イタリアより

滞在日記

バーリの救世主その5.

2023年01月29日 | バーリ

鼻先を突き合わせて

ちょっとローマまで~♪

飛び乗りそうになりました^^

バーリ中央駅に止まっていた

「ETR600/フレッチャルジェント (Frecciargento)」

2022.12.21撮影

シャトルバスの運転手さんが教えてくれたバーリ駅の隅っこにある地下通路へと行きましたが、あ~やっぱりなぁ…案じた通り、階段と並行して設置されているエスカレーターは止まっていて、歩いて降りるしかありません。降りれば、当然上がらなければならないし、スーツケースに目を落としながら暗澹たる気持ちでした。しかし、ここはもう腹をくくって…ヨイショ#

バーリ中央駅にて

↑ この階段を降りて上がって…

横にはエスカレターがあるけれど

動いていなかった"(-""-)"

懸念事項がものの見事に的中したことに苦笑もしながら、大きなスーツケースを持って一段足を下ろした時、突然背後から一人の男性がこのスーツケースを抱えて下まで運び、更には地下通路を進んで上へ続く階段へも一気に駆け上がってくれたではありませんか。あれよあれよという間のことでした。

飛行機の搭乗時、計量したスーツケースの重さは15キロ。見た目ほど重量はないものの、それでも15キロのお米を担いで~となれば、私には相当な負担です。もう恐縮しながら、彼の後ろを小走りに付いて行くことになりましたが、どんなに有難かったかしれません。

バーリ中央駅地下通路

この通路もどんどん進んで…

あのまま❛お米❜を担いで一人で階段の上り下りをしていれば、腰なり肩なりどこかをきっと痛めていたに違いないのです。まるで、米つきバッタのごとく、ここでも、頭を幾度もさげてお礼をいいましたが、階段を上り切るとその彼は「Buon viaggio」(良い旅行を!)と言ってスーツケースを私に渡し、帰宅するらしい足取りで去って行きました。

イタリアに到着して早々、こうして沢山の親切を受けた訳ですが、奇しくもバーリはサンタ・クロースの眠る町。もしや、あの三人の方たちは、聖ニコラが、見るに見かねて私に使わされた「救世主」…それほど心身ともに助けられ、救われた出来事でした。(バーリの救世主・完)

※次頁では駅の北口から南口へ行く時の注意事項を…

余談

バーリ到着翌日に訪れた

壮大な外観を持つ

プーリア・ロマネスク建築の「サン・ニコラ聖堂」

2022.12.17撮影

結婚式が行われていた為に、内部をゆっくりと見学できませんでしたが、この場所こそが、あのサンタ・クロースのモデルとなった「聖ニコラ」が祀られている教会です。トルコ生まれであるために像のお顔はアジア系の褐色を帯びていますが、当地の人たちからはとても愛された実在の司教です。

古くは4世紀の話なのでどこまでが真実なのか、今も様々な論争が続いていますが、ニコラはキリスト教の信者にとっては最も尊敬に値する聖人であり、死後の人気も不動であった為、なんとイタリア人(商人とも船乗りともいわれる)が、彼の遺骸を生地から持ち帰ってきたのだそう…事の真偽はともかく、現在もこの教会は世界中から巡礼者が訪れる聖地になっています。

左:教会内入口近くにある聖ニコラ像

右:教会の斜め前に立つニコラの銅像

共に 2022.12.17撮影

右側、左手に持つ聖書の上に球(当時のお金)が乗っていますが これがサンタ・クロースの贈り物

貧しい貴族の3人姉妹を救うため、聖ニコラはこの家の窓から贈り物の金貨を投げ入れたとされる

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バーリの救世主その4.

2023年01月24日 | バーリ

アルド・モーロ広場の噴水

2022.12.25撮影

女性一人のイタリア旅行で頭を悩ますのは、いつだって宿泊先のホテル選びです。中心地や旧市街を連泊して散策するのであれば、迷いなくその周辺のホテルに決めるのですが、今回はバーリを拠点に各地の町巡りを予定しています。幾日も日帰りの列車移動が続く…そのために駅近くに宿泊するのは当然の選択だったのですが、大都市にも関わらず、「駅から徒歩数分」&「ホテルの安心度」という私個人の尺度に見合うホテルは一か所しかなく即決でした。

