イタリアより

滞在日記

ベネチア2023.

2023年12月25日 | ベネチア

久しぶりに眺めるベネチアの光景

サン・マルコ広場

2023.12.24撮影

「2023年冬の旅」も残すところ、あとわずかになりました。毎年、今年が最後だとつぶやくと、『いつも同じ事を言ってるよ。次もあるってことだな』と夫は笑うのですが、もうすぐ100歳に手が届く実家の母の体調が今回はネックになりました。母の遺言は、「死に顔は見るな」なのですが、そういう訳にはいきません。いつ何時、その知らせがあるか…と言いながらこうして渡伊してきたのですが…。

ヴァポレットから

プンタ・デラ・ドガーナを望む

さて、今日は久しぶりにベネチアに行きました。トレニタリアのチケットが、期間限定で大安売りされ、余りのお得感に買ってしまったのです。その料金は基本価格の三分の一以下。おまけに車内では、お水とお菓子まで頂いて。(このチケットのお話は後日に)

指折り数えてみれば、ベネチア訪問は五年ぶりでした。今日は人もまだ少なくてヴァポレットも乗りやすかったですが、10年この地に通った経験則からすると、旅行者が一気に増えるのは27日から。いわばベネチアは嵐の前の静けさか。チャーターした水上タクシーから手を振ったり、ゴンドラに乗ってはしゃぐ中国の観光客の底抜けの明るさがやけに際立っていました。

「ヴィットリオ・エマヌエーレ二世像」にて

2023.12.24撮影

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ベネチア2018

2018年12月26日 | ベネチア

滞在時間わずか5時間ほど
でも、今年も来られた!
なごりを惜しみながらミラノに戻りました


■2018年12月25日(火)

ミラノからイタロやフレッチャ(特急列車)のリーズナブルな早割切符を利用して、ベネチアへ行きました。例年なら、たとえ一泊でもするところなのですが、今回は日帰りです。


リアルト付近
やっぱり賑わうリエリアです
例年にも増して中国の旅行者で溢れています


それも滞在時間は5時間ほどで、時間と費用がもったいなかったなとミラノに戻ってから気付きました。でも、クリスマスの25日の過ごし方を考えたとき、ベネチアなら店も開いているだろうし、何よりも短時間でも迷路を散策するのは魅力でした。やっぱりこの町が好きなのだと思います。


サンマルコエリアから外れて
スキアヴォーニへ足を向けました


私のベネチアでのバイブル、陣内秀信さんの名著「迷宮都市ヴェネツィアを歩く」に記載されているこの町の歩き方“ルート1”から“ルート13”まで全編のエリアは、通り一遍ながら昨年で走破しましたが、まだまだ知らない場所はいっぱいで、案の定、今日は、本に載っていないカンポ(広場)に行き当たり、一軒のオステリアを発見!そこで美味しいランチを食べることが出来ました。


路地を一歩入ると途端に人通りは途絶えて



ソットポルテゴ(小さなトンネル)を覗きながら
迷路を進みます

こんな橋も渡って



何度も記していますがベネチアは光と影が交錯する町です
こんなカッレ(細い道)を行くときは
きっと光の場所に到達するのだという予感にわくわくします



やっぱり!
カンポに躍り出た!


この広場の一角に小さなオステリアを見つけました。クリスマスの25日にお店が開いている。しかも地元の人が次々に入っていき、お年寄りまでもが歓談しながら食事をする様子を窓越しに見かけるに至っては、無意識のうちに、我が身は店内に吸い込まれていきました。こんなお店は安くて美味しいのに決まってる!

果たして・・・!(^^)!



プリモに頼んだ魚介類のサラダ
ちょっとちちょっと奥さんウソでしょ~美味しいっ

しゃきしゃきの新鮮な野菜に
ほんのり温かな海老やイカやあさりが
たっぷりミストされていて甘みまで感じる


イカスミのスパゲティもどこか繊細でなんて美味!
勧めてもらったプロセッコも喉にすっと入っていきました

この店のイカスミパスタはお歯黒にならない^^;



食後にはお店からのクリスマスのプレゼントだといって
食後酒を出してくれました
こんな心遣いがほんとに嬉しい!



