古いものは大切に守るものだと考えています。
古いことに価値があるわけではなくて、
ながい時間人の目にさらされても耐えられるだけの
美しさを持っていたり、
役に立ってきたから残っているわけで、
そのことに価値があると思っています。
守り方には色々あると思うけど、
原則・本質を
大切にすることが大事だろうと思っています。
奥付では明日初版発行の本。
今日読み終わったけど・・・。
私には議論になっていることが不思議。
父方に天皇の血筋がなくて、
母方に天皇がいる人で天皇になった例がない。
2,700年近く、
126人も例があって、
過去に1人もなかったことを突然この時代に
ルールの中に入れてしまったらヘンに決まってる。
郡上八幡城の天守は、
木造復元天守としては最古らしいけど、
元々建っていた天守の資料がないので
近隣の城を参考にして新たに設計したのだそうで、
こりゃ良いのかどうかと思いながら
見学したことを思い出します。
郡上八幡城のことは書かれていなかったけど、
正しく復元することの大切さを
多くのページを使って説かれています。
お城の場合は、
天守が最大の魅力だと思われているから、
元々天守のなかったお城でも天守を “ 復元 ” してしまうし、
形がわからなくても “ 復元 ” してしまう。
お城に天守のある時代なんて
歴史のほんの少しの期間だけで、
お城の魅力はもっと他にもあるのに!
わかりやすいものをキーワードにして
注目されることは悪いことではないけど、
本質が正しく守られていないと
本当の魅力が伝えられないと思うものです。
「 落語聞くにも教養がいるんですね! 」
って、物知りの人と話したことがあるけど、
芝居を観るにも、歌を聞くにも、
色々なことを知っていると、知らないとでは
理解も感じ方も変わるようです。
『 木綿のハンカチーフ 』
とてもドラマチックな歌ですが、
最後のフレーズが
「 涙拭く木綿のハンカチーフください♪ 」
なので、
涙拭くからハンカチーフなんだろう。
くらいに思っていたらもっと深いらしくて、
ハンカチーフはそれだけの言葉で “ 別れ ” を
あらわしているそうです。
このことを知ってこの歌を聞くと
ドラマが深まるように思います。
この短い物語も、
タイトルを 手巾(ハンカチーフ) にしていることで、
別れの物語だと、
わかる人にはわかるのだそうです。
そう解って読むと子供を亡くした母の思いが
更に深いものに思えてきました。
『 モンテンルパの夜は更けて 』なんて、
私世代でも知っている人は少ないかも知れない懐メロで、
私自身この歌は知っていたけど
どんなことを唄っているのかは知りませんでした。
“ モンテンルパ ” はフィリピンの地名で、
この歌では日本人の戦犯を収容した刑務所のことです。
戦争中に日本軍がした残虐な行為で戦犯になっているけど、
命令した人は、敗戦でとっとと国に逃げ帰って、
残されたのは実行させられた兵隊と、
冤罪の人たち。
って、
いつの時代も同じことが繰り返されているような・・・。
そんなことを伝えるドキュメンタリー。
歌が捕虜たちの心も命も救うことになります。
締めの部分で書かれいる文章が重い。
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近代文明は常に幸福を善とする。
たしかに幸福は良いことだ。
しかし、その多数から外れた不幸な人は少数ゆえに
不幸の程度が増大される。
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これも現代にも当てはまるように思います。