Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

<セダン蒐集癖>Vol.14 心臓は跳ね馬

2006-07-19 | セダン蒐集癖。
タイトルからもう車種はおわかりかも知れませんね。

跳ね馬=フェラーリのエンジンを積んだ4ドアサルーン。
そんなクルマ、これしかないですものね。






そう!ランチア・テーマ8.32です。

ランチアのかつての高級車、テーマ。
ジウジアーロデザインのエレガントで上品なサルーンで、僕は大好きです。
アルファ164、サーブ9000、フィアットクロマとの
クワトロプロジェクトのうちの1台なのは有名な話。
基本的には4気筒とPRVのV6・2.8Lやアルファ製のV6を積むこのテーマですが、
この8.32(通常ハチサンニと読む)は、フェラーリ製のV型8気筒、32バルブを
半ば無理矢理押し込んだ珠玉の一台です。
そう、ハチサンニは、V8・32バルブの事なのです。

フェラーリ308用の3Lエンジンは街乗り用にデチューン&調整され、
前期型では215馬力、後期型では205馬力を発生。
でも音やフィーリングは、まさにフェラーリのあの感触、そのもの。
ちょいと乗ったことあるんですが...死にそうでした。あの音、忘れません。



ところがこのクルマ、車名にもボディにも「フェラーリ」の文字は一切使われていません。
エンツォ・フェラーリが、車名の使用を拒んだという逸話が残っているのです。
そういえば直系のDINOでさえ、V6だからフェラーリではないと
ボディにエンブレムさえ付けなかったのですから況やおや、ですね。


エンジンも高級なら、内装も一級品。
ポルトローナ・フラウの革シートに本木目のウッド。
メーターまで特製で、パネルもオリジナルでした。
トランク格納式の自動リアスポなども、このクルマの特別さを語っていましたね。




>>ところで、なぜフェラーリエンジンがテーマに積まれることにあったのでしょう。
説としては1955年、不振だったフェラーリF1はランチアからF1カーを
譲り受け、それが翌年にドライバーズタイトルを獲得したことへの恩返しである、
と聞いたことがあります。うーん、なかなかいい話です。

>>こんなスーパーサルーンを「オートザム」で売ろうとしたマツダって...(号泣

>>ちなみに高校の後輩のオヤジがなんと8.32を買って(!)、でも案の定壊れて
その代車にデドラが来て、でもそれも壊れていつも乗っていたのは
オートザム・キャロルだったとかという話を思い出しました(涙

コメント (17)
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