大きなフランス車も大好きなieです。
ルノーは一応フルラインメーカーなので、大衆車クラスから高級車まで持っていますが、
フラッグシップといっても2L~3Lクラスが上限。
でもそのフラッグシップのルノーといえば、一癖も二癖もあるクルマばかり。
1960年代、ルノーのフラッグシップはシトロエンのDSのライバルでもあったルノー16(セーズ)だったのですが、
すでにこのクルマからして5ドアハッチでユーティりティが考えつくされた「大きな実用車」でした。
これのあとを継いだルノー20/30(ヴァン/トラント)は、R16同様に5ドアハッチという
上級車(高級では無いことに注目)らしからぬボディを持ち、このクラスでもやはり実用性を捨てないという
そのコンセプトがいかにもフランス的、ルノー的で面白かったです
(まあR30の開発費を埋め合わせるために廉価仕様のR20が「ドンガラ実用車」
だったこともあるのでしょうが)。
で。これの後継がルノー25(ヴァンサンク)。
シトロエンSMやルノーフエゴをデザインしたロベール・オプロンの作品。
それまでのR30には革張りの高級仕様などもあれど、
さほど高いクルマには見えなかったこともあって?R25の上級版「バカラ」には、
市販のソファではなく部屋に持ち込みたいような高級な見た目と極上の座り心地を提供する
シートを持って登場。
でも、やはりこのR25もハッチゲート付きで、低廉グレードなどは装備も少なめで、
ドンガラ実用車としての魅力がぷんぷん。
このあとはルノーサフラン。日本人デザイナー永島氏の描いたクルマとしても有名ですが、
無駄なリフレクションを起こさない控えめなデザイン、
エレガントなたたずまいは捨てがたいものがありますね。
出た時はコンサバだなと思いましたが、いまはどう見てもルノーのクルマですね。
で、言うまでもなくこのクルマも5ドアハッチなわけですねえ(^^;
よりによって後期型の写真ねw
そしてヴェルサティス。これぞ前衛。こいつをフラッグシップにしちゃったルノーが凄いです。
ハイトの高いミニバン風スタイルと、明らかに5ドアハッチです!と主張するリアデザインは、
フラッグシップセダンの伝統的なスタイルなんて関係ねえ!と叫ばんほどの破壊力。
全高はなんと約1.6m。すげえ。
でもまあ、案の定というか、やはり本国フランスでも売れなかったんですよねえ...。前衛的過ぎたのかしら。
しかしまあここまで5ドアハッチ+フラッグシップを貫くのって、もはや意地なような気がしてきますたw
ところでサフランに2代めがあるのってご存知ですか。
本国では1998年に生産が終わったサフラン。ですが、
2008年に中東やアジア向け高級車として復活したのです。
その姿はこれ...。
要するに、ティアナ。しかも初代。(^^;
製造はルノーサムスン。なので韓国製です。
ちなみに、搭載しているエンジンは2Lの直4で、形式はルノーの呼称では「M4R」ですが、
要するにこれ、日産でいうMR20DEなんです。
なお、ルノーサムスンでは「SM5」という名前で販売していました。
で、やっと本題のラティチュードなわけですが、
これがルノーの新しいフラッグシップになる、とのことなのです。
つまりは、R16、R20/30、サフラン、ベルサティスの後継なわけですね。
デザインは一部でコンサバに過ぎるという声もありますが、ie的には嫌いじゃないです。
コンサバという意味では、5ドアではあったものの、サフランも突飛だったわけでは無いですし。
線のシャープさ、面の美しさはあるし、妙に鼻が長いのも結構好きだったり。
でもなんでこんな姿に?最近のルノーファミリーらしい顔もしていないし、と思うわけですが、
このクルマの置かれた背景を考えると、このスタイルにも納得がいくように思います。
その背景とは、このラティチュードというクルマ、ワールドワイドなポジションにいるということです。
ルノーサムスンSM5=サフランは、基本的にはそれまで欧州を見ていた初代サフランとは違い、
アジア、ロシア、中東、アフリカなどのマーケットに向けて開発されたクルマ。
そのポジションを、このラティチュードは担います。
つまり、新型ルノーサムスンSM5が、このラティチュードになるわけです。
なお、ラティチュードは、ベースがSM5であるがゆえ、ついに4ドアセダンになりました。
うーん、ルノーというオブラートを無くしても、相当かっこいいじゃないか!
