Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

キハ181系、衝撃のターボサウンド

2006-02-04 | てつどう。
ディーゼルカー。
日本語に訳すと、気動車です。
ディーゼルエンジンで走る旅客車両。
僕は大好きなのですが、中でも、キハ90・91系に端を発する
昭和40年代以降に開発された500馬力クラス機関を搭載したシリーズには、
ほんとにクラクラします。
どれも好きなのですが、今日はキハ181系特急気動車のお話。






キハ181系は、それまでの非電化区間用特急列車・キハ80系気動車の発展後継形式として
昭和43年に登場。
キハ80系はエンジンが非力でだったので、
中央西線などで試用されていた大出力機関搭載のキハ91系をもとに開発され、
特急「しなの」、特急「つばさ」などに投入されました。
現在は大幅に運用数を減らし、大阪ー香住間を播但線経由で結ぶ特急「はまかぜ」
だけでその雄姿を確認できます。

でも、現在残るキハ181系の運転状態は、本来の性能ではないのだそうです。
これについては、あるサイトが詳しいです。その名も、
極限の気動車キハ181系 衝撃のターボサウンド

キハ181系のエンジンは、DML30HSD型、水平対向12気筒(!)です。
予燃焼室式水冷4ストロークディーゼルエンジン ターボチャージャー付で
性能的には500馬力(連続定格出力)のエンジンだと言われています。
ですが、同サイトによりますと本来は
30分定格出力ですと590馬力/2000rpmを発揮出来るのだそうです。
ところが、この590馬力という数値に秘められた問題があったのです。



以下は、同サイトから引用させていただきました。

「キハ91系の営業試験に続き、キハ181系の営業運転が本格的に始まると、排気系の過熱損傷が故障の大きな要因を占めました。排気ガスの温度が上昇しすぎていたのです
 調査の結果、燃料噴射タイミングの遅れ、燃料噴射量調停の大きなばらつき、変速機の特性による、予想以上の変速運転の連続によるエンジン高回転負荷が浮かび上がりました。
 一般には新系列気動車の故障多発の原因として自然冷却機の冷却能力不足として知られていますが、実際にはエンジン本体の過熱だけでなく、過熱した排気ガスによる排気管損傷が最も多かったのです。キハ181系では低速走行時で自然冷却機の冷却能力が低下するのを補うため、床下に91系には無かった強制冷却のラジエータを装備しましたが、それでもこのトラブルは続きました。現在のエンジンでもこの問題は深刻で、排気管自体を水冷とすることで対処しているのです」

そこで、対策が練られました。
「キハ181系の過大な出力は燃料噴射量を絞ることにより徐々に”適正化”されるようになりました。それまで181系は搭載するエンジンの燃料噴射量にばらつきがあり、同じフルノッチでも発生していた出力には個体差があったわけで、これがあの音のばらつきと関係していたのかもしれません。
しかもその設定の多くが定格を越える方向に向いていたのです。
ものすごいターボ音を響かせて走っていた車両は定期整備で工場入りして”適正化”されて帰ってくると、別物のように穏やかな音に変わっていった例がしばしば見られたのです」




そうキハ181系は、今以上に...「ものすごいターボ音」がした、らしいのです。
いまなおキハ181系のエンジン音は豪快なのですから
(騒音が大きすぎて瀬戸大橋線を通せなかったという話があるほど)、
でも、それ以上のサウンドとはどんなものだったのか。

....同サイトに、その「ものすごいターボ音」がいくつか収録されています。


僕は、聞いていて鳥肌が立ちました。
豪快なディーゼルサウンドに混ざる
耳をつんざく「キーーーーーーーーーーーン」というすさまじく鋭い金属音。
これが「本来のキハ181系」なのか!



>>どうぞ聞いてみて下さい。
電車に興味のない方にも、聞いて欲しい。
クルマと同じ、エンジンのついた乗物のすごい音を!

>>ああ、乗りたい。「本来の姿」ではなくても、
500馬力のエンジンを積んだ181系に。
はまかぜ...乗りに行こう!

