イタリアより

滞在日記

怪物公園への行き方その6./2017冬

2018年02月17日 | ローマの怪物公園

「L´ORCO」(人食い鬼)


園内、前述したとおり、おどろおどろしい石の彫刻が点在していますが、なんと言っても有名なのが「人食い鬼」のモニュメントです。以前日本でも飲料水のテレビCMに使われました。『喉が渇いたら~♪』と広告の飲料水をこの人食い鬼の口に流し込むパフォーマンスだったと記憶しています。

実は「L´ORCO」というのは、ギリシャ神話に出てくるハーデスやプルートンに倣(なら)った冥界の神オルクスのことをいいます。古代ローマ神話の死の神に由来する地獄の王・・・

恐ろしい叫び声をあげる石と化した男の巨大な頭は地上から突出し、目玉のない空虚な黒い目はこの場に立つ者を絶望の淵へ誘(いざな)う~その異様さはまさしく人を喰らう鬼と呼ばれるにふさわしい。あー怖いですよねぇ。夢にまで出て来そうです。



この場所でたまたま一緒になったイタリア人の観光客と記念写真の撮り合いをしましたが、“ここが地獄の入り口だとお前は気付かねばならない”と言われてしまえば、座して笑っている場合ではありません。なんと恐ろしい。更には、彼の唇に書かれた言葉は、上記の写真、朱で上書きされている「OGNI PENSIERO VOLA」!。“ありとあらゆる思考・観念は飛び去る”。あっらーこっちも意味深長で、一層恐怖を駆り立てられます。

このフレーズはダンテ・アリギエーリが著した「神曲」“地獄の門”に記された「lasciate ogni speranza o voi che entrate=この門をくぐる者は一切の希望を置いていけ」のオマージュであることは明らかで、そうと知れば、大急ぎで腰を上げここから立ち去らなければなりません。だって、これからローマまで長い帰路をたどらなければならないのに、希望も思考回路も絶たれてはそりゃもう大変です。

と前置きがまたまた長くなりましたが、“帰り道”にちょっと触れておこうと思います。帰路は、先ずは単純に来た道を薬屋さんまで歩いて行けばいいのですが、そこからのバスは、来た行程を元に戻る道のりを私は選びました。前述の時刻表にあるように18時10分のバスでオルテ駅までUターンしましたが、以下のように、16時40分発ビテルボ行きのバスもあります。



実は、ボマルッツォへ行くもう一つの行程が、このビテルボ経由です。ローマ市内の鉄道駅から、ボマルッツォのバス停「カヴール通り」に行くバスが出る「Viterbo Porta Fiorentina」駅まで行き、そこからコトラルのバスに乗って、カヴール通りへという道のりになるのですが、この冬の時期は「フィオレンティーナ駅」までの列車の直通はなく、オルテ駅へ行く倍の時間がかかります。当初、ビテルボ経由で怪物公園へ行き、その途上にあるランテ荘へ寄ろうと計画をしていたのですが、こういう訳で断念することになりました。

話を元に戻すと、帰路も然りで、ビテルボまで行くのはいいのですが、そこからローマ・テルミニ駅までの直通電車がない。恐らく、近隣駅まで代替バスで移動して、その駅からテルミニを含むローマ市内の駅までという行程になるのだろうと思います。シーズンになれば、あるいは学校が始まれば、電車の便も増えるし、数は少ないながら直通列車も走るはずですが、いずれにしても冬の時期は交通機関の接続がやっかいです。


日が落ちるとめっきり寂しくなるバス停前


そして、もう一つ注意したいのは、ボマルッツォの町のバールです。考えると当たり前なのですが、夕方の営業時間は16時30分から。青空のもと、公園内をゆっくりと見て回り、ボマルッツォの古い町並をのんびり散策出来たのは良かったのですが、それをしてもなお、18時10分発のバスの待ち時間は結構ありました。近くのバールが営業するまでの時間つぶしに少々困ったので、この辺りの時間配分には注意が必要です。

どこへ行くにも、クリスマス前後の交通機関は不便です。移動する時はどこかに何かしらのしわ寄せが来る。今回もその典型でしたが、なにものにもとらわれず、ゆったりとした一日を過ごせたのは、毎年のことながらオフシーズンならではでした。
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怪物公園への行き方その5./2017冬

2018年02月12日 | ローマの怪物公園

「Pierelli TORO」と記された石のモニュメント

恐らくボマルッツォにゆかりのある近代彫刻家ピエレッリさんが制作した作品…

右側の坂道を降りて来た


ここまで来るともう少し。坂道、それも下りだし、少々張り切っているので公園までの足取りは軽いのですが、帰る時は当然その逆で上りになり・・・、いやいや今は考えまい^^;


