イタリアより

滞在日記

トレッキアーラ城を訪ねて

2018年12月29日 | トレッキアーラ

トレッキアーラ城

降りたバス停からお城に行くまでに
写真スポットがあります
訪問者はきっと皆ここで撮影をするのだろうと思います
今日は私一人がお城を独り占めしました


■2018年12月28日(土)

パルマの郊外、生ハムの製造で有名なランギラーノ地区にあるトレッキアーラ城を訪ねました。ミラノから普通電車で約1時間半、パルマの駅から郊外のバス路線に乗ります。時刻表は前もってこのバス会社の公式サイトで調べてはいましたが、時刻表通りバスが出るのか、バス停はどこか、恐らく切符は近くにタバッキがあって、そこで買えるのだろうけれど、これらの詳しい情報は得られないままでした。


お城の内部

天井のフレスコ画にあんぐり口をあけています
何百年も前にしめった漆喰に描かれた絵が
こんなに色鮮やかで残っている
恐らく修復もされたのでしょうけれど
鮮やかな青は、パヴィアの修道士さんも
天国の色だと言ってたっけ


案の定、FSの駅を降りた途端、右往左往することになりました。田舎町を走るイメージのトレノルド線のパルマの駅が、縦構造でこんなにおしゃれな駅舎だったなんて。まるでちょっとした地方の空港みたいでした。何しろ昨日は、出口に行くのに線路を渡ったものだから。


SALA DELLA VITTORIA

豪華で豊かな黄金の部屋

中には剥げかけた色薄いフレスコ画もありましたが
よく見ると、まるでギリシャ神話をモチーフにしたような
幻想的な描かれようでした

これらの部屋の対比は面白かったですが
修復部分には少々雑な部屋もあって
当時のままを再現し保存し続けるのは
ほんとに難しいのだろうと思います



Camera d'Oro

印象深い部屋でした

愛する者同士の紋章が彫刻されたテラコッタが
壁の下部一面に張りめぐらされていました

二人の愛の絆の深さを偲ばせますが
でも・・・



ハートをあしらった紋章

領主ピエール・マリア・ロッシ-サンセコンドと
ビアンカ・ペレグリーニのこの二人
実は愛人関係のようで

なんだか一気に気持ちが萎えました(笑)

ということは
このお城は二人の愛の巣ということになる
どこにもある話なんだけど


周囲の人に尋ねながら、お城までたどり着きましたが、青空に映えるトレッキアーラ城を小高い丘の上に見た時には、一人でガッツポーズ!ついに来たと、要塞ではあるものの、どこかきりりとした、それでいて可愛い貴婦人のような佇まいに見とれていました。

朝のテレビの天気予報では、この周辺は曇り空で霧が出ると言っていたので、当たらなかった予報に嬉しい気持ちでいっぱいでした。パヴィアの僧院を訪ねた時のように、霧に包まれたままではお城の魅力も半減します。晴天でほんとに良かった。たとえ愛人同士が忍び会う為のお城であったとしても^^;

【余談】

※パルマでパンツ!



お城を見た後は、パルマの町を散策しました。小さなエリアに見所は詰まっているので歩くのも楽でした。ショッピング街をキョロキョロする私の目的は、お土産を買うこと。あったー!intimissimi uomo。イタリアに来るたびに買って帰るのですが、実は男性用の下着です。夫が言うにはとても履き心地がいいのだそうで・・・


パンツ三枚買うと一枚おまけしてくれます
昨年もそうでした(^^)


パルマの名産、生ハムを買わずにパンツ・・・お店のお姉さんに話すと、あっらーいいじゃない、生ハムは履けないもの~。確かに。と言うわけで、パンツもカバンに詰めて、帰る支度をします。明日の朝、帰国です。中国経由・・・トラブルが起こりませんように。
コメント (8)
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ベルガモへ

2018年12月28日 | ベルガモ

ベルガモ・アルタのコッレオーニ礼拝堂(右)と
サンタ・マリア・マッジョーレ教会(左)
右端は洗礼堂

特にマッジョーレ教会の内部は圧巻でした
外見からは想像も付かないほど華麗です


■2018年12月27日(金)

今年の旅行は、ミラノに滞在して、周辺の町々を訪ねています。今日は、ミラノからレッジョナーレ(普通電車)に乗って1時間、ベルガモへ行きました。昨日とはうってかわってお天気になり、見事な景色を堪能してきました。コッレオーニ礼拝堂を見た時、どこか既視感があると思ったら、この礼拝堂を作った建築家ジョバンニ・アントニオ・アマデオは、パヴィアの聖堂建築にも関わっていて、成る程とこの壮麗さに納得しました。