来店の記念に写真を撮ってもらいました


厨房から出て来る料理に興味津々でいたら、カメリエーレのお兄さんが、料理を運びながら小さな声で、「これは、カラマーリ(イカのフリット)だよ」「これはズッパ・ディ・ベルデ(野菜のスープ)」「この大きいのはロブスターだよ」等と料理名を教えてくれました。たった二皿味わっただけだけどこんなに美味しいのだもの、この店の全てのメニューを今度は走破したい。あーやっぱり宿泊すべきだった・・・

お店の名前は・・・内緒にしとこ(^^)
スキアヴォーニ辺りを歩いていたら
きっと見つけられると思います
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ベネチアのサプライズその2.

2018年01月11日 | ベネチア


前庭にもテーブルが置かれ、この場所でも食事が出来ます


外から見るよりも店内は意外に広くて奥行きがありました。ちょうど小運河に面した小さな窓がある小部屋に通されましたが、そこには既に他の客も居て、ゆっくりと食事を楽しんでおられます。私の為に用意されたらしい席には、テーブルセッティングも完了していてすぐに食前酒が運ばれてきました。あー美味しい。グラスのふちに塗られた塩~いわゆるスノースタイルというのかな~これがなかなかお酒の味を深めます。


食前酒のスピリッツ・カンパーニ・・・というそうな


イタリアでは、これまでも幾度も経験していますが、一品料理の一皿はどれも量がとても多いです。大抵2~3人分をシェアして食べることを想定もしているし、そもそも欧米人と日本人の体格や食の摂取量だって大いに違う。故に量の多さは仕方がないとも思うし、今回もそれを承知の上で・・・


趣のある店内の雰囲気


それでも、ランチだし、無難なところで、このお店の名前が付いたスパゲティを注文しました。ベネチアだから新鮮な魚介類のパスタが出て来るだろうと期待したのですが、目の前に置かれたのは、ポルチーニ茸のスパゲティでした。予測はしたもののその量の多さにもうびっくりです。そしてこのきのこが放つ香りの高さにも驚きました。


店の名前が付けられたスパゲティ


ポルチーニ茸は、イタリアの松茸とも呼ばれる高級食材です。これまでもリゾットなどで口にしたことはありましたが、こんなに豊かな匂いの立つポルチーニは初めてでした。熱々にゆで上げられたスパゲティと芳香な茸、そこにすりおろしたパルミジャーノチーズを掛けたパスタの味は、塩加減もほどよく美味しかったのですが、いかんせん、量が多すぎてやっぱり食べきれない。

半分食べたところで、フォークを持つ私の手は止まってしまいました。食べ物を残すのは本意ではないけれど、作ってくれた人に申し訳ないのだけれど、これ以上はムリだなぁと迷いながらも、箸ならぬフォークを置こうとしたその時、店主が私の席までやってきて、πμξΛΜΗ#βσ~何やら早口のイタリア語で告げたかと思うと、さっと目の前のお皿を取り上げて、そのまま店の奥へ消えてしまったではありませんか。えっー!なにすんねんっ(←心の声)


意外に奥行きのある店内でした


一体何が起こったのか、私が半分しか食べないのを見て、もしかしたら気を悪くした?私はそんなことを思いながらも唖然として彼の後ろ姿を見送りましたが、落ち着いてこの店主の言葉を反芻すると、どうも「私たちのお店のポルチーニ茸は美味しいでしょ?これがないとこのスパゲティの味は半減してしまいます。ちょっと待ってね」と、そんな意味の言葉を掛けてくれたのではないかと思い至りました。

それでも半信半疑で10分ほど待ったでしょうか。果たして、口元に笑みを浮かべながらカメリエーレ(給仕さんのこと)がうやうやしく持って来てくれたのは、ポルチーニ茸が山と盛られた、新たにゆであがったスパゲティでした。私はもう呆然。そしてやっと店主の真意を理解したのでした。


