イタリアより

滞在日記

アリタリア ビジネスクラス 2019/その5.

2020年07月19日 | アリタリアーイタリア航空

カターニア/ドォーモ広場にて
これからツーリングに出発する人たちが記念写真を撮影中
わたしも断りを入れて撮らせてもらいました


気を付けて行ってらっしゃ~い!


■2020年12月29日

この帰路の便に搭乗していたイタリア人のCAの一人は男性でしたが、一生懸命日本語で接客する姿に感銘を受けました。正直もう少しで旅が終わるから、あとわずかでもイタリアの雰囲気に浸っていたいのに、たどたどしいながらイタリア語も話したいのに、彼は日本語で話しかけてくる…

ニコニコとした笑顔で『ワインは赤と白、どちらがいいですか~』という彼に、『preferisco il vino bianco』と答える私。彼は必死の形相で日本語を口にするし、私も半ば意地になったけれど、はたと気が付きました。これは日本人である私への誠意なのだと。


帰路便の機内食の写真は撮っていないので
せめて…パレルモ/飛び込みで入ったオステリアにて


相手を気遣い、顧客に少しでも上質の居心地を提供しようとするこのホスピタリティは、思えば日本流の「おもてなし」。こんなサービス精神を発揮するスタッフがアリタリアにも居るんだ…。

けれど、このフライトでは次から次へと運ばれてくる料理の、そのスピートの速さと一品のボリュームに閉口しました。写真を撮るのをあきらめて、彼らのリズムに合わせ、せっせと食べることに専念しましたが、これもセコンドが終わったところで音(ね)を上げました。決して美味しくないという感想を抱かせる味ではなかったし、それなりに体裁も保ってはいたけれど、いかんせん量が多すぎる。


帰路便の機内食の写真は撮っていないので
せめて…モンレアーレ/レストランで食べた海のリゾット


後の料理はもういいと断ると、真顔になった彼は怪訝そうに、ほんとにもういいのか?と、さすがにこれはイタリア語で聞いてきましたが、プリモもセコンドも完食できなかったし、その上にデザートをもらってもきっと食べ残す。あれこれ世話を焼いてくれた彼には申し訳なかったけれど、私も本意が伝わるように、断るのは決して彼のサービスに不満があるからではないと分かってもらえるように、Ho la pancia piena 、ho finito di mangiare 、non voglio piu` niente,と語彙の乏しい私が考え付く、あらん限りの説明を並べたてたのでした。


帰路便の機内食の写真は撮っていないので
せめて…チェファルー/レストランで食べた海鮮パスタ


前述通りこの時の機内食の写真はないのだけれど、せめてこの機の名誉のために言い添えると、美味しかったーと称賛するほどの味ではなかったものの、往時のような大雑把な出来具合ではなかったです。が、さりとてメニューにある美辞麗句を連ねた機内食の紹介と、実物の落差を思えば残念ながら期待値は下がり、どうしてもCS度(顧客満足)は低くなる。


帰路便の機内食の写真は撮っていないので
せめて…チェファルー/ビールのお供にしたイカのフリット


一皿を完食できる量、そうして単純に美味しかったと思える味付けと品のある盛り付。機内はレストランではないと重々承知はするものの、巨匠シェフの力量をもってすれば、そんな機内食の企画と実現はそう難しいことではないだろうに。それでなくても、ジノリの食器が料理を引き立てるのに…かろうじて、腹に据えかねるほどの不満を抱かずに済んだのは、恐らく応対した彼のサービス精神が大いに緩和剤になっていたからだろうと思います。2019年12月29日Aℤ784/ローマから成田の便に乗務した日本語を話すイタリア人のCAさん、それ程、この男性のホスピタリティは印象に残りました。


