イタリアより

滞在日記

イタリア鉄道/自動券売機での切符購入2.

2015年02月01日 | イタリア鉄道

主要な駅の窓口では、切符を求める旅行者が列を為す

フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ駅にて


大きな駅の窓口では、いつも切符を購入する旅行者が列を為して並んでいます。そういえば、私もこの窓口で切符を買ったことがありました。もう7~8年も前のこと、当時プチ留学をしていたフィレンツェからオルヴィエートという町に一泊旅行した折のことでした。往復の切符を購入するのに必要事項をイタリア語で書き、そのメモ紙を窓口に差し出したのですが、駅員さんは、ささっと目を通して該当する切符を売ってくれました。事前に、イタリア語の語彙に間違いがないか、大家さんのクララに添削して貰って、「perfetto!(完璧)」というお墨付きを得てはいたのですが、それでもこの窓口の前に立つのは勇気がいりました。何しろ、挨拶程度のイタリア語しか話せなかったし(といっても今も同じですが)、何か質問を受けたらどうしよーと心臓がパクパクしていたことを思い出します。あれから時は流れ、イタリア語学習は遅々として進まず、身に付くのは度胸ばかりなり・・・と余談はここまでにして(^^)。

さて、以下の自動券売機の写真2枚の違うところは何でしょう。







あっ、液晶画面の絵柄が違いますよねぇ・・・(^^)


実は、上の写真の券売機は、支払いがカードと現金の両方で出来るのですが、下の写真の券売機はカード払い専用で、現金では支払いが出来ない機械です。


現金払いできるのは、上記黄色い丸印を付けたように、「ユーロ紙幣」のイラストがある券売機


数年前、ローマのテルミニ駅で自動券売機が一斉に新しくなったことがありました。その時に、前頁に書いた要領で、迷いながらも一人、セコセコ切符の購入を試みたのですが、やっと支払いの画面に来たとき、現金払い出来ない機械だったことに気が付きました。カードは飲み込まれたまま返ってこないことがあるという話を聞いていたので、現金で支払いたかったのにカード払いかぁ~と、もうがっかりでしたが、それでも気を取り直し、現金払いできる機械を捜して再度タッチパネルと格闘したのでした。そんな私を見ていた女の人が近寄ってきて、横であれこれ教えてくれたのですが、それこそが今もイタリアの券売機の周辺をうろつき、小銭をねだるジプシーでした。

今回フェッラーラの駅でも、同様の女性がそばにくっついて、横から手を伸ばしてタッチパネルを触ろうとしてきましたが、さすがにその手をさえぎる度胸だけはありました。しかし、何度断ってもやめる気配はなくて、最後は根負けしてしまいましたが、切符の料金は、ちょうどの金額を持っていたので釣り銭もなく、女性はすごすご去って行きました。駅の人は誰も注意をしないし、見ていると、中には釣り銭の一部を彼・彼女に手渡す人も居るので、今はまだ、これがイタリアなのだと割り切る他はないのでしょう。


沢山の自動券売機が並ぶローマのテルミニ駅


話が脇にそれましたが、自動券売機にはカード払い専用の機械があると認識して、現金払いしたい時は「ユーロ紙幣」の絵柄の付いた券売機を選んで下さい。最近は、ほとんどが両方使用出来るようになっていますが、上記写真のように、ずらりと並んだ機械の中には、時折カード払いしか出来ない券売機があります、というよりまるで潜ませているといった感があって、何だかここでもトラップが仕掛けられているように思えてなりません(相当の被害妄想か・笑)。イタリア鉄道はほんとに手強いです。なお、テルミニ駅では、駅のスタッフが機械の操作を手伝ってくれることがありますが、そんなスタッフは、黄色かオレンジ色のベストを身につけています。


現金払いしようとしても、お金の投入口のないカード専用券売機

カード専用機も扱いは簡単です。カードを入れた後、暗証番号を打ち込むだけ。


イタリアに行くたびに、昨年より進化しているなぁと感じ入ることも多々ありますが、この自動券売機には、やはりまだ注意が必要です。今回も一台、どうにも反応が悪くて、途中で切符の購入を諦めた機械がありました。そういえば以前、パドヴァの駅で、操作の途中、券売機が固まって動かなくなったことがありました。その時のことを思い出したのですが、入れた10ユーロはそのまま飲み込まれ、切符も出てこないままでした。今にして思えば、機械が余りにも考え込んでいるので、「戻る」をタッチしたのですが、その途端に操作が出来なくなったので、コンピュターが追加の指令を上手く処理できず、立ち往生した格好だったのだと思います。