新たに出されたポルチーニ茸山盛りのスパゲティ


スパゲティの余りの多さに音(ね)を上げた私は、半分食べた当たりでせめてポルチーニだけは、と丁寧に拾い上げて口に入れた結果、お皿には麺だけが残ってしまい、それを見た店主の厚意が、このお代わりのお皿だったのです。お腹はもう満腹状態でしたが、さすがにこれは残す訳にはいかなくて、勿論食べきりました。

たった一人の一見客にも、こうして目を配り、心を掛け、気遣いをする、更には自分のお店の料理に愛情を持っている彼の姿に心を打たれたのは言うまでもありません。このレストランのネットの評価にも、種々のサプライズを受けた客の感想が記載されていましたが、自分がこうして体験したことで成る程と頷けました。



でもね・・・でもね、一人分が、あー美味しかった、と完食できるこのくらいの量を最初から出してくれたなら、前菜も注文しセコンドも楽しめるのに・・・そして食べ残すという少々みっともないこともせずに済むのになとちょっと残念に思ったのは贅沢なことかしら。私を思ってのサプライズは本当に本当に嬉しかったのだけれど…

■なお、このレストランは以下です。「Antica Sacrestia」アンティーカ・サクレスティア」。サクレスティア(「聖具室」)の名からも分かる通り、教会と深い縁のあるベネチアの老舗レストランのようです。ご興味のある方は訪ねてみて下さい。
http://www.anticasacrestia.it/index.php

行き方は、確かに迷路のようですが、ベネチアは、カッレ(細い道)にも、通りの名前が出ています。道の角を見上げるとその通りの名前が書かれているので、以下を参考に歩いて下さい。最後の曲がり角では、レストランの名前が掲げられています。夜でもこの看板には灯りが付いているので、迷わずお店に到着できると思います。渡されるメニューの後ろの方のページには日本語でも記載があります。

《行き方》

①ヴァポレットは、「サンザッカッリア」で下船する
②運河を背に、右手方向の細い道「カッレ・デ・レ・ラッセ(Rasse)」(通り名の表示有り)に入る
③真っ直ぐ進むと、通り名「サリツァダ・サン・プロヴォロ(Provolo)」に突き当たる(目の前に八百屋さん)ので左折
④広場にあるホテル「Rio」を左手に、「カッレ・サクレスティア(La Sacrestia)」(表示あり)を進む
⑤写真店があるので、その角を右へ
⑥この通り名も「カッレ・サクレスティア(La Sacrestia)」といいます(表示あり)
⑦次の曲がり角の手前に「←Antica sacrestia」の小さな看板が出ている
⑧この角を左に曲がると、通り名が「カッレ・ラ・コロナ(La corona)」(表示あり)になる
⑨真っ直ぐ進む
⑩小さな橋の手前に「Antica Sacrestia」がある
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ベネチアのサプライズその1.

2018年01月08日 | ベネチア

ヴァポレットから見るサンマルコ広場周辺


■2017年12月29日

このブログを読んで下さった方から教えて頂いたレストランを訪ねた折のこと、お話に聞いた通り、とても可愛い庭を通って店内に入りましたが、事前に電話で予約をしていた為、名前を告げると店主自ら丁重に席に案内してくれました。昨夜来た時には、お店は閉まっていたので、恐らくこのレストランはクリスマス明け、今年は12月29日から年末の営業を始めたのだろうと思います。

前夜訪ねた時はお店は閉まっていました

が、前庭には灯りがともされ、夜目にも可愛い様子の庭園が浮かび上がっていました


店内も、情報通り、とても雰囲気があって素敵です。実は昨年、サンマルコ広場にあるホテルに宿泊時、この辺りを散策中に、このお店の前を通っていたことを思い出しました。小さな橋の手前に入り口はあるのですが、人一人が通れるくらいの狭い通りにこのお店があるため、レストランの名前にまでは気付きませんでした。


