根太い雑誌が休刊となった。
「風の旅人休刊のお知らせ by 佐伯剛編集長」
佐伯編集長の無念さが心に響く。
今の世の中の揺らぎは古いヒエラルキー崩壊の予兆であり、
マスメディアによって権威付けされた価値観が表層的であることの
目に見えるカタチでの瓦解であると_編集長は説く。
*放浪というのは、地理上の世界をあれこれ歩きまわることに限らず、既存の価値観に自分を追従させることができず、
あれこれと足掻きながら彷徨い、自分のまなざしでモノゴトをみつめ、自分なりの世界との付き合い方を体得していくプロセスのことだと思う。
私が制作する「風の旅人」は、旅行好きの人のためのガイドブックではなく、誌面を通じて、放浪と同じ体験を味わうことを目指している。
多面的に物事を見極める。
それは表層ではなく深層へと思考を向かわせる。
ボクも「風の旅人」によって世界の移ろいを目の当たりにし、
それでも変わらない「根っこ」の存在を思い知らされたひとりだ。
創刊の時に定めた全体を貫くテーマは、「FIND THE ROOTS」。ルーツを探せ、ではなく、根元を求めよ_という意味です。
物事の表層にとらわれるのではなく、根元を見つめ続けること。根元を見定めることさえできれば、世の現象が移り変わろうとも、軸はぶれません。
そうしたスタンスそ続けると、「何の為に役立つのか?」と目先の実用を気にする人からは敬遠されます。でも最初から、そのことは承知でした。
プリンシパルを持つ。白洲次郎の言葉。
原理原則をぶらさず、常に等距離で物事と向き合う。
そこには現代の「しのぐばかりの人間関係」とは違うものがある。
実用とか快適とか癒しとか、世知辛いストレス社会と表層的に付き合うための処方箋ではなく、
社会がどう変わろうとも動じない耐性のようなものを身につけること。
そういうことの方が、より大切になるとの思いで「風の旅人」を作ってきましたから。
薄利多売で経費圧縮、利幅増大と
経済至上主義にばかり目を向けてきたニッポン。
そのために今、根っこ不在の状況が続いている。
2011年は、震災がそれを露呈したまで。
社会は、まだまだ消費・快楽追求状態から抜け出せておらず、その状態を維持することで利益を受ける人達や組織が相変わらず力を握っているので、
簡単には変わらないでしょうが、永遠に今の状態が続くこともあり得ないと思います。
捨てられない雑誌として、数年後にふと見直して、何かを感じていただける可能性もあるでしょう。
雑誌を作り続けることは途切れたとしても、44冊の「風の旅人」は、役割を終えてしまったわけではないと私は思っていて、だから、そんなに落胆もしていないのです。
ボクも2011年は大きな分岐になったと思っている。
あとはひとりひとりの自覚によって、パラダイムシフトは実現される。
ただまだまだ潜在的な状況は脱しきれていないのが、実情だ。
そんな中にあってひとり気炎を吐いていた佐伯編集長の「風の旅人」。
「やはり休刊か…」との思いはぬぐえない。
この体勢をどうにか立て直していきたい。
ひとりひとりの思いと自覚が、今は必要なのだ。
「風の旅人休刊のお知らせ by 佐伯剛編集長」
佐伯編集長の無念さが心に響く。
今の世の中の揺らぎは古いヒエラルキー崩壊の予兆であり、
マスメディアによって権威付けされた価値観が表層的であることの
目に見えるカタチでの瓦解であると_編集長は説く。
*放浪というのは、地理上の世界をあれこれ歩きまわることに限らず、既存の価値観に自分を追従させることができず、
あれこれと足掻きながら彷徨い、自分のまなざしでモノゴトをみつめ、自分なりの世界との付き合い方を体得していくプロセスのことだと思う。
私が制作する「風の旅人」は、旅行好きの人のためのガイドブックではなく、誌面を通じて、放浪と同じ体験を味わうことを目指している。
多面的に物事を見極める。
それは表層ではなく深層へと思考を向かわせる。
ボクも「風の旅人」によって世界の移ろいを目の当たりにし、
それでも変わらない「根っこ」の存在を思い知らされたひとりだ。
創刊の時に定めた全体を貫くテーマは、「FIND THE ROOTS」。ルーツを探せ、ではなく、根元を求めよ_という意味です。
物事の表層にとらわれるのではなく、根元を見つめ続けること。根元を見定めることさえできれば、世の現象が移り変わろうとも、軸はぶれません。
そうしたスタンスそ続けると、「何の為に役立つのか?」と目先の実用を気にする人からは敬遠されます。でも最初から、そのことは承知でした。
プリンシパルを持つ。白洲次郎の言葉。
原理原則をぶらさず、常に等距離で物事と向き合う。
そこには現代の「しのぐばかりの人間関係」とは違うものがある。
実用とか快適とか癒しとか、世知辛いストレス社会と表層的に付き合うための処方箋ではなく、
社会がどう変わろうとも動じない耐性のようなものを身につけること。
そういうことの方が、より大切になるとの思いで「風の旅人」を作ってきましたから。
薄利多売で経費圧縮、利幅増大と
経済至上主義にばかり目を向けてきたニッポン。
そのために今、根っこ不在の状況が続いている。
2011年は、震災がそれを露呈したまで。
社会は、まだまだ消費・快楽追求状態から抜け出せておらず、その状態を維持することで利益を受ける人達や組織が相変わらず力を握っているので、
簡単には変わらないでしょうが、永遠に今の状態が続くこともあり得ないと思います。
捨てられない雑誌として、数年後にふと見直して、何かを感じていただける可能性もあるでしょう。
雑誌を作り続けることは途切れたとしても、44冊の「風の旅人」は、役割を終えてしまったわけではないと私は思っていて、だから、そんなに落胆もしていないのです。
ボクも2011年は大きな分岐になったと思っている。
あとはひとりひとりの自覚によって、パラダイムシフトは実現される。
ただまだまだ潜在的な状況は脱しきれていないのが、実情だ。
そんな中にあってひとり気炎を吐いていた佐伯編集長の「風の旅人」。
「やはり休刊か…」との思いはぬぐえない。
この体勢をどうにか立て直していきたい。
ひとりひとりの思いと自覚が、今は必要なのだ。