旧市街の中心地ヴェッキア広場

11時に、鐘がなりました


ベルガモは、町の上部と下部に分かれた珍しい地形をしています。上をベルガモ・アルタ、下方の町をベルガモ・パッサといい、二つの居住区をフニコラーレやバスが結んでいます。散策するに当たって、私は駅前からバスに乗り、一気にアルタへ上がり、旧市街に入りました。坂道がダラダラ続く町なので、途中からは、バスとフニコラーレを駆使して行ったり来たり、体力温存につとめましたが、てっぺんのサン・ヴィリジオの丘へ登った時は、足はがくがくするし、頭もくらくらと。が、ここから望むベルガモの景観は素晴らしく、無理してでも上がって来て良かったと思いました。



フニコラーレに乗って上がった先にあるサン・ヴィジリオの丘



アルタ、バッサ、ヴィジリオと三カ所にフニコラーレが上り下りします

こんな可愛いケーブルカーがゆっくり動くので
ツアー客が団体でやってきたら、なが~い列が出来てしまう

そんな光景に出くわしました


とここまで書いてきて、時間切れです。今、イタリアは2018年12月28日午前九時少し前、目的地のお天気は悪そうなのだけど、これから出かけようと思います。今年のイタリア旅、最後の一日です(^^)


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霧のパヴィア修道院

2018年12月27日 | パヴィア修道院

パヴィア修道院

こんな美しい教会が拝めるはずでした

購入した絵葉書を写真に収める


■2018年12月26日(水)

旅も後半になりました。机上の予定では、この修道院へ行くついでに、パヴィアの町にも立ち寄るつもりでいましたが、さすがに疲れが出て来てスケジュールを変更しました。朝はゆっくりして、修道院のみの見学に。一人の旅ではこうして旅程を組み替えることができるので気分はとても楽です。果たして、これは正解でしたが、この場所にたどり着くのは少々やっかいでした。だって修道院がどこにもない・・・


修道院は霧に包まれて
やっと少し晴れてきたところです


行き方は後日詳しく記したいと思いますが、意外に落とし穴もあって(いや、私が勝手に落ちただけですが)、そう簡単ではなかったです。バスと列車の二通り、正確には三通りの行き方があるのですが、この時期、地方のバスはどうも不安で、バス会社の時刻表とにらめっこした末却下。電車で行くことにしました。いつも通り、トレニタリアで時刻を調べたところ、ミラノからこの修道院へ行く駅まで、フツーに時刻表が表示されて、なんだー簡単じゃないの、と安心したのでした。ところが・・・


あたり周辺誰も居ない

FSチェルトーザ・ディ・パヴィア駅

この駅に降り立ちました


と言うわけで詳細は後日


さて、一番良かったと思ったのは、修道院の見学時間です。午後一番(午後は14時半から)で開門を待って入る。午前の入場も然り。恐らく同じだろうと思います。人数が集まって、というより、開門と同時に入ってきた人たちの数が落ち着いたところで、修道士さんがすぐに案内を始めたのです。この修道院は、ファザードなど外部を見るのは自由ですが、教会の中は、修道士の案内なくては、入れません。今日は、中に入ったのは、ざっと60人ほど。実はこの人数にも驚愕することになったのですが、このお話も後日することにして、開門後10分ほどで内扉が閉められました。たった10分~15分の相違で、これ以降の見学者は、この日は内部に入るのに随分待つことになったと思います。


この場所から、右側上部に
TDLのお城のような塔が見えるはずなのに・・・


残念だったのは、ゆっくりと内部を見ることが叶わなかったこと。修道士さんの説明を受けながら、ぞろぞろと移動していき、ひと通りの見学が終わるとすぐに外に出されてしまいました。修道士さん、あちこちのドアや柵にカギも掛けました。もっとも、小さな教会の、しかも敬虔で静謐な祈りと学びの場所だから仕方のないことなのですが。


この塀をたどって行けば
あの荘厳で美しく輝くファザードが見える・・・よね
でもなにもない
何処まで行っても聖堂がない


それにしてもイタリア語はやっぱり難しい。修道士さんの説明は検定試験一級の、いやそれ以上のリスニングの試験を受けているようでした。彼の声は、よく通る、聞き取りもしやすい発音だったと思うのですが、1390年、カテリーナ・ビスコンティ$*%σξμ~ミラノを治めていたヴィスコンティ家のお墓として$*%σξμ1390年から1392年$*%σξμ~わっー遠過去だーと大嫌いな文法も思い浮かんで(笑)。いつまでたっても旅行会話でとどまっているからですよね。