バーリ(南口)駅前にある

「Hotel Excelsior Bari」入口

2022.12.17撮影

このホテルへの評価はともかくも、駅に近い、という一点においては他のホテルの追随を許さない、駅を出てから徒歩1分、まさしく駅の目の前でした。

が、不安要素も一つあって、それが前述した❛事情❜でした。というのも、このホテルは、シャトルバスが発着するバーリ駅北口/アルド・モーロ広場とは反対側のエリアに位置します。その為に、大きな荷物を携えて、深夜に到着した駅の北口から南口への移動がスムースに出来るのか、きっと駅構内を❛横断❜させてもらう、ということになるとは思うものの、エスカレーターやエレベーターは利用できるのか、そもそも駅舎はこの時間帯に開いているのか等々、これらへの危惧が最後までぬぐえませんでした。

ホテルの窓から見える「バーリ中央駅」

徒歩1分

結果、夜遅い到着に加えこの❛事情❜を加味し、いや回避しようと空港からホテルまでタクシーに乗る、という思惑だった訳ですが…。

余談

ジュゼッペ・カプルッツィ通り

2022.12.17撮影

バーリ中央駅南口がある大通り「ジュゼッペ・カプルッツィ通り」(Via Giuseppe Capruzzi)の界隈は、見るからに閉店したと思われる店があって、一見すたれた雰囲気が漂っていましたが、歩いてみるとスーパー(「supermecat dok」・「supermecat SISA」)や携帯ショップ(wind tre)をはじめ、夜8時あたりから営業するバールが点在していて、朝と夜とではちょっと風情が変わります。今回、アルベロベッロとマテーラは一度訪れているので端折りましたが、これら各地に行くバスもこの通りから発着するため、バーリを拠点に各地へ日帰り旅行するなら、意外に穴場のエリアかもしれません。バーリ中央駅はプーリア州のハブ駅。北口とは打って変わって南口の駅の斬新さをみると、これからまだまだ開発されていく地域なのだろうと思います。

オープンしたばかりの「binario」

2022年にオープンした「binario」は、駅南口を出たすぐ横にあるカフェです。ガラス張りの明るいお店で、店内もとても綺麗です。モーニングやちょっとした軽食も取れます。ここで時々お水を買っていましたが、さすがにお水はスーパーで買うのが断然安い。

 

-続く-

 

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バーリの救世主その3.

2023年01月20日 | バーリ

バーリ中央駅

2022.12.25撮影

1920年代のバーリ中央駅は

馬車や路面電車も走っていたらしい

公式サイトより

バスの運転手さんは、私の後からも乗って来る乗客一人一人に同じ質問をされながらも、その都度丁寧に「駅へ行くよ、駅が終点だ」と答えています。こんな深夜の労働にもかかわらず、笑顔を絶やさない彼を感心して見ていましたが、やがて満員になるとバスは発車して、その後あっと言う間に終点の「バーリ中央駅」前/アルド・モーロ広場に着きました。

バーリ駅北口前一帯を「アルド・モーロ広場」と言います

各方面へ行くバスの発着場にもなっています

スーツケースを受け取った幾人かが、「〇〇へ行くには…」と運転手さんに聞くのですが、私もその一人です。この駅の裏側「ジュゼッペ・カプルッツィ通り」へ行く道のりを尋ねたところ、運転手さんは、「あそこから行けばいい」とジェスチャーを交えて教えてくれました。

彼が指し示す駅の端っこにある通路まで行き、何気に後ろを振り返ると、運転手さんはまだ私を見送ってくれています。そうして、そのまま行け、と言うように手の甲を上にして、合図を送ってくれました。空港で私に声を掛けてくれた男性やこの運転手さんの親切を思うと、今でも胸が熱くなりますが、深夜のこの時間、お辞儀をしてお礼の気持ちを表すのがせいいっぱいでした。

なお、空港とバーリ中央駅を結ぶシャトルバスは、「Tempesta autoservizi」の名称で運営されていますが、公式サイトのQ&Aには以下のような「質問と回答」が載っています。 シャトルバスは、飛行機や列車の遅延に関わらず、バスは時刻表通りに運行される…。

■Ma il vostro servizio è in coincidenza con i voli aerei o con l’arrivo dei treni?

No, i nostri orari non sono in coincidenza né con arrivo di voli né con arrivo di treni. Sono orari prestabiliti che vengono rispettati a prescindere da eventuali ritardi di treni o aerei.

