サイレンをとめて救急車が止まりました。
「何事?」と、思うんです。
急いでサンダルを履いて、家の外を見ると、斜め向かいの家の前にタンカが置かれています。
野次馬も、もうすでに集まっています。
私も、その野次馬に加わったんですけど、タンカの置かれている家の方は、もう認知症でフラフラしているとは、知っていました。
「とうとう、死んじゃうのかなぁ。」と、思っていたら、近所の方が家の中に入って行って中の様子を教えてくれたんですが、どうも食べ物をのどの詰まらせて窒息状態みたいでした。
「心臓マッサージもされている。」と、教えてもらい、「おお~!!」と、びっくりしました。
あとから野次馬に加わった母も心配そうに中の様子を気にかけていました。
少し時間が経って、「詰まらせたものがとれた。」という言葉を聞き、安心しましたが、それでも心臓マッサージは続けられているようです。
救急隊員がハンモックのような救護用具で、やっとの思いで家から外に出されましたが、もうご近所さんは顔面蒼白で、口が半開き状態で、意識がありません。
野次馬も「おお~!!」と、声を発します。
あとから聞いたんですけど、ご近所さんは食べていた「干し柿」をのどに詰まらせて倒れられたそうです。
「餅じゃなかったんだ。」と、密かに思いました。
救急車に運び込まれ、ご家族も同行されるみたいでしたが、どうも旦那さんもおじいさんなので、物腰がゆっくりなんです。
救急隊員に「急いで。」と、急き立てられているんですが、急いでいる風でもありません。
周りにいる野次馬のほうが、慌てふためいて、「早く。」と、思っている風でした。
年を取ると、食べ物をのどに詰まらせることもあります。
しっかり嚙まないと。と、思ってしまいます。