ベネチア駅の構内にある、新設のトレニタリアのオフィス

さすがに、ここの券売機には、釣り銭をねだる人は居ない


こんな時、日本のJRなら、すぐに駅員さんがやってきて対処してくれますが、ここはイタリア~窓口には伝えに行きましたが、切符を購入する人の列に並ばなければ、駅員さんと話しも出来ないし、こんなトラブルのための専用窓口のサービスなんてこの国にはありません。悔しかったけれど、これも勉強代だと思うことにして、この時は新たに切符を購入したのでした。


進化したトレニタリアの普通列車~乗降口がバリアフリーになっていました

ボローニャ駅にて


そんなこともあったので、自動券売機を利用するときは、先ずは、反応の良い機械を選ぶ。タッチパネルを操作してみて、スルスルと動かないようなら、その機械は早々にあきらめる。他の人がささっと購入した券売機を選ぶのも手かと思います。そして機械が考えているときは、気長に待つことが大切です。途中で他の操作をすると、上記のように固まってしまうことがあります。ここはイタリア~機械も人もユルユルだと思いましょう。そして切符は余裕をもって前日にでも購入するのが一番かと思います。
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イタリア鉄道/自動券売機での切符購入1.

2015年01月26日 | イタリア鉄道

ベネチア/サンタルチア駅構内の自動券売機


■2014年12月30日(水)

この日、ベネチアからフェッラーラへ日帰り旅行をしましたが、その折のチケットを例にして、トレニタリア(イタリア鉄道)の自動券売機による切符(普通列車)の購入手順を記しておきたいと思います。イタリアへ初めて一人旅をする方の参考になれば幸いです。

1.先ず、画面下方から「言語」を選びます。下記写真の青い矢印~ここではイタリア語を選択します。


自動券売機のトップ画面

“ここで、予約の変更ができますよ~”との表示がありました

駅によって、画面に表示される文言はいろいろです(^^)


2.次の画面で、左上の「compra bigietto」(切符の購入)を押します。選択言語には赤い色が付いています。


「切符を購入する」にタッチ



注意喚起の表示


次の画面では、「スリに気を付けて」とか「情報が必要なら鉄道の担当者にご連絡を」とか「駅や列車の中では安全を遵守して行動して下さい」などの注意喚起の表示が出て来て、以下の画面に変わります。

3.到着駅(目的地)を入れます。(表示された幾つかの候補駅の中にベネチアがあるので選択)


到着駅を入れる

「Partenza」は“出発”
「Arrivo」 は“到着”


通常、券売機は設置されている駅名(ここではフェッラーラ)が出発駅として、最初から表示されています。もし、違う駅から出発したいのなら変更することも可能です。上記写真、青い矢印「CAMBIA」(変更する)を押して、出発したい駅を入れます。券売機によってはこの表示が「MODIFICA」となっているところもありますが、意味は同じ「変更する」です。又、上記の例では、到着駅が候補として上がっているので、それを選択するだけで済みますが、候補にない場合は「Altre stazione/その他の駅」を押して到着駅名を入力します。


候補に駅名がない場合は、入力画面で駅名を入れる

※上記の写真は、以前ローマからアッシジまで切符を購入した折のものです


上記のように、入力画面が出て来ますので、駅名のアルファベットを押していきます。駅名の、最初のアルファベットを2、3文字入れると、親切にも、該当しそうな駅名がずらりと表示されます。この時、例えばフィンツェの駅名を入れるのに、「Firenze」なのか「Filenze」なのか、駅名の正しいアルファベット表記は、メモでもしておくのがいいかも知れません。

4.次の画面では、これ以降乗車できる時間帯の列車が出て来ますので、乗りたい列車を選択します。


私は、レッジョナーレ・ベローチェ(RV)という快速列車を選びました(青い囲み)