帰路便の機内食の写真は撮っていないので
せめて…パレルモの町はずれに見つけたお店の絶品だったアランチーニ


追記
これまでアリタリアーイタリア航空は、エコノミーとプレミアム含めて何度も利用して来ましたが、今回つくづく感じたことは、その時折でサービスに差がありすぎることです。日本から直行でイタリアに入るには、あるいは、そのまま国内線に乗り継いでイタリア各地に行くには最短で、とても便利な航空会社なのに、そして更に言うならば、日本からイタリア全土に出立するには、のっけからこんなに他の航空会社との差別化が出来ているのに、チケットの購入を躊躇するのは、料金設定もさることながら、この会社の全てにわたるサービスの質に安定性がないから。前回は良かったのに、今回はがっかり~の繰り返しでは、ファンとはいえ、そのうち他社になびく。何の設備投資の必要もなく、ただ従業員の意識改革をすればいいだけなのに。せっかくの差別化を生かせないなんて、ほんとにもったいない…
-完-
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アリタリア ビジネスクラス 2019/その4.

2020年07月13日 | アリタリアーイタリア航空

世界遺産モディカ

サン・ベネデッド・ダ・ノルチャ通りから撮影した
対面のモディカ・アルタの町並み


ホテルに迎えに来てくれたタクシーに頼んで
ノルチャ通りに連れて行ってもらいました

ほんとは徒歩で上がる予定が時間切れ…
いや、体力切れでした


■2019年12月29日

往路では、こんな風に残念・無念・ガッカリ感満載の機内でしたが、そもそも私がビジネス席に期待を寄せるのは、身体を横たえることができるから。その目的は十分に果たせたので満足ではあるのですが、こうなると、フルフラットの座席だけを別売りしてほしいなぁと思います。往時の機内の様子を思い浮かべて、何やらもどかしいような、ふつふつとした気持ちを抱きながら帰国の途に就きました。


2013年の旅より/ローマ・フィウミチーノ空港に停まるアリタリア機

そうはいっても、やっぱりいいなぁアリタリア機

なんだかんだと言ってもアリタリアのファンなのです ^^)


往路と同じく日本人の女性スタッフが乗っていましたが、見るからにベテラン風のこのCAさんに声を掛けられました。何でも、どうしてもと強く乞われた客の希望を承諾したところ、当初の予定の料理が足りなくなったそうで、一人で居る気弱そうな(私のことですよ~)私に白羽の矢を立てて、その断りに来たのでした。それも、プリモとセコンドの両方で。


帰路便の機内食の写真は撮っていないので
せめて…モディカ/ファイラホテルの夕食前菜

握りずしが出てビックリ
※このお話は又後日


一体その客はどんな要望をしたのか今となっては知るすべもないけれど、どうせ食事には期待はしていないしこだわりもないので、いいですよと快諾はしたものの、もしもあの時イヤだと言ったらどうなったかしらん…と、少々慇懃無礼だったCAさんの態度を思い出しながら意地悪なことを考えました。

一人の客の無理難題を聞くと、こうして他の客にそのしわ寄せがいき、CAさんはその対処に追われる、誠にご苦労だなと思う反面、了承してくれそうな客を探して交渉をする、ここが彼らの腕の見せ所です。あのCAさんは、私の了解が取れて、小さくガッツポーズをしたに違いありません(笑)


帰路便の機内食の写真は撮っていないので
せめて…モディカ/ファイラホテルの温かなクリームスープ


余談
2020年7月、コロナ禍はなかなか静まりそうもなく…実は、手元に今年のお正月明け早々、ポチっとしてしまったイタリア行きのチケットがあります。いつも通り出発は年末なので、その頃にはこの騒ぎにも一段落が付いているだろうと、当初は楽観視していました。夏になれば、ウイルスは消滅するという専門家もいて、一縷の望みを託していましたが、季節が変わっても首都東京の新たな感染者が再び100人、いや200人をも超える日が続き、この新型コロナウイルスの脅威を改めて痛感します。夏になってもこれだけの感染力を保つ…ましてや冬になれば…ですよね…

-続く-
コメント (8)
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アリタリア ビジネスクラス 2019/その3.

