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一昨日、昨日とスウェーデンのパフォーマンスが20世紀の経済大国よりも相対的に優れた成果を提示しているにもかかわらず、このようなスウェーデンに学ぼうと考える人は、日本の政財界には多くありませんでした。
経済産業省・経済産業研究所の小林慶一郎研究員が「現代」(2002年12月号)で、スウェーデンに対する典型的な日本の反応を報告しています。
上の記事の中に「1930年代の世界恐慌をいち早く脱出することに成功した経験を持つ・・・・」という記述があります。この部分の状況を補足するために、岡沢憲芙さんの著書「スウェーデンの挑戦」(岩波新書177 1991)の序章の当該部分を紹介します。当時のアメリカやイギリスがスウェーデンをどのようにみていたか、その一端を知ることができます。今から70年以上も前のことです。
900万人と1億2000万人の人口の差、1%と16%の世界経済に占める割合の差は、たしかにスウェーデンが日本に比べれば、人口や経済の規模でまぎれもない小国であることを示しています。しかし、日本がいまだに処理しきれていない不良債権問題が、スウェーデンでは1年で解決したのは、「スピード」「政党間の協力」「透明性」があったからで、これらは明らかに日本にはなかった要因です。
「同じ種類の問題」を同じ方針や手段で解決しようとするときには、人口が少ない小国のほうが有利なのは当然です。しかし、こと不良債権処理に関しては、スウェーデンには、日本にはなかった発想や方法論や手腕がありました。似たようなことはアスベスト問題でも、原発問題でも、温暖化問題でも、ゴミ問題でも同じです。このようなときに、人口規模が違いすぎるとか、経済規模が異なるという表面的な言い訳は、成り立ちません。このような言い訳をする人の論理的思考の欠如が疑われます。
余談になりますが、スウェーデンも日本も議会制の民主主義の国です。900万人と1億2000万人の人口の差は紛れもない事実です。しかし、実際に両国の「国の政策決定」に携わるのは900万人でも、1億2000万人ではありません。
日本の憲法では、国会は「国権の最高機関」であって、「国の唯一の立法機関」と位置づけられています。日本の国会は、衆議院と参議院の二院で構成され、両議院は「全国民を代表する選挙された議員(国会議員」(衆議院議員参議院議員)で組織すると定められています。現在の(2007年の)衆議院議員の定数は480人で、うち300人は小選挙区制によって、180人は比例代表制により全国を11に分けた各選挙区から選出されます。 参議院議員の定数は242人で、うち96人は比例代表制によって、146人は都道府県を単位とする47の選挙区から選出されます。
一方、スウェーデンの国会は、現在、1院制です。1970年(昭和45年)、スウェーデン国会は1866年(慶応2年)以来の伝統を持つ二院制(第一院:150人 任期8年、第二院:230人 任期4年)を一院制(350人 任期3年)の直接・比例代表選挙に切り替えました。1976年の選挙から定員を1人減らして、349人に変更し、現在に到っています。
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ですから、現在の両国の国会議員の数は、日本が衆・参合わせて722人、スウェーデンは349人、つまり、 「国の政策決定」に携わる国会議員の数は、おおよそ日本2に対してスウェーデン1ということになります。
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