ぽごしっぽよ

“ぽごしっぽよ”は韓国語で「会いたい」という意味です。心ときめく人・もの・食べものとの出会いをつらつら書いています

釜山から安東へ

2006年11月29日 | 韓国の旅

8:45のビートル1便で釜山へ。座席3席を占領して寝ていたらあっという間に釜山港へ到着した。タクシーで西面(ソミョン)に出てランチ。地元の友人曰く、「釜山といえばテジクッパとミルミョンとアグチムを食べなきゃ!」ということなので、テジクッパの店が並ぶ横丁に直行した。狭い通りにずらっと10件ほどの専門店が並んでいて、もうもうと湯気のたつ大釜でぐらぐらと豚骨が煮込まれている。ご飯が入った器に上から熱々のスープと豚肉のスライスが山のように盛られて出てきた。日本の豚骨ラーメンより癖がなく、むしろさっぱりとしたスープは塩味もほとんどついていないので、粗塩やタテギというコチュジャンのような調味料、アミの塩辛などで好みの味に調整して食べる。付け合せのスンデ(豚の腸に豚の血、もち米、春雨などを入れたもの)も美味しい。日本では決して飲まない甘い甘いコーヒーもこの国に来ると抵抗なく飲めてしまう。
    
     釜山港    テジクッパ通り どの店先でもアジュンマが忙しそう

老圃洞(ノッポドン)まで地下鉄で30分、そこからバスに揺られること2時間で安東(アンドン)に到着した。目的地はさらにバスで40分ほどの河回村(ハフェマウル)。しかしバスが出たばかりで次は2時間後・・・。ここぞとばかりにタクシーの運転手が、2万5千ウォンでどうだ、2万2千でいいよ・・と寄ってくる。しかしバスなら1460ウォン(約160円)だと思うと悔しくて考えた末、隣村までバスで行きそこからタクシーで移動することにした。これで1万5千ウォンを節約。

5時半に村に着き、適当な民宿に宿泊と夕食をお願いした。村の名物の仮面劇のシーズンも終り、平日だったこともあり、観光客らしき人影は見当たらず、村はひっそりとしていた。食事の前に「散歩に行ってきま~す」と言うと、アジュンマが物好きねぇと言いたげな顔で「行っておいで」と送ってくれた。でも6時には日が暮れて、あたりは真っ暗。ところどころに薄暗い街灯があるだけで、あまりに暗くて何も見えない。薪の香りと時々流れてくるチゲの匂いをかぎながら30分ほど散歩して宿に戻った。

         

安東の名物といえばコドゥンオ(塩サバ)
。こんな山奥でサバ・・?輸送技術の発達していなかった時代に港であがったサバを塩漬けにして運んだのが始まりだとか。小ぶりの塩サバは生臭みがなく身がしまっていてとても美味しかった。他にはキムチの古漬けを炊いたもの、ミョルチ(いりこ)の佃煮、エゴマの醤油漬け、黄身を潰した目玉焼きなど、素朴な家庭料理を母屋でいただいた。家の中にテンジャン(味噌)の元になる味噌玉がつるしてあった。

   

昔ながらの薪のオンドル部屋は暖まるのに時間がかかる。最初はありったけの服を着て部屋でまるくなっていたけれど、だんだんとじわじわ暖かくなり、1枚ずつ脱いでいって最後は裸足にシャツだけになった。背中からぽかぽかして気持ちがいい。開いている店もないし、することもない=寝るしかない。離れのトイレに行って、ふと夜空を見上げると、手を伸ばせばつかめそうな満天の星空だった。あまりの星の数にぞくっとするほど・・こんな夜空を見たのは久しぶりだった。

韓国の片田舎のオンドル部屋で私はいったい何をしているのだろう・・そんな孤独をふと覚えながらも不思議な安堵感に包まれて眠りについた。 

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