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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

先輩を超えろ !

2020年10月10日 | 研究
三和土(たたき)を使った集水システムで
ストックホルム青少年水大賞グランプリを受賞したトレジャーハンターズ。
応用すれば簡易堤防も作ることができると発表していました。
しかし消石灰などが材料のため、どうしてもCaが流出するなど
浸漬実験ではECが高くなってしまう傾向にありました。
この春、ハンターズのもとで研究を始めたJr.男子。
可哀想なことに、例年と違いハンターズが世界大会に出場するため、
あまりかまってあげられません。
そこで先輩の研究データを見せて、この三和土に何かを添加して
成分が流出するのを抑制してくださいというテーマをプレゼントしました。
条件は天然物。ハンターズも少しアイデアを出しましたが
彼らが選んだのは2つの視点。ひとつは油分の撥水効果で
水の浸透を抑制する方法。検討の結果、ダイズやナタネの油粕を添加しました。
もうひとつは三和土をコーティングする方法。
選んだのは防水塗装にも使われる柿渋と亜麻仁油です。
男子Jr.は二人。まるでゲームでもしているように
先輩に教わりながら、楽しそうに三和土を作っては浸漬実験をしています。
その結果、勝ったのは後者。確かに油粕は撥水しましたが
次第に三和土から油分が浮き出し、返って水を汚してしまいました。
油粕は有機質肥料。当然、窒素もリン酸も増えてしまいました。
圃場に設置する集水システムなら使えるかも知れませんが堤防では無理です。
大成功したのは柿渋と亜麻仁油。どちらもわずか3%混ぜただけで
Caや栄養分の流出をほぼ抑制に成功。ECの上昇も圧倒的な差で押さえました。
なんだか先輩よりいい堤防が作れたと満足するJr.たち。
これには先輩ハンターズも驚いていました。調子に乗ったJr。
大学主催のオンライン発表会に申し込んだらなんと発表研究に採択されました。
それを伝えたら「ありがとうございます」と喜んでいます。
ハンターズは確実に後輩を育てています。
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ローズヒップ ?

2020年10月10日 | 学校
秋になりたくさんのバラに身がつき始めました。
これはデンティ ベス(Dainty Bess)という
サーモンピンクの花をつける一重咲きのバラの実です。
ローズはバラ。ヒップはお尻ではなく、
それだけでバラの実をさす単語だそうです。
多くの女性はローズヒップというと飲み物を思い出すはずです。
ハイビスカスなどとブレンドしたお茶は
ビタミンCが豊富に含まれていることから昔から美容に用いられて来ました。
イギリスでは第二次世界大戦時、オレンジの代わりにビタミンをとる果物として
利用されたという記録が残っているそうです。
しかしどんな実でもロースヒップと呼ばれているわけではありません。
正しくはドッグローズ(ロサカニーナ)、ハマナス(ロサルゴーザ)など
野生種の実をいいます。なぜ野生種の実をこういうのかわかりませんが
私たちが山で山菜を採るように、昔は野山に自生していた野生種の実を
摘んで使ったからではないでしょうか。
なんとなく庭で咲いている園芸種よりは野生種の方が
薬効があるような雰囲気もあります。
そのあたりはよくわかりませんが、イギリスとバラ、
ヨーロッパとバラの文化史でも探るときっとわかるはずです。
ところでこの果実は熟すと赤黒くなってきます。
割ってみると大きな種子が数粒入っており、
播くとなんと翌年の春には芽が出てきます。
さらに成長が良いと花も咲かせます。
人工授粉をした翌年にはもうその姿を確認できるため
高校生が育種を体験できる優れた植物だと思います。
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