レストランはこんな狭い通りに面しています


今回、こうして改めて訪ねてみると、陳腐な表現ながら、隠れ家的レストランという表現がぴったりの、そんな趣のあるお店でした。こんな時、一人で入るには結構勇気がいるのですが、ここまで来て躊躇もなにもありません。いざ入店するのみ!(^^)


昨夜は閉まっていた外側のドアが開けられていました

この入り口から庭を通って店内に入ります


〈続く〉
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サンマルコ広場の荷物預け所

2018年01月02日 | ベネチア

サンマルコ大聖堂

修復も終わったようで昨年掛けられていたシートが外されていました

毎年クリスマス明けから一気に人が増えます


■2017年12月29日

年明けにもベネチアを訪れる方達は沢山おられることと思います。年末にサンマルコ広場で困っている日本の方を見ましたので、以下参考になさって下さい。

サンマルコ広場の見所は、なんと言ってもサンマルコ大聖堂の見学とドゥカーレ宮殿への入館です。毎年この場所に来るたびに、それぞれの入り口で沢山の人が列を作っている様子を目にします。特に大聖堂は無料で入れるので、その列はとても長く混雑していますが、今回、折角並んで待ったのに、いざ入り口に来た時に、持っている荷物を預けて来いと係員に言われて、その場所が分からず、結局憮然として去って行く日本の観光客を目にしました。声を掛けようとしたものの、荷物を預けても、又列に並ばないとならないし、余計なお世話かと迷っている内に、その方達はどこかに行ってしまわれました。


長い列を作る入場者

折角並んだのに・・・


この寺院では、大きな荷物を持っていては入れません。係員から、荷物を預けてくるように言われます。最後尾で注意を受ければ、すぐに対処もできるのに、入場の順番が来て、やっと入れるとなったその入り口で告げられるものだから、列を離れて荷物預け所まで行かなければならなくなるのです。もっとも、荷物に関する注意事項と預ける場所は看板が立っていて表示されているのですが、混雑しているから見落とすし、この預け所へ行く場所を示す矢印を見ても、場所が今ひとつよく理解出来ないのではないかと思います。

以下を参考にして、自分の持つ荷物が少し大きいと感じたら、さっさと預けてしまうのがベストです。どこまでの荷物が良くて、どこからの大きさが拒否されるのか、正確な大きさの基準がない、その時の係員の判断にゆだねられるのだろうと思います。ちなみに、先の日本の二人連れの旅行者は、いわゆるデイパックと呼ばれるリュックを指摘されていました。


荷物預け所のある場所へ行く道

サンマルコ寺院を正面に見て左方向へ行く

時計台の並びの建物の筋です

「LA COUPOLE 」というお店の角を入る


サンマルコ聖堂を正面に見て、左方向へ行きます。時計台の並びにある建物と建物の間の通りに入ると右手側に、荷物の預け場所があります。上記の通り、人通りが多く、細い通り道を見つけにくいですが、以下のストリートビューのキャプチャーを見ると分かりやすいです。


ここを入った通りの進行方向右手側に荷物の預け所があります

写真右半分の建物がサンマルコ寺院


入り口の係の人に聞けば、あっちだと手で方向を示してくれますが、観光客は大抵寺院の裏手に回ってしまい、結局場所を見つけられないことに。人が多く混雑しているから余計に分かりづらいです。


荷物の預け場所カウンター

料金は無料


なお、ドュカーレ宮殿の入り口にも列をなして人が並んでいますが、これは、当日切符を購入する人たちの列です。右側に、既に切符を持っている観光客、あるいはネットで「サンマルコ広場周辺の美術館共通券」を購入したバウチャーを持参した人が入場するレーンがあります。


ドゥカーレ宮殿入り口


ベネチアに到着後、この宮殿を観光予定であれば、先にチケットを買っておくか、あるいはネット予約してバウチャーを持って行くかすれば、そう待たずにすんなり入れると思います。


黄色の矢印が、現地で買った切符あるいはネット予約したバウチャー持参の人専用のレーン


余談ですが、このエリアは、リアルトと並んでスリが暗躍する場所です。彼らはプロです。油断していると一瞬でサイフやお金をすられます。くれぐれも注意して下さい。
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