フグさんの雑記帳

さいたま市の荒川河川敷を主なフィールドとして四季を綴っていきます。

自然の妙のカバキコマチグモの生態とシオデの雄花雌花

2014年06月29日 14時39分09秒 | 田島ケ原サクラソウ自生地

オギの葉が三角形に折られているのが目につく。フクログモ科のカバキコマチグモ(樺黄小町蜘蛛)の産室のようだが、葉の先を引っ張ると簡単にほどけた。上の方に白い卵らしきが見え少し離れたところに親がうずくまっていた。異変に気付くと卵を守りに動き出した。黒いのは頑丈な顎らしい。

 
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カバキコマチグモは在来種で最も毒性の強い蜘蛛という。普通蜘蛛の方から積極的に人をかむことは無いようだが、子育て中の雌は攻撃性が高く咬傷事故が多く、噛まれると赤く腫れて痛みがひどいようだ。
卵は10日前後で孵化するようだが、このように身を挺して孵化させた子供たちは最初のエサに母親を選び食べてしまうという。残酷とも究極の種の継承とも言える厳粛な事実だ。

雌雄異株のシオデ(牛尾菜)が球形の面白い花を付けている。雄花は5本の雄しべを広げ、雌花は3裂した柱頭を子房から伸び出して花柱は無い。
DNA情報を基にした植物の新しいAPG植物分類体系ではシオデは従来のユリ科からサルトリイバラ科(シオデ科)に変更されている。

シオデの雄花。花被片が反り返って球形に見えます。

シオデの雌花。3裂した柱頭の下に緑色の子房がありその下に反り返った花被片があります