イタリアより

滞在日記

ベネチアの幸運

2012年10月31日 | ベネチア

宿泊したホテル・ルッツィーニ

私が泊まったのは、旗が立ててある真ん中の部屋でした(*^_^*)


国内外問わず個人旅行で難しいと思うのがホテルの選択です。特に海外となれば土地勘もなく、そのホテルの評価も知る手だてが限られます。幸い今ではネットのお陰である程度の評判も知ることが出来るし、グーグルマップやグーグルアースを駆使すれば場所だってリアルに分かる。言葉は話せずともパソコンの画面をぽちっとクリックすれば予約も完了して、イタリアの個人旅行初心者の私には、なんとインターネットは有り難いことかと思います。


ルッツィーニのロビーフロア


しかしそうして素早く手配が出来ても実際のホテルのサービスや居心地は別物で、数少ない経験からでも現状とのギャップはイヤというほど知りました。例えば、4つ星ホテルで評価も良くこれならと思って予約をしても現地に入れば部屋は角部屋の三角形で荷物の置き場もない、ガラスで仕切られたシャワーブースは水が外に飛び出て、シャンプーでもしようものなら周辺は水浸し。あるいは家族経営の温かなおもてなしを謳っているのに現状はフロントに電話を入れてもずっと話し中で、6階から下に降りればスタッフはホテルの電話で友人と話し込んでいたりする…

これは、信頼がおけると判断したある個人のサイトのお勧めのホテルだったのですが、安くなるからと料金も勧められるままこのサイトを通して前払いをしただけに後味の悪さが残ってしまった一例です。これ以降、私のホテル選びは、慎重かつリサーチを要する旅の最も重要な下準備になりました。


ジュニア・スイートのあるフロア

赤い絨毯の向こう側に部屋があります


そもそも、私がホテルに求めるものは何かと言えば、決して豪華な飾り物や調度品のある大きな部屋でもなく、スタッフがあれこれと世話をしてくれるサービス満点のホテルでもありません。第一に安全なこと、第二に清潔なこと、第三に必要な時に的確な対応をしてくれること、これだけです。安全は女性の一人旅だけに最優先だし、ホテルが清潔であるということは言うまでもありません。日本では顧客満足が叫ばれて久しいですが、イタリアのホテルでこの三つを満足させようと思うとなかなか難しく、ホテルの宿泊者レビューを見ていてもそのことが良く分かります。


私が泊まったジュニア・スイート


そんな中探し当てたベネチアのホテル、ルッツィーニ。どの宿泊者の感想を読んでも評価が高く、更にベネチア在住者の感想も旅行者とは違う観点から、『日当たり良く明るく良いホテル』となっていました。何でも、ネット上の写真だけでは分からないホテルの建物自体の仕様と立地条件があるようで、ベネチアのこの特異な地形からするとその評価も妙に納得できるのでした。

さて、次に超えなければならないハードルが料金です。お金に糸目を付けなければ苦労はありませんが、そういう訳にはいきません。12月のイタリアのホテル料金は、クリスマスまでであれば恐らく年間でも最安値。私は8月当たりから、ルッツィーニのホテル料金を夜な夜なチェックしていました。すると、「ジュニア・スイートが1泊13700円/但し3泊以上」という“売り出し”が目に止まったのです。サイトは楽天トラベルでしたが、ある海外旅行専門の代理店が間に絡んでいました。素人考えですが、代理店が押さえていたルッツィーニの部屋がキャンセルにでもなって早急に穴埋めが必要だったのでしょう。代理店側は、既にホテルに料金は支払っていると思われるし、みすみす全額損をするよりも、少しでも代金の回収をしたかったのかも知れません。


部屋の書斎/ここでパソコンからブログを更新していました(^^)

左側の窓の下にはベネチア最古の広場サンタ・マリア・ファルモーザ広場が広がる


日程も合うし、私は大興奮。しかし、シーズンなら1泊5万円はする部屋がほんとに?という疑いも消えず、思い切って「間違いなくルッツィーニのジュニア・スイートなのですか」とその業者と楽天トラベルにメールを入れたのでした。後で考えれば、ちゃんとそのように表示されているのに、全く以て言わずもがななこと、間の抜けた質問でしたが、この二つの会社の担当者からほぼ同時に、間違い無くベネチアのルッツィーニのジュニア・スイートですと返事があって、やっと安心してこのホテルの6日間の予約を完了したのでした。

滞在中のこのホテルの居心地やサービスはネットで評価のあったとおり快適で、朝日に照らされるベネチア最古の広場、ホテルの目の前のサンタ・マリア・フォルモーザ広場を誰よりも先に見渡せて独り占めした気分になれたのは最高でした。「旅の印象はホテルの善し悪しで大きく変わる」、一つ又新たな教訓を得ることになりました。しかしながら、こうしたことはめったにあるものではありません。たまたま運が良かったのですが、それでも「求めよ、さらば与えられん」~安易に人に頼らず、根気強くリサーチしたことが、こうしてベネチアでの幸運を呼んだ気がするのです(*^_^*)。
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たかがジェラート・・・

2012年10月14日 | フィレンツェ

ここでもピスタッキオ!!


