眠るまでの布団の中と、トイレの中だけで、
4日で読み終わりました。
文字を読むスピードが強烈に遅い私には驚異的な早さでの読破でした。
『 次郎と正子 』
~娘が語る素顔の白洲家~
白洲次郎 ・ 正子夫妻の事を実の娘牧山桂子さんが書いた本です。
“ 日本一カッコいい男 ”
白洲次郎にあこがれて、今までにも随分彼の事を書いた本を読みましたが、
“ カッコいい ” の部分と、仕事のシャープさが強調されて、
人間的な部分が解り難かったと、この本を読んで気付いた感じがします。
「 どんな人も家庭の中では、生活の暖かさの部分も、
外では見せない恥かしい部分も持っているなぁ 」
という感じが小気味良いテンポで伝わってきて、気持ち良かったです。
白洲家のような特殊(?)な家庭は別にしても、
家の中で起こる毎日の出来事を暖かく受け止めて、
外に出ても価値あるヒトでい続けるためにも住宅建築の出来ることは多いです。
そんなことを仕事に出来ていることは、恵まれていると思っているんです。
住宅建築にも、ブームというのがあるようです。
デザインのテイストが、ある方向性でブームになったり
暮らし方のブームだったり
ブームにのって反応する事を否定しません。
ただ、
その昔、F1がブームになったとき、フェラーリの色も知らないおねぇちゃんが
「 今度鈴鹿に行くんです!
エフワン ・ エフワン! 」
と大騒ぎ。
その後サッカーが流行りだすとサッカーファンに変身して ・ ・ ・
なんの節操もなかった姿を見て
「 アホ! 」
としか思えなかったのも事実。
ブームを切っ掛けにして、今まで知らない世界に気付くことは素晴らしいですね。
最先端のブームにのって、時代に遅れていない自分に安心するだけではなくて、
すこ~し、深めてその本質を知ろうとするだけでいいと思うんです。
そんなことを繰り返しているうちに、本当に自分にあっているモノがなんなのか解ってくる。
そういうものだと思うのです。
こういう文体を、
「 せんせぇ、最近の文章 オッサンのボヤキになってますよ! 」
って、言われるのか?
仕事柄、城郭の話題になると建築として捉えてしまいます。
今日、最終日曜日で “ 茅の会 ” でした。
雑談の中で出た話題ですが、
「 和歌山城の天守閣は、通し柱が ~
姫路城の場合は芯柱で ~ 」
( 長くなるので省略 )
歴史を研究してる人の構造論を聞くと眼からうろこの話が出ました。
その話を建築の視点に落とし込むと、
和歌山城天守閣の構造は、民家建築の延長。
姫路城天守閣の構造は、堂塔建築の範囲。
外見では解りませんが、
中身には随分違いがあった様です。
建築士の視点では気付かなかったような気がします。
色々な人の話を聞くことは大切だと実感した出来事でした。
ただし、
この和歌山城の話は、戦争で焼けてしまう前の建物の話で、
「 今のテッコンキンクリートで復元した建物では意味がない! 」
と言うのは、分野が違っても共通の意見でした。
同業者の事務所でトイレを借りて、
『 あれ?
便器こんな色じゃなかったけど、換えたかな?
それにしてはタイル傷めてないけど、
どこまでタイルも貼り換えた? 』
出てから尋ねました。
「 便器換えましたよね? 」
「 換えてないよ! 掃除しただけ! 」
「 ・ ・ ・ 」
設計事務所っていうと、
『 事務所もステキで、いつもピカピカにカッコ良くしてる 』
と思われるかも知れませんが、
実態はこんなモノですよ!
便器が違う色に見えてしまうほど掃除もしない!