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沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【Mar_11】国家の保護も受けない代わりに国家の管理も受けない。

2020-03-12 | LA
アガンベンは、難民問題の本質は、
難民が法の保護を受けないことにあると言っています。

つまり難民は法の保護を受けない異例状態に置かれている人たちで、国家の保護はない。

だからある種非国家的存在、あるいは国家を超えた存在と言ってもいい側面があるんです。

国家の保護も受けない代わりに国家の管理も受けない。

無法状態に置かれる。

それは流動性や多様性を持っている人たちと考えることができる。


(辻信一『弱さの思想』より)
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【Mar_11】土が忌避されるのは何故かというと、文明の幻想を脅かすのが微生物だからです。

2020-03-12 | LA
例えば、英語でダーティーと言えば、「汚ない」という意味だけど、
それは〈dirt〉つまり土を形容詞化した言葉です。

土が忌避されるのはなぜかと辿っていくと、
微生物の存在に行き着く。

それは食物連鎖の頂点にあって、全世界が人間に仕えるためにあると言った
文明の幻想を脅かすのが微生物だからです。

弱肉強食という言葉の通り、人間だけがすべてを食えるが、
何物にも食われないという強者の奢りを、
進化のピラミッドの一番下にあったはずの小さきものが脅かす。

文明はそうして抗菌とか滅菌とかいう思想に行き着く。

生物多様性というけど、その大部分は微生物だから、
結局、文明は多様性と相容れないような発想の上に成り立っているんですね。


(高橋源一郎×辻信一『弱さの思想』より)
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【Mar_11】何かわかったんだけど、ちょっと言語化はできない。

2020-03-12 | LA
例えば祝島に行って、そこの道を歩いていくと、
ぽつんぽつんとおじいちゃん、おばあちゃんがいて、ミカンをもらう。

知の交流はないんだけど、自分の中で〈learn〉したものが違う形に変化してゆく。
「ミカン、ありがとう」ってぐらいしか出てこない。
それが〈unlearn〉。何かわかったんだけど、ちょっと言語化はできない。

小さな島だけど歩いていると足が痛くなる。身体が感じている。
だから、そこへ行くことはとても大切です。
その場所に行って、風景を見て、空気を吸って、匂いを嗅いで、
生きている人間の声を聞くと、違ったセンサーが動く。
それは原発の本を200冊読むのとは違う感覚が働く。

ボクは両方なきゃダメだと思うんですよね。


(高橋源一郎×辻信一『弱さの思想』より)
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【Mar_11】10年目の0311。

2020-03-12 | LA
10年目の0311。

「自分が死んだらこの世界なんかあってもなくても同じことだ」
「自分が死んでもこの世界が続いていくことに耐えがたい恐怖を感じる」が
「自分が死んでも世界はある」に変わるような世界観の転覆ってつまり、

「世界が有れば生きていた命は死んでも生き続ける」
「世界があるからこそ命は無になることはない」という
死の実感がそこにあったからだと作家保坂和志は書く。

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