
アルテミスの噴水(Fontana di Artemide)
泉の真ん中に立つ女神アルテミスは森の妖精アレトゥーザを助ける
アレトゥーザは川の神アルフェイオスに言い寄られ、困り果てていた
アレトゥーザは川の神アルフェイオスに言い寄られ、困り果てていた

どんだけ嫌われてんねん~♯
海沿いには、このアレトゥーザを主人公にした「アレトゥーザの泉」があります。
いずれも川の神を嫌って逃げる森の妖精の物語・・・ギリシャ神話に基づきます
いずれも川の神を嫌って逃げる森の妖精の物語・・・ギリシャ神話に基づきます
シラクーザ/アルキメデスの広場にて
2019年12月24日撮影
シラクーザに関する偉人として二人の名前が挙げられます。一人はこの町の出身者である数学者のアルキメデス。今一人は、ディオニュシオスと大きくかかわる哲学者プラトンです。アルキメデスは、さすがこの町で生まれた有名人なので、広場にもその名前が付けられ、彼の代名詞のような「π」のモニュメントもバス通り沿いに立てられていて、車中からでも目を引きました。

ラルゴ・ニコーラ・カリパリ通りの三角地帯にあるモニュメント
カターニア→シラクーザ行きのバスの車窓から見えます
ストリートビューより
※地元紙によると退任した議会議員夫妻の寄贈だそうです
建築家マッシミリアーノ・ウルチュッロ設計
芸術家カルロ・ジレ作/2017年に設置
(高さ3メートル・幅も同じく3メートルらしい)
建築家マッシミリアーノ・ウルチュッロ設計
芸術家カルロ・ジレ作/2017年に設置
(高さ3メートル・幅も同じく3メートルらしい)
ディオニュシオスの治世より200年後、この時代のシラクーザは、ローマを裏切ってカルタゴ軍に付いていましたが、アルキメデスは、攻め入ってきたローマ軍から、ひたすら町を守ろうとしていました。様々な兵器を発明してローマ軍を悩ませます。それは、例えば、海岸沿いに並べた鏡に太陽の光を反射させ、敵船を焼き討ちするとか、巨大な鉤づめを考案して敵の船に引っ掛け転覆させるとか、得意の数学や物理学を駆使して、シラクーザを守るための道具を考案しました。ちなみにアルキメデスの博物館となるArchimedes Park Musemではそれらの発明品が垣間見られます。

フィレンツェの建築家ジュリオパリージによる絵画
鏡を反射させてローマの敵船を燃やす様子
鏡を反射させてローマの敵船を燃やす様子
そんなアルキメデスでしたが、ついには戦禍に倒れます。敵の指揮官は彼の優れた才能を知っていたので、危害はくわえるなと命じたのに、ローマ兵はアルキメデスとは知らず殺してしまったのです。有名なお話ですが、アルキメデスの最期の言葉はこのローマ兵に向けた『その図を踏むな』だったとか。紀元前212年、第二次ポエニ戦争でのことでした。

自らの発明品でシラクーザを守ろうとしたアルキメデス
ざっくりとしたお話になりましたが、ちなみに、この時の指揮官・マルクス・クラウディウス・マルケッルスは、あのハンニバルと戦い、勇猛果敢な軍人と称された人物です。どこまでも伝承によるストーリーですが、シラクーザを巡る物語は、このようにすそ野を広げていくのが面白いです。