もう随分更新も滞っていて、帰国後一年になろうとしていますが、久しぶりに思うところを記したいと思います。さすがに記憶も薄れゆくのですが、しかしこれは私の頭に?マークが付いたことでしっかりと印象に残った出来事でした。フィレンツェのアカデミア美術館でダビデ像を見た帰り、同じ通りにジェラート屋さんがあることを思いだし寄ってみたのです。このお店はフィレンツェでも有名なジェラート屋さんで、どの観光本にも載っているし、10人が10人、口をそろえてここのジェラートはフィレンツェで一番美味しい、いやイタリアでもっとも美味なジェラートだという人もいるほどの名店…だと聞いていました。以前この町に短期の語学留学で20日ほど滞在したことがあるのですが、その時には行く機会がないままだったので、一体どんなに美味しいジェラートが食べられるのか、もうワクワクとして店内に入りました。

恐らく観光シーズンでは行列が出来て小さなお店は大混雑、注文するのもままならない状態になるのでしょうが、オフシーズンのこの時期(2011年12月)、それも夕方近くでは店内には3人ほどの先客がいるだけで、店員さんも手持ち無沙汰の様子です。私はここでも「ピスタッキオ~ペルファボーレ」とピスタチオを頼んだのですが、コーンの上にもっさりと乗せられたジェラートを一口食べて「ん?」となりました。

そもそもイタリアのジェラートは、日本のアイスクリームなどと違って脂肪分は低いものの空気の含有量が少ないために濃厚でコクがあり、又、有名店ではこだわりの食材を使っているから素材の味も生きていて風味もとても豊か、日本のジェラートとは別物です。これまで日本で食べたことのあるジェラートは、その名の通り「氷菓(ジェラートとは氷菓の意味)」の部類で、口当たりはシャーベット。私は余り好んで食べることはありませんでしたが、イタリアに来て本物の味を知ると、ジェラートが大好きになりました。さすがに最近では、日本でも本場に近いジェラートを食べさせるお店が出てきましたが、それでもイタリアの名店と呼ばれる店のジェラートの味にはまだまだ及びません。


フィレンツェの名店らしいのだけど…


そんなイタリアの有名店のジェラートなのに、一口食べた食感はざらざらで、まるで一度溶けたアイスクリームが再び凍ったよう。私の好きなピスタッチオのあの香ばしい独特の風味もない。一瞬、ソルベかグラーニータか?(日本で言うかき氷のようなイタリアの夏の食べ物)と思ったけれど、勿論そんな訳はなく、私の頭は、一口食べる度に「」マークがどんどん大きくなっていきました。濃厚でコクがあって~どころか砂を噛むような味気なさ…私の期待が大きすぎたのか、それとも私の味覚がおかしいのか「?」マークは大きくなるばかりか増えてもいきます。たかがジェラートなのですが、どうも解せなくてついに意を決して、店員さんに聞いてみることにしました。

スクージィ(すいませんが…)」「これ、ピスタッチオのジェラートですよね?」

店員さんは、こやつ何を言うか、といった憮然とした表情で頭をこくりとさせました。あーこれがフィレンツェで一番と評判のジェラートの味かぁ~。じゃやっぱり私の舌が変なのだ、もしや味覚音痴か、と愕然としたのでした。店内で食べている他の客は、特に変わった様子もなく完食して店を出て行ったしな…

でもでも、皆が口を揃えて美味しいと賞賛するこの店のジェラートだけど、ほんとに勇気がいるのだけど、イマイチ…いや、勇気を出そう、まずかっ…いや、やっぱりそんな言い方はいけないか、ハイ、私の好きなジェラートではありませんでした(^^;)


フィレンツェのグロム


フィレンツェでは沢山のジェラートを食べたけれど、私の好みはやっぱりグロム(フィレンツェでは、ドーモを背にして目の前の細い通りを入ったところにあります)。このグロム、日本の東京や大阪に進出してきて、イタリアで食べるにはさほど有り難みはなくなりましたが、でも美味しいモノはやっぱり美味しい。いやはや、たかがジェラート、されどジェラートですね(^^)
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