
矢印のピンクの建物がホテル「Hotel Cenobio Dei Dogi」
■2012年12月24日(月)
カモッリの宿泊先をどこにするか、ここは夏になれば海水浴客が沢山訪れるはずだから、ホテルはそれなりにあるとは思うものの、具体的なホテルの情報はなかなか得られませんでした。ネットでどうにか知ったホテルの写真と名前だけを頼りに私が予約したのは「Hotel Cenobio Dei Dogi/ホテル・チェノビア・デイ・ドージ」でした。グーグルアースで探すと駅に近いし、それなりの設備もあって女性の一人旅には安心だと考えたのです。そして現地に着いて分かったのは、このホテルはカモッリで一番大きいリゾートホテルで、シーズンならとてもとても予約は取れないし、料金も倍以上になるとのこと。やはり、オフシーズンの今だからこそ泊まれるホテルなのでした^^;。

荷物がなければ黄色の矢印のところから階段で降りられます
ホテルに行くには、上記の写真(カモッリの駅前)、駅前に市庁舎があるのですが、荷物がなければ、その市庁舎の横、黄色の矢印から下に階段があって降りられます。結構急な階段だし長いので、私のような大きな荷物があれば、青い矢印の方向にゆるやかな坂を下りていきます。

「Hotel Cenobio Dei Dogi」の入り口
オフシーズンはこんなリゾートホテルでも閑散としていてさすがに寂しい雰囲気でしたが、成る程格式もあって落ち着いているし、何よりも十分な安全が保たれていることに安堵したのでした。なにしろ女性の一人旅、一に安心、二に清潔、三に駅近~等と何かの標語ではないですが、ホテル選びにはいつもこの三つの条件を思います。

フロントから続くホテル一階の廊下
チェックイン後、日の明るいうちに、ホテルのサロンやテラスにも出て、海を眺めたり、写真も撮ろうと、思いの外立派なホテルの仕様に私はウキウキとしていました。ホテルステイも旅の楽しみの一つですものね。お天気は今一つでしたが、こんなにいいホテルならもう一泊もするのだったなぁとちょっと残念にも思いながら。

ホテルのサロン
ホテルにはこの時期だから宿泊客も少なくて、サロンには誰も居ませんが、海に向かっているテラスに出ればカモッリの海岸がずっと見渡せました。曇り空の冬のリビエラ~それでもこれほどの景観が望めるのだから、季節の良い晴天の日ならどれほど素晴らしい景色が広がることだろうと、予想以上に温かなこの地方の気温も手伝って、私のホテルの内外の散策は続いていました。

プールとプライベートビーチに下りられるテラスに出るドア
このホテルには中二階のテラスにプールも備わっています。そのテラスからはプライベートビーチにも行けるし、滞在するファミリーやカップルがこのホテルで過ごす夏のバカンスはどんなに優雅で楽しいことでしょう。私もテラスに出て、季節はずれではあるけれど、リゾート気分をちょっと味わってみようと思ったのは、今でも無理からぬことだったと思うのです。

プールとプライベートビーチにも下りられるテラス
テラスに出られるドアを確認をすると、ドアは簡単に開いてテラスに出られるようになっているし、ドアの外側にも内側と同じ形の取っ手が付いている、大体がこうしたテラスに出るドアは安全上、外側からは開かないのが通常なのだけれど、チェックイン時に、「Posso andare in terazza?」(テラスに出られますか)と聞いたら「si,certo」(はい、勿論)とのことだったし、サロンからは同様の形をしたドアから出て入ってこられた…、一瞬迷いはしたものの、例によって「ちょっと行ってみよう」の好奇心が湧いて、気がつけばドアを開けてプールのそばに立っていた私なのでした(^^)。
季節はずれでもプールの水は満々と張られ、枯葉一葉落ちていません。周辺も掃除と管理が行き届いているのには、さすがだと一人で感嘆の声を上げました。ビーチに続く階段を下りたり、遠くに見える教会や海、そして夏のバカンスを過ごす人たちの様子を思い描きながら、そこに20分ほど居たでしょうか。さて、中に戻ろうとしたとき、ドアが開かないのです。えーっうっそーまじ?と思いながらも、やっぱりなぁ…やられたーと冷静に考える私も居ましたが、人の気配がしないこのホテルの雰囲気から、このまま誰も私に気付いてくれなかったらと思い始めると、すっかり怖じ気づいてしまいました。そして、ホテルのテラスから…

「Aiuto-(たすけてー)」と叫ぶ羽目になったのです。旅行中、何かの連絡の為に、宿泊するホテルの電話番号はいつも携帯電話に登録しているのですが、たまたまこのホテルだけは指定されたチェックインの時間に到着するし一泊ということもあって携帯には登録していませんでした。もし電話が掛けられたらフロントに連絡できるのにと思ってもこれぞ絵に描いたようなあとの祭り。テラス中、中に入れる場所を探しましたが、どこにもありません。イタリア語なら、こんな時「オーマンマミーア」、英語なら「オーマイガーっ」、日本語なら「偉いこっちゃ~どないやねんっ」よねぇ、とか一人でブツブツ言いながらもだんだんと不安は募ります。その不安が絶好調、じゃなくて、絶頂に達したとき、やっと一人の宿泊客がテラスに居る私に気がついてくれたのでした。
このテラス、夏はきっと解放されているだろうし、冬は最初からオートロックにしてあるか、あるいは時間が来たらロックが掛かるのか、今となっては分からないことですが、例え鍵がなくてもどこかからか家に入れる我が家の暮らしぶりと私の危険予知能力の貧しさが露呈した一件でもありました。そして…
「ホテルのドアは外からは開けられない!」 カモッリで得た教訓なのでした^^;。