上記のモニュメントを背にして最後の坂を降りる


この石のモニュメントを通り過ぎ、進行方向・右手側に更に降りて行きます。降りきった道路は、自動車利用の来訪者と合流する車道のラヴァトイオ通りになりますが、その先の分かれ道が最後の行程です。


降りた先は車道のラヴァトイオ通り/進行方向左側へ行く



正面に分かれ道がありますが、右側へ行きます


いよいよ「SacroBoscoサクロ・ボスコ」聖なる森・通称怪物公園への入り口にたどり着く、最後の道路になります。正面右方向へ行きますが、分かれ道に「al parco」(公園へ)という小さな表示が出ているので、迷うことはありません。


振り返るとボマルツォの町が見えます

帰りは勿論この道を逆に辿ります


更にだらだらと山道を降りて行きますが、一本道なのでここも迷うことはありません。暫くすると右手に公園の入り口が現れますが、受付に行くには、もう少し、いやまだまだ歩きます。脅す訳ではありませんが、やっぱり遠いです。


公園の入り口

上記写真の入り口を右に行くと門があって公園のエリアに入りますが、受付のある建物に行くにはもう少し歩きます。


公園内・受付の建物までもう少し歩きます


帰りのことを思うと、ミニバスでも走らせてくれればいいのに・・・とブツブツ文句を言いながら歩いて行きましたが、そういえば長い間、ここに来たかったのだと思うと、ついにたどり着いたと感無量でもありました。が、忘れてはいけないのは、公園内まだまだ歩いて散策しなければならないし、帰路もある、ここで気を抜くわけにはいかないのですよねぇ。


園内坂道を降りきった所に受付の建物が見えてきます



建物・一番奥が受付所になります



入場料は10ユーロ/2017年12月22日現在


聖なる森へようこそ!

-続く-


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怪物公園への行き方その4./2017冬

2018年02月08日 | ローマの怪物公園

薬局前がバス停/名称カヴール通り(via cavour)

薬局名:Farmacia Franceschini

イタリア語で薬局は、「FARMACIA」(ファルマチーア)といいます

バスは、上記写真右側からやって来て、左方向へ行きますが、帰りのバスもここから乗ります。
このバスはどうもオルテ駅間をぐるりと循環している様子で、帰路のバスも同じ方向から来ます。


オルテ駅から約35~40分で、怪物公園に行く最寄りのバス停「via cavour」に着きました。このバス停は、薬局の前にあって、薬局の正面窓ガラスに時刻表も貼られていましす。確認はしていませんが、バスの切符もこの薬局で買えそうな気がします。念のため、薬局で公園までの行き方を聞きましたが、ストリートビューで調べていたとおりの道順でひとまず安心したのでした。


バスを降りたら正面の町へ行く方向へ降りて行く


さて、いよいよここから公園まで歩いて行きます。薬局前はロータリーになっていますので、ほぼ正面になる、町まで通じる道を下方へ進みます。ストリートビューをキャプチャーすると以下になりますが、町方向へ行く道はひとつだし、表示もあるのですぐに分かります。


黄色の矢印/バスがやってくる
赤色の矢印/公園まで行く方向


上記赤い矢印の方向へ行きます。下り坂になっていますが、一本道なので心配せず歩いて下さい。ずっとずっと歩いて行きます。この日は寒かったですが、お天気が良かったので遠い道のりでも気分は随分楽でした。


こんな坂道が続きます


しばらくだらだらと坂道を降りて行きますが、降りきった辺りで分かれ道があります。表示にも出ていますが、右へは駐車場方向になり、車利用の来訪者は、右へ。徒歩で公園へ行く者は左へ進みます。坂道がまだ続きますが、この方向にはオルシーニ城があって、時間があれば見学できます。但し、開いているのは2017年12月現在土・日のみで、以下が見学出来る時間帯です。

