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#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

笠間で5年ぶりの再会 その4

2007-03-30 | Photo-diary
笠間芸術の森公園内にある、「陶の杜」を散策。

ヒノキの杜の中に、さまざまなカタチの陶が散在する。
この写真も、そんなオブジェのひとつ。
まるで生命体の集まりのように、
風にゆらゆらと揺れる姿を眺めていると、
時間を忘れてしまう。

太陽の光があれば、どれほど楽しげな写真になったことだろう。

他に、陶の古文書が煩雑に置かれた陶の本棚や、
魔女のプラットフォームと呼ばれる旅行鞄が点在する丘、
木琴のように音階を持つ空洞の陶が並んだ陶琴と呼ばれる楽器があったり。

2005年11月に開催された同じ茨城の展覧会
「Beyond the border from here」展を思い出した。

誠に豊かな杜だった。

笠間芸術の森公園「陶の杜」
ギャラリー木葉下(あぽっけ)

笠間で5年ぶりの再会 その3

2007-03-30 | Photo-diary
茨城県には何度も足を運んでいたが、
恥ずかしいことに「笠間」という市を今回、初めて知った。

なぜこんなに陶芸が盛んなのか?
詳しいことはわからない。

茨城県全体が、アートに力を入れているようにも見える。
⇒「決してそんなことはない。むしろ、遅れてる。」と愛ちゃんは言う。

しかし、水戸芸術館の前衛的な展覧内容や
1991年に行われたブルガリアの作家クリストのアンブレラ・プロジェクトのような
大々的なインスタレーションも、記憶に新しい。

ここ茨城県笠間市も、街と陶芸が密接に関係していて、
GWに行われる陶炎祭(ひまつり)では、220もの陶芸作家が作品を持ち寄り、
相当なにぎわいを見せるようだ。

陶芸のギャラリーが隣接する「ギャラリーロード」を見て回る。
新進気鋭の作家たちが、さまざまな種類の陶芸を展示・販売していた。
どれもこれも沖縄のやちむんとは趣が異なっていて、おもしろい。
やはり、土が違うからなのか?手にした感触からして、硬質な印象がある。



笠間芸術の森公園
クリストのアンブレラ・プロジェクト

笠間で5年ぶりの再会 その2

2007-03-30 | Photo-diary
その後、彼女は「3ヶ月で戻ってくる」と言い残して、沖縄を離れる。

ボクたちも、せいぜい半年ぐらいで戻ってくるだろうと踏んでいた。
「南米に行ってくる!」って勇んでいったけど、行けて半年だよなあ…って。

ところが、彼女はその後4年間ものあいだ、
南米をメキシコ⇒ボリビア⇒アルゼンチンと南下し、
さらにはスペインへと足を伸ばす「流浪の旅人」となった。

時々、忘れた頃に送られてくる手紙は
写真付きで元気な姿が確認できたが、
日本語もたどたどしく、
銀細工の道売りで生計を立てていると聞くと
ジプシーさながらの姿が思い起こされ、
「ホントに大丈夫なんだろうか?」と
肝を砕いた。

     ●

実際のところ、話を聞いてみると
想像以上に波瀾万丈だったことがわかった。

もちろん、想像の域は出ない。

彼女の南米での毎日が、
沖縄でゆるゆると過ごしているボクに
わかるはずもない。

せいぜいNYでの悪戦苦闘を重ね合わせる程度だ。

「髪の毛に虱がついて、坊主になった。」
「体重が42キロにまで落ちた。」

多くは語らないが、
その実体験から出る言葉の重さに
彼女の4年間を想う。

この4年間の機微に富んだ毎日がきっと、
今後の彼女の人生を彩ることになるのだろう。

5年ぶりの再会は
そのブランクをまったく感じさせなかったし、
彼女の性格やそぶりも昔のままだったのだけれど、
時折見せる「ふっと」した表情や、瞳の奥に
刻まれた「記憶」の深さを感じたりした。

     ●

愛ちゃんは今、
南米生活で培った技術を生かして
銀細工の製作・販売を行っている。

llerva(愛ちゃんのシルバーアクセサリー)


この写真は、彼女の仕事机。
細かい作業を器用にこなして
見事な銀細工を紡いでいた。

くるみを輪切りにしたステキなネックレスを
再会の祝いにいただいた。

今もしっかり身につけている。


笠間で5年ぶりの再会 その1

2007-03-30 | Photo-diary
羽田空港から上野駅を経由して、一路「笠間市」へ。

茨城県笠間市。陶芸の街だ。

常磐線の取手で乗り換え、友部まで2時間。
水戸の手前だというのに、「鈍行」だから時間がかかった。

友部駅についた時には、日が暮れていた。

5年ぶりの再会を果たしたのは、彼女「愛ちゃん」。
まさか日本で再会できるとは…思ってもいなかった。
そのぐらい、波瀾万丈な5年間を彼女は送っていた。

ちょうど5年前の正月、ボクたちと愛ちゃんは
インドネシアのバリ島にいた。

バリ島北部のウブドにあるイギリス人の別荘(Villa)を
4泊だけ借り受けて、
超ぜいたくな亜熱帯リゾートを満喫していた。

プールが森に向けて、開かれている絶景ヴィラである。
食事はプールの中州にあたるダイニングで、鳥の声をBGMに過ごす。
夜は、森閑としたウブドの息づかいを感じながら、星明かりの下、ワインをたしなんだ。

とにかく、至福の時間が流れていた。

今となっては、夢のまた夢なのかもしれないが…。






バリ島のヴィラに泊まる