肩の凝らないスローライフ

ようこそtenchanワールドへ。「一日一笑」をモットーに・・・日常生活の小さなことを笑いに変えるtenchanの雑記帳

ずっとあなたが好きだった

2010-09-10 13:08:19 | 銀行員時代
先日、銀行の同期Kちゃんとランチした時
3時間ぶっ通しでガーズルトークしたのだが、
その時思い出した銀行員時代ネタを記事にしてみる。




同期入行のMちゃんは、
女子の中で一際目立つきれいな子だった。

きれいなだけじゃない、
地元の国立大卒の才媛で、立ち居振る舞いもお淑やか。

何か話しかけると、大きな瞳をゆっくり閉じて「うん」と頷きながら聞いてくれる。
女性から見ても
本当にかわいい~!って虜になっちゃうくらいだった。
あの頃流行った言い方をするなら
「お嫁さんにしたい候補NO.1」間違いなかった。


ところがなんと、Mちゃんはその時既に婚約していたのだ。

「秋にはお医者様と結婚するんだって~。」

当時、「腰掛け」と言われていた女子の事務職。
結婚後退職する人が多い中、
せめて2年以上は勤めてほしいと企業側は望んでいたし、
女子も不文律のようにそれを守っていたものだ。

なのに、半年で辞めるっていうのはどうよ?

まあ、いろんな事情があるのだろうから
私たちがとやかく言う事ではないが、
それにしてもね~・・・・・
というのが、周りの女子の冷ややかな反応だった。


入行後、何かと理由をつけて同期会を開いていた私たち。
名古屋市内のちょっとお洒落なお店に集まり、
ご飯を食べたり飲んだりしていた。

Mちゃんはそこでも人気者。
男子が周りに集まってくる。

でも、フィアンセのいるMちゃんは、
どんなに誘われても、
相手を傷つけないよう
さりげなく、上手に、断わっていた。



それからしばらくして、私たちはある噂を聞いた。

Mさんが同じ支店に配属された同期のY君と付き合っているらしい!

最初はグループで映画やドライブに出かけていたのだが、
そのうち二人で会うようになったという。

しかも困ったことに、Y君、
Mちゃんのことを真剣に好きになり始めているらしい。

MちゃんもMちゃんだ。
婚約しているのにちょっとそれは軽率じゃない?




そして夏が終わる頃、
Y君はとうとう、Mちゃんが寿退職する事を知ってしまったのだ。


「結婚するって決まってんなら、初めから就職なんてするなよ!」

別れ際にY君は、こう言い捨てたそうだ。


程なくMちゃんは盛大な結婚式を挙げ、ご主人と共に海外へ赴任した。

だが、なんと、
それから1年もたたないうちに、
彼女は離婚して日本に帰ってきてしまったのだ。

「やっぱりY君のことが忘れられなかったの。」
Mちゃんは親しい友人にそう語ったそうだ。


振られたY君は、どうしたかって?
銀行を辞め、大手メーカーに再就職した。
Mちゃんが離婚したことは、最後まで知らなかったということだ。