「こんにちわッ、テディちゃでス!
はぴィはろゥ~!」
「がるる!ぐるぅがるる~!」(←訳:虎です!ハピィハロウ~!)
こんにちは、ネーさです。
ハッピーハロウィーン!
待ちに待ったハロウィーン当日の読書タイムの主役は、
魔女さん? 黒猫ちゃん? オバケ型のお菓子?
いえいえ、思いっきり天邪鬼に、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 白の服飾史 ――
著者はニーナ・エドワーズさん、
原著は2023年に、日本語版は2023年8月に発行されました。
英語原題は『PAZAZZ The Impact and Resonance of White Clothing』、
『人はなぜ《白》を着るのか』と日本語副題が付されています。
「まッしろォ??」
「ぐっるがぅるる?」(←訳:真っ黒じゃなく?)
ハロウィーンの街に湧きいずるのは、
黒いドレスのチビ魔女ちゃんや黒ニャンコたち。
あ、私ネーさが見かけたベストな仮装は
グリフィンドールのガウンとマフラーの女の子でしたけど、
やはり、黒をベースにした装いでした。
そんなパワフルカラー《黒》と対極にあるのが、
《白》。
「さわやかァ、なのでスゥ!」
「がるるるぐる~!」(←訳:清々しいよね~!)
人はなぜ《白》を着るのか。
実際には、衣服の《白》は少々厄介な色です。
さわやかで、清々しくて、可愛くて、上品ではあるけれど、
とにかくもう、すぐ汚れてしまって、
染みやシワも目立ちますから、
こまめにクリーニングが不可欠、という“贅沢な色“であるのに、
それでもなお、なぜ《白》を着るのか。
その疑問へ、著者・エドワーズさんは
御本冒頭の『序』で↓こう答えています。
古来、白はつねに好ましい色だった。
ずばり、印象的な色だから。
「いんしょうてきィ?」
「ぐるるるる~!」(←訳:なるほどね~!)
美しくも清冽な印象を観る者に与える、ドレスの《白》。
それでいて《白》は、
働く者の色でもありました。
科学者さん、医師さん、看護師さん、料理人さんや
パン職人さん、ペンキ職人さんたちの仕事着も《白》。
エドワーズさんは、
古代の神々がまとった《白》から、
聖職者の《白》、制服の《白》、
ヴェールや手袋などの《白》、
下着や普段着の《白》、
近現代のファッションに於ける《白》と、
《白》の衣服の歴史を辿り、解析してゆきます。
マリー・アントワネット妃の、
モスリンの白いドレス。
白いウェディングドレスの原型とされる、
ヴィクトリア女王のウェディングドレス。
白いテニスウェア。
ドガさんの画の中の、ダンサーたちの白い衣装。
本文231ページには、
日本の衣服の《白》に関する記述もあって、
西欧の視点とはこういうものか……と
考えさせられたりもしますよ。
「しりょうッ、おもしろいィでス!」
「がっるぐるるるる!」(←訳:もっと見たくなる!)
巻頭にはカラーで図版が、
本文中にもモノクロの図版資料が掲載されています。
できれば全部カラーで、もっとた~くさん収録してほしかった!
と思うのですが、
アート好きさんや服飾史好きな方々に
おすすめのノンフィクション作品ですよ。
非日常なドレスの《白》に留まらず、
日常の中の、仕事着としての《白》の役目を
丁寧に拾い上げてゆく力作を、
活字マニアの皆さま、ぜひ~♪