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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

一発芸

2020年10月21日 | 研究
2019年と2020年、ハンターズは三和土を使った集水システムの研究を行いました。
特に堆肥を添加すると長期間、徐々に栄養分が流れ出し
緩効性肥料となることに気づいたのは、いかにも農業高校生らしい発見でした。
さまざまな実験をしながら、この三和土をレンガのように成形したら
肥料分を持った面白い花壇用ブロックや花壇の置物ができるとよく話題にしていました。
実験が一段落した6月中旬、日本代表のサポートメンバーが
さっそくアイデアを実現させてくれました。
それがこのブロック。蜂の巣のような八角形の可愛らしいできです。
中にはウサギの形をしたオブジェもあります。
面白いのが色の違い。土に着色しているのではありません。
黄色は淡路黄土。今は貴重になったという黄色を帯びた土です。
緑色は浅黄土。緑色を帯びたやはり天然土です。
どうせ作るならガーデンデザインに役立つように色土で作りました。
世界にはいろいろな土があるので、子供達が土を学べる面白い使い方も
できるかもしれません。彼らの工夫はこれだけではありません。
色によって中に含ませた堆肥を変えたのです。
窒素分を多く含む米ぬかや油粕は黄色、リン酸を多く含む骨粉は緑、
さらにここに写っていませんが、草木灰を入れたものは灰色と全部で3つ。
まだ作っていませんが、沖縄の赤土を入れると4種類にもなります。
栽培する作物によってブロックを変えるという楽しみも
ガーデナーに提供しようというアイデアです。
この技術はコンクリートでも試され、同様の結果を得ています。
研究から生まれた技術を、私たちの暮らしに生かす。
これこそフローラが得意としていた商品開発の手法です。
特許が取れたかもしれない一発芸でした。
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緑のカーテン

2020年10月21日 | 学校
緑のカーテンというとゴーヤやヘチマ、ヒョウタンなど
つる性植物を窓の前にカーテンのように這わせて遮熱することをいいます。
都会では壁面緑化としてよくビルに用いられ、
ときどき上京するとそのアイデアと規模の大きさに感心させられます。
こちらは緑のカーテンというよりは家具屋のカーテン売り場。
たくさんのカーテンが等間隔で並んでいます。
さてこの植物はなんでしょう。
青森県南部地方の方ならすぐにピンとくるはずです。
答えはナガイモ。青森県が誇る特産品です。
南部地方はヤマセという低温多湿の北東の風が吹くため
夏になっても気温が上がらないことがよくあります。
そのため津軽地方のようにリンゴ栽培には向かず、
コメも冷害のため皆無作になることもかつてはありました。
しかし気温は下がっても、地下の温度は大きな変化を受けません。
そこで県南地方ではニンニクやゴボウ、そしてナガイモなど根菜の産地となっているのです。
現在は北海道に生産量日本一を譲りましたが、
あちこちでこのようなナガイモのカーテンを見ることができます。
だんだん葉が黄化してきました。そろそろ収穫時期を迎えたようです。
秋に収穫する農家も多いのですが、あえて越冬させて春に掘る方もいます。
収穫は秋でも春でも問題ないのですが、料理をすると味が違うといいます。
秋は新物なので新ジャガ同様、皮が薄く水分が多くてフレッシュ。
春はコクと甘さが凝縮されていて、これまた美味しいという評判です。
2度の収穫期がある青森県のナガイモ。機会があったらぜひ食べ比べしてください。
なおムカゴご飯にするムカゴもこれから収穫です。
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