「こんにちわッ、テディちゃでス!
きねんのォ、ろくじゅうゥしゅうねんッ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!まだまだ走るよ!)
こんにちは、ネーさです。
1964年の10月1日、東海道新幹線が開業しました。
これまでのべ約70億人の乗客さんを運んできた
新幹線くんの60周年を祝しつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 金庫破りときどきスパイ ――
著者はアシュリー・ウィーヴァ―さん、
原著は2021年に、画像の日本語版は2023年4月に発行されました。
英語原題は『A PECULIAR COMBINATION』、
第二次世界大戦下のロンドンを舞台とする
スパイ ミステリ作品ですよ。
「むぐゥ! それはァ、たいへんッ!」
「ぐるがるぐるるるぅ!」(←訳:すぐ避難しなくちゃ!)
慌てないでくださいな。
『ザ・ブリッツ(the Blitz / ブリッツとは稲妻の意)』と呼ばれる
ドイツ軍による『ロンドン大空襲』が行われたのは、
1940年9月7日から1941年5月10日まで。
この物語が始まるのは、
1940年8月ですから、
ロンドン上空に爆撃機の機影はありません。
とはいえ、緊迫の度合いは分かりますよね。
その頃、既にフランスは占領されていて、
ヒトラーはイギリス上陸作戦を決行するのでは、と
英国市民さんたちは噂していました。
「まちはァ、けいかいィちゅうゥ!」
「がるぐるる!」(←訳:窓を塞ごう!)
灯火管制が敷かれた街は暗く、
通りはひっそりしています。
けれど、暗闇をものともせず、
するすると動いてゆく影が、ふたつ。
影たちは、
大きな屋敷に忍びこみ、
壁の絵画をちょいっと動かして……。
「あッ!」
「ぐるる!」(←訳:金庫だ!)
そう、影の正体は、金庫破り。
表の顔は錠前師、
裏の顔は金庫破り、というミックさんと、
姪っ子の、エリーさん。
きっちり”仕事“をやってのけた
ミックさんとエリーさんは、
予定通り豪勢な宝石をいただいて、
よし引き上げよう!となった瞬間。
「だれかァ、いるゥ!」
「がるるる!」(←訳:囲まれた!)
ああ、ミックさんとエリーさん、
捕まってしまいました。
車に乗せられ、
警察署に連行されて
ブタ箱に放り込まれ……おや?
ここは、警察署、でしょうか……?
「ちがうゥみたいィでス!」
「ぐるがるる~…?」(←訳:だとすると~…?)
エリーさんは沈黙を保ちつつ、
観察し、推考します。
わたしたちを捕まえたのが警察ではないのなら、
彼らの素性は、目的は。
はい、これより先は、
ネタバレを回避するため
お喋り禁止!なのですが、
体力と気力の限界に挑戦しちゃうのか?な
スリル&サスペンス合戦が開幕しますよ。
金庫破りのエリーさんと、
空襲前夜のロンドンの運命を載せた
女神さまの秤は
どちらに傾くのか――
エンタ心あふれる快作を、
皆さま、ぜひ~♪