>>ちなみに、キハ181系は各車にエンジンが一基搭載されています
(厳密にいえば、積んでいなかった車両もあったのですが現存していません)。
4両なら、単純に2000馬力になります。
なお、最新型の特急型気動車ではもっと凄くて、
たとえば智頭急行のHOT7000系は330馬力のエンジンを各車に2基、
JR北海道のキハ261系は1両に460馬力×2基です!
コメント (7)
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ウーノ45

2006-02-01 | くるま。
今でこそ仏車漬けな自分なのだが、
高校時代はアルファのジュリア(箱セダンのほうね)が心底好きだった。
で、その影響というか、イタリア車への思いは並々ならぬものがあったりした。
実際、仏車には(好きだったけど)興味は今ほどには無かった。

その頃...つまりはそれまでの「ただクルマが好きなコドモ」だった自分が
クルマ免許を取るか取らないか意識し始めたころの輸入車はまだまだ高嶺の花、
「ガイシャ」って呼ばれる時代だった。
いまよりもうんと高かったし、トラブルも多かった。
イタ車も、仏車も高かった。
アルファ75っていうアルファの後輪駆動最後を飾るイカしたセダンがあったんだけど、
これなど450万くらいした。
しかも、もとをただせば1960年代のノルド・アルファを端とする古~いスパイダーでさえ、
びっくり仰天の450万円。なんだそりゃ!って思いつつ、でもそういうもんだと思っていた。



そんな価格価値だったとはいえエントリーモデルも各社から各車にちゃんと用意されていて、
価格帯は今よりも高いが、でも今よりもむしろ魅力的な
「素」のモデル、「本国に売っているのに近い仕様」がたくさん入ってきていた。
たとえば、ルノーには「サンクファイブ」があったし、
プジョーも205の初期には5ドアのディーゼル、末期にはオリジナルモデルだけど「SI(エスアイ)」、
シトロエンにはAXのTRS(実際はTRSだと本国では上級グレードなのだけど)、
VWならゴルフの「C」(泣ける...3ドアでなんもついてないのよ)、
時期はちょっと遅れるが
メルセデスでさえ190Eに「アンファング」なる、今だとあり得ない
「パワーウインドーがない」モデルさえ導入されていた。
しかもマニュアルがあった気がする(*_*


そして、フィアットには標題の「ウーノ45」があった。
さらにボトムレンジにパンダがいたけど、ウーノの場合上級版もあったので
45はもっとも安いウーノだったのだ。


右奥が45

フィアットウーノは、1983年にジゥジアーロデザインでデビューした、
それまでの127に代わるモデル。
徹底的に合理化された車内はとても広く、
内装はプラスチックさ全開ながらもデザインが良く、潔ささえ感じさせるものがあった。
1984年にはヨーロッパカーオブザイヤーを受賞したこのクルマ、とにかく売れに売れ、
フィアットを経営危機からから救った。



45はそのものズバリ45馬力を示していた。当初は旧来のOHV 903ccエンジンだったが、
途中から999ccのFIRE(ファイア)エンジンに変更になった。
FIREとは、「完全に自動化されたエンジン」
(Fully Integrated Robotized Engine)という意味で、
イタリアの自動車生産史上初めてロボット導入によって
無人工場で一貫生産されるエンジンであった。
45の内外装は素っ気なく、最低限の装備しかない。車重にいたっては720キロ。
軽さは速さと燃費の良さにもつながった。


そのあと、アルファ(スッドだが)を2台、そしてパンダ(1000CL)にも乗った。
スッドには懲りているような懲りていないような、な感じだが
今でもパンダのことは思い出すし、また乗ってもいい。

適当に服を見繕って家を出て、とりあえず当てもなく走り出そう。
気持ちイイ風をいっぱいに窓とサンルーフから取り込んで、
大きな声を出してCDに合わせて歌えば、
何も付いていないパンダには「自由」がいっぱいついていることに気づく。
45PSしかないエンジンを釈迦力にまわしきって走れば、
難しいことなんざどうでもよくなる。
柔らかいハンモック調の椅子。バスケットみたいなダッシュに財布や携帯を無造作に放り込む。
薄い鉄板を通して容赦なく入るエンジンのノイズ。近い外界。車内は閉ざされた空間ではない。
道といっしょになって走る、素っ裸の感覚。素晴らしいゲタ。

(拙稿より引用)




そう、パンダは良かった。すごく楽しかった。
2CVの無いいま、またあの「素っ裸」感が欲しくなっているのかもしれない。
でも今度は、同じ「あけすけカー」でもウーノ45がいいな。
....なんて、買えもしないしタマもあまりない現状では妄想するしかない自分なのでした(^^




>>なんて思ってウーノ45の売り物を探していたらあった...。
やばい、この色やばい。欲しい......

>>あ、あとこれもキてる!ニューチンクェ
56万円なり.......びみょー!
出来ればニューチンクェは2気筒がいいのだが...ってそんなの日本にねー!

>>マニュアル、左ハンドルという本国スペックが
正規でばんばん売っていた時代が懐かしい~。
そう思うと、ハンドル位置こそ右だけど今でもマニュアルを入れ続ける
プジョーと、最近のルノーはエラい!?
コメント (17)
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