Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【てつどう】美しき117系。

2008-09-27 | てつどう。
117系です@京都。


良く見るとクハのトイレの窓と方向幕が無いぞ 

いつ見ても美しい&かっこいいですね。



117系、全然見飽きないのですが実はもうかなり古く、
1979(昭和54)年に京阪神の新快速用に登場しました。

同運用には、新幹線岡山開業で余剰となった急行電車153系が
まわされていたのですが、同系は2扉デッキ付きの急行型で
ラッシュ時の対応には大きな難がありました。
しかもライバルである阪急・京阪の特急車は転換クロスシートを備えており、
直角固定クロスシートの153系ではサービス面も問題といえました。


この153系(ブルーライナー)の入れ替え用に出た117系。
いくつか特筆される事項があります。

それまでは国鉄は、特急なら183系/485系、近郊型なら113系/115系/415系、というように、
直流交流の電化にあわせた区分以外は
特に大きな事情でもない限り(横軽など)各線区用に専用の車両を用意しなかったのですが、
この117系は「地域・目的特化で設計された」、当時としては珍しい車両である、ということなのです。

それまで近郊型は111・113・115系の3扉固定クロスシートで前面は貫通型だったのですが、
2扉・デッキ無し・転換クロスシートという車体設計、
鼻筋の通った湘南型タイプフェイスであったのも斬新でした。



塗装色もハイライト。

アイボリー(クリーム4号)+マルーン(ぶどう色2号)のシックなカラーリングは、
新快速のルーツともいえる戦前の京阪神間急行用・流電モハ52系、
そして戦後この区間で使用された80系の塗装をイメージした伝統のカラーなのです。


輝かしきトップナンバー編成。モハ117-1、原色で健在成り。



その後JR化するまえにマイナーチェンジ(100番台)版が登場したり
中京地区などにも投入されたりしたあと、本来の舞台である京阪神の新快速からは
2扉であることからラッシュ時に対応できにくくなってきたこと、
後継221系の投入、運転速度の向上などに伴い
1991年以降は朝晩以外の新快速運用は221系に置き換えられ、
1999年には完全に新快速から撤退しました。

福知山線や和歌山線、山陽本線岡山地区、115系への改造などあって
オリジナル色状態の117系にはなかなか会えないのですが、久しぶりに京都で出会い、
電車自体の格好の良さ、配色のセンスなどに
安易なデザイン・配色を決めている感のあるJR化後の車両に比べて
国鉄時代のデザインはなんて秀逸だったんだろう、って改めて思いました。



>>JR東日本ならもう廃車のお年頃。1979年以降の製造といえばちょうど
201系がそれにあたりますものね。

>>なんとかこの美しい姿のままでとどまって欲しいものです...
ああ、こんな記事書いていたら、乗りたくなってきましたよ。
コメント (3)
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