2020年07月07日 | アリタリアーイタリア航空

パレルモ/サン・ジョヴァンニ・デッリ・エレミティ教会の赤いクーポラ

教会の庭から撮りました

教会の開く時間は以下
月曜ー土曜日9:00~18:30
日曜日・祭日9:00~13:00
※2019年12月現在


■2019年12月20日

旅行の楽しみ方は、人それぞれですが、わたしにとっては、機内ステイもその一つです。映画を観たり、本を読んだり、これから行く先の行程や景色を思い描いたり、座したままながら、こんな非日常は、ワクワクします。何よりも飛行機に搭乗した瞬間から、もうそこは異国ですもんね。

友人の一人は、海外旅行の、あの移動時間が苦痛だといいますが、わたしは長時間のフライトもさして気にはなりません。特に今回は、機内食にも少なからずの期待を抱いて楽しみでした。何しろ巨匠シェフがプロデュースしたらしい、本格イタリアンのフルコースが提供されるのだもの…



もう半年前になる、忘れかけ始めた記憶をたどりながら、上記は、確か、アンティパストの、ポレンタとマッシュルームのトマト・バジルソース添え~みたいな。キノコが頭突きしてる。うーん…これが米国の旅行雑誌「グローバル・トラベラー」・読者調査で、最優秀機内食!と愛でられた味…それも9年連続で…うーん…うーん…



次に出された、これはプリモのパスタです。何とかなんとかのリガトーニ・バスタ、ナッツのソースがけ…。イタリアが誇る名窯(めいよう)リチャート゛・ジノリの白いお皿に、無造作にどさっと盛られたパスタです。湯がき加減は、イタリア人がこだわるアルデンテ…あまりの迫力に目が点になり、そうしてその口当たりというか食感にこんなのアルデンテ?とあらぬツッコミが口をついて出てしまった…

そもそも、麺類は同じ味が(当たり前だけど)ずっとずっと続くのに、ほのかなナッツの香りは感じるものの、小麦粉を練った塊だけのようなリガトーニをソースが乾いてしまったカピカピのまま口に入れ続けるのはちょっと辛い…いや、はっきりきっぱり言おう…マズイ…。



続いて出てきたのはセコンドですが、雑な盛り合わせを目の当たりにして気分はすっかり萎えてしまいました。この肉料理は豚肉のメダリオンステーキと銘打たれ、芯の残るローストポテトと火を入れ過ぎたフダン草のソテー突合せ、じゃなかった付け合わせ。この付け合わせは、塩とオリーブオイルで頂くシンプルなイタリア・家庭料理の副菜なのだれど、国内の有名なグルメ雑誌「ガンベロ・ロッソ」が監修したメニューだというのに芸がなさすぎる。そうしてこのお肉、ふゃっと柔らかいだけで味がない…フツーにデミグラスソースのかかったハンバーグでよかったのに…。


朝食メニユー
フォカッチャと生ハム&セロリとドライイチジクのサラダ添え…

フォカッチャ、ちんして下さい


ちなみに、メニューの紹介には、『ピエモンテ州の山々からトレンティーノ・アディジェ州のアルプスまで、ミラノの伝統の料理や海に豊かな州を通り、今回ご提供するお食事は、イタリアの秋のマジックを語ります。季節の食材や本物の味を使用し、全てにクリエイティブなタッチを加えました…。イタリア人のパッション、心遣い、純イタリア食材がすべてのメニューに入っています』…とありました…。

余談
時々チェックする在イタリア日本国大使館のホームページですが、新たな情報が上がっていました。
2020年7月2日現在です。
在イタリア・日本国大使館
日本発イタリア行き経路に関する情報-2020.7.2-

簡単に言えば、イタリア政府・保健省によれば、イタリアに日本から出かける旅行者(ビジネス・観光目的いずれも)に対して、規制はなくなったものの、二週間の自己隔離と健康観察は継続される訳で、やっぱり、そうおいそれとは渡航できない…ということになりますね…
-続く-
コメント (2)
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