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今日は昨日よりも少し時間を遡って、小泉さんが首相に就任し、初めて国会で行った「所信表明演説」を検証してみましょう。2001年5月7日の朝日新聞夕刊がこの日の午後行われた所信表明演説の全文を掲載しています。
この所信表明演説は次のように構成されています。
●新世紀維新を目指して
●日本経済の再生を目指して
●経済・財政の構造改革
●行政の構造改革
●社会の構造改革
●21世紀の外交・安全保障
●むすび
次の図は上の図の赤枠の部分「新世紀維新を目指して」の冒頭の部分です。
次の図は演説の赤網をかけた部分、すなわち、「環境に関する部分」です。
そして、次は「むすび」の部分です。
この演説を読む限りは、小泉内閣は「20世紀型社会の改善内閣」の域を出ていません。21世紀の経済活動を大きく左右する要因である「資源」と「エネルギー」については、「資源」という言葉は「新世紀維新を目指して」の項で「資源に恵まれないこの狭い国土で」という表現で一度登場するだけですし、「エネルギー」という言葉は一度も登場しません。
20世紀後半に明らかになった「少子・高齢化問題」と「環境問題」は、20世紀の国づくりではまったく想定されていませんでした。しかし、21世紀の国づくりでは決して避けて通ることができない大問題です。このことは、「経済規模の拡大」を前提とする日本の21世紀前半の国づくりに大きな疑問を投げかけることになります。 「資源・エネルギー・環境問題」が、「これから50年後の社会のあるべき姿はいまの社会をそのまま延長・拡大した方向にはあり得ない」ことをはっきり示しているからです。
ここで述べられている「環境問題」は「公害」の域を出ません。このことは、次の記事が報じている環境省の見解からも明らかでしょう。
この記事には、「担当の環境省内にさえ想像以上で正直驚いている。環境問題をこれだけの重要テーマにあげたのは『70年代の公害国会』以来ではないか(幹部)との声が上がった」と書かれています。
当時、私はこの記事を読んで、たいへん驚ろき、大ショックを受けると同時に、やはり、 「日本の政治家の環境問題に対する意識」への私の理解が誤ってはいなかったという印象を持ちました。この点では、日本とスウェーデン政治家の間に30年の落差がある(はっきり言えば、日本の政治家は30年遅れている)といっても過言ではないと思います。
余 談
小泉前首相が首相就任後初めて国会で行った「所信表明演説」のむすびの項に「米100表の精神」が語られています。私は、1週間前の9月6日夕方、長岡商工会議所で行われた私の講演会(主催:国立長岡技術科学大学)の機会に、長岡市内を散策しました。この日は台風9号が関東地方を直撃し、被害をもたらしましたが、なぜか新潟県は台風の影響を受けませんでした。
会場付近で撮った写真を2枚掲載します。「米100表の碑」と「米100表の幟」です。長岡駅西側大手通りに「米100表の幟」と「常在戦場の幟」が交互にはためいていました。一昨日テレビを見ておりましたら、安倍首相の突然の辞任に伴う対応でなんと民主党の小沢党首が「常在戦場」という言葉を使っておられました。
さらに、2001年9月27日に小泉首相は2回目の所信表明演説を行いました。9月27日の毎日新聞(夕刊)に演説の全文が掲載されています。
そして、環境問題に関する部分(上の図の赤網をかけた部分)を拡大します。
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