16:51発→18:18着

日時を変更したい時は、前述同様「CAMBIA」で変更できます(黄色い囲み)

画面の下左の表示「ESCI/EXIT」は、“退去”ということで、ここで操作を止める意
画面の下右の表示「INDIETRO」 は、“引き返す”ということで、前のページに戻るの意


なお、イタリア鉄道では、レッジョナーレ(R)と言われる列車とレッジョナーレ・ベローチェ(RV)と呼ばれる列車が、普通電車として走っています。レッジョナーレは各駅停車ですが、レッジョナーレ・ベローチェは快速で結構早いです。短距離移動では、フレッチャ・ロッサやフレッチャ・ジェントなどの特急列車と到着時間は15~20分くらいしか違わないことがあるので、RVはリーズナブルな料金設定だと思います。さて、上記画面の列車で良ければ、「SOLUZIONI/SUCCESSIVE」(決定して、次へ)をタッチして、購入画面に進みます。

5.切符を購入します。


この列車で良いか、出発駅、到着駅及び日時を確認します

違っていれば、「INDIETRO」を押して修正


上記写真、「1CLASSE」は一等車、「2CLASSE」は二等車のことですが、うーん・・・、この列車に本当に「1CLASSE」の車両があるのかどうか・・・正直分かりません。快速といえども、この列車は普通電車になるので、これは日本のJRでも同じですが、座席指定はありません。日本の旅行者は、(私も含めて)えてして、少しでも電車内の清潔さや乗客の品を求めて、出来れば一等車を選びたいという気持ちが働くのですが、こと普通電車に限っていえば、こうして表示にはあるものの、実際乗った列車には、一等車両なんて元々付いてはなかった、ということがよくあります。そんな時、払い戻しをしてくれますが、窓口でのウダウダとした交渉を考えると、時間の無い旅行者はうっとおしい気分にもなって、つい諦めもしてしまうので、ここは、二等車を選んでおく方が賢明に思います。以前に比べると、普通列車も随分綺麗になって、乗りやすくなっています。

6.乗車人数を入れる


右端の表示で、乗る人数を入れる


再度料金を確認して、乗車人数を入れますが、上記写真赤い囲み「ADULTI」は大人、その下の黄色い囲み「RAGAZZI」は子供です。イタリア鉄道の子供料金は、4~12才が対象です。

7.この画面では、例えば、特急列車で座席指定が必要な時、入力します。


普通電車なので、座席の指定はありません

「AVANTI」を押して、先に進みます


8.切符を購入、いよいよお金を支払います。


帰りの切符が必要なら、上記の「RITORNO」を押して購入します。


いよいよお金を支払って切符を購入します。上記の画面にあるように、もし帰りの切符がいるなら、この画面で購入しますが、私はそれこそ帰りの切符を買うだけなので、今回はこのまま下方にある「ACQUISTA」(購入)を押します。タッーチ*

すると・・・なんですとーっ



語彙の乏しい者には、訳の分からんページが現れて・・・焦る


やっと購入までこぎ着けたのに、訳の分からない画面が現れて、言葉の不案内な者は大慌て、何だかトラップに掛かったような気分に陥りますが、ここは落ち着いてよく読んでみると、「DONAZIONE」 ・・・どうも「寄付」のお願いのようです。私のつたない意訳になりますが、

あなたも耳を傾けて私たちを助けて下さい
家のない人たちの(自立の為の)訓練と支援を!
少しの(援助の)お申し出が変化を起こします


ということのようです。気持ちはあるのですが、旅行者も結構な観光税を支払っているし、特に今回はユーロがとても高くて・・・、ホントにごめんなさいm(_ _)mペコペコ と頭を下げて、「NESSUNA DONAZIONE(寄付は無し)」を選択。そして、再び「ACQUISTA」(購入)をタッチします。

9.ここでは“現金”を選択します


現金か、カードかを選びます

「CONTANTI」は、現金の意味



画面に出ている通り、機械の横にある、投入口に現金を入れます



現金を入れると、機械が処理をし始めます



日本のようにスッとは出てこない・・・

裏で、ちっちゃなおじさんが、一生懸命切符を印刷しています(ウソです)


