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2001年6月17日(日)に、中部の環境を考える会主催の第20回総会記念シンポジウムが生協文化会館で行われました。私は第1部の記念講演で「循環型社会へのパラダイムシフト――北欧スウェーデンの実践に学ぶ」と題して当時の最新の状況をお話ししました。第2部は4人のパネリストのひとりとして「循環型社会形成に向けた市民・企業・行政の責任」の議論に参加しました。
シンポジウムの終了後、元環境庁の幹部職員で、国連環境計画(UNEP)、ブルントラント委員会事務局などを経て、名古屋大学教授に転じた加藤久和さんにお目にかかったとき、「ブルントラント委員会をつくったのは形のうえではたしかに日本だが、じつは当時、スウェーデンが国際社会で主張していた考え方に日本が乗っただけのことだった」ということを伺いました。
このことや、9月22日のブログ「持続可能な開発という概念① この言葉との初めての出会い」で紹介したブラムネルさんの講演からもわかるように、「持続可能な開発」という概念はスウェーデン発のものだったのです。
ブルントラント報告「Our CommonFuture」の翻訳本「地球の未来を守るために」(環境と開発に関する世界委員会 ベネッセ、1987年)は、持続可能な開発について次のように述べています(「Sustainable Development」は翻訳本では「持続的な開発」という訳語がもちいられていますが、このブログでは「持続可能な開発」に統一してあります)。
ブルントラント委員会の報告のこの記述は「持続可能な開発」という新しい概念を議論するときによく引用されますが、かなり抽象的なので、この概念のコンセプトづくりに参加してこなかった日本が、この概念を思い描くのはむずかしいでしょう。
この報告には「持続可能な開発」を実行するうえで「先進工業国におけるエネルギー成長を低下させること」が挙げられています。エネルギーの量的・質的制約は将来の技術開発の可能な方向を規定するので、重要なポイントなのですが、日本ではあまり知られていません。
日本の経済成長がつねにエネルギー成長(エネルギーの消費量が増えること)をともなってきたという事実から、無視されたのかもしれません。
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