・土曜日:15:30-19:00
・日曜日:10:00-13:00
     14:30-18:00



ストリートビューより/左方向へ

右に行くと駐車場があって、その先は山道が続き、途中で左折
やがては公園へ行くラヴァトイオ通りに出ますが、徒歩だととんでもなく遠回りです。



もう少し坂道を上がっていきます


突き当たりにはオルシーニ城がありますが、その手前にある駐車場を左手正面に見て下方へ降りて行きます。公園へ徒歩で行く、いわば近道です。


正面には、この町の領主だったオルシーニ候のお城がそびえています



ストリートビューのキャプチャーで見るバス停との位置関係



石畳の道をずっと降りて行きます



黄色の四角のあたりに石のモニュメントがあり、その先を右へ降りて行く



ひとつの目安となる石のモニュメント


このモニュメントがひとつの目安になりますが、このモニュメントの先を右手に降りて行くと、ラヴァトイオ通りに出ます。車で来た場合は、先の二股道を右方向へ進むとこの場所にたどり着くことになります。石造りの住宅街を、まるで崖を降りるがごとく近道をしてきたことが分かります。

さて、いよいよ最後の分かれ道です。もう一踏ん張りして下さい。
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怪物公園への行き方その3./2017冬

2018年02月07日 | ローマの怪物公園

鉄道の「オルテ駅」


バスは、上記の写真、駅を出た真ん前に停まります。切符は駅構内で往復分を購入して乗車しました。バスの行き先は「ヴィテルボ」。ボマルッツォではありません。念のため、運転手さんに「怪物公園に行きますが、“カヴール通り”に停まりますか」と聞いておきました。運転手さんは、結構乗客のことを見ていて、こうして声を掛けておくと、万が一降り損ないそうになった時には教えてくれるのです。周辺の人も親切に気を配ってくれます。私の旅の鉄則「乗り物に乗った時は必ず誰かにひと声掛ける」


オルテ駅前からヴィテルボ行きのバスに乗ります


そうそう車内の刻印機が壊れていたので、運転手さんに刻印を手書きしてもらいました。こうして刻印出来ないときは、そのままにせず必ず自己申告して下さい。田舎のバスでも突然検札員が乗ってくることがあります。その時刻印していなければ、有無を言わさず罰金をとられます。こんな時、運転手さんは知らん顔、助けてくれません。とても厳しいです。



話が前後しますが、コトラル社のバス時刻の検索の仕方は以下です。必ず直前にチェックして下さい。

HPをクリック




①「orari」(時刻表)をクリックする






②「cerca comune」(町を探す)をクリックする




③「comune」に「orte」を入れる





④「orte」を入れて、横の「cerca」(探す)をクリックする



帰りも、同様に町の名前に「Bomarzo」を入れて時刻表をダウンロードします。


帰りの時刻表

なお上記赤線は当時刻表の有効期間、現時点で2018年1月29日~2月25日有効

Partenza da:via Cavour ・・・ 「カヴール通り」から出発  
Arrivo a: Orte-Staz.FS(Orte Scalo)・・・「鉄道のオルテ駅」へ到着


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怪物公園への行き方その2./2017冬

2018年02月06日 | ローマの怪物公園

鉄道のオルテ駅


ここへ行く為の交通機関をボマルツォの当の公園に問い合わせた時、「オルテ・スカーロ」からコトラル社のバスに乗って下さい」と返事がありました。オルテ・スカーロ?「SCALO」とは、どうも“駅”のことらしい・・・と見当を付けて、バス会社のホームページで調べました。


コトラル社のホームページより/時刻表



コトラル社ホームページ


すると、オルテ駅から午前中は4便のバスが出ています。次に帰りのバスの時刻を調べましたが、午後は3便あるものの、最終のバスは論外で、せめて18時のバスには乗りたい・・・とアバウトに計画を立てて臨みました。ここまで分かれば、あとはもう現地対応です。なんとかなる!


帰りのバスの時刻


逆算して、今度は、このバスに乗るための鉄道の時刻を調べます。トレニタリアから検索を掛け、テルミニ駅からオルテ駅まで、列車の遅延も加味して、件のテルミニ駅9時発の列車を選んだわけですが、オルテには予定通り到着して時間的には余裕がありました。10時40分発のバスは、駅前に停まるはず。念のため、バスの切符を購入した駅構内にあるバールでも聞きましたが、停車位置は“駅前”で合っているようです。小さな駅なので、“駅前”は、まさしく駅の真ん前です。


駅構内のバール


このお店でお茶を飲みながら時間をつぶしましたが、果たしてバスは、発車時刻5分前には駅前に着いて、私をホッとさせました。バールでは、ボマルッツォまで往復2枚の切符を購入しましたが、バスの乗客は私以外にも数人いて、勿論知らない人たちでしたが、どうも目的地は同じようなので、さすがに心丈夫になりました。


駅構内のバールで往復の切符を買う/片道1.3ユーロ/2017年12月22日現在

このバールの営業時間は

通常5:30-21:30
日曜6:30-20:30
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