イタリアより

滞在日記

フィレンツェのダビデ

2012年04月08日 | フィレンツェ

フィレンツェの花のドォーモ/サンタ・マリア・デル・大聖堂

この旅行は、2011年12月17日に関空を出発して、同29日に帰国するスケジュールですが、行程はローマ→アッシジ→フィレンツェ→イモラ→ベネチアで、最終の目的地はベネチアです。ベネチアは昨年一週間滞在しているのですが一年経って再び行きたくなりました(^^)。ベネチアに行く途上にローマもフィレンツェもあるので通りすぎるにはやはり口おしくて…

という訳で、フィレンツェには、アッシジから移動してきて12月21日の午後3時頃にホテルにチェックインしました。フィレンツェではアカデミア美術館に行くつもりをしていたので、ホテルに荷物を投げ込んですぐに出掛けましたが、少し寄り道をして中央市場のあたりもウロウロと散策です。アッシジの静けさからいきなり雑踏に飛び込んだ格好でしたが、なんとフィレンツェはにぎやかで、かつ相変わらず、あちこちにゴミも散乱していることでしょう。ワンコのウンチも踏みそうになり、これでは花のフィレンツェが泣くでーと心がつぶやきます。


中央市場に行く途中のサンロレンツォの市

この界隈は、靴やバッグなど革製品を初め、洋服や陶器やその他雑貨etc、それはもう節操なく何でも有りの露天商がひしめき合っています。元々、都会の喧噪が嫌いでない私には、水を得た魚~というまでには至りませんが、心がウキウキしてくるのは止めようがありませんでした。いやぁアッシジとの凄い落差…(^^)


アカデミア美術館/この人達の後ろに並ぶ私(*^_^*)

前述していますが、美術館は予約も取ってなくて実に行き当たりバッタリ。それでもオフシーズンの午後のこの時間帯、思った通り、人も少なくて、ちょうど待っている人の列が途切れたところに並ぶことが出来て、10分ほどの待ち時間で入館が出来ました。この美術館で見るべきは、何と言ってもダビデ像。そう、レオナルド・ダ・ビンチが、肉々していて、でくの坊だと言ったあの彫刻です。


アカデミア美術館にあるダビデ像/wikipediaより

もっとも、ミケランジェロの名誉のために、ダ・ビンチが言った本当の言葉は…

ああ、解剖学的な画家よ
気をつけ給え
きみが裸体の感情のすべてを表現しようとして
骨や腱や筋肉を強調しすぎて
でくのぼうの画家とならぬように…


まっ私の脚色と似たようなものか~^^;このフィレンツェで、ダ・ビンチとミケランジェロが同時に居たのは、1500年代のはじめ、わずか4年~5年のようでしたが、後世共に比類なき天才と賞される二人がこの町で互いを酷評し合っていたというから、何とも子供っぽくて妙に親しみが湧いてくるから不思議です。

このダビデ像は、高さが6メートルもあって、美術館の中で見るとその大きさにそれはもう圧倒されます。もっとも、当初は人々を鼓舞する目的で、ヴェッキオ宮殿か教会の正面の壁際あたりに高い台座を以て立てられる予定だったようで、それ故に、正面下方からこの像を見上げたときに均整の取れた肉体に映るように、敢えてミケランジェロは上半身を大きく作ったのだとか。


本来の位置に置かれたレプリカ

そう言われれば、今、目の前に立つダビデは、やけに頭部が大きくて、手の部分もでっかくバランスが悪い気がするし、写真の黄色い矢印の像の後ろには、イスがしつらえてあってそれに雀のように皆が座ってダビデを見ているのですが、後ろ姿も全体の調和を欠いてなんとなく不細工…。そっか~それならば、シニョーリア広場に立つレプリカの方が、本来の位置に置かれよほどミケランジェロの思惑通りのバランスで人々の目に映る、ということになる。いや、ミケランジェロが計算した高さを考えれば、ミケランジェロ広場にある、やはり銅製のレプリカも参考にしなければ、フィレンツェのダビデは真には理解できないということなのかも知れません。


ミケランジェロ広場にあるダビデ像のレプリカ

それにしても、破損や劣化は防げるものの、作者のに反して、決して大きいとは言えないホールのど真ん中に立たされたダビデ像、素人からも頭が大きいとかバランスが悪いとか言われては、ミケランジェロは誠に以て立つ瀬がない、誇り高き天才は、さぞかし悔しく、はらわたが煮えくりかえる思いで天上から私達を見下ろしていることでしょう^^;。
コメント (12)
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