聞き取れたのは、修道士さんが最後に話したセンテンス。『出口のところで、この修道院が作ったワインや蜂蜜をはじめとする各種の製品を販売しています。お帰りになるときはお立ち寄り下さいな』と・・・^^;

【余談】


チェルトーザ・ディ・パヴィア駅では
プラットフォームの移動は線路を渡る


電車から降りた時、駅舎の出口にどうやって移動するのか、地下通路もなければ上がり下がりする階段もない。呆然と立ち尽くしていたら、地元の人が、『ちょっと待ってな。すぐに分かるから』と声を掛けてくれました。成る程~乗って来た電車が去って初めて分かりました。線路を渡るのでした・・・

コメント (4)
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ベネチア2018

2018年12月26日 | ベネチア

滞在時間わずか5時間ほど
でも、今年も来られた!
なごりを惜しみながらミラノに戻りました


■2018年12月25日(火)

ミラノからイタロやフレッチャ(特急列車)のリーズナブルな早割切符を利用して、ベネチアへ行きました。例年なら、たとえ一泊でもするところなのですが、今回は日帰りです。


リアルト付近
やっぱり賑わうリエリアです
例年にも増して中国の旅行者で溢れています


それも滞在時間は5時間ほどで、時間と費用がもったいなかったなとミラノに戻ってから気付きました。でも、クリスマスの25日の過ごし方を考えたとき、ベネチアなら店も開いているだろうし、何よりも短時間でも迷路を散策するのは魅力でした。やっぱりこの町が好きなのだと思います。


サンマルコエリアから外れて
スキアヴォーニへ足を向けました


私のベネチアでのバイブル、陣内秀信さんの名著「迷宮都市ヴェネツィアを歩く」に記載されているこの町の歩き方“ルート1”から“ルート13”まで全編のエリアは、通り一遍ながら昨年で走破しましたが、まだまだ知らない場所はいっぱいで、案の定、今日は、本に載っていないカンポ(広場)に行き当たり、一軒のオステリアを発見!そこで美味しいランチを食べることが出来ました。


路地を一歩入ると途端に人通りは途絶えて



ソットポルテゴ(小さなトンネル)を覗きながら
迷路を進みます

こんな橋も渡って



何度も記していますがベネチアは光と影が交錯する町です
こんなカッレ(細い道)を行くときは
きっと光の場所に到達するのだという予感にわくわくします



やっぱり!
カンポに躍り出た!


この広場の一角に小さなオステリアを見つけました。クリスマスの25日にお店が開いている。しかも地元の人が次々に入っていき、お年寄りまでもが歓談しながら食事をする様子を窓越しに見かけるに至っては、無意識のうちに、我が身は店内に吸い込まれていきました。こんなお店は安くて美味しいのに決まってる!

果たして・・・!(^^)!



プリモに頼んだ魚介類のサラダ
ちょっとちちょっと奥さんウソでしょ~美味しいっ

しゃきしゃきの新鮮な野菜に
ほんのり温かな海老やイカやあさりが
たっぷりミストされていて甘みまで感じる


イカスミのスパゲティもどこか繊細でなんて美味!
勧めてもらったプロセッコも喉にすっと入っていきました

この店のイカスミパスタはお歯黒にならない^^;



食後にはお店からのクリスマスのプレゼントだといって
食後酒を出してくれました
こんな心遣いがほんとに嬉しい!



来店の記念に写真を撮ってもらいました


厨房から出て来る料理に興味津々でいたら、カメリエーレのお兄さんが、料理を運びながら小さな声で、「これは、カラマーリ(イカのフリット)だよ」「これはズッパ・ディ・ベルデ(野菜のスープ)」「この大きいのはロブスターだよ」等と料理名を教えてくれました。たった二皿味わっただけだけどこんなに美味しいのだもの、この店の全てのメニューを今度は走破したい。あーやっぱり宿泊すべきだった・・・

お店の名前は・・・内緒にしとこ(^^)
スキアヴォーニ辺りを歩いていたら
きっと見つけられると思います
コメント (6)
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クレモナを駆ける