だとしたら、最終便の出発時刻24時10分を過ぎていたにも関わらず、この運転手さんの計らいで私を含めたあのバスに乗車した旅行者は、バーリ到着初日の予定をからくも狂わせられずに済んだことになる、そう思うと運転手さんへ向けたお辞儀は更に深くなったのでした。

※シャトルバス公式サイト→「Tempesta autoservizi

なお、バーリ中央駅から空港へ行くシャトルバスの乗り場は、「バーリ中央駅を背にして右方向」のひと隅にあります。さすがにここからの出発時刻は厳正に守られていると思います。

 

-続く-

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バーリの救世主その2.

2023年01月18日 | バーリ

真冬なのに

あちこちで

ブーゲンビリアが咲き誇っていました

-ストリートビューより-

この横断歩道を渡って

一人の男性が近づいてくる…

バーリに到着時、三人の人に助けられたと記しましたが、その一人が、実はこの男性でした。空港の一階到着出口を背にして、左方向の隅っこにシャトルバスの乗り場があるのですが、男性は、私に『バスがある』ことを教えてくれたのでした。端(はなっ)からタクシーに乗るつもりだったし、24時にもなって、バスがまだ運行しているとは思いもしなかったのです。

ストリートビューより

到着出口を背にして

左方向端っこに乗り場がある

この男性は、小走りにやって来て、「早く行け、間に合うから」と教えてくれました。彼が指さすシャトルバスの乗り場を背伸びしながら見ると、確かにマイクロバスが一台止まっています。男性にお礼を言って、乗り場へ駆け出しましたが、本当にシャトルバスなのかとこの期に及んでも、まだ訝(いぶか)る疑い深い私です。

公式サイトより

切符は車内で売ってくれる

車内を覗き込むと既に20人近くの人たちが乗車していてバスの発車を待っています。念のために、バスの運転手さんにバーリ中央駅へ行くかと確かめると快く返事があり、ここに至って初めて安心できたのでした。

それにしても、あの男性が声を掛けてくれなければどうなっていたか…雨が降り始めた中、タクシーは来ず、最終便のシャトルバスもタクシーを待つ私の目の前を走って行ってしまう…今思っても身震いがしてきます。

※このシャトルバスの切符は車内で売ってくれました。一人4ユーロ(2022.12月現在)

バーリ空港からバーリの市内へ行く方法は、バス・私鉄・タクシーの3通りあります。夜遅く到着するため、当初からタクシーを利用する予定ではいたのですが、その他にもちょっとした❛事情❜がありました…その❛事情❜を回避しようとしたのに…イヤな予感はこの後、見事に的中することになります。

-続く-

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バーリの救世主その1.

2023年01月13日 | バーリ

バーリ中心街の夕暮れ

スパラノ・ダ・バーリ通りにて

2022.12.20撮影

■2022年12月16日

バーリの空港・カロル・ヴォイティワ国際空港に到着したのは、予定時刻よりもはるかに遅れ、午前12時を過ぎていました。ホテルには、こんなことも想定して「遅くなるけれど予約は取り消さないで欲しい」と連絡していたので、キャンセルされてしまう心配はなかったのですが、前述したように税関検査で足止めされ、更に余分な時間を費やしました。結果、タクシーは居なくなってしまうし、雨は降って来るし、一緒の飛行機に乗って来た人たちも三々五々、迎えの車で去って行きます。こんな時が一番心細い…

バーリ空港の到着出口前

ストリートビューより

タクシー乗り場で一人ぽつねんと車が来るのを待っていたその時、向かい側の道路から一人の男性が手招きしながら、近づいて来るではありませんか。「すわ#悪徳タクシーか」と身構えていると、男性は小走りになって更に寄って来る…

白い車体に黄色の帯が見えるのがタクシー

2015年8月/夏のストリートビューの画像なので

タクシーは沢山止まっていますが…

私の頭の中では、『タクシー代は通常なら、空港からバーリの中心部まで一律料金23ユーロ(実際は25ユーロに値上がりしていましたが)それに深夜料金を加えると…』や、『白タクなら、倍の料金を請求されて50ユーロ…』とか、『もしも、このままタクシーが来ないなら…彼の白タクでも…』『いや、そんな料金を承諾したら、味を占めて、バーリに来た日本人が犠牲になるかも…』などと、思考回路はくるくる回転して熱を帯び始めました。

-続く-

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