環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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なぜ先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう⑪    「情報公開制度」と「オンブズマン制度」

2007-09-02 23:16:23 | 社会/合意形成/アクター

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「福祉国家」スウェーデンを維持していく上で重要な様々な制度があります。その中から「情報公開制度」と「オンブズマン制度」に触れておこうと思います。





国、自治体などの公的機関の持つ情報は原則的に一部の情報を除き公開されています。逆に、公開を制限される情報としては、国家の安全、外交関係、民族関係および個人のプライバシーに関する情報などがあります。この情報公開制度ができたのは、1766年といわれていますから、240年以上の歴史を持った制度ということになります。

もう一つ、日本でもおなじみになってきた「オンブズマン制度」があります。この制度も実は1810年にできたと言われておりますので、190年以上の歴史があります。オンブズマンは国会に属しており、行政機関の独走や逸脱行為をチェックする機構です。オンブズマンのチェックの対象になるのは中央、地方を問わず、すべての行政機関およびそこに働くすべての公務員です。

ただし、閣僚、国会議員、地方議会議員は対象外です。「なぜ、閣僚、国会議員、地方議会議員が対象外なのか?」といいますと、その理由は簡単で一部の例外を除いて、国民が自らの意志で選挙を通じてこれらの人々を選ぶことができる機会があるからです。これに対して、国民は個人の意志では公務員を選ぶ機会がありません。ですから、オンブズマンが国民に代わって公務員の独走や逸脱行為をチェックするのです。

スウェーデンの様々な行政組織にはこのオンブズマン制度をはじめ様々な形のチェック機能が働く仕掛けがついているのですが、日本には行政をチェックするこの種の機能があまりないように思われます。

1990年頃までに、

(1)議会オンブズマン
(2)消費者オンブズマン
(3)プレスオンブズマン
(4)人種差別撤廃オンブズマン
(5)男女機会均等オンブズマン
(6)公正取り引きオンブズマン
(7)児童オンブズマン

などの制度がつくられました。



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8月のブログ掲載記事 

2007-09-01 11:13:48 | 月別記事一覧


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1.7月のブログ掲載記事(8/1) 

2.前期試験の答案から①(8/2) 

3.前期試験の答案から②(8/3) 

4.前期試験の答案から③(8/4) 

5.環境問題に対する日本の議論の推移(8/5) 

6.いわゆる「地球環境問題」と「地球規模の環境問題」(8/6) 

7.古くて新しい問題 「高校野球」と「原発」①(8/7) 

8.古くて新しい問題 「高校野球」と「原発」②(8/8) 

9.このままでは国が滅ぶ、 そして、10年後、「借金時計」がとまった(8/9) 

10.財政再建に成功したスウェーデン①(8/10) 

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12.「自信と楽観主義」とともに超えた、20世紀から21世紀の峠(8/12) 

13.進化してきた「福祉国家」① 「世界の最貧国」から「世界で最も豊かな福祉国家」へ  (8/13) 

14.進化してきた「福祉国家」② 社民党の44年にわたる長期単独政権(8/14) 

15.6月の景気動向指数(8/14) 

16.進化してきた福祉国家③ 20世紀の「福祉国家」の基本的な考え方(8/15) 

17.進化してきた福祉国家④ 70年代の「旧スウェーデンモデル」への批判(8/16) 

18.あらためて、戦後62年 立ち止まって考えてみよう(8/17) 

19.最も電力需給が厳しくなるのは8月下旬(8/17) 

20.進化してきた福祉国家⑤ スウェーデン型社会民主主義(8/17)  

21.EIUの民主主義指標 成熟度の高い民主主義国の1位はスウェーデン (8/18) 

22.なぜ先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう① 国民の意識と民主主義の成熟度(8/18) 

23.なぜ先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう② 一味違う「フロンティア国家」(8/19) 

24.8月15日のブログのコメントへの返信(8/19) 

25.国連事務総長 温暖化「最重要の課題」(8/19) 

26.原発を論じた2つの討論 朝日新聞紙上の「耕論」とNHKの「日曜討論」(8/19) 

27.今年もやってきた「最大電力」に一喜一憂する季節(8/20) 

28.なぜ先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう③ 当り前の原則(8/20) 

29.なぜ先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう④ スウェーデン人のイメージ①
(8/21)
 


30.なぜ先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう⑤ スウェーデン人のイメージ②
(8/22)
 


31.今夏最高記録を更新、東電の最高電力は6147kW(8/23) 

32.なぜ先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう⑥ スウェーデン人のイメージ③
(8/23)
 


33.なぜ先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう⑦ スウェーデン人のイメージ④
(8/24)
 


34.なぜ先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう⑧ 国の方向を決めた政治的選択
(8/25)
 


35.なぜ先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう⑨ 省益に左右されない「意思決定システム」(8/26) 

36.またまた更新、3つの指標(8/26) 

37.今度は過去最低を更新!(8/27)  

38.なぜ先駆的な試みを実践し、世界に発信できるのだろう⑩ 地方分権:国と地方の役割分担(8/27) 

39.進化してきた「福祉国家」⑥ 官庁の地表分散と福祉(8/28) 


40.進化してきた「福祉国家」⑦ 他の先進工業国の「福祉(政策)」との質的相違(8/29) 

41.進化してきた「福祉国家」⑧ 「福祉国家」スウェーデンを理解するために(8/30) 

42.進化してきた「福祉国家」⑨ 「現実主義の国」vs「現状追認主義の国」(8/31) 



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