Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【プジョーな話】番外編? 拾った画像でタルボ・サンバまつり。

2011-03-17 | プジョーな話。


カテゴリがプジョーなのは、まあかつて同じグループだったということで(笑


ということで、今日は「タルボ・サンバ」まつりを開催いたします。
またまたこんなネタですみません(汗


もう気がついた方もおられると思いますが、これって、先週の「シトロエンC15祭り」と同じく、
個人的にも好きな記事(手前みそw)
【シトロエンな話】拾った画像でシトロエンLN/LNA/VISA/C15/AXELまつり。」のドロップ・アウト企画だったりします。



どこの国のクルマか、さっぱりわからないサイドビュー(汗)。


というのも、この「タルボ・サンバ」、
ズバリ、プジョー104=シトロエンLN/LNAの兄弟車だからなのですね!


てなわけで、懲りずに開始です(笑


まずそもそも「タルボってなに?」ってことから始まるわけですが、
現在フランス車のメーカーはプジョー・シトロエン・ルノーなのですけど、
かつて存在した第4のメーカーとでも言いましょうか。

ええとタルボ(Talbot)の説明は行数がかかるな...簡単に説明すると、
もとは1903年、イギリスで、フランスのクレメント・バイヤードなるクルマを輸入するために、
タルボ卿なる方が立ちあげたブランド(なんで、イギリスではタルボットと読む)
だったんですけど、まあこの段階でフランスとのかかわりが強いわけです。
その後は(中略)でOK(笑)、ここからがテストに出る範囲なんですがw、
1958年にタルボはフランスのシムカに買収されるんですが、
そのあと1963年、欧州に市場を築きたいアメリカのクライスラーの
強引とも言われた買収(というか、乗っ取られたらしい)にあい、
「クライスラー・ヨーロッパ」の一員
(含むイギリスのクライスラーUK...旧ルーツ・グループ)とされ、
会社も「クライスラー・フランス」となりました。



シムカ1100。クライスラーに乗っ取られる前までは、フィアットがシムカの株を
50%持っていたので、フィアット設計の影響が大きかったのです。


シムカはもとはフィアットのライセンス生産を行っていたこともあり、
クライスラー・フランスのクルマはフィアット系設計を引き継いでいたのですが、
1978年、クライスラーとの短い蜜月は終わりをつげ、クライスラーはクライスラーUKともども、
PSA(プジョー・シトロエングループ)に売却され、その際、
ブランド名を伝統ある「タルボ(タルボット)」に戻すことになったのでした。

全然簡単にまとまらなかった...(涙



で、今日の主役、タルボ・サンバ(Samba)なんですが、
プジョー傘下になったタルボが初めて出した(そして最後になった)小型大衆車です。
デビューは、1981年。201系量産車と同じですね(そんなことはどうでもいいw)。

PSAではすでに、小型車としてプジョーには104、
シトロエンにはそのボディを流用したLNがあったのですが、
むろんタルボもその方法を取らないはずが無く、
サンバは、104/LN系の兄弟車として
設計されたのでした。



104クーペZ。しかしまあチョロQ的な寸詰まり感が最高!


これも、104クーペZ。Zていうわりには全然強そうに見えないw



で、これがLN/LNA。この個体しょぼい...欲しいなあ。フランスに行くといつも
持って帰りたくなるんですよねLN系(笑


LNが、104の3ドア版...104クーペのボディをそのまま使い、
エンジンのみ自社のフラットツイン(萌)を積んだのに対し
(のちにプジョーの4気筒を積むことになったが)、
サンバは、ドアや一部の窓以外はボディのプレスまで変え、ホイールベースも伸ばす
という凝り方でした。でも逆に、エンジンは104のものを持ってきています。
なお、ホイールベースの短い104クーペをベースにしたのは、
当時開発中だった205とのグループ内競合を避けるためだったそうです。



サンバ。こうして見ると、104/LNとは結構違うのだ



ボディデザインがなんとなくフランス車っぽくない(というか英国車っぽい)のは、
それもそのはず、デザインは旧クライスラーUKによって行われたもので、
これがまたいかにもタルボらしい、悪く言えば味の無い無国籍な雰囲気の理由です。


エンジンは前述の通り、104からの流用が多く、
954ccがベーシック版の「LS」、1124ccが中堅グレードの「GL」 、
そしてなんだか聞き覚えがある1360cc(日本仕様のAXとかでおなじみ)が
ハイエンド版たるGLSに搭載されました。
いうまでもなく、搭載方法は横置きで、104譲りなので
エンジン全体を後方に72度傾けてその下にギアボックスを置く方法でした。
なおGLSだけが5段MTです。