2018年12月25日 | クレモナ

何かお悩みでも?
ストラディバリさん

おっkazuさん、ようこそ
ちょっと虫歯が痛んで…


コルソ・カンピからガルバルディ通りへ行くと
ストラディバリさんが住んでいた家があります
その前に置かれた銅像です



■2018年12月24日(月)

今日は、クレモナに出かけました。冬の時期、この地方の朝は霧が立ちこめて視界が悪いです。こんな日は大抵午後から晴れるのですが、シルミオーネも道中は深い霧に包まれていたし、何となく億劫になって、ダラダラしていたらホテルを出るのがすっかり遅くなってしまいました。


クレモナ駅

本日現在、駅には自動券売機はありません
窓口も、今日は
6:00~12:45
10分休憩があって窓口は閉まり
12:55~19:40
と張り紙がありました
出発駅で往復の切符を買っておくのが安心です



張り出されていた窓口の営業時間



ミラノを中心に周辺の町巡りをするといえば、聞こえはいいですが、路線はローカルだし、直行便も少なくて、道行きにはちょっとしたストレスがかかります。今朝も一便遅らせたら、二時間後の列車しかなくて出鼻をくじかれた思いでしたが、脇がこうして甘いのは、海外の一人旅行では命とりにもなりかねませんよね・・・というのは大げさですが、案の定、のんびり散策するはずが、スタート時間が遅れた為に町を疾走することになりました。帰路も二便しかないのです。


フェリーチェ・ジェロミ通りを行く
人っ子一人いない道路ですが、真っ直ぐ行くと
右手にローマ広場が現れます
ひたすらまっすぐ


それでも、町の成り立ちは少し調べていたので、駅に到着後、迷いなくジェロミニ通りから大聖堂に直結するソルフェリーノ通りへ足を向けました。人通りのないこんな寂しい道路では、知らなければ不安にもなりますが、やがて右手にローマ広場が現れると、人の往来にも出会います。前述もしていますが、イタリアはどの町もドォーモと呼ばれる聖堂を中心に放射線状に道が延びています。逆に言えば、全ての道路は、大聖堂に向かうようになっていて、地図の読めない女でも、迷えば、人の流れの多い方へ付いていけば、大抵中心地に行ける、この国ではそんなことを学びました。


クレモナ・バイオリン博物館/マルコーニ広場
月曜日休館なのに
“ようこそ!”って…

市庁舎横のジョバンニ・パルデシオ通りから
モンテヴェルディ通りへ行くとすぐ


霧が未だ流れきらず、かすんだような大聖堂と市庁舎、そしてTorazzoトラッツォと更には八角形の洗礼堂が所狭しと並ぶ広場に到着です。市庁舎の一角にあるインフォメーションで、地図をもらって、「今日は(月曜なので)、市立博物館もバイオリン博物館もお休みですよね」と、半ば挨拶代わりに声を掛けましたが、応対してくれた女性から「Aperto!開いてるわよ~」とさらりと返事がありました。うっうっウソですよー。なんといい加減なイタリア人^^;、相変わらずですね。どんなことも必ず公式サイトで確認する、これもこの国では鉄則です。


市庁舎の一角にあるインフォメーション
結構気付きにくいです
町の人に聞いても知らないと言います

駅構内に設けてくれたらいいのに



元は薬局だったらしいインフォメーション
フィレンツェのサンタ・マリア・ノベッラ薬局を思い浮かべました



晴れたので鐘楼に上がろうと思いましたが
階段が500段以上あると聞いて断念


1100年代に建てられた大聖堂と多角形の洗礼堂、そして煉瓦で造られた鐘楼としてはイタリア一の高さを誇るトラッツォは、威風堂々としてこの町の矜恃を静かに掲げていました。近くを流れるポー川は、古代から物の流通を活発化させ、この地は交通の要として中央から重んじられたろうことは想像に難くなく、更には、アントニオ・ストラディバリという希有の天才を生んだこの町の魅力は、こんな風に疾走しては分からないですよね…

【余談】


コルソ・ガルバルディ


ナターレ(クリスマス)を直前にしたクレモナの町は、午後のひとときにも関わらず、人通りがなくて、店も開いているのは、ケーキ屋さんくらいのもの。大聖堂の内部の素晴らしさに感銘を受けた余韻も、余りの寂しさにすっかり立ち消えてしまいました。この国ではクリスマスは一年で一番静寂な時間なのでしょうね。毎年のことだから分かっているつもりでしたが・・・町を足早にうろつく、時には駆ける怪しげなアジア人女性は随分目立ったことだと思います。って誰も見ていないっか…
コメント (4)
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