。

 あの《鋼の錬金術師》著者の荒川さんが、
 魔法陣もバトルも出てこない
 現代日本の高校生たちをマンガ化する?
 しかも、
 その学校というのが、
 フツーの高校じゃなく……

「のうぎょうゥでス!」
「がるぐる!」(←訳:酪農です!)

 大蝦夷農業高校、通称は《エゾノー》。

 物語の第1巻は春――
 主人公・八軒勇吾(はちけん・ゆうご)くんが、
 《エゾノー》に入学する春から始まりました。

 いえ、始まりはもっと以前から、だったのでしょうか。

 札幌の進学校でバリバリ勉強していた八軒くん、
 アタマの良い子ばかりが集う高校に入学して、
 いずれはもちろん最高学府中の最高学府たる
 東京のあの大学へ……と
 エリート路線を疾走する予定でしたけれど。

 止めました。

 エリート路線から、
 道をはずれて、迷って、見失って、
 気付けば、いつしか目の前には……白い雪の原が?

「そここそォ!」
「ぐるるがる!」(←訳:蝦夷農だよ!)

 農作も酪農も知らない町の子が、
 農業高校にいきなり飛び込んじゃって右往左往。
 けれども、そこには先生も先輩も同級生も、
 つまりは“酪農仲間”がおりました。
 
 彼らとともに、
 牛さんの出産に立ち会い、
 子豚さんを育て、
 チーズを作って、
 馬小屋の掃除をする。

 そこにはもう、
 迷走はありません。

「ふッきんッ、われましたでスゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:腕にも筋肉!)

 学年が進むにつれ、
 寮生活からアパート暮らしへ。
 鞍の付け方も分からぬ新入りから
 馬術部の副部長へ。
 そして、
 なんと起業まで??

「ぼうけんッでスねェ~♫」
「ぐぅるるるぅーがるる!」(←訳:チャレンジャーだねえ!)

 この15巻では、
 起業した会社の運営のため、
 予定にはなかった大学受験に挑む八軒くんのアタフタぶり、
 エゾノーの同級生さんたちが歩むそれぞれの道……と、
 3年間の高校生活の集大成が描かれます。
 加えて、
 八軒くんのお父さんがほぼ準主役に昇格して、
 物語を大いに掻き回してくれますよ♪

「もしかしたらァ、ちかいィうちにィ~…?」
「がるるるるぐるるがるるる?」(←訳:お父さんも酪農に本格参入?)

 正直申しまして、
 ああ終わってほしくない!
 まだまだエゾノーのお話を読みたい!
 と思っていたので、
 こうして15巻を手にしていることは、
 寂しくもあり、
 喪失感さえ覚えてしまいます。

 が、少年から青年へと
 ステップアップしてゆくエゾノーボーイズ&ガールズたちに
 万雷の拍手を贈りたくなる最終巻、
 ファンの皆さまは、ぜひ、一読を♫

「はちけんくんッ、またァいつかァ!」
「ぐるるがるるぅる~!」(←訳:お会いしましょう~!)
 
 
  
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