アルキメデスを称えて2016年に設置された記念像
wikiwandより
片方の手にコンパス、もう片方には小さな鏡を持って海に向かって立っています
オルティージャ島へ向かうウンベルティーノ橋を渡る右手の広場にあります
シラクーザの彫刻家と公募で選ばれたリグーリアの建築家のアイデアだそう
オルティージャ島へ向かうウンベルティーノ橋を渡る右手の広場にあります
シラクーザの彫刻家と公募で選ばれたリグーリアの建築家のアイデアだそう
さて、もう一人の偉人がプラトン。ディオニュシオスの暴政を何とかして正そうと苦心惨憺するのですが、いかんせん、聞く耳を持たない王には、馬の耳に念仏、糠に釘、のれんに腕押し、そこまで言うか~ですが、それどころか、ディオニュシオス二世に至ってはプラトンを疎んじ始めます。これって、何だか、企業の第二創業における、今の世にも通じるような・・・
-続く-
余談
先日、テレビの海外特集で、ヨーロッパへ密航する難民のニュースを見ました。「アラブの春」で民主化を目指した国チュニジアの若者たちの話です。チュニジアの南東部に位置するザルジスという町でしたが、国の失業率が16%にも及び、仕事を求めて欧州へ渡るのだそうです。先ず目指すのは、チュニジアから一番近い、といっても、250キロもあるイタリアのランペドゥーサ島。以前何度か問題になりましたが、今回は深刻で、密航船で故郷を出た若者たちが、船の転覆で目的地にたどり着けないどころか、不運にも遺体となってザルジスの海岸に流れ着くのだとか。日々増えていくその遺体を、せめてもと一体一体、丁寧に葬る地元の老人の話には胸打たれましたが、それにしても地中海の覇者カルタゴの末裔…と言えるかどうか、余りにも時が経ち過ぎていますが、どちらにしても痛ましいチュニジアの現状でした。
アルキメデスは、円の面積が円周率と半径の平方の積に等しいことを証明した。
(ブログ4枚目と5枚目の絵)
アルキメデスは紀元前287年、シラクーザに生まれた。シラクーザはシチリア島の東南部に突き出た海岸線に位置する人口12万5000ほどの中都市で、今も島では港町としてそこそこの重要性を保っている。しかし驚くなかれ、シラクーザはかつて、地中海最大の都市として繁栄した輝かしい歴史を有しているのだ。(中略)シラクーザはアグリジェントと並んで、シチリア島の代表的なギリシャ系植民都市となった。アテネとスパルタが盟主の座を争った前5世紀のペロポネソス戦争では、スパルタ側についてアテネ勢力を島から駆遂。続く前4世紀には、シチリア島の全域をほぼ従えるに至った。このとき、シラクーザの人口は5万を突破。(中略)アルキメデスは、シラクーザの繁栄の歴史の最後を飾る英雄である。彼は浮力の原理を見出したにとどまらず、螺旋状のねじ構造を回転させて水を汲み上げる
”アルキメデスのねじ”を発明するなど、偉大な知性としてその名を広く知られていた。その頭脳は、対カルタゴでのシラクーザ防衛にも発揮されていた。しかし、カルタゴの英雄ハンニバルの勢いをみたシラクーザの若き王は、それまでのローマとの盟約を破ってカルタゴに与する愚挙に出た。怒れるローマはすぐさま大艦隊を派遣してシラクーザを包囲。老アルキメデスは巨大な凹面鏡を用いてローマの軍艦を焼き払うなどして抵抗したが街は(紀元前212年)ついに陥落。(中略)シラクーザはそれ以後、歴史の表舞台から姿を消す。(イタリア24の都市の物語 池上英洋 46頁~51頁 光文社新書)
いつかツアーではなく一人でイタリアに行きたいと思いながら、こちらのブログはほんとに参考になって。時々面白いお話に笑ったりもしていますが。ローマやフィレンツェはツアーで行ったことがあるのですが、シチリアも憧れの地になりました。いつか行ける日が来るのを待って私も一人旅に挑戦したいです。続きも楽しみにしています!
以前にモニュメントのお話を聞いて、高さは3.1415...mとかじゃないかなんて思いましたが、歩いている人と比較するともう少し高いですかね。
膝は治りましたが毎日の歩き過ぎがたたりあちこちが痛みます。でも旅行中も毎朝夕ぬりぬり(スミルスティック)しながら歩き方を気をつけたりしてなんとかなっていたので、今もその訓練?と思っています。ほんとバスタブは欠かせないです。イタリアは石の街で夜はほんとに冷えるので。
そしていろいろなニュースにも心が痛みます。この秋はもう無理、いくらワクチンが行き渡っても街が再生するのか不安です。来年の秋のフィレンツェとトスカーナの街には行きたいなあ。
あとアッシジは私の場合ローマからでした💦ペルージャ、アッシジ、スポレートをそれぞれ1泊すると駆け足になるので、バスで1時間かかるグッビオをやむなく断念。アッシジ2泊にスポレート1泊、その間にスぺッロという街に途中下車します。高くなくてアクセスも良く、部屋もきれいなホテルを検索したりして気を紛らわしています。
それからマッシモ劇場は2022年の7月まで有効なバウチャーが来ました(笑)
海外旅行は、日が経つに連れて、まだまだ行けないなぁと感じます。ワクチンが世界中の人たちに行き渡って、インフルエンザと同じくらい流行性の風邪になるには長い期間かかるでしょうし。でも沢山の旅程を立てられて、すぐにでも行けそう。私は、モチベーションが上がらなくて、その代わり、一昨年の旅行をせめてもと辿っていますが、気分は下降線です。広島れもんさんのウンブリアの旅、いいですね。
マッシモからのバウチャー!来年の夏に向けて、シチリアの旅程をしっかり立てなくちゃですね。イこうしてタリアとつながってる広島れもんさんが羨ましいです。
イタリアへ行けるのは変異種も出てるし、早くても来年の夏以降でしょうか?ヴェネチアやパドヴァのバウチャーは来春までだけどそれはもう無理そうだし、私なんか待ってる間におばあちゃんになるからテンション下がりまくりですよ(笑)でも悲しいけどどうにもならない😢それでいくつか作った旅程の中で優先順位をつけ1年に2回行けたらいいなと思っていますが、私はまだローマとヴェネチア、ボローニャ、パドヴァしか行ったことがないので(ツアーでもミラノとフィレンツェ)、シチリアへは当分行けないことになりました・・・。
そんなこんなで気持ちを上げたくて、2月に入ってから電気自動車購入プロジェクトを立ち上げ猛勉強中です(笑)実は我が家は太陽光発電を蓄電池にためエコ生活をしているのですが、設備費にお金がかかり採算はとれてないんです。そのうえに電気自動車、もうこれは地球のためという自己満足に他ありません。それに私は免許を返納してしまったのですが、何にも調べない家族に代わっていかに賢く太陽光と電気自動車で暮らすか、また別の脳をフルに使っています(笑)
主なところだとアッシジは1泊(ゆっくりしたい場所とわかっているのですが・・・)、チンクエテッレもフィレンツェから日帰り(遊覧船をやめました)、ナポリもエルコラーノ遺跡をはぶきました。
Kazuさんに教えていただきたいことがあるのですが、ナポリの国立歴史博物館ってどんなかんじですか?絵を見るのが大好きなので、カポディモンテに2日行くか迷っています。