初訪では注文できるメニューが限られ、外観・内装が物凄く凝った設(しつらえ)のタイ料理のお店。噂には聞いていましたが、今回初めて連れて行って貰うことができました。所番地は調べれば解かりますが、一人ではまず辿り着けないでしょう(笑) 場所は金沢市長町、武家屋敷が立ち並ぶ観光スポットのすぐ近く。大きな旧家を改造した店舗は外観は全くの一般住宅にしか見えません。僅かにお店のロゴが垣間見える程度です。
門を入った正面の玄関は住宅用で、店舗の入り口は母屋横のアプローチを通って裏へ回ったところにあります。夜の照明に映えとっても趣があって期待感が高まります。
が、しかし、このドアがまた仕掛けじみていて2重の開きになっているのです。つまりドアを開けた途端そこにはまたドアがあるといった驚き。そして2枚目のドアを空けてやっと玄関に辿り着いた時の感動を味わうことができる(笑) 客はここで靴を脱ぎ、日本家屋を改造した店内へと案内される。縁側にはカップルシートが設けられ二人並んで庭の景色を見ながらの食事が楽しめる。
店内は入口に近い所に厨房がありそれと正対してカウンター席があるが、これは「お一人様専用」と推察する。店内は居間や座敷の風情を残しつつテーブル席に改造した和洋折衷の造りだが天井・柱・壁・仏壇・床の間などといった素材がそのまま使われているためか妙な安堵感があってくつろげる。
自分らの席は床の間に近い4人掛けのテーブル席だったが、組み合わせ式で人数に合わせたレイアウトが可能なようだ。
ここでお店のシステムを紹介すると、初めてのお客は「スターターメニュー」といって基本コンセプトの入門編のような意味合いでタイ風ヌードル2種類とサイドメニュー2種類の4アイテムしか選択肢はない。2回目以降のリピーターになって初めて「レギュラーメニュー」を注文することが可能になる。さらに、2階の特別室に至っては更に訪問回数を積み重ねた「常連」にならないと利用することができない。訪問回数の管理はメンバーズカードのスタンプではなくて、木札型ストラップに訪問ごとに1個焼印を押すと言う凝りよう。さらに木札が一杯になったら陶器製の札に昇格するという仕組み。なので皆さんこの陶器製ストラップ取得を目指してせっせと通い詰めている(笑)
今回はこちらの常連さんに同行して頂き、一から手ほどき頂き本当に感謝です。
チャング、サイゴン、シンガーなどのベトナムビール。あっさりからコク深いものまで、しかし小瓶なのですぐに無くなるのが残念(笑)
前菜にはイタリア産子牛の生ハムとパンチッタ
生ハム美味しい。貪瞋痴にもあった骨付き一本肉を注文ごとにナイフでスライスしての提供。シットリ噛むほどに旨みが出る
豚バラ肉の塩漬けパンチッタ プリプリの食感でガッツり旨い
牛フィレ肉と赤身筋肉の唐辛子オイル煮
どれもビールがすすむ前菜です
スターターメニューの麺メニューは濁(にごり)と澄(すみ)の2種類のみ。友人とシェアして食べ比べてみました。
濁(にごり)は味噌ベース、たっぷりの香草とプリプリの海老が入った濃厚なスープ
麺は平打ちの太麺。濃厚な味噌ベースのスープにも負けない力強い麺でした。
もう一方の澄(すみ)は鶏ガラ出汁にナンプラーの風味が効いたとってもエスニックなスープ。これもパクチーなどたっぷりの香草と一緒に食べると余計にアジアンテイスト。
澄の麺は細麺。口当たりが良くてスープと一緒にスルスル収まっていきました。
デザートは桜の花びらの塩漬けが入ったジェラード。ピンク色が鮮やかで見た目も美しい。この塩分が甘さを引き締め、まさに大人のジェラードでした。
箸置きは、チェスの駒とアジアンテイストのモニュメントを意識したオリジナル作品。オーナーは LUCIZAN ceramic factory(ルチザンサラミックファクトリー)陶芸教室も開設するなどの陶芸家で、店内で使用している器のほとんどは氏のオリジナル作品だそうです。
正直なところ、こんなハイカラなお店ではラーメン食ってる気がしません。のぼるのトムヤムラーメン、クレープBONのベトナムラーメンが自分の中のBESTタイ料理です。ナウでヤングなお客はせっせと通って2階の特別席でデナーを召し上がれ(笑)
追加情報:
お友達のSやんによれば、こちらが参考にしたと言われているお店
藤巻激城(ふじまきげきじょう) とってもギミックな仕掛けと10,000円のラーメン、完全予約制などで話題を提供したそうである。
お店情報
店名:くらげが雲になる日
住所:石川県金沢市長町2-6-5
電話:076-231-4674
営業日: 水~金曜日:17時~22時
土曜日:昼の部12時~15時、夜の部18時~22時
日祝:12時~16時
定休日:月・火曜日
駐車場:無し