もとから販売数も少ないフランス車のフラッグシップの開発に、巨額を投入できないという
台所事情があるのでしょう。しかも、狭い欧州での販売枠の中ですから、なおさらです。
となると、ルノー=日産=ルノーサムスンのアライアンスを最大限生かして、
可能な限り開発費を抑え、しかも販売台数を稼げるというクルマが
ルノーのフラッグシップになっても、もはや時代の趨勢でいたしかたないところなのでしょう。
ちなみにこのラティチュード、ちゃんと本国・欧州仕様も出ます。
なお、同じようなクルマの作り方に、ルノーメガーヌのセダン版・フルエンスがルノーサムスンSM3ですでにあります。
うおお、間違えた(爆
こりゃご先祖さんのR19やないかーい(汗
この場合、本国であまり台数の出ないセダン(でもそれ以外では売れる)の開発費を
世界中で回収するという意味では合理的な方法です。
だけども、フランス車ファンとしては、
フランス車のフラッグシップにある種漂うオーラがもう少し欲しいかも。
ルノーでいえば実用5ドアハッチの先鞭と言われるR16、独特のスタイルと内装でいまなお魅力的なR25、
フランスの大型車特有の退廃さすら思わせるヴェルサティスなどを思えば、
ラティチュードにはルノーのフラッグシップらしさが残念ながらちょっと薄い気がします。
世界に仲間のいる兄弟車でさらっと作った感じがして、
しかもメインターゲットがもはや本国を見ていないのも淋しいなあ、と(涙。
>>で、このSM5=ラティチュードなんですが、SM3=フルエンスを含め、日産のクルマに出来ないか
(yasuさんも先日いただいたコメントで言われていましたね)、と思うんです。
>>SM3=フルーエンスは、ブルーバードシルフィの後継(サイズ的にはちょっと大きいのですが)、
SM5=ラティチュードはうーん、ティアナ?でも2代めが出て間もないしなあ。
>>トップ画像は、R16の前のフラッグシップ、フレガートです。
戦後のルノーでは珍しいFR(というか、唯一)でした。かっこいいですね。
>>R16を一般的なフラッグシップカーというイメージで見るかどうか微妙ですが、
当時の乗用車のトップオブレンジであったこと、
タイムライン的に後継のR30が明瞭なフラッグシップであることから、
その扱いにしました。
顔がLS?って連想したのは自分だけでしょうか
内装がどうなのか,興味あります
ラティチュードって名前からしてもホンダ車っぽい(音楽関連じゃないけどw)ですねぇ。
個人的には、レクサスLSのフロントマスクを連想しましたが・・・
まぁ今までが素晴らしかっただけに
致し方ないところだと思いますが、
僕はルノーがこのセグメントを完全
撤退しなかっただけでもよかったかなと
思っております。
そして以外にも先行販売地域に豪州も
含まれているようです。
現行ラグナ全然売れてないのに^;
あとは欧州仕様がどうなるのかに
淡い期待をいだきますw
それから
お誕生日、おめでとうございます!
わが家に引き取られてきた5ドアハッチのラグナⅡですが、どうも家族には評判が良くないようで、、後席に座っているとガタガタとうるさいらしい(5ドアハッチだから?)。上級車なのに高級じゃないと?か。
確かに、先日パサートと比べてみて、こりゃ高級じゃないよな、などと納得してしまいました (笑)。
私は上級なハッチバックを買ったつもりなので、特に問題は感じていないのですが(ガソリンを食う車ではあるが)
ただ生産設備が結構アレなルノーサムスンですので、本国製よりも品質に不安が残ります。
本国組み立て、生産でコンポーネンツは日産の部品供給であればフラッグシップでも成り立つと思いますが。
デザイン的にはよろしいのですが、技術者的な眼で見てみると、若干不安な感じです。
今、うちのフランス子会社の社長がヴェルサティス、出向した後輩がラグナⅢに乗ってます。
私も早くフランスに出向にされたいです。
>特にベルサティスからの落差が大きくて
そうなんですよ。
フラッグシップをちょちょいと作らないでほしいんですよね...。前があれほどこだわったクルマだっただけに。
代行ハミちゃんさま>
>ホンダ車を連想しました
顔はそれっぽいですよね。
だけど全体のデザインの美しさはホンダとはちょっと違うなあとも思いますー。
ぱとらしゅさま>
>顔がLS?って連想したのは自分だけでしょうか
BRICSで売るために、あえて高級感を訴求した外観だそうで。でもLSに似ていますよね(涙