LS。



もいっちょLS。うーん、しょぼい...たまらない(ハァハァw
ホイールが黄色いのはあとで塗ったのかな?
しかしこの黄色いホイル、プラスチックにしか見えないw



内装。104の兄弟車だけあって、ほとんどイメージが一緒。
メータークラスターが大きな違いか。



104



サンバ。プレス写真の銘がタルボでは無く、あくまでもプジョーであることに注目。



モデル途中になって、いちバリエーションとして追加された「sympa(サンパ)」。


サンパの後姿。
あれ、これもホイル黄色いな。と思っていたら、
nekさんのコメントで、これがサンパ用なのではとのこと。情報ありがとうございます!



また、タルボ・サンバといえば...というのが、これ。


うしろのクルマもなみだを誘うね...フィエスタ、初期初期パンダ、R4、127、127。



「タルボ・サンバ・カブリオレ」。
実は日本にもタルボ・サンバは西武自動車販売の手で正規で輸入されていたのですけど、
入ってきたのはこのカブリオレだけなので、日本ではこのイメージが強いかも。
現に、FBMなどでは、サンバ・カブリオレはたまに見かけることが出来ますものね。
日本で唯一乗れると言っていい104/LN系(まあVISAもそうだね)なんだよなあ。
欲しいなあ...。

ちなみに、このカブリオレ、架装はピニンファリーナ!なのです。
ピラーに誇らしげにバッジが輝いております(^^
カブリオレは205CTIが出るまでは競合が無く、そこそこ売れたようです。


このころ...80年代初頭のPSAは、
VISAにGTを用意したり、1981年にはPTS
(プジョー・タルボ・スポール、あのジャン・トッドがいた)を結成したり、
スポーツイメージを前面に押しだしはじめたころで、
実際、1983年には、地味で堅実なメーカーと言う印象だったプジョーを、
若々しく、スポーティなイメージへと革命的に変えた205が登場するに至っています。



タルボも、このサンバにもウェーバーツインキャブで武装した
スポーティバージョンを追加。それがRallye(ラリー)。


(なぜかミニカーの画像ですみませんw)


同じグループ内で205ターボ16がWRCで派手に活躍する傍らで、
サンバ・ラリーはモータースポーツの入門用などとして人気を博し、
ワンメイクレース等も行われていました。



さらには!グループBの「化け物」である、205ターボ16と同じく、
もしくは同じグループ内のVISAのグループBよろしく、
サンバにもグループBモデル、
Peugeot Talbot Sport Samba Rallyeも用意されてました。


ぜんぜんGr.Bのクルマには見えないあたりが素敵w



205のようなPTSカラーをまとった、フランソワ・デルクールの乗るサンバ。




こうして見ると、サンバは名前の印象どおり、とても若々しい、
スポーティなイメージのクルマだったことが分かります。
その印象は、205に引き継がれたといってもいいでしょう。
となると、205が出る2年前に出たこのサンバが、
プジョータルボのイメージアップに少なからず寄与し、
それが205の成功のカギの一つになったのかもしれませんね。






>>いやー、最近まずい、もう、ルノープジョーシトロエンももちろん
気になるクルマ、欲しいクルマはいっぱいあるんですけど、
こういう「タルボ」あたりのクルマに興味津津。
タルボ、乗ってみたい...。
そうそうはわかってくれない...「これなんてクルマ?」って言われちゃうあたり、
変態さんにはたまらないです(ゾクゾクw



>>ちなみに、プジョー309は、
タルボ・アリゾナという、タルボ向け車種として開発されていたものなのです。
それが、タルボブランドの消滅で、プジョーブランドとして登場してます。

>>で、その「アリゾナ」の前身が、これ、「オリゾン(Horizon)」。




>>どう見てもフランス車に見えないところがたまらん(汗
クライスラーがシムカに作らせた欧州戦略車。
思い切り無国籍な一台なのですが、ちゃんとカーオブザイヤーも取ってるスグレモノ。
でも乗ったらどうなんだろ?
うーん。これもかなりいい外しだなあ。


>>「何に乗ってるんですか?」「タルボ・オリゾンです」「....??????」って会話してみたい(馬鹿




>>なんでこのクルマ好きかって、内装がね、カッコいいのよ(涙




コメント (15)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする