イタリアより

滞在日記

ベネチアのカミングアウト

2015年08月29日 | ベネチア

ベネチアのリアルト橋

この橋のふもとで・・・



世界広しといえども、海の中に杭を打ち、その上に町を造ってしまうだなんて、こんな国は他にはありません。古代、この地域に住む人たちが、ゲルマン人の侵略を受けて逃れた先の湿地帯がこの町の原点なのですが、時は5世紀にも遡ります。沢山の戦いの歴史はこの地にも勿論あって今に至っている訳ですが、他では見られない特異な地形と唯一無二の町の風情は、ここが例え世界遺産にならずとも、世界中の人々の旅情をかき立てることだろうと思います。


町の至る所で、カーニバルの仮面が売られています
何とも怪しげな、そして魅了されるマスケラ


はい、私もその一人で、ここ数年ベネチア通いをしています。何にこんなにも惹きつけられるのか、決して住みたいとは思わないのだけれど、どうしても足が向いてしまう。元々私の故郷神戸の須磨地区も、JRの駅を出るとすぐそこは海が広がる水辺の町だったからか、幼い頃の刷り込みによって、異国の町でも水域に心が駆り立てられることになるのかもしれません。


ベネチアでも運河にクリスマスのプレゼピオが飾られていました


イタリアを旅して、いつも最終の地にベネチアを選ぶのですが、年々観光客が増えるようで、海に浮かぶこの小さな町は大丈夫なのか、などとつい思ってしまいます。自分だってその当事者の一人なのは分かっているけれど、それ程、人人人で溢れるベネチアの町…


ヴァポレットも、まるで難民船のようで^^;


そんな愛して止まないこの町で、昨年ちょっとしたトラブルに遭いました。いや、トラブルと言うには余りにもお粗末で、あのぉ、その、しどろもどろo$μσυεπΦ~実は、スリに出会いました。とまたまた、中途半端な物言いをする…スリ男さん、スリ子さん、こんにちは~ではありません、ポケットからお金をすられたのですハッキリキッパリ。ハイ、カミングアウトです。


ベネチアの町のワンコは…

andiamoとは、イタリア語で「さぁ行きましょう」の意


2014年12月28日のことでした。駅近くのホテルから、リアルトまで散策しようと、バッグも持たず身軽な格好で出かけたのですが、それが徒になったというか、ポケットに入れた30ユーロほどの現金をものの見事に持って行かれてしまいました。


頑固そう(^^)


気付いたのは、リアルトの橋のふもとにある両替所の前でした。何気にポケットに手を入れて、まさぐった時の空虚感は今も指先に蘇るのですが゛、あーやられたなぁ~と思わず口を突いて出た言葉は無念と言うよりあきらめの境地。しかし、ポケットはチャック付きで、閉めていたはずなのに、なんという鮮やかな手口…


レストラン・ブルーノで食べたクモガニのサラダは絶品でした

2012年の旅より


実は、今回は旅行前からひいていた風邪が原因で、機中で航空中耳炎に罹り、その為に抗生剤をずっと飲んでいたのですが、今から思えばその副作用せいで、頭はぼんり注意も散漫になっていたのでしょう。いや、そうじゃないって?ペルージャでカメラを落としたじゃない、ロシアではパソコンも~という声がどこかから聞こえて来そうですが、どちらにしてもホヤホヤと歩いている観光客は、格好の餌食ですよねぇ。


ブルーノで食事中、来るなっ来るなっと念じていたけれど
彼はやってきて…

仕方なくチップをあげました(-_-)



サン・マルコ広場

2本の柱の上には、獅子の彫像(右)と聖テオドーロの彫像(左)が置かれている
この柱の下では、公開処刑が為された歴史があり、地元では不吉な場所とされているらしい
ベネチアの人は通らないそうな
私はもう何度も何度もくぐったけどなぁ…


ベネチアは、イタリアの観光地の中でも比較的安全な町で、夜遅くまで人々は散策を楽しんでいます。黄色いチョッキを着けたお巡りさんも巡回していて、安心感を持ちますが、ここはやはりイタリアだということを忘れてはいけません。うっかり置いたモノは即効無くなるし、こうしてスリも暗躍しています。あのカオスのスパッカ・ナポリの町歩きでさえ、同じ格好で無事にやり過ごせたのに、まさかベネチアでスリに遭うなんて思ってもみませんでした。この時のレートで、日本円にすれば、わずか4000円ばかりの被害でしたが、それでも、この日の夕飯代だったのに、あー今頃になって腹が立ってきた。


サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会の鐘楼から対岸のサン・マルコ広場を望む


ベネチアも、決して安心できる町ではありません。特に今年はミラノで万博が開催されているために、この地に寄る観光客も多く、彼らは手ぐすね引いて待っています。リアルト付近やそこから伸びるクリソストモ通り、サン・マルコ広場は勿論のこと、時計台の下から続くメリチェリア等、道幅が狭くて混雑する場所ではゆめゆめ油断のないように。この町にだってスリはいる!
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イタリア鉄道ネット予約2015(最新版)その2.

2015年08月14日 | イタリア鉄道ネット予約最新版
7.帰り(翌日フィレンツェ→ローマ)の切符を選ぶ



次の画面では、上記の写真にもあるように、「viaggio di ritorno」(直訳すると“帰りの旅”)帰りの切符を選びます。幸いにもスーパーエコノミーの切符があるので、行きと同じように帰りもこの切符を選んで、下方にある「Continua」(続ける)をクリックして、次に進みます。

8.再度確認



行きの切符を予約した時と同様に、帰りの切符の詳細も確認します。フィレンツェからローマまで、フレッチャ・ジェント二等車、時間はいいか、日にちは10/2になっているか、二人分取れているか、さっと目を通します。ここでは、往復分の切符の内容も記されていますので、決済に進む前に再度間違いがないか確かめましょう。

9.座席指定その一



往復の切符が確定したら、ここではじめて座席指定が出来ます。画面にある「Voglio scegliere il posto」(直訳すると、“席を選びたい”)にチョンと印を付けますが、ここを飛ばすと、自動で席が割り当てられることになります。一人なら、どこでもいいし、私は余り気にしないのですが、二人なら自動で取ると席が離れてしまうこともあるので、ここは、指定した方が安心です。なお、イタリアの鉄道の席は、予約指定していても、乗車すると誰かが自分の席に座っていることが往々にしてあります。それも平然と。いい加減というか、日本とは違う国民性というか、これも“あるあるイタリア”のひとつで、こんな時は笑って許しましょう。ここは私の席だ「il mio posto」(イル ミオ ポスト)と言えば、すぐに立ってもくれるので(^^)


10.座席指定その二

上記、“席を選びたい”とした後、下方の「Continua」(続ける)をクリックすると、画面には以下のように列車の絵が表示されるので、下の座席表から好みの席を二つ、クリックして選びます。選択した席は、赤い色に変わりますが、ここで気を付けたいのが、テーブルをはさんで、4人掛けの席があるということです。4人連れならいいのですが、向かいの座席に二人他人が座ることにもなるので、これを好まないのなら、二人掛けの席を選んで下さい。以前、自動で席が用意されたとき、この4人掛けの席の一つで、周囲中国の観光客10人ばかりに囲まれたことがありました。もうそれはそれは賑やかなこと。乗車時間は2時間余り、それも一等車両だったのに、さすがに、空いている席に移動しましたが、シーズンオフで、車内は空席が多かったのは幸いでした。



下方にある「Conferma」(確実にする)をクリックして確定させたら、次は帰りのフィレンツェ→ローマの座席表が表示されるので、こちらも同様に指定します。



さて、ここで、頭を悩ませるのが列車の進行方向です。ローマもフィレンツェも、いわゆる行き止まりのターミナル駅なので、ローマを発車した列車がフィレンツェに着けば、今度は先頭車両が最後尾になって発車します。例えば、行きのフレッチャジェント・9414は、ローマを出た後、フィレンツェとベネチア・サンタ・ルチア駅、少なくとも二つの行き止まり駅に停車し、他の駅も経由して又ローマに戻ってくるのだと思いますが、行き止まり駅に着く度、先頭車両が変わるので、列車の進行方向を予測するのは難しいです。鉄道関係者か余程のマニアで無い限り、ムリっぽい。しかも、イタリアの鉄道の座席は固定されているので、日本のように席をくるりと回転することはできません。もし、逆方向の席になって、具合が悪いなら、これも空いている進行方向の席に取りあえず移動するか、周囲の人にお願いして変わって貰うか、そこは臨機応変に対処しましょう。車掌さんは、正規の切符を持っていさえすれば、席の移動を咎めることも注意をすることもまずありません。移動したその席に予約した人が乗ってくれば、「ソーリー」とでも言って元の席に戻ればいい。日本人は几帳面だし、心配性の人が多いのですが、座席ごときで気に病んでいては、この国で楽しい旅は出来ません。その時はその時のことにする~、これも私の旅の鉄則の一つです。

11.認証/切符の購入者(予約者)の情報を記入



次のページでは、決済をするために、購入者の情報を入力します。上記の写真にあるように、デフォルテ(初期設定)は、トレニタリアにユーザー登録している会員用に設定(effetuo il login)されていますので、横の、“ログインしないで続ける”(Proseguo fare il login)にチョボを入れて、画面を切り替えます。(会員になっている人は、このまま、ユーザーネームとパスワードを入力して次に進みます。次頁では、ユーザー登録した時の自分の情報が表示されます。)



ここで、少し注意をしなければならないのは、上記写真の右上、実際の画面も右上に、切符の購入を完了する為の残り時間が表示されるということです。(ここでは残り時間9分)なにしろイタリアは観光大国なので、世界中からこのサイトにアクセスがある為制限時間を設けているのだと推測するのですが、どちらにしても、慌てずとも、サクサクと決済まで進めるのが、このサイトのトラブル回避のコツでもあると思います。なお決済までの制限時間は、約10分ほど。

そしてもう一つ、これが一番大切ですが、メールアドレスは、絶対に間違えないこと。予約のバウチャー(切符)はここに入力したアドレス宛に送信されるので、受け取れなければ大変です。決済は済んだのに、メールが送られてこない、ということになります。くれぐれも受信できるアドレスを正しく入力してください。


次にこのページの下方に、決済の方法を選択する項目がありますので、通常であれば、クレジットカードを選びます。以下の写真に、“関係無し”としている項目は、トレニタリアにカード情報を登録している人、あるいは電子マネーで支払う人が選択する項目のようです。一般の旅行者には関係がありません。



上記の通り、支払いにクレジットカードを選び、左下の運送約款に同意する、に印を入れて、「Continua」をクリックすると、いよいよ最終項目、カード決済の画面に進みます。


12.カード情報を入力



このページに変わるまでに、パソコンの画面が白いまま、固まったようになることがありますが、しばらく待つと、上記の画面に切り替わります。必要事項を入力して「Contiua」をクリックすれば、購入(予約)が完了です。この後は、記入したメールアドレス宛にバウチャー(切符)が添付ファイルで送られてきますが、これ以降は昨年と変わっていないようなので、決済の仕方を含めて、詳しくは以前の「イタリア鉄道のネット予約」を参照して下さい。
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イタリア鉄道ネット予約2015(最新版)その1.

2015年08月12日 | イタリア鉄道ネット予約最新版


トレニタリアのサイト/トップページ


■2015年8月12日

今年も半年が過ぎましたが、この頃になると又イタリアへの思いがふつふつと湧いてきます。といっても、昨年の旅行記は、“イタリア”も“中欧”も頓挫をきたし、綴っておきたいことはまだまだあるのに、と何とも情けない思いでいるのも確かです。そんな中、久しぶりにトレニタリアと呼ばれるイタリア鉄道のサイトを覗いて見ると、表示が変わっていてちょっとびっくりすることになりました。

トレニタリアは、毎年6月と12月にダイヤ改正をするのですが、今回は時刻の改定のみならず、サイトの仕様を変更したようで、あっらーっと、俄然興味も湧いてきたのでした。先ほどざっと目を通してみたところ、昨年までのネット予約の仕方と根本的には同じでしたが、いかんせん、言葉の不案内な外国のサイトには、古い情報のままだと困惑することも出てくるので、最新のネット予約の仕方を記しておこうと思います。初めてイタリアへ個人旅行をする方の、少しでもお役に立てると幸いです。

なお、昨年は、一人分の切符の購入(予約)の仕方を記しましたが、今回は二人分、座席指定もすることにして、ローマからフィレンツェまでの往復切符のネット予約の仕方を以下ご紹介します。

1.上記トップページから。


デフォルテは「Tutti i treni」(全ての列車)になった

「Solo Frecce」は、特急列車だけ表示する意

  
昨年までは、このトップページのデフォルテ(初期設定)は、「LE FRECCE」(特急列車)に設定されていて、例えば、普通列車や快速に乗りたい時は、この設定を「Tutti Treni」(全ての列車)にクリックして変える必要がありました。が、今回の改定では、「Tutti i Treni」(全ての列車)が最初から表示されるようになっていて、これまでの利用者の使い勝手の悪さにやっと気が付いたようでした。やれば出来るトレニタリア!

と言う訳で、この箇所はデフォルテのままでもいいのですが、でも、ローマからフィレンツェまで特急で行くので、今回は「Solo Frecce」(特急列車だけ)をクリックしたいと思います。なお、「Tutti i Treni」をクリックすれば、普通列車や快速列車を含む、出発地から到着地までの全ての列車が出て来ます。そうそう、この普通列車に関しても、変更がありました。昨年まで、普通列車の切符はユーザー登録(トレニタリア会員)していないと、購入(予約)できませんでしたが、今回の改正で誰でもネットから買うことが出来る様になっています。但し、購入は7日前からというのは改正後も同じです。


2.日時を確定して、ローマからフィレンツェまでの往復・二人分の切符を指定する
  
ここでは、例として、行きは、10月1日・ローマからフィレンツェまで午前9時台の列車、帰りは、翌日10月2日・フィレンツェからローマまで16時台の列車(二等車)で指定します。



               ①特急列車のみ表示させる
               ②往復 にポチ!
               ③ローマ・テルミニ駅より
               ④フィレンツェ・サンタ・マリア・ノベッラ駅(までの往復)
               ⑤行きの日にちを横のカレンダーの絵柄から選ぶ
               ⑥希望の発車時刻をプルダウンメニュー▼▲から選ぶ
               ⑦帰りの日にちを横のカレンダーの絵柄から選ぶ
               ⑧希望の発車時刻をプルダウンメニュー▼▲から選ぶ
               ⑨大人の乗車人数をプルダウンメニュー▼▲から指定
                ※12歳未満の子供が同乗するときは、横の「Ragazzi」(子供)に人数を指定
               ⑩「CERCA」(上記の条件で該当する列車を捜す)をクリック
                 

3.行き(ローマ→フィレンツェ)の列車を選ぶ



上記の画面では、午前9時台の列車が出ていますが、その中で一番安い切符を選びたいと思います。ローマ・テルミニ駅発午前9:50分発フレッチャ・ジェント9414(二等車)/48ユーロです。この料金は二人分ですが、切符の種類は、スーパーエコノミーで、リーズナブルだけれど、変更もキャンセルも出来ない、更には、遅延やストがあっても補償されないので、この点を承知で選択します。

4.切符の詳細

9:50分発フレッチャ・ジェント9414を選ぶと、プルダウンメニューで切符の詳細が出ます。現在表示されているのが、その列車の最も低価格の切符なのですが、変更が出来ないと困る、というような場合は、「BASE」(基本料金)を選びます。この切符は当日窓口で買っても同じ料金なので価格へのメリットは無いのですが、現地での購入の煩わしさを思うと、ネットで買うのも良いかも知れません。



切符の詳細は・・・

・「Base」     
日時の変更回数無制限、出発の時間まで無料で出来ます。切符の変更も無料です。その時、切符の差額があればその分のみを支払います。又、払い戻し可能、ただし手数料20%必要。      

・「Economy」
日時の変更1回のみ有料で、出発の時間まで可能です。ただし、同じ種類の切符、同じ区間の電車のみに限られます。払い戻しは出来ません。

・「Super Economy」
変更もキャンセルも全く出来ません。その代わり、料金がとてもリーズナブル。

以上が、私たち外国の旅行者向けの切符になりますが、「Super Economy」より下の「Cartafreccia senior Da 60anni」は、トレニタリアでユーザー登録している60歳以上の会員向けの料金、更にその下の「Cartafreccia young Fino 26anni」は、同じく26歳までの会員向けに設定された料金になります。他の料金が売り切れになっていて、この料金で表示されている切符は会員でない私たちは購入不可で、うっかりそれに気付かず決済しようとすると、エラーが出ますので注意が必要です。

5.行きの切符の確定と座席指定

以上で、行きの切符の予約(購入)を確定させます。上記の下方にある「Contiua」(続ける)をクリックして、次は帰りの切符を予約しますが、往復の切符を購入するときは、行きと帰りの切符を取ってから、まとめて席を指定します。行きの切符を購入後、すぐには座席指定は出来ません。

6.確認

ここまでで、行きの切符の予約が出来ました。文字で説明すると、このようにとても長くなりますが、要領が分かれば、サイト内をサクサクと進めるようになります。が、しかし、ここは慎重に、途中今購入している切符が間違ってないか確かめましょう。画面の右に以下のように購入した(予約した)切符の内容が表示されるので確かめます。間違いがなければ、帰りの切符を購入します。



続く

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