自動車レース、例えばF1をサーキットで観るのと、テレビで観るのでは、どちらが良いか?
と訊かれると、実は私は悩みます。
サーキットで観る臨場感は、テレビで再現できるはずもないし、
逆に、サーキットではテレビの様に全体の展開をみながらオーバーテイクのシーンも沢山見ることができません。
・ ・ ・ だから、
サーキットに行く時は録画しておいて、帰ってからもう1度観ることになります。
今、テレビで 文楽 『 曽根崎心中 』 を観ながら、この文章を打っています。
舞台の芝居、特に文楽はテレビで観たのでは全くその良さが伝わらないと思っています。
劇場で観ると、人形遣いの姿が完全に消えてしまいます。
人形遣いの修行の成果でもあると思いますが、ヒトの目が良く出来ていると思う部分です。
見たいものだけを見て、見る必要のない部分は消してしまう事が出来ているのでしょう。
ところが、
テレビで観ると、人形と人形遣いが同列で見えてしまって、
大きな人間が小さな人形をコネコネしている様に見えてしまうのです。
これが、建築をテレビで紹介する時にも感じる違和感です。
設計者は、目に入る部分と背景で消えてしまう部分を上手く演出しているのに、
テレビでは、それを同列で映してしまいます。
有名な建物をテレビで観ると大したことがない様に感じますが、現地に行ってみるとその美しさに感動するという経験を何度もしています。
プランの段階では、プレゼンする側もクライアントもテレビ的なイメージの交換になりますが、
完成した建物は舞台的です。
この違いが 建築の難しさ ですね
因みに、
20歳
・ ・ ・ 21歳になっていたでしょうか?
お初天神のすぐ近くのスナックでアルバイトしていました。
どうでもいい話ですが、曽根崎心中と聞くとよみがえる、
若き日の思い出ですワ!