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#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【jun_21】サン・チャイルド

2012-06-21 | Mement_Mori
大飯原発の07/02へ向けた再稼働が
着実に進行している。

再稼働決定に向けた野田総理の言葉

 国民生活を守ることの第一の意味は、次代を担う子どもたちのためにも、
 福島のような事故は決して起こさないということであります。
 福島を襲ったような地震・津波が起こっても事故を防止できる対策と体制は整っています。
 これまでに得られた知見を最大限に生かし、もし万が一すべての電源が失われるような事態においても、
 炉心損傷に至らないことが確認されています。

これって、福島レベルの震災・津波が来ても、
結果として炉心損傷まで行かなかった…という開き直りに聞こえないか?

あれだけの事故を起こし、福島の人々が強制的に県外避難を余儀なくされて
いまだに放射能汚染の対策もままならず、帰宅できるかどうかさえ、明言されていない
…その中途半端な状況の中で、「至らないことが確認されています」…と
よくもまあ、いけしゃあしゃあと口にできたもんだ…と思う。

内田樹氏は、この総理の言葉を受けて、こう述べている。

 原発事故は「長期的な、被害規模が予測できないリスク」である。
 原発停止がもたらす電力不足や電気料金の高騰は「短期的な、被害規模が予測可能なリスク」である。
 再稼働反対の人たちは「長期的なリスク」を重く見る。
 賛成派は「短期的なリスク」を重く見る。
 その射程の違いが賛否をわけているということは、これまでに何度も書いてきた。
 野田首相は「長期的なリスク」を低く見積もり、「短期的なリスク」を高く見積もった。

読み返してみると、確かに【長期的なリスク】に対する論調が回りくどいのに対して
【短期的リスク】へのなんと軽やかな言説だろう。

今日、ビル清掃でいっしょに働くおじさんたちが「脱原発運動」について話していて驚いたのだけど、
「あんな事故、100年以上先まで起こらないよ」とその【長期的リスク】を一蹴していた。

正直、耳を疑った。これが市井の声なのか…って。

 「原発事故が起きた場合に損なわれる(かもしれない)国民生活より、
  電力高騰と電力不足によって(確実に)損なわれる国民生活の方を私は優先的に配慮したい」(野田総理)

そして、…この近視眼的思考。

福島の民は、完全に置き去りにされている。
現場を知らない…原発を知らない…無知の恐ろしさである。

      ●

で、サン・チャイルドである。
江東区の第五福竜丸展示館前に設置されている作家ヤノベケンジさんの作品だ。

ヤノベさんは、岡本太郎の太陽の塔近くで幼少を過ごし、多大な影響を受けて育った。
きっと「太郎の太陽」を受胎したのだと思う。
1997年自作の放射能防護服を着て原発事故後のチェルノブイリを訪問。
98年帰国後も、大阪万博跡地を中心に同プロジェクトを展開させ、
2003年には「太陽の塔」黄金の顔の目玉まで登頂していく《太陽の塔、乗っ取り計画》を敢行。
その作家活動は、岡本太郎の「太陽」が乗り移った…と言ってもいい。

そして、その集大成とも言える作品がこの「太陽の子=サン・チャイルド」だ。
   YouTube「太陽の子・太郎の子」

ヤノベさんの言葉。

 「立ち上がる人々」

  震災直後に動揺し、情報を得ようと自宅にいる間は
  テレビに食いつき迂闊にも見続けてしまった。

  しばらくすると横にいた幼い息子がつぶやいた
  「こんな世界で生きているほうが良いの?」

  あわててテレビを消した。 絶望の情報に押し流されている。

  確信した。
 
  今ここに芸術が必要か?の問いにハッキリと答えたい。
  今でこそ必要だ…と。

  絶望の嵐の中に敢然と足を踏ん張り、前を見据えて立ち向かう力を
  芸術は与えてくれる。

  勇気と希望に溢れるクリエイティビティは生きることへの尊厳を意味する。

  私たちは芸術の機能に信頼と誇りを持って「生きつづけよう」と
  思える魂を育てなければならない。

  想像しよう。廃墟の向こうにあるそれぞれの理想郷を。

  そして
 
  災害にあわれても生き抜こうと頑張っている方々

  決死の覚悟で災害を食い止めようとしている方々

  すべての人々に深い敬意を持って応援いたします。


さらに昨日の朝日新聞でのコメント。
「現実がこうなった以上、同じように作っていてもしょうがない。
 恥ずかしいぐらいポジティブなものを作ってもイイ」

防護服に身を包み、傷だらけの顔で空を仰ぐ。
放射線量を測る胸のカウンターはゼロ。

現実をしっかりと受け止め、それでも未来への希望を今、描こう。
廃墟の向こうにあるそれぞれの理想郷を、想像しよう。

近視眼で思考停止な輩は総理を筆頭に、うじゃうじゃいるけれども
この「太陽の子」に希望を託して、ボクもパラダイムシフトに尽力しよう…と思う。

ヤノベケンジ 《サン・チャイルド》 光臨プロジェクト in 福島ビエンナーレ2012 サポーター募集