10.切符を受け取る



しばらくすると、こそっという音がして、切符が出てきます。おつりがあれば、取るのも忘れないように


なお、駅によって(機械が違えば)微妙に違いがありますが、基本は同じですので、トライしてみて下さい。説明すると、このように長くなって面倒そうですが、自販機に慣れている私たち日本人は、すぐに操作出来るようになります。次ページでは、以前この自販機相手に格闘した末の失敗談と注意事項を記したいと思います(^^)。

-続く-
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手強いイタリア鉄道

2013年12月19日 | イタリア鉄道

X'masバージョンになったイタリアの国鉄Trenitalia(トレニターリア)のWebサイト

このサイトから鉄道の切符の予約や時刻が調べられる


今年もついにイタリアに出発です。今、広島から移動して関空のホテルに居ますが、明日のフライトは午後なのでちょっとのんびり出来ます。今回の旅行に向けて、飛行機の手配をしたのが9月の半ば、それから諸々の事情が出来て、今年は行けないかもなぁ、と半ば諦め掛けました。それでも、イタリア国内の移動の為に鉄道の切符を探したり、時刻表を見たりしていましたが、このサイトで目的地への料金最安値「スーパーエコノミー」の切符を見つけた時は、思わずポチッとやってしまいました。この切符は普通料金の半分以下の値段で購入できるのですが、枚数が限られているのでサイトにUPされるや否やいつもあっという間に売り切れになってしまいます。但しキャンセルは不可。前述した私鉄のイタロの切符も早割で、取り消しや変更はできないので旅行が中止になったなら…切符はハイ紙屑です(^^;)ハハハッ


トレニターリアの高速列車「フレッチャ・ロッサ」

“赤い矢”と名付けられたこの列車は、国内の主要都市を最高速度360㎞で駆け抜ける


イタリアの国鉄といっても現在は民営化されて、トレニターリアという会社が旧国鉄時代の旅客運搬業務を引き継いでいます。国内津々浦々路線は充実していて、サービスと列車の時刻の正確さには問題はあるものの、料金もリーズナブルで個人旅行の際はとても便利です。私は時間に縛られるのがイヤで、切符は現地でその時に応じて購入していましたが、サイトで時刻を調べるたびに表示されるエコノミー料金の安さに、ついに触手が伸びたのでした。

ところが、このトレニターリアのサイトはなかなかの曲者で、私は何度「どーゆーこと?」と叫んだことか。


挿入された到着駅が正しくないと警告が…


上記は、世界遺産「パエストゥム」へ行くのに出発駅「サレルノ」から到着駅「パエストゥム」の時刻を調べようとした時のことでした。挿入した到着駅は正確ではない、間違っていると警告表示が出たのです。この駅は、南イタリア・アマルフィ海岸のはずれにある小さな駅で、どうも無人駅でもあるらしいのですが、駅名は「Paestum」(パエストゥム)で合っているはずだし、けれど何度挿入しても結果は同じでした。


警告表示にあった通り、ローカル列車の検索を試みる


しかし、ここで諦める訳にはいきません。辞書を片手に警告表示をよく読んでみると、どうも、駅名が正確でも、高速列車が停まる駅ではなくて、ローカル線の駅名を入れた場合でも警告は出る様子、更に、“全ての駅から”検索をしろみたいなことが読み取れて、もしやと思い、トップページから…「その他の列車」→「ローカル交通機関」→「地域間を走る列車」

ALTRI TRENI→Trasporto locale→Itreni per viaggiare nelle e tra le Regioni

を順次開けていき、Acquista biglietti(切符の購入)をクリックして、最初と同じように「サレルノ」発「パエストゥム」着を入れてみると…



出たー!!


ふーむ…なかなか手強いイタリア鉄道。いや奥が深いと言うべきか…などと感心していましたが、これも現地で切符を購入していたらこんな検索の仕方は知らないままだったし、これからはこの方法でローカル列車の時刻表が日本にいても調べられる、イタリアに住む方達やこのサイトを熟知している方たちからは笑われそうなことですが、私にはいい勉強になりました。

…と思っていたら、この後、更に衝撃的なことが判明したのです。んもーそれはないやろ~と再び頭